1947-12-06 第1回国会 参議院 決算委員会 第13号
現にこの頃拘置所から出て來る刑餘者の人たちは、異口同音に、拘置所の配給だけでは、到底命を全うして出獄することができないと申しており、現に看守の人たちは、囚人の自宅に出入りして、自分の食糧を補給するし、同時にそこから囚人に渡す物を預かつて運んでいる樣子をよく聞いております。
現にこの頃拘置所から出て來る刑餘者の人たちは、異口同音に、拘置所の配給だけでは、到底命を全うして出獄することができないと申しており、現に看守の人たちは、囚人の自宅に出入りして、自分の食糧を補給するし、同時にそこから囚人に渡す物を預かつて運んでいる樣子をよく聞いております。
けだしこの種の浄化は、實に恕という精神力の發動にまつのみとの所信のもとに、何ら物質にとらわれず、名利に超然として、ひたすら人類愛善の至誠の間に間に、黙々として刑餘者のために奉仕する尊き司法保護に當られる御仁の姿こそ、政府竝びに國會に訴え、これが顯彰せられんことを切に希う次第であります。たとえば宮城縣太河區裁判所管内司法保護會長庄司一郎氏のごとき好模範であります。
第ニに、司法省保護局の復活に關する點でありますが、司法保護事業法、少年法及び矯正院法を運用いたしまして、刑餘者、釋放者及び犯罪少年等を適切に保護し、その犯罪性を取除いて、これを社會生活に融和させるのが、司法保護の使命でありまして、司法省は、刑事政策の一還として、現在この事業を實施するために、現地の機構として、全國に司法保護委員會及び連合保護會おのおの四十九を配置し、また最近少年保護の機關を増設いたしまして
刑餘者がせつかく改過遷善をしてりつぱな人間に立ち還りましても、この五十六の法律や規則のために、またせつかく御制定をいただいた滿十年後には前科を抹消してやるぞという恩典はありましても、その反面に滿十箇年の間、市町村役場の刑名簿に明らか國家登録されておりましては、何にもならないのであります。
そうして道路運送委員會の委員といたしましては、刑餘者でありまするとか、準禁治産者、禁治産者及び破産者というような者を除きまして、又委員會の性質上民意を聽くという建前からいたしまして、官吏、場合によりますと吏員につきましても除いたらどうかと考えておる次第でございます。
その他委員の選定方法につきましてもいろいろ刑餘者であるとか、官吏はいけないとかいうことがありますが、このことはなお今日は時間もございませんので、いろいろと私ども研究してお願いいたしたいと思いますから、十分にひとつ研究していただきたいと存じます。
○郷野政府委員 この刑餘者の場合につきまして、實際規定いたしますについては、一年以上の懲役または禁錮の刑に處せられた者で、その執行を終り、または執行を受けることがなくなつた日から二年を經過しない者、かような規定を設けまして運用してまいりたい。かように考えております。
○島上委員 最後にもう一つお伺いいたしたいのですが、政令に「左に該當する者は、道路、運送委員會の委員となることができない」というところの第一に「刑餘者」というのがある。
それから都道府縣知事の推薦につきましての標準でございまするが、第八に掲げられております刑餘者でありますとか、禁治産者、準禁治産者及び破産者、官吏及び吏員を除きまして、これらの缺格の條項に當らないものにつきまして、都道府縣知事がおのおのそれぞれの自由なお立場におきまして、最も適任と思われる方の御推薦をいただきたい、かように考えておりまして、この政令によりまして具體的にそれ以上の制約は置かないつもりでございます
○佐瀬委員 これは先ほどもお尋ねしたのでありますが、極端な合法刑主義をとるならば、懲役刑ならば執行を終り、罰金刑ならばそれを納付した瞬間において贖罪はできたのだから、将来何ら刑餘者としての待遇を受けないということになるべきはずであります。しかしながら、そういつたようなことは極端であつて、実際には採用しがたいのであります。
すなわち、檢察廳において、警察署において、あるいは市町村役場等において、刑余簿と称するところの、いわゆる前科名簿のブラツク・リストが設けられておりまして、一たん過ちを犯して刑餘者となつたその同胞が、いかなる善行をあえてし、國家社会のために貢献いたしてまいりましても、その人が墓場に至るまで、一生涯の間、前科者として、このブラック・リストより抹消せられることはなかつたのでありまして、この前科者と呼ばれる