1951-05-30 第10回国会 参議院 法務委員会 第22号
従つてこれをルールに任すということになれば我々は立法事項に対するところの放棄となり、立法権の放棄となつて、いわゆる憲法七十七条のルール制定権の拡大ということになるという虞れがあると思うんです。又仮処分の問題に対しましても担保の提供請求権を認めるとか、或いは執行停止の場合においてもこれは明文が欠けているとか、又は訴訟停止に関するところの明文を欠いている。
従つてこれをルールに任すということになれば我々は立法事項に対するところの放棄となり、立法権の放棄となつて、いわゆる憲法七十七条のルール制定権の拡大ということになるという虞れがあると思うんです。又仮処分の問題に対しましても担保の提供請求権を認めるとか、或いは執行停止の場合においてもこれは明文が欠けているとか、又は訴訟停止に関するところの明文を欠いている。
ただ形式的には、実はルール制定諮問委員会が最高裁判所にございますが、この委員の中に国会議員のおかたに入つて頂きたいと要望をいたしたことがございますのですが、国会法の関係でそれはできないということから、まあ今は不可能になつております。ですが、この委任の法律につきましては、それに基くルールにつきまして、特に御連絡をできるだけいたしたいと存じます。
私はこういう先例を作つておきますと、たださえ立法とルール制定権との境界の問題がまだ未解決であるので、未解決にこういう一つ一つ事例を與えて行くということは、結局証拠を與えることになるのです。我々の立法権の放棄をみずからなしつつあるということになるのですから、この点は一つ十分衆議院でもお考え合せ願いたいと思います。
そして、ルール制定の場合には前以て一応我々にお示しを願いたい。この点お願いして置きます。
○説明員(關根小郷君) 実はこの要綱はまだ正式なものはできておりませんが、特に最高裁判所のルール制定諮問委員会にかける段取りになると思いますが、若しこの法案が通過いたしますれば、そういつた段取りになると思いますが、私どもが只今考えておりますのは要綱としてお手許に差上げたいと存じます。
○伊藤修君 ではルール制定権の範囲はお説のごとく單なる手続のみということに我々はあなたの言質を取つて置きます。次にその滌除の問題ですが本法においてはこの代価弁済とかしてありますね。代価弁済いわゆる第三者の権利保護の方法として代価弁済の一つの方法だけを認めておりますが、これでは第三者の権利を保護するにはまだ足りないのじやないかと思うのです。
競売法の規定、或いは強制執行法のいろいろな規定を運用せずして、この法律を基本にいたしまして、そういう点を私は書かなかつたならば、ルール制定は目的を逹し得ないと思う。これはもう火を睹るより明らかだと思います。
政府側もルール制定委員会の委員、幹事等として列席する機会もありますので、その機会を利用して、そうして国会の意のあるところも反映して行きたいと存じておる次第であります。
○五鬼上最高裁判所説明員 それは適当と認めれば、ルール制定委員会にかけて改正するということになると思います。たとえば刑事訴訟規則の改正などは、各地の意見を求めて、その意見に基いて、事務当局で制定諮問委員会に申告して、そうしてルールを作成するという形になつております。
○五鬼上最高裁判所説明員 ルール制定委員会にかけたものについては、大体改正の場合も制定委員会で改正しております。それからルール制定委員会にかけてない、ごく内部的の規則とか規程とかいうものは、これはただ裁判官会議によつて変更されるということになつております。そういう手続をとつております。
その際、最高裁判所の使命なり構成に関しまして、いろいろ考えられたわけでありますが、最高裁判所が違憲立法審査権という重大な使命、その他ルール制定権、裁判官の名簿作成権という、これまでの大審院の持つておらなかつたような権利を持つており、それから違憲立法審査権などを行使する上におきましては、裁判官の人数というようなものも、旧大審院のように三十数名ないし四十何名の大勢では、どうも適当でない、やはりせいぜい十五名程度
尚本法におきましては、本法の立案の建前といたしまして、基本的な規定を本法に定めまして、手続に関するところの規定はすべて最高裁判所のルール制定権に譲るという趣旨を以ちまして、この規定を明らかにいたした次第であります。
○野木政府委員 その点につきましては、一般に憲法のルール制定権ができたことに起因して、同樣の問題が起つてくるわけでございますが、この四十八條のような書き方になつておりますれば、ルールはこのわく内で、しかもこの精神に從つてつくられなければならないわけでありますが、そう御心配になるような結果が生ずることは万々ないと確信しておる次第でございます。
そういうルール制定委員会というものが設けられておりまして、最高裁判所側で、その委員会にルールの案を諮問します。その諮問に基いて最高裁判所が決定するということになります。
それから今のおそらく最高裁判所当局も、事務当局は大体そういういきさつを知つておりますので、ルールに規定し、また私どもルール制定委員会のときに出まして、その点を十分主張して、ルールにぜひとも規定してもらうつもりでおります。
そこで訴訟運行の手続だけの面から見ますと、民事訴訟的な性格が非常に強いのではないかというふうに考えておりますので、ルール制定の際にもそういう線に沿つてつくつてもらうことを予定しているのでありますが、もし本法においてぜひこの程度の大綱は示す必要があるということでございますれば、どこかにルール制定以外のものは民事訴訟の規定によるというような一條は、入れた方がいいかとも考えている次第でございます。
尚御要望の点につきましてはルール制定の際におきましては十分に考慮したいと思います。
私は先般民法の一部の改正の時に、詳しく私の所見を申し述べたつもりでございますが、憲法第七十七條條の解釈について、学者間にもいろいろの見解のあることは、すでに御承知の通りだと思うのでありまして、この七十七條のいわゆるルール制定権というものは、どの程度のオーソリティーをもつておるかということについては、幾多議論のわかれているところだと思うのであります。
字句の修正としては、最後に申上げましたルール制定權に關する「手續」という文字を「事項」に改めたということは、相當重大な意味を持つておるのじやないかと思います。以上附加えて置きます。
○説明員(五鬼上堅磐君) 私の方の考えは、ルール制定のいろいろ細かい規則を作つて行くにしても、むしろ内部的の規則とか、そういうことに主として國会の御参加を願うより、法律とルールの範囲をどこに置くか。これは國会との間の摩擦を生じてはいけないというために特にお願いするのであります。そういう大きな問題の点を、いわゆる議会の制定権によつて議会の立法権を侵害するようなことがあつてはいけない。