2002-07-15 第154回国会 参議院 決算委員会 第2号
まず最初に、去る五月八日に発生いたしました在瀋陽日本国総領事館に対する中国武装警察官による不法侵入事件に対する政府の一連の対応につきまして一言申し上げます。 この事件には、第一に、中国による日本の主権侵害という問題がありまして、第二に、中国の武装警察官によって強制連行されました五人の北朝鮮難民の人権侵害という問題がございます。
まず最初に、去る五月八日に発生いたしました在瀋陽日本国総領事館に対する中国武装警察官による不法侵入事件に対する政府の一連の対応につきまして一言申し上げます。 この事件には、第一に、中国による日本の主権侵害という問題がありまして、第二に、中国の武装警察官によって強制連行されました五人の北朝鮮難民の人権侵害という問題がございます。
当初、官邸に伝えられたのが、五人が瀋陽総領事館への侵入を試みたが、中国武装警察官に阻止され、連行されたという情報であった。この敷地内に入った北朝鮮人はいなかったことになっていたわけでして、政府は、領事関係に関するウィーン条約に絡む問題までは発展しないというふうに認識をしていた。ところが、二人は敷地内で取り押さえられ、三人は外にいたと訂正したのが八日の午後九時。
しかるに、幼児を含む女性三名を総領事館敷地内から警察官が引きずり出す状況を見て、傍観に近い態度を取り、警察官の帽子やボールペン等を拾っているテレビ映像を見れば、中国武装警察官側に協力的態度を取ったと見られるのは至極当たり前であります。中国側武装警察官のこれら女性に対する行為は明らかに過剰であり、制止するのが人の道というものではないでしょうか。
しかも、その時点でもなお、亡命未遂があったという事実関係のみが報告され、肝心の、中国武装警察官の領事館内侵入という事実は、報告されていなかったということであります。報告が不十分であったと善意の解釈をするにせよ、小泉総理は、初動段階の発言で、慎重な対応を繰り返し強調し、中国に対する厳しい姿勢を打ち出すことはありませんでした。
(拍手) 五月八日午後、中華人民共和国瀋陽市の我が国の総領事館において、北朝鮮からの亡命者と言われる、男性二名と幼児を含む女性三名が総領事館の敷地内に入り、これを中国武装警察官が不法に引き戻すという事件が発生しました。 武装警察官により総領事館の門扉から引き離される女性の姿は、ビデオ映像とともにメディアを通じて広く世界に報道され、国民の間にも大きな反響を巻き起こしました。