1957-03-20 第26回国会 衆議院 本会議 第23号
マグサイサイ氏の遭難の報に接し、弔問のため大使館にネリ大使を訪れるや、大使の落胆はその極に達していましたが、ぼつぼつと語るその言葉の中に、マグサイサイ大統領は、私が赴任するに当り、ひそかに指令していた。それは日比協力の長期計画に関してであり、フィリピンの将来は実に日本との協力にあるということであった。
マグサイサイ氏の遭難の報に接し、弔問のため大使館にネリ大使を訪れるや、大使の落胆はその極に達していましたが、ぼつぼつと語るその言葉の中に、マグサイサイ大統領は、私が赴任するに当り、ひそかに指令していた。それは日比協力の長期計画に関してであり、フィリピンの将来は実に日本との協力にあるということであった。
十分な検討を加えず、ネリ大使が五月の上旬に日本に参った場合、閣議にも諮らずに、鳩山総理は八億ドル賠償の覚書をサインをして渡してしまったと言われております。あとで国会でこれを追及されますや、鳩山総理は、そういう事実はないと答弁された。このことが新聞に出、フィリピン側に報道されるや、フィリピン側は大憤慨です。
○佐藤尚武君 緑風会といたしましても、今回の賠償協定に対して全幅的な賛意を表するものでありますが、四年越しの長い交渉がここに妥結するに至りましたことは、まことに慶賀にたえないことでありまして、外務大臣初め高碕長官その他関係各位の御努力に対しまして、深く感謝の意を表するものであり、またフィリピン側のネリ大使初め、これに関係したもろもろの人々に対しましても、深く敬意を表する次第であります。
そのときに内交渉に来たのがネリ大使でございます。昨年の五月だったと思いますが、五月初めにやって参りまして、この問題もこのままほったらかしておくわけにいかぬ、専門委員会ばかりにまかしておくわけにいかぬのだからというわけで向うからいろいろ話がございました。
対比賠償がいかに過大であり、そのためにこれを訂正すべくいかに困難な折衝が長期にわたってなされたか、にもかかわらず、当初のネリ大使提案が、本質的には何ら変っておらないということが今や明瞭であります。
その間、フィリピン大統領の外交顧問であるネリ大使が、専門家会議の審議状況視察の目的で来朝し、その機会にわが方と非公式の話し合いをなしたのでございます。ネリ大使の帰国後、マグサイサイ大統領は八月十三日付の書簡をもって、鳩山総理にあてて、ネリ大使のこしらえた試案をもととする案を正式に提案して参りました。
○国務大臣(鳩山一郎君) 昨年のネリ大使と政府首脳部との話し合いは、意見の交換をなしたものでありまして、了解をし合ったというわけのものではありません。その後の交渉経過によってみましても明らかでありますがごとく、今日の了解に達するためには、長期の折衝を必要としたのであります。ようやく近く賠償問題が解決することは、私としては非常に喜んでおるわけであります。
この間、フィリピン大統領の外交顧問ネリ大使が専門家会議の審議状況視察の目的で来朝し、その機会に、わが政府側と非公式の話し合いをなしたのでございます。 ネリ大使の帰国後に、マグサイサイ大統領は、八月十三日付の書簡をもって鳩山総理にあてて、ネリ大使の試案をもととする案を正式に提案してきたのでございます。
昨年の五月前後におきまして、フィリピンのネリ大使が来て、いろいろ内交渉をしたということは、御報告をいたしました。そうしてその結果、ネリ大使が帰って、一つの正式の提案がマグサイサイの名前をもってなされたということまでは報告をいたしております。そのフィリピン側の提案は、それまで東京において行われた内交渉の結果できたものであることには違いはございません。
本来ならば非常に一致しにくいものでありますから、それをネリ大使と日本側の卜部事務所長代理でありますか、いろいろな文書の形を通じて一致させるように御苦心をなすっていらっしゃるだろうと思うのです。そこで今やっておいでになることは、ただいまの局長のお話から伺いますと、これがかたまっていけば、協定文に入る云々ということでありますから、協定文以前のことをやっておいでになる。両方の考え方を一つにしよう。
その提案はすでに新聞にも出ておりますように、きわめて簡単なものでございます——従いまして、その簡単なものがどういう意味であるかということにつきまして、マニラにおきまして日本の在外事務所長と先方のネリ大使との間に、それから約半年近くになりますが、その間その解釈問題につきまして話し合いが行われてきておるわけでございます。
御承知のように、昨年の春東京で専門家の会議だということで話は進んで、そうしてその結末が五月ごろ向うのネリ大使が出てきて、大体オーソライスされたような案が今御承知のような八億ドル賠償の話、新聞に伝えるところによりますと、まず賠償の五億五千万ドル、この内訳は資本財が大体五億ドルだ、それから現金賠償は二千万ドル程度だ、役務支払いが三千万ドル程度だという内容をもった五億五千万ドル、それからさらにそのほかに長期借款
国際信義の上にきわめて遺憾にたえないところでありますが、われわれが、しかし、さらに遺憾にたえないことは、鳩山内閣が、昨年五月四日、突如として来朝したネリ大使との交渉で、賠償五億五千万ドル、海外投資二億五千万ドル、計八億ドル案を軽々にもうのみにし、しかも、ネリが帰って直後、この全貌がマニラ新聞によって暴露されて、今日に至っては、国民の正当なる主張も要求もすでに許されざるまでに既成事実化しつつあることであります
先般来より折衝は逐次行われまして、先般来よりネリ大使がこちらに参りまして、いろいろ折衝いたしましたが、依然として日本の経済力の負担から来る日本の支払い能力を主張するわが方と、もう一つはフィリピン側からは十億という線を主張いたしまして、なかなかその主張は相譲りませずに、ついに何らの妥結も見ず、ネリ大使はフィリピンに帰るような段階になりました。
○松平委員 それは非常に重大な発言だと思うのでありますが、ネリ大使から相済まないと言ってきた、その内容というものをもう少し詳しくしていただきたいのであります。
○鳩山国務大臣 フィリピンと日本との間の賠償交渉の報道がフィリピンでずいぶん発表せられましたけれども、それに対してネリ大使からは、そういうようなことは事実に反する発表か出たのである、まことに相済まないというようなことを言ってきております。
これは先方のネリ大使は常に自分の意向を表示しておりますか、しかしこれに対して承諾を与えたことはないので、ネリ大使の意向を関係方面において検討することは常にやっておった次第でございます。
さらにもう一点は、すでに十五日にネリ大使の方からマニラにおるト部事務所長代理、あのト部所長代理の方へこの八億ドルの賠償請求について非公式に申し入れがあったということも報道されておるわけです。それが事実であるのか、それともそれも新聞情報にすぎないので、外務省の方には何らそういうものは申し入ればなかったのか、この点もう少しはっきりさしていただきたい。
その点におきまして一つ伺っておきたいと思うのでありますが、フィリピンから参ります情報によりますと、全権を持って日本に交渉に来ておられましたネリ大使がフィリピンに帰りまして、鳩山首相はフィリピン賠償の支払い額が八億ドルとすることに同意したということを発表をしておられるのであります。
○国務大臣(重光葵君) ネリ大使は、大統領並びにフィリピンの外務大臣の本件に対する委任状を、これは非常な公式なものではございませんでしたが、はっきりした委任状を持って参ったのでございます。その権限によってこれはやりました。われわれは日本の政府の当局としてこれに応じたわけでございます。
次にお尋ねしたいのは、これは千田君がお尋ねしましたから、くどいことは申し上げませんが、フィリピンのネリ大使の言葉を見ておりまするというと、八億ドルというものは、どうも高碕経審長官が、それでもよかろうというようなふうにおっしゃったように私どもは推測することができるわけです。
そうして専門家会議がずっと開かれておりまして、この専門家会議には、最後にネリ大使がやってきたのでありまして、この専門家会議には各省の何が皆これは参加してやっているわけなのです。ただこれは最後の会議にネリがきたのでありますが、そのときにいろいろそういう試案をもって内交渉をしておる。このことについてはすべてそのつど他の閣僚に相談するということはいたしませんでした。
○岡田宗司君 ただいまのお話ですと、談話の間において、たぶんこの程度ならば鳩山も同意見だろう、こういうことを向う側が感ずるような話し方をされたということが首相の口から言われたわけでありますが、そのネリ大使との話の間に、今向う側でもってまとめております八億ドル案というものは、首相に示されたものであるかどうか、それをお伺いしたい。
そして今回ネリ大使が来まして、こちらでいろいろと交渉が行われた。ネリ大使がフィリピンに帰りますというと、例の八億ドル案というものが出て参りまして、そしてその八億ドル案が出たときに、これは鳩山総理大臣が了承したものだというようなことが向うから伝えられて参ったのであります。こちらの方ではまあそれを否定しておったような形であります。
もっともしかしそういう報道についてはネリ大使ははっきりとこれを否定しております。公式に、向うでそういうような報道があるけれども、全然自分らの知っておるところとは事実に反するのだ、こういうことではっきり否定をなさっておられます。さような次第であります。
これは、先ほど申し上げる通りに、向うの賠償交渉の主任のネリ大使が東京に来て、賠償問題の交渉に当った際に、高碕長官、私、その他外務省員と、その賠償交渉について意見の交換をしたことは事実でございます。これは先ほど繰り返し繰り返し申し上げた通りです。そうして向うは十億から八億までおりてきた。
私が申し上げたように、ネリ大使としてはネリ大使としての案を持っている、また希望案があるわけであります。それについてはネリ大使が日本側の意向をも十分考慮して、そうして自分の案を練ろうといって持って帰った案があるのでございます。それはネリ大使の案でございます。それが基礎になってだんだんフィリピン側のなにをまとめておる状況でございます。
ただ先般参りましたネリ大使が、わが方といろいろ折衝の結果、帰りまして、ただいま新聞に出されているような線ならば、将来わが方との折衝のめどがつくのではないかという案を考えているのであろうと推察いたします。
○国務大臣(重光葵君) いや、それは関係のない、新聞の何というか、ネリ大使に言わせれば、それは想像記事だと、こういうふうに申し上げるよりほかにしようがないと思います。しかしまあどこで妥協するかということは、やっぱりどっちも初めの、当初の案をすっかり固執されれば妥協はできん。しかし妥協したいと、こういう意思があると、こういうことでありました。
この間、ネリ大使が向うに帰りましてから、例の八億ドルの賠償案を鳩山氏から提示されたというようなことが伝えられておりますが、その後あれについて否定的な言明がこちらでも行われたし、向うでもマグサイサイ大統領から、そういうことはない……しかし一方ああいうものが、相当具体的な案がああいうふうに流布されている。
その仕事がどこまで進んでいったか見当をつけるために、また結末をつけるために、向うは賠償問題の主任をやっておったネリ大使が東京に出かけて来たという、こういうことになります。そこで、出かけて来て、専門委員会の双方のなにとつぶさに検討して、非常な有益なここに仕事が進んでいるということを認めて、そうしていろいろなことについて合意も専門的にはできたんでございます。
日比賠償につきまして新聞の報ずるところによりますと、八億ドルの賠償というものがネリ大使によって内容が発表せられた。鳩山総理はこれに同意を示したというより、むしろ積極的に首相が提案したということを報じておる新聞もある。これについて、総理の言明については重光さんは関知されないといい、あるいはまた大蔵省は非常に財政的に難色を示している。年間二千万ドル、七十二億円というようなものはとても出せない。
その専門委員会の仕事の結末をつけるために、賠償の主任でありましたネリ大使がみずから東京に来られて一般問題についても話し合いを進めておることは事実でございます。そうしてネリ大使の案としていろいろな案が提出されたことも全く事実でございます。
そして、あるいは新聞紙上でごらんになりましたか、ネリ大使が——この人は賠償の主任官の地位を持っておった人でありますが、やってきまして、いろいろな方面から賠償問題を検討し、総額についてもいろいろ希望が出たのでございます。 さようなわけで、賠償交渉は実質的に非常に有益でありました。双方の意見が今までよりもさらによくわかってきたのであります。しかしまだ妥結はいたしません。