1972-05-17 第68回国会 参議院 物価等対策特別委員会 第6号
アミノ酸しょうゆと醸造しょうゆの違いというものは、たいへんなものですわね。私、こういう図を見てよくわかったのですけれども。だから、塩酸なんかで強引にばらばらに植物性たん白を分解した、何といいますか、アミノ酸液混合しょうゆ、それに比べて、一種の自然な醸造の場合、原料の大豆とか小麦のたん白質が酵素の力で自然に分解していく、そこに出てくるものは、確かにこれ、乳酸でしょう。
アミノ酸しょうゆと醸造しょうゆの違いというものは、たいへんなものですわね。私、こういう図を見てよくわかったのですけれども。だから、塩酸なんかで強引にばらばらに植物性たん白を分解した、何といいますか、アミノ酸液混合しょうゆ、それに比べて、一種の自然な醸造の場合、原料の大豆とか小麦のたん白質が酵素の力で自然に分解していく、そこに出てくるものは、確かにこれ、乳酸でしょう。
戦争中には代用しょうゆ、戦後もちょっとありましたけれども、代用しょうゆという名前でアミノ酸しょうゆというものが出回っておりました。これは統制マル公の中でも代用しょうゆと本造ということで区別されておりましたが、総理は御記憶にまだ新しいと思うのです。
それから、そのほか大豆、麦の粉それだけをもってアミノ酸しょうゆはできない。それに硫酸なり塩酸を作用させて初めてできるのであって、これはケミカルの常識からいけば、当然そういう化学的の物質、硫酸なり、塩酸というものはこれは原料です。水あめにとっては澱粉が主原料、あるいは硫酸、塩酸は副原料というかもしらぬ。しかしながら、硫酸も塩酸も澱粉も、これは当然原料じゃありませんか。
すでに厚生省において調査されておると思いますが、昨年八月ごろ全国的にアミノ酸しょうゆ用塩酸が不足いたしまして、業者が通産省に衷情を訴えたことがありますが、塩酸不足は特に広島、山口などの中国地方において著しかった模様であります。
結局あるきわめて小さな一工場で作りましたアミノ酸しょうゆ中に砒素が含まれていたことが確認できたわけでございます。そこでさらにこれを追及いたしまして、いかなる経過でアミノ酸しょうゆに砒素が入ったかと調べましたところ、その工場におきましては、元来脱脂大豆を塩酸処理してアミノ酸を作っておったわけでございますが、たまたまその塩酸に砒素があることを確認いたしたわけでございます。
○説明員(金原松次君) おっしゃるように、アミノ酸しょうゆを作るときに塩酸を入れる。こういうのは現在の法律の添加物という定義の中には入ってきません。それから通念でいう添加物という概念には入っていないものと思います。従って現状のままにおいては、これを添加物としていろいろの規制をするということはできないと思います。その点は現段階における法律の欠陥であったと、こう認めます。
添加物というのは一つの製品ができていく過程において、たとえばこれを塩辛くしようとか、甘くしようとか、色を漂白しようというようなときに、たとえば白みそを作るときに、みそを白くするときに漂白剤を使うのを添加物、アミノ酸しょうゆを作るときに塩酸を使うのは、これは原料じゃありませんか、一番根本の……。添加物でもなんでもない。この添加物と原料の区別がつかないところに厚生省の取締りの仕方の欠陥がある。
そうするとここで環境衛生部長なり公衆衛生局長が、私が言う通りにアミノ酸しょうゆを作るのに、唯一の一番根本の原料である塩酸を添加物として従来考えておられた。従ってここに添加物に関する改正の案を出せば、これによってそういうような非常に危険なるアミノ酸しょうゆをわれわれは飲まなくてもすむようなふうに取り締れるとお考えになったことが私はおかしいと思う。これはどうなんですか。