1973-06-06 第71回国会 衆議院 公害対策並びに環境保全特別委員会 第24号
水銀農薬はフェニル酢酸水銀でございますから、これは簡単に土の中で分解して無機の水銀に変わり得るわけでありますけれども、先ほどの松野先生のお話もございましたように、土の中でメチル水銀に変わっていく、あるいはそれが川に流れ出しまして、海に行きまして、マグロの肝臓の中でメチル水銀に合成されるという事実はすでに東大の薬学の浮田教授によって明瞭に実証されている。
水銀農薬はフェニル酢酸水銀でございますから、これは簡単に土の中で分解して無機の水銀に変わり得るわけでありますけれども、先ほどの松野先生のお話もございましたように、土の中でメチル水銀に変わっていく、あるいはそれが川に流れ出しまして、海に行きまして、マグロの肝臓の中でメチル水銀に合成されるという事実はすでに東大の薬学の浮田教授によって明瞭に実証されている。
フェニル酢酸水銀、これは水銀にアイソトープをラベルしまして、くっつけまして、そしてサルとかあるいはネズミに注射をする、そして神経系の中にどのように取り込まれていくか、あるいはまた胎児に移行するかどうかというような研究をやってきておりまして、これはことしの一月の「公害研究」に出ておりますが、先ほど山口先生のお話もありましたように、無機水銀は脳には入りませんし、入ってもすぐ出てしまう。
○白木参考人 フェニル酢酸水銀は、私先ほど申しましたが、土の中で容易に無機水銀に分解する。しかし土の中でメチル水銀に合成される、そのことを考えていただかなければならないわけです。これはスウェーデンでそういう証明があります。土の中にはいろいろな嫌気性のバクテリアがございます。
水銀農薬は、これはフェニル酢酸水銀という有機水銀で、メチル水銀ではございません。しかしそれをばらまきますと、簡単に土の中で無機水銀に変わりますけれども、その土の中の無機水銀が今度は土の中におりますところのバクテリアの作用によりましてメチル水銀に合成されているわけです。そのメチル水銀が農作物あるいは飲料水、そういうものを通じてわれわれのからだの中にたまりつつあるということでございます。
これは十七年間、フェニル酢酸水銀性の農薬をいままでに六千八百トン日本の土壌中にまいておる、こういうことなんですね。 それから残留農薬の中の水銀ですが、農地一ヘクタール当たり残留農薬は、スウェーデンが四から五グラム、英国とフランスと西ドイツが六グラム、オランダが九グラム、これに対して日本の場合は七百三十グラムという、けた違いの残留農薬量ですね。 ですから、水俣病はあれで終わってない。
フェニル酢酸水銀ということはわかりますけれども、メチル水銀というものは、昭和電工の鹿瀬工場から出る独特のものであるというようなことを確認された。
それは主としてフェニル酢酸水銀の有機水銀あるいはアルキル水銀のもたらすところの弊害、あるいは人体に及ぼす影響ということでありましたが、これは物性も明らかにされておらないというお話でありました。まことにそのとおりだと思うのです。
○石川委員 アメリカではフェニル酢酸水銀の許容量は人体一キログラム当たり〇・〇〇〇〇五ミリグラム、これはもうゼロですね。人体では絶対にフェニル酢酸水銀はとってはならないという別な言い方だと思うのです。〇・〇〇〇〇五ミリグラムですから。こういうふうにきわめてきびしい許容量というものの基準を設けておる。日本はそれに対しては、こういうような許容量というものの基準はまだきまっておらない。
○石田(宥)委員 次に、これは厚生省の方に伺いたいのでありますが、農薬の中に含まれておる一種の水銀でありますところのフェニル酢酸水銀といものは、これは避妊薬として直接体内に注入するものなんですね。相当長期間にわたってこれを使っているわけです。これによって患者が出たとか、被害があったということを聞いておらないわけですが、何かそういう事実はございませんか。
○石川委員 蒸し返しのようで恐縮でございますが、WHOあたりでは、フェニル酢酸水銀というものはほとんど残留させてはならない、こういうような基準が国際的にきめられておる。これに非常に熱心なのはアメリカとオランダのようであります。きめられておるそういう国際的な基準が一応あるわけです。
○畑井説明員 ただいま参事官から御説明のように、土壌での完全な分析はまだ終わっておりませんが、研究所で湛水状態にいたしましたどろで有機水銀、ただいまのフェニル酢酸水銀を入れて経時的な経過を見てまいりますと、大体ポット試験の湛水状態では、二十五日後にほぼ十分の一になった、そこまでは明確に出ておりますが、その先はまだ調査中でございます。
その中には、フェニル酢酸水銀系のものが大部分でございますが、アルキル水銀を含有した農薬も含まれていたわけであります。 その後、地震の後におきまして、七月三日付の新潟県衛生部長の通達によりますと、信濃川の埠頭付近に、被災しました倉庫から流出した農薬が多数に漂着していることが報ぜられております。
現在いもち対策用に使っております農薬としての水銀はフェニル酢酸水銀という系統の水銀でございまして、きわめて分解もしやすく、アルキル水銀とは全然性質が違うものでございます。なお、動物実験では、それが体内に摂取をされた場合には、少なくとも九割は体外に排出をされるという実験データもあるわけですが、現在までのところ、そのことによって直ちに人間の健康に害を与えたという報告はまだないわけでございます。
○原田立君 このフェニル酢酸水銀の農薬は、一体どういうような工場で日本全国つくられているかという、これは所轄違いだろうと思いますけれども、おわかりになっていますか。——わからなければけっこうです。調べてもらえば……。
すなわち、まず一番初めは、昔から消毒剤によく使われております無機水銀である昇汞のようなもの、それから二番目には、ただいまお話のありましたような、非常に危険な中毒を起こすところのアルキル水銀という名前で呼ばれているもの、第三番目は、本日の委員会で最も問題の対象になりますところの、特に米のいもち病を防除する農薬として使われておりますところのフェニル酢酸水銀というものでございます。
ただ、まいたフェニル酢酸水銀というものが、その米の中でどういう形態になっているかということに関しましては、ただいまの御説明では、可溶性になっているから無機水銀と推定されるというような表現のしかたであったと思いますが、可溶性であるということと無機水銀であるということを直接つなげて推定を立てることは非常にむずかしいと存じます。
○小高説明員 これは一九六三年にWHOとFAOとの残留農薬に対する専門家委員会というものが報告を出しておりまして、その中でフェニル酢酸水銀につきましては、人体に対する許容量が一キログラム当たり〇・〇〇〇〇五ミリグラムである。この値はゼロと同じに考えなければいけない、このように報告されております。