その直後、東京での大逆事件当時弁護人でありました今村力三郎先生がまだ存命でありまして、今村力三郎先生からもこの坂本、それから崎久保に対して再審請求をしたいという呼びかけをしており、この両氏も、飛松氏をまじえて、今村さんに再審請求したいというようなことを言っておるのであります。
ただいま今村力三郎先生のお話を聞きましたが、私の最も尊敬せる先輩でありまして、あの方の書物を私も読んでおります。しかしあのときの労働運動彈圧は——私はこれをしいて彈圧と申します、はなはだ不都合であつたと私は考えておるのでありますが、今日の労働組合運動においては、さような点は毛頭も心配はないのであります。