1958-04-01 第28回国会 衆議院 運輸委員会 第17号
船を操縦するのに、面かじ一ぱい、取りかじ一ぱいとっちゃいけない、そんなばから船がありますか。船が右にも左にも方向を変えられるのに、一々びくびくしていなければ船の操縦ができない、そんなことで船長に責任をおっかぶせたら、船長は何百人あったって足りませんよ。かじは思うままにとれないし、お客は上甲板には上つちゃいけないなんて、そんな客の乗っちゃいけない甲板なんかなぜ作らせるのですか。
船を操縦するのに、面かじ一ぱい、取りかじ一ぱいとっちゃいけない、そんなばから船がありますか。船が右にも左にも方向を変えられるのに、一々びくびくしていなければ船の操縦ができない、そんなことで船長に責任をおっかぶせたら、船長は何百人あったって足りませんよ。かじは思うままにとれないし、お客は上甲板には上つちゃいけないなんて、そんな客の乗っちゃいけない甲板なんかなぜ作らせるのですか。
歌にもあるでしょう、取りかじ一ぱい、面かじ一ぱいとかいってかじをとるわけですよ。それを面かじ一ぱいじゃいけない、五度減らせ、そんなことを船長が言うのはおかしいじゃないですか。そこでとまって動かないのなら別ですがね。もし船長が三十五度をやったことがないと言うなら、なぜあなた方がやってごらんにならないのですか。船長がやらなかったと言うなら、なおさらやってみたらどうですか。
六時四十三分港口を通過後、レーダーを発動、機関を解除、六時四十四分羅針路を北西とし、航行中、急に濃霧となり、視界七十メートルないし百メートルとなり、霧中信号を聞き、六時五十四分ごろ両舷機関停止、取りかじ一ぱいの命令がなされ左回頭中、右舷船首より約六十度ないし七十度、距離百メートル付近に第三宇高丸らしき船影を認めたので、直ちに面かじ一ぱいの命令がなされたが効なく、六時五十六分ごろ第三宇高丸の船首が本船右舷機関室付近
その後紫雲丸の像を常に左に見ているので、安全に行き違いするものと思っていたところ、六時五十五分突然左げん船首に紫雲丸の船影を認めたので、取りかじ一ぱいを命令したが、その効なく、本船船首が紫雲丸に約七十度の角度に突っ込んだ。六時五十六分である。第三宇高丸は紫雲丸の沈没をおくらすため、突っ込んだまま約三百メートルぐらい流された。七時零分、約四分にして紫雲丸は沈没をした。