2002-05-31 第154回国会 衆議院 外務委員会 第17号
ソ連も後から加盟しましたカイロ宣言でも、「右同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」と強調して、連合国側は領土不拡大を最大の原則としていたと思いますが、どうでしょうか。
ソ連も後から加盟しましたカイロ宣言でも、「右同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」と強調して、連合国側は領土不拡大を最大の原則としていたと思いますが、どうでしょうか。
カイロ宣言の先生の御関心の条項は三項目でございますか、「三大同盟国ハ日本国ノ侵略ヲ制止シ且之ヲ罰スル為今次ノ戦争ヲ為シツツアルモノナリ右同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」「右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満州、台湾及澎湖島ノ如キ日本国が
「同盟国ハ自国ノ為ニ何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」こういうように明白にカイロ宣言できめておる。そして承知されておるように、ポツダム宣言というのは、これは無条件降伏ではなしに、連合国が一定の条件を示して、その条件のある宣言を日本が無条件で受諾をした、こういうことであります。
しかし、一九四三年十一月二十七日のカイロ宣言においては、米・英・中「三大同盟国は、日本国ノ侵略ヲ制止シ且之ヲ罰スル為今次ノ戦争ヲ為シツツアルモノナリ右同盟国ハ自国ノ為ニ」「領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」。こういう形において自己制約を持っていると思います。
すなわち、カイロ宣言においては、「同盟国ハ自国ノ為二何等ノ利得ヲモ欲求スルモノニ非ズ又領土拡張ノ何等ノ念ヲモ有スルモノニ非ズ」と言つておるのであります。それにもかかわらず、ヤルタ協定において、南樺太及び千島列島の帰属が決せられ、これが尾を引いてポツダム宣言となり、サンフランシスコ講和条約となつたことは周知のごとくであります。