1999-08-12 第145回国会 参議院 本会議 第45号
そして、この法案で問題なのは、将来対象犯罪を犯すおそれがあり、その準備のために軽微な犯罪を犯したとされる段階で盗聴できるという事前盗聴の規定を設けていることです。 犯罪捜査とは、既に発生した犯罪に対するものであるということが刑事司法の大前提です。今まで犯罪は初めに犯罪ありき、それが事前盗聴となる。
そして、この法案で問題なのは、将来対象犯罪を犯すおそれがあり、その準備のために軽微な犯罪を犯したとされる段階で盗聴できるという事前盗聴の規定を設けていることです。 犯罪捜査とは、既に発生した犯罪に対するものであるということが刑事司法の大前提です。今まで犯罪は初めに犯罪ありき、それが事前盗聴となる。
しかし、この盗聴法は事前盗聴を認めております。法案は、将来、対象犯罪を犯すおそれがあり、その準備のために軽微な犯罪を犯したとされる段階で盗聴できるという事前盗聴の規定を認めております。 戦前には、犯罪を犯すおそれのある人間を事前に逮捕できる予防検束という手段がありました。治安維持法下で弾圧をされたのは共産党員だけではありません。
先ほど、公述人は犯罪が実現されるためにたくさんの情報が交換されるとおっしゃったんですが、一つは事前盗聴、弁護士会が提言した中で例えば事前盗聴の削除という点は修正案に盛り込まれておりません。事前盗聴そのものは、もちろん要件はありますけれども、行政警察と司法警察の混同を生むのではないか、要するに犯罪があって捜査がスタートするのではなく犯罪が起きる前に盗聴するわけですから。
○参考人(村井敏邦君) 事前の盗聴を認めるというのは、まさに補充性の要件それ自体としては事前盗聴の部分については満たさないわけですから、この要件外のところに事前盗聴があるということになるだろうと思います。
それで、まずお聞きしたいのは、事前盗聴の件について先ほど少し話をしていただきましたけれども、事前盗聴、予備盗聴、別件盗聴の規定がありますが、特に問題がある事前盗聴についてもう少し話をしていただけますでしょうか。
それどころか、この盗聴法案は、令状記載の犯罪との関連性のない通信を盗聴する予備的盗聴や別件盗聴、さらには犯罪発生前の事前盗聴を正面から容認することによって、盗聴が本質的に抱える対象通信の無限定性をいっそう拡大している。」、これが一つ。
もともと原案は、予備的盗聴、事前盗聴、別件盗聴を認めており、事実上無限定な通信が対象となる基本的性格は変わらないものであります。これが実施されれば、犯罪と無関係な市民の会話、通信が大量に盗聴捜査の中に含まれる危険は極めて大きく、人権侵害と警察による監視社会への道を開くおそれがあると言わなければなりません。
私が非常に重要だと思うのは、法案が犯罪を犯すおそれがあるという理由で盗聴できるという事前盗聴の規定を認めていることです。 刑事法では、ある人がそれを行ったかどうかの立証が問題となります。人は、どんなにけしからぬことを考えていても、ふらちなことを考えていても、それだけでは決して逮捕されてはいけないのです。しかし、この法案は、犯罪を行うおそれがあるときに盗聴できるという予防捜索を認めています。
修正案は、政府案にある警察官等の通信傍受の際の試し聞きを認めており、いわゆる予備的盗聴、事前盗聴、別件盗聴を認めているからであります。これでは警察官等の盗聴範囲は何ら限定されず、逆に無制限に広がることとなるのであります。 また、修正案は、通信傍受の際に立会人を常時置くこととしておりますが、立会人は、傍受している捜査官の動作を見守るだけの権限しかありません。
日弁連は繰り返しこの事前盗聴の規定に反対する強い意向を表明してまいりました。付録三の、最近の会長談話でもこのことに触れております。将来の犯罪に関する逮捕令状というものは存在しません。戦前において行政検束という手段が存在していました。今回新たに設けられる強制処分である盗聴において、なぜこのような広範で無限定な規定を設ける必要があるのでしょうか。公明党案では、この問題を今後検討するとされています。
それから、この法案の中では事前盗聴というのが認められるわけですね。事件を犯したというふうに疑われているのではなくて、これからそういうことをするかもしれないということで、禁錮以上の刑、これは非常に微罪が含まれていますけれども、そういうものを犯したということ、その段階で既に盗聴令状が出せる。 それから、この法案の構造をよく見てみますと、被疑者だけの電話を盗聴するというふうには法案上読めないのですね。
それから事前盗聴と別件傍受、これが入ってしまっているので、結局しり抜けになってしまう要素が強いのではないか。 さらには、立ち会い等について、今まで検証令状で認められていたような切断権、常時立ち会い、中身を聞くという意味での立ち会いがないということ。こういった点からすると、判例理論で認められてきたものよりも後退しているなという印象は否めないというふうに思います。
これはまさに予備的盗聴、事前盗聴、別件盗聴の合法化ではありませんか。これでは、犯罪捜査は犯罪発生後行われるという刑事訴訟法と刑事司法警察の大原則を逸脱して、犯罪の予防や情報収集を目的とする行政警察への道、警察の治安、行政権限の強化につながるのではありませんか。