1979-03-07 第87回国会 衆議院 本会議 第12号
円高の国内的原因である低賃金、低福祉型構造の抜本的転換もされないまま、日本経済の危機はますます深刻さを増しています。こうした中で、大企業は最高の利益を上げる一方で、中小企業は連続四十ヵ月以上も一千件を超える倒産が続いています。とりわけ雇用、失業問題は深刻さを増しています。
円高の国内的原因である低賃金、低福祉型構造の抜本的転換もされないまま、日本経済の危機はますます深刻さを増しています。こうした中で、大企業は最高の利益を上げる一方で、中小企業は連続四十ヵ月以上も一千件を超える倒産が続いています。とりわけ雇用、失業問題は深刻さを増しています。
しかし、国内的原因は、わが国の上位五十社が輸出のほとんど五〇%を占めるに至り、しかも大企業の国際競争力が際立って強く、そこから大幅な対米黒字が生じているのであります。その競争力の重要な条件として、日本の労働者の低賃金があることはすでに有名であります。わが国の労働者の賃金は、製造業で一時間当たりアメリカの半分、西ドイツの三分の二にすぎません。
それから、同じようにセメントにつきましても、これは全く国内的原因と申しますか、国内の需要が非常に急激に高まって、政府需要、民間需要を通じて需要が非常に強くなったために供給力をオーバーして、価格が上昇したということだと思います。
この原因は、先ほど申し上げましたように、世界的な景気の後退といつたようなこと、またスターリング地域その他におきます輸入の制限措置が相当強化されたこと、また、これははなはだ遺憾なことでありますが、国内的原因といたしまして、プラントものの価格が国際的に非常に割高であつたといつた事態、及び各国の輸出競争、特にプラントにつきましての輸出競争が非常にはげしくなつたということがおもなる原因と思うのであります。
今までの金詰まりはあらゆる意味において国内的原因でありますから、ある程度の対策も立ち得るわけであります。もちろん今だつて立ちますけれども、問題は世界景気が中だるみに入つて、その余波を受けて日本経済が中だるみになり、金詰まりになつておるわけであります。事情は世界経済の変化に求めなければならぬわけであります。これは解決はなかなか容易のことじやないと思うのであります。