1968-04-23 第58回国会 参議院 法務委員会 第12号
ところが、その後間もなく第二次大戦に突入するというようなかっこうに相なりまして、この刑法も、仮案は発表になりましたけれども、全面的な刑法改正事業というものは一応そのまま中止と申しますか、そのままの状態に置いておかれまして、あとは引き続きその仮案の中から当面必要と思われるものについて一部改正の事業が数回にわたって繰り返されたというのが、この刑法仮案の発表の経緯の概要でございます。
ところが、その後間もなく第二次大戦に突入するというようなかっこうに相なりまして、この刑法も、仮案は発表になりましたけれども、全面的な刑法改正事業というものは一応そのまま中止と申しますか、そのままの状態に置いておかれまして、あとは引き続きその仮案の中から当面必要と思われるものについて一部改正の事業が数回にわたって繰り返されたというのが、この刑法仮案の発表の経緯の概要でございます。
これはどういう事情でそういう刑法の改正が行なわれたかと申しますと、御案内の戦前に行なわれました刑法改正事業の所産であるところの改正刑法仮案が昭和十五年に一応脱稿いたしまして、ただ戦時中の事情でございましたために、全面改正事業を引き続いて行ない得ないというようなところから、その改正刑法仮案をもとにいたしまして最初限の必要な措置を講じたのが昭和十六年の刑法の一部改正でございます。
一時は刑法改正によってまかなうということも考えなかったわけではない、部内で議論をいたしたわけでございますが、何と申しましても、刑法改正事業というものは今後数年ないし十年近くもかかる大事業でございまして、この暴力の刑罰補正の問題をたなに上げておいて今後十年も放置するというようなことは、責任あるわれわれ当局の者としましては責任を果たさないことに相なろうかと存じますので、刑法改正後におきましては、あるいはこの
ただ、刑法改正事業に予想以上の時日を要する場合には、めいてい犯罪の取締りと、酒癖矯正の保安処分だけを切り離して、特別の立法措置をする必要もあるのではないかと考えております。 ―――――――――――――
しかしながら、刑法改正事業に予想以上の日時を要することも考えられますし、また、現在のめいてい犯罪の実情にかんがみまして、それまで待つことができないというふうな状態が痛感される場合におきましては、めいてい犯罪の取り締りと酒癖矯正の保安処分の点だけを切り離して特別の立法措置を考えるということも一つの案である、かように考えております。
そういうふうな意味で刑法改正事業こそ私は緊急な問題だというふうに考えておるわけなのであります。
以下改正の要點について御説明いたしますが、それに先だちまして、今囘の改正は日本國憲法施行に伴い、當面必要なる最小限度にこれを止めたものであつて、その全面的再検討は、今後の刑法改正事業に譲る趣旨であることを、あらかじめ御了承願いたいと存じます。 まず改正の最も重要なる一つは、皇室に體する罪の規定を削除したことであります。
以上改正の要点に付て御説明をいたしまするが、それに先立ちまして、今回の改正は日本國憲法施行に伴い、当面必要な最小限度にこれを止めたものでありまして、その全面的再檢討は今後の刑法改正事業に譲る趣旨であるということを、予め御了承願いたいと存ずるのであります。 先ず改正の最も重要な一つは、皇室に対する罪の規定を削除したことであります。