1995-03-28 第132回国会 衆議院 法務委員会 第5号
それから「被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者ノ憂慮二乗ジテ其財物ヲ交付」せしめ云々というくだりも、その後の改正で入れられたものだというふうに承知いたします。
それから「被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者ノ憂慮二乗ジテ其財物ヲ交付」せしめ云々というくだりも、その後の改正で入れられたものだというふうに承知いたします。
○稲葉誠一君 そうすると、さっき言ったように、「其財物」ならば、近親その他が普通だと思うのですけれども、第三者が近親その他にかわってとかあるいは意思を通じないでとかいうふうに交付する場合もありますね。そういう場合はどうなんですか、それは考えられないですか。
○稲葉誠一君 前の二百二十五条ノ二に戻って、問題になっているのは、「其財物ヲ交付セシムル目的」というので、「其」というのは、これは何にかかる「其」になるわけですか。
○政府委員(竹内壽平君) 改正案の二百二十五条の二「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者ノ憂慮ニ乗ジテ其財物ヲ交付セシムル目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者ハ」とあります。この「憂慮ニ乗ジテ其財物ヲ交付セシムル目的ヲ以テ」そういう財物を交付させる、これが身のしろ金、通俗的のことばで言うと身のしろ金に当たるわけでございます。
○竹内(壽)政府委員 「其財物」という「其」ということに問題があるようでございますが、この「其」はやはり憂慮しておる人、その「其」でございますから、その人からその人の大部分は所有に属する財物、こういうふうに解釈するのが普通でございます。
○竹谷委員 「憂慮ニ乗ジテ其財物ヲ交付」させる憂慮した人の財物でなければならぬかどうか。憂慮をしておる人が、ここに甲なら甲という人があり、その人でない乙なり丙なりの財物を交付さす。それでいいのだ、甲は金がないからどうせ出せないだろう。乙、丙、近親その他で憂慮してない者でもだれでもいいから出せばよろしいのだ、こういう場合です。
それから「其」という字をつけるかつけぬかという問題は、現行法のもとにおいての一部改正でございますので、やはり二百四十八条に「其」というのがございますのはいまごらんいただいたと思うのでございますが、「其財物ヲ交付セシメ」、この「其財物」というのとやはり歩調を合わせておくほうがいいので、もし全面改正の機会にこの「其」もはずしてしまうということになりますと、仰せのように「其」をはずしても、やはりいまの先生
これはだれが見ても「其財物ヲ」というと、未成年者または心神耗弱者の所有物もしくは占有物と読めるのです。むしろ私は、これは持って回るかしれませんが、憂慮に乗じてその者より財物、こう言ったほうが一番明確じゃないか。その者から財物を交付せしめる、こうあるのがほんとうだろうと思うのです。そう直したらどうか。それからこの「其」というのをとったらどうなるか、もう一ぺんひとつ。
その次に、この間も問題になりましたが、その下にあります「其財物」であります。これはこう読んでみますると、「近親其他被拐取者ノ安否ヲ憂慮スル者ノ」「財物」と読めるんです。ところが、この間から聞いていると、そういう意味ではなく、「憂慮スル者」から「財物ヲ」こういうことのようですね。
局長にお尋ねをいたしますが、きのうも大竹委員から御質問が出ておったことに関連するんですが、「其財物」ですね、財物に対して「其」という定冠詞をつける必要があるんでしょうか。どの財物だってかまわないんじゃないでしょうか。「其」という定冠詞をつけたやむを得ない必要というものは一体どこにあるのでしょうか。
「其財物ヲ交付セシメ」という用語例でございますが、これも今回初めて用いるものではございませんで、現在の刑法二百四十八条を見ますと、準詐欺罪というのがございますが、これにも同じような「其財物」という表現がございますし、それからまた恐喝罪の二百四十九条にも「財物ヲ交付セシメ」というふうな「交付セシメ」という言い方との類似でありますが、そういうふうな表現がございます。
○竹内(壽)政府委員 ちょっと私、「其」のほうに頭を置き過ぎて申しましたが、二項の要求非のほうには「要求スル行為」となっておりまして、犯人としましては、当該憂慮しておる者から取ってやろうということで要求をしようとしたわけでございますから、その結果出した人は松下さんでありましても、「其財物」ではないですけれども、「要求スル行為」という中には入るわけでございますから、結局二項のほうの「要求スル行為」として
一方、今度はそのあとのほうの要求罪のほうでございますが、これが「憂慮スル者ノ憂慮ニ乗ジテ其財物ヲ交付セシメ」、この「憂慮ニ乗ジテ」という場合でございまして、これは憂慮してない者から取った場合にはどうかということになりますけれども、犯人の主観としては、あれは憂慮しておる者だと思っておった。