1986-04-23 第104回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
しかし、我々からすればそのヤルタ協定そのものにそもそも間違いがあった。そのことが対日講和条約の中で同じような文言になって出てきている。そこに誤りがあるから一つはそこを正していく必要があるのではないか。日本がいかに自分だけでもって日本の固有の領土なんだと言ったところで、それは始まらないと思うのですね。
しかし、我々からすればそのヤルタ協定そのものにそもそも間違いがあった。そのことが対日講和条約の中で同じような文言になって出てきている。そこに誤りがあるから一つはそこを正していく必要があるのではないか。日本がいかに自分だけでもって日本の固有の領土なんだと言ったところで、それは始まらないと思うのですね。
このような形で、米国のヤルタ協定そのものについての考え方、あるいはサンフランシスコ平和条約の中の千島列島に四島が含まれてないということについての米国政府の見解は明確になっているわけでございます。
ヤルタ体制、ヤルタ協定そのものをわれわれはおっしゃるとおりにそういう謀略的なものは認めないという姿勢できておるわけです。 それから日本外交の大事な点として国連というものを重視していく、これはもう言うまでもないことでありまして、国連外交というものは今後これをみんなで育てて、この国連憲章に基づく国際間のお互いの交流をしていくと、こういうことが最も大事だと認識しております。
そういう意味で、ヤルタ協定そのものがこの北方四島の占有の法的根拠となり得ないというどとは明白だろうと考えております。 次に、ポツダム宣言でございますけれども、これは戦後の処理方針を連合国として決めたものでございますけれども、この中に引用してございます大西洋憲章であるとか、カイロ宣言等におきましては、領土不拡大の原則というものが明確に定められております。
それはヤルタ協定そのものが平和条約の中に内包されておるという、何と弁解しようと、どう言おうと、これは否定できない事実だと私は思うのであります。
われわれはヤルタ協定そのものを、大国間の秘密の決定によって第三国がこれに拘束をされるということは、国際信義の上からいって、国際平和の上からいって非常に望ましくないことである、こういう観点に立って私たちは領土問題に対処しております。
これをきめたものはヤルタ協定そのものだけであります。しかるに、今やヤルタ協定が廃棄せられるに至るとするならば、その影響はいかになるのでありましよう。今ただちに講和条約の改訂を望み得ないとしても、ここに新しき希望の生ずることは当然と言わなければならないと私は思う。(拍手)これに対して政府はいかなる反応を示しておるのでありましようか。何らの反応をも示しておらないのセあります。
ヤルタ協定そのものの経緯は、私はここで論じませんが、しかし一体大西洋憲章によつて見ましても、戦争を理由としてその領土を侵すということ、あるいは領土の併合をはかるということはしないという原則を立てた。その原則とヤルタ協定はまさに反するもので、蹂躙をするものであつて、これはサンフランシスコにおいても、ダレス氏が演説の中に明らかに指摘いたしております。
しかしもしそれが実現されますと、ヤルタ協定そのものが廃棄されますから、その当事者の間では効力を失うわけでございます。
ただ私は一言申し上げておきたいのは、ヤルタ協定そのものを、われわれが正しい態度をもつてよく調べてみる必要があると思う。第一の点はヤルタ協定にははつきりと南樺太、千島の返還並びに引渡しはも対日戰争が済んだらこれが行われるということははつきりしておる。もうすでにそれは実行されておる。そしてそれに対して連合国の間では何ら問題が起つていない。