1959-03-27 第31回国会 参議院 本会議 第20号
このことは、去る二十四日のことだけじゃなくて、さきにあげました具体的な事例のすべてに当てはまることであり、あるいは中国国旗事件のごときは最も軽く取り扱われております。これが労働組合の幹部や組合員であった場合には、関係のない者まで引っぱり、あるいは弾圧の口実にされ、少からざる人々が無実の罪に問われていることは、国民をして非常な疑惑を持たしめるところであります。
このことは、去る二十四日のことだけじゃなくて、さきにあげました具体的な事例のすべてに当てはまることであり、あるいは中国国旗事件のごときは最も軽く取り扱われております。これが労働組合の幹部や組合員であった場合には、関係のない者まで引っぱり、あるいは弾圧の口実にされ、少からざる人々が無実の罪に問われていることは、国民をして非常な疑惑を持たしめるところであります。
個々の項目について答弁がいただけなかったのは大へん残念でありますが、まあそのうちの第三番目の「中国国旗事件に付き遺憾の意を表明し解決を図ること」については、別の機会にも遺憾の意を表明をされたようであります。国旗が尊重されるように、あるいは国旗が侮辱されないように、最善の努力をしたい、こういう答弁等もございました。今これは了承をいたします。
一千をこします参加者の決議の中には、すでにあけました漁業協定についての項、それから貿易協定に安全な支持と協力を与えることというほかに、長崎の中国国旗事件について遺憾の意を表明し解決をはかること、文化の交流、人事の往来上の障害を除去すること、中国へ政府代表もしくは全権委任の代表を派遣すること、両国の国交正常化のため積極的措置をとること、こういう各項目があります。
私は長崎における中国国旗事件を法律的にどう取り扱うかとか、どういう刑法上の条文を適用するかという問題につきましてはきょうはここでは触れないことにいたします。これはまた法務委員会などで他の委員が論じられるでしょうから、そういう法律問題としてここで論ずることは省略したいと思います。
これが今回の貿易三団体に対する政府回答及び愛知前官房長官の談話及び長崎の中国国旗事件において政府のとられました態度において、典型的な姿において、現われておると私は思う。中国政府及び中国人民の岸政府に対する不満を憤激にまで高めてついに今日のごとき全面的な交流断絶となりましたことについて、以上申し上げました事実について政府の反省が必要である、私どもはそう思う。
しかるに第四次日中貿易協定に対する政府の回答、長崎の中国国旗事件に対する政府の措置への中国国民の憤激を契機といたしまして、貿易は全面的に停止し、文化交流、人事往来も停滞するという最悪の事態に立ち至ったのであります。多くの国民は単に経済と文化の問題としてのみだけでなくて、アジアの平和のためにも、心からこれを憂えて、一日も早く閉された両国の関係が打開せられるように心から熱望しておるのであります。