○伊藤修君 民主主義を維持しようとするならば、なお更今日民主主義的に組織されたところの警察制度の上に、このものを打ち立てるということのほうが、却つて民主主義に徹するのじやないでしようか。
民主主義というものは、外からの強要なしに理想に向つて多数の人が動いて行く建前でございましようが、民度の低い段階におきましては、ときには第三者の忠告奨励の必要なこともあり、国家や公共団体の場合には、法律等による適当な制約がなければ、却つて民主主義運営を停滞させ、延いては、いつまでも民度を高めない虞れがあると思うのであります。
これを沈黙させることによつて却つて民主主義そのものが危険にさらされる。この問題はすでに国際的にも論議し盡された問題であります。要するに共産党に対する非合法化ということは、結局あらゆる社会的な批評というものは沈黙させてしまう。そうして、このあらゆる社会的批評を沈黙させるところの危険というものは、民主主義に関するところの危険である。