1969-07-23 第61回国会 参議院 本会議 第35号
今日のごとき兵器発達の実情のもとにおいては、かりに全土を兵器庫と化してみても、安全感を満足させることは不可能なるのみならず、むしろますます不安感が高まるものであることに注目すべきであります。あまつさえ、核兵器及びCBWの貯蔵そのことがもたらす恐怖に常におびえていなければならぬという皮肉な現象こそ、見のがしてはならないと思うのであります。
今日のごとき兵器発達の実情のもとにおいては、かりに全土を兵器庫と化してみても、安全感を満足させることは不可能なるのみならず、むしろますます不安感が高まるものであることに注目すべきであります。あまつさえ、核兵器及びCBWの貯蔵そのことがもたらす恐怖に常におびえていなければならぬという皮肉な現象こそ、見のがしてはならないと思うのであります。
この兵器発達の特殊条件に呼応して、軍需兵器産業が飛躍的に発展してきたのであります。防衛力増強は、国防のためのみならず、兵器関係独占資本の熾烈な要求でもあります。 このように、防衛予算が一たん膨張し始めると、そのとどまるところを知らないことは歴史の証明するところであります。
私は、この世界の大勢は、米ソ両指導国ともに、無限に拡大する軍備費の重圧とともに、滅亡するほかない究極兵器発達の結果であると信じます。この点は岸さんも認められた点であります。米国の軍事費は四百十億ドル、日本の総予算の一兆四千億の十年分以上であります。これが米国の国民生活等に大きな重圧を及ぼしておることは明らかであります。
従って、それが主力第一線機として動くころに起ると思われる事態について軍事評論家は、今日のミサイル兵器発達の度合いから見て、三年後、五年後、国防上それの果す役割については重大な疑義があると、はっきり表明していることは、考慮の中に置かなくてもいいであろうか。
○森元治郎君 そうすると、総理がかねがね国会でおっしゃられたことからだいぶ後退されて、自衛権の範囲内の有効な手段、しかも兵器の科学的進歩の段階から見て、核兵器の一部はどうも持てそうだ、攻撃はしないのだと、そういうのは兵器発達の常識だというようにお認めになったようですが、おそろしいことは、この兵器というものはどんなおそろしいものでも、だんだん進歩すれば通常兵器化する傾向にあるのです。
いやしくも近代戦について多少でも理解を有する人でありますならば、兵器発達の速度、マス・プロダクシヨンが近代戦についてどれだけ不可欠の要件であるかを知ることができると思います。高度のジェット機、原爆、水爆の保有されている今日、一億ドルとか二億ドルとかいうような払下兵器で、そうして我が国の地理的条件の下で、そして更に又地上部隊中心の軍編成で、実際にどういう役割が果せるというのでありますか。