1963-02-18 第43回国会 衆議院 予算委員会第三分科会 第2号
○重政国務大臣 水の問題、ことに利水慣行の問題は、御承知の通りなかなかめんどうな問題でありまして、往々にしてこれを中心に大騒動が起こるということも、古くからその事例がたくさんにあるわけであります。これを法律上の権利として認めるか——しかし、おそらくこれは、今日まで私は非常に尊重せられてきておることと思うのであります。
○重政国務大臣 水の問題、ことに利水慣行の問題は、御承知の通りなかなかめんどうな問題でありまして、往々にしてこれを中心に大騒動が起こるということも、古くからその事例がたくさんにあるわけであります。これを法律上の権利として認めるか——しかし、おそらくこれは、今日まで私は非常に尊重せられてきておることと思うのであります。
結論するところ、私は、そういう治水慣行だとか、利水慣行だとか、あるいは地元の特殊な事情があるにせよ、日本の今置かれておる立場からいうて、これに当然一つの施策として調達庁はやらなければならぬ問題だと思います。こういう施策そのものに対して、会計検査院のほうがこういう指摘をする、検査報告を書くということは、私はどうかと思います。
調達庁といたしましては、この工事は、地元の利水慣行を尊重いたしまして、この補助金を出したのでございます。その結果、所期の効果も上がり、地元民もたいへん喜んでおるわけでございます。ただ、利水慣行が以前から確立しておったということにつきまして、会計検査院に対して十分の御説明をいたさなかった点は、いささか手落ちがあるのです。その点は会計検査院については、十分その後説明をいたしておるのであります。
これに対して、調達庁側では、樋門を閉じれば被害を阻止できることは確かであるが、地元には昔から利水慣行があって、相当の降雨時でも、この樋門を閉じることはむずかしい。それで、常時あけざるを得ないが、平常の雨降りにも土砂まじりの濁水が水田に流れて放置できない。本件工事はこのため施行したもので、効果としては十分上がっているというものでございます。
そういった点から見まして、その利水慣行は、同時に締められないことであるということについては、十分には承知しなかったわけでありますが、少なくともこういった現地の状況から見まして、しかも調達庁は、本流の桂川について、下流の方から上流にかけてこの補助金ですでに改修工事を実施されておりますが、まずその方を先に施行して被害を除くことが先決問題でないかということを考えたわけでございます。
ところがその開閉機というものは、地元の利水慣行によりまして、開いたまま管理しておるわけです。従いまして、豪雨時に土砂が流れるという場合においては、その樋門を通じて福地用水の中に土砂が多量に流入しまして、周辺の農耕地に被害を与えておるというのでございます。
○林(一)政府委員 調達庁の方の考え方は、先ほど申しましたように、地元利水慣行を尊重しまして、そのためにはやはり福地用水の防水工事をするということが最も適当である、こういうふうに考えまして、施行いたしたのであります。その結果、相当の効果が上がっておるのであります。そういうようなわけで、この工事に補助金を支出したわけでございます。
何と申しましょうか、地元の町村長の協定と、また富士吉田市長が中に入った利水慣行と申しますか、そういうようなことをもととして現在の樋門の開閉状態をいたしておるわけであります。
○政府委員(林一夫君) 私どもの考え方は、先ほど申し上げたように、まあ地元の利水慣行というものを尊重しましてこのような工事をいたしたのでございます。十分調査してやったつもりでございまするが、なおまあこのような工事に対していろいろの考え方があると存じますので、そういう点につきましては今後十分に注意をいたしたいというようなことでございます。