1952-12-15 第15回国会 参議院 本会議 第11号
実際に休廃や操業短縮にまで立至らなくとも、高品位鉱石の抜掘りにより、金山全体の寿命が著しく短縮されていると伝えられておりまするが、抜掘りによる鉱山への影響を具体的にお示しを願いたい。かような状態で推移いたしました場合の我が国産金並びに産金業に対する見通し、これらの事態が如何なる原因に基くものであるか。かかる好ましからないところの事態の招来に対して、事態回避のため、如何なる対策を講じて来たか。
実際に休廃や操業短縮にまで立至らなくとも、高品位鉱石の抜掘りにより、金山全体の寿命が著しく短縮されていると伝えられておりまするが、抜掘りによる鉱山への影響を具体的にお示しを願いたい。かような状態で推移いたしました場合の我が国産金並びに産金業に対する見通し、これらの事態が如何なる原因に基くものであるか。かかる好ましからないところの事態の招来に対して、事態回避のため、如何なる対策を講じて来たか。
なお金山は高品位鉱石の抜掘りをしておるということの御指摘がございましたが、終戦前では大体トン当り五グラムのものが、最近では七グラム、極く最近では七グラム、極く最近になりますと、十一グラムくらいでないと引合わないというようなことに相成つておりまするので、将来の金資源対策上非常に問題を起しておるのみならず、本年に入りましてからは金鉱山の休廃するものすら現われておる実情でございます。
かような意味合いから申しまして、今回の我々の視察目的が非常な苦境に陷つている金山の実態調査にあつたので、必ずしも理想的な視察箇所であつたかどうかは疑問でありまするが、かような代表的な金山においても、いわゆる高品位鉱石の抜掘りによりまして辛うじて経営が維持されておること、そこに問題があるのでございます。
更に高品位鉱石の拔掘りは戦前はトン当り四・九グラムのものでありましたが、二十四年頃には六グラム前後の品位で採算がとれましたのが、現在は十五グラム前後でなければ、現在の條件では採算が合わないというような状態にあります。すでに半数の金山は休廃止が不可否でありまして、残りの金山の十中の八、九も今後数年を待たないで閉山の止むなきに至るものと予想されます。