1990-05-29 第118回国会 衆議院 内閣委員会 第7号
アメリカはどういう戦略を持っているかといえば、御承知のとおり同時多発戦略というものを持っていて、欧州で米ソ戦争が起こる、中近東で米ソ戦争が起きる、そういう場合には、その地域以外のところでソ連の弱いところに向かって戦端を開いていくんだという戦略を持っているのでしょう。
アメリカはどういう戦略を持っているかといえば、御承知のとおり同時多発戦略というものを持っていて、欧州で米ソ戦争が起こる、中近東で米ソ戦争が起きる、そういう場合には、その地域以外のところでソ連の弱いところに向かって戦端を開いていくんだという戦略を持っているのでしょう。
米国について見れば、レーガン政権はソ連に対抗して同時多発戦略、柔軟作戦、競争戦略といった一連の構想を打ち出してきました。事実、アジア地域においてもオホーツク海への米艦の進出、三沢基地へのF16配備、中国への寄港、タイへの事前集積構想などの動きが見られます。これは新封じ込め政策、ネオ・コンテーンメント・ポリシーとでも言うべき力の政策であります。
これからの問題は、もうはっきりしていますように、さっきも申し上げた柔軟戦略、同時多発戦略、ホリゾンタルエスカレーション戦略ということで、この大きな海空域にアメリカの戦略が大きく広がってきた。そして、レーガンが初めて大統領になって出しました八三年度国防計画にそのことがはっきり出ている。
実は、八三会計年度、アメリカの国防報告から顔を出した同時多発戦略、これはイギリスの戦略研究所が出している「八一年−八二年戦略概観」によれば、ホリゾンタルエスカレーション戦略という言葉に置きかえているわけですけれども、これがずっと今日まで主流というか主な考え方になってアメリカ戦略を構築していますね。
ペルシャ湾で抑止行動に出た後、レーガンの同時多発戦略に基づいてアジアに第二戦線を開く。沿海州を恐らく想定したものと思われますが、急遽反転して太平洋を北上する。三空母であります。カールビンソン、エンタープライズ、ミッドウェー——ミッドウェーは横須賀から出港してこれに合流するわけであります。カムラン湾を威嚇してさらに北上し、フィリピンのクラークから支援を受ける。グアムからB52が飛び立つ。
○矢田部理君 今、防衛庁長官は語るに落ちたと思うのですが、これは先ほども指摘しましたようにレーガンの同時多発戦略なんです。そして柔軟作戦に基づくものである。米独自の対ソ戦を想定した訓練だ、大演習だと言われているわけでありまして、日本有事は全くこのシナリオにはないんです。日本有事がないシナリオに訓練たりといえども参加をすることは集団自衛権そのもの、沿海州に第二戦線を開くということでありますか。
こういうふうに見ますと、相手がやったからやるんだという話が、実はやらないのにこっちからやっておいて、そして一つのあれをつくり上げるというふうなことがしょっちゅう戦争の場合にはあるわけであって、殊にアメリカの今の基本的な戦略がいわゆる同時多発戦略ですから、仮にヨーロッパや中東で何か起きたときに、アジアでは何もないけれどももう始めるというふうな事態が実際にあり得る。
これを見ましても、これは米ソとも、例えば欧州や中東で問題が起こった場合は、アメリカの方は同時多発戦略と言っていますけれども、極東においてもやはり紛争が起こるんだ、こういう戦略と態度をとっているわけなんですね。
同時多発戦略という言葉でございますけれども、厳密にはアメリカ側もこの言葉を使っておらず、レーガン政権発足以来の国防政策、特に通常戦力の面での国防政策を、むしろわれわれが便宜的に同時多発戦略であるというふうに呼称しているというのが第一点でございます。
いわゆる同時多発戦略ということで、私はアメリカの考え方、またそれについての私の認識を申し述べましたけれども、この戦略を前提として議論する場合に、この戦略があくまでも要するに抑止戦略である、抑止の根本は要するにクレジビリティーである、このための戦略である。
アメリカは御承知のように同時多発戦略をとっておると言われておりますね。だからよく言っているでしょう。中東で紛争が起こるとそれが直ちにアジア・太平洋地域に波及していく。これを最近の国防報告や軍事情勢報告でははっきり言っておりますね。
だからむしろ、アメリカの中東有事における極東での同時多発戦略による戦闘行為ということに日本が巻き込まれていくということがあるのですよ。日本が巻き込まれたが最後、今度は日本は、いままで戦っておったアメリカ軍を日本の防衛のためだと称して守るということになったら、いよいよ米軍に巻き込まれて米軍の補完部隊になってしまうのですよ。そこのところが非常に重要な問題なので、私は念を入れてお聞きしているのです。
○東中委員 中東有事がありまして、同時多発戦略で極東でも米ソ戦ということになる場合があり得るわけですね。同時多発戦略ということをレーガン政権も言っているわけですから、実際にいま現実に起こる可能性があるかどうかという意味じゃなくて、理論上そういうことがあり得る。そういう場合で、あるいは極東有事で、日本近海における米ソ戦ということがあり得るわけですね。
そこで、そういう形で監視警戒をやっていくということになって、防衛庁長官、先ほど来問題になっておりますような極東における米ソ間の戦闘状態が起こり得るということは、アメリカの国防報告でもよく出てきていますね、中東で起こったって同時多発戦略でと言っているわけです。
(拍手) 言うまでもないことですが、レーガン大統領は、一昨年十月来、同時多発戦略と呼ばれる新たなる世界戦略を進められています。これは地球上どの地域で米ソ間に軍事的衝突が生じた場合でも、すべての米軍及び同盟軍が直ちに全面的に対応することを想定した戦略であります。かかるとき、総理は、一千海里のシーレーン防衛日本海に通ずる海峡封鎖に責任を持つことを約束してこられました。
先ほど言いました同時多発戦略ということの関連で、ここでひとつ私はシナリオの仮定を立てましょう。ヨーロッパで起きた。そのヨーロッパで起きたことに対して連動して、アジアから、三沢の基地からF16がソ連の攻撃に出動する、こういうふうな事態になったときに、この出動は安保第五条、第六条の関係で言えば一体どっちになりますかな。これはひとつ長官に御答弁願いたいのです。
おっしゃるとおり同時多発戦略、これはソ連が多正面に出る能力をつけてきたという認識に立っていること、これも先生が先ほどお述べになったとおりでございます。 ただ、先生がお述べにならなかった点、これはあくまでもアメリカのそういう戦略が抑止戦略であるというきわめて重要なポイントでございます。
○高沢委員 これは伊藤長官も当然御承知と思いますが、アメリカのレーガン政権の世界戦略はいわゆる同時多発戦略、こう呼ばれるわけです。この同時多発というのは、仮にソ連との戦闘状態がヨーロッパで発生した。
特に、アメリカのレーガン政権は、発足以来「力による平和」というスローガンを前面に立て、対ソ強硬路線を打ち出し、全地球規模の同時多発戦略を宣言し、軍事的緊張は一段と高まりました。ソ連側の対抗措置も、この緊張を構造的に持続させる結果にしか現在なっておりません。
それよりも重大な問題は、私はやはり現下の情勢では米ソ対立のどちらにもつかないで、日本の平和と安全、独立を守り抜くべきだと思うのでありますけれども、白書を見ますと、レーガン政権のわが国への期待は大きい、こういうように述べて、特に欧州、中東、極東の三地域は軍事的に相互に連関しておる、アジアにおける日本の義務とか、なし得る限りの防衛力の整備、こういう強調がありまして、これはレーガン政権の期待に従っていわゆる同時多発戦略
ワインバーガー長官の発言というのは、レーガン政権の同時多発戦略の具体化、これが日本に対して日本海海峡の複数の通過を防いでもらいたい、こういうふうな形で私はあらわれてきていると思うんです。米ソ戦の際、日本は日本海の三海峡封鎖などということはいまできないとおっしゃったんですから、日本が攻撃を受ける以外は。そうですね。