当時伝えられたところによりますというと、七月のビールの売り上げは約四十万キロリットル、東京銀座の三愛ビルをジョッキにたとえれば七十六ぱいも売れた。大びんに換算すると地球を一回り回り切って、なお行き過ぎるくらい売れた。ビール会社のほうでも、対前年比は大体一五%くらいに見ていたやつが一七%まで売れて見込み違いだった。
東京銀座の三愛ビルをジョッキに見立てたら七十六ぱい、大びんに換算すると地球を一・二周する六億三千五百八十万本、ビール会社は生産が間に合わないもんだから、七月下旬から酒屋への出荷を割り当て制にするところまできておる。業界では夏場の伸びは対前年比一五%と見ておったところが七月は一六・九%と、見込み違いにかえって困っているというような情報が書かれておるわけです。