それから、湾岸戦争がございまして、その後アフガン撤兵がございました。これでまたすっかり変わりました。それまではソ連、アフガン、それにインドがついて、それに対して米、中、パキスタン、これはもうはっきり対立しておりました。今は、パキスタンは九一年後、むしろ解放されたイスラム諸国との関係の方がよくなりました。インドが全くの親米、親日になっております。これで南アジアの冷戦はすっかり終わっております。
岡崎久彦
まず、情勢判断でございますけれども、これはもう既に、佐久間参考人、渡邉参考人から詳しく御説明があったので詳しいことは申し上げませんが、結局、冷戦は確かに終わりまして、ヨーロッパ、あるいはアフガン撤兵後の南アジア、あるいはベトナムのカンボジア撤兵後の東南アジア、これは全部変わりました。ところが、極東では余り変わっておりません。特に、朝鮮半島、台湾海峡は全く変わっておりません。
岡崎久彦
両国を回りまして、公式日程からこの国葬へ、それぞれの国で外相もいろいろと意見を交換されてきておると思うのでございますが、特に経済的な援助、それからもう一つはアフガン撤兵をめぐっての具体的な援助等についても言及されたということが報道されておりますけれども、今回回りましての御所見がございましたら承っておきたいと思います。
及川順郎
アフガン撤兵もINF合意も、ここに大きな誘因があったと見て差し支えないでありましょう。
もちろん東西間に、米ソの間にはいまだ根強い相互不信があるでしょう。したがって、今直ちに第三の新デタント時代に入ったと手放しの楽観はできないでありましょうが、少なくともこのような平和志向への国際的な大きな流れは大事にしたいものであります。日ソ外交の積極的展開が今こそダイナミックに行われるべきではないでしょうか。
広瀬秀吉
グローバルな視点から見てまいりますと、核軍縮をめぐる対話というものも進み、ソ連のアフガン撤兵も実現しそうにあるという、こういう現実面を直視いたしまして、東西緊張緩和の機運にあると言えないこともありません。ヨーロッパにありましては、今回の核問題にとどまらない全欧安保協力会議、あるいはまた中欧相互兵力軍備削減交渉など、従前から軍縮、軍備管理をめぐる対話というものも進められているわけであります。
最上進
見出しも「外相 日ソ対話の拡大表明」「アフガン撤兵評価」「変化見定め認識を修正」各紙とも似たような取り扱いであります。
そこで長官、こういうようないわば新しい国際環境の中で北方領土返還を我々は実現していくことになる。そういう新しい環境の中での領土返還に対する長官の御見解を改めて伺いたい。
五十嵐広三
アフガンに関しましては、この間、日本は平和にも貢献をしなければなりませんから、イラン、イラクの問題と同様にアフガン撤兵ということに関しましてパキスタンに御承知の栗山審議官を派遣して、本日帰ってまいりました。先ほど報告を受けたばかりでございますが、三月十五日にソ連は署名、調印をしたい、それが終われば五月十五日ごろから九カ月にわたって撤兵する、こういう話が煮えております。
宇野宗佑
私どもソ連についてはアフガン撤兵を求め、歯舞、色丹、千島の全面返還を要求しておりますけれども、これはこれ、それはそれで一言質問しておきたいと思います。
政府の言うソ連の脅威というのは、いまにもソ連が日本に攻め込んでくるような状況だ、そういうふうに見ておられるのでしょうか。
榊利夫
最後に、私は、ソ連にアフガン撤兵を要求するわが党の態度を重ねて表明するとともに、アメリカにはイラン問題の当事者として平和的解決を求め、さらに、日本政府には対米追随外交の転換を改めて要求して、以上の質問に対する総理の答弁を求めるものであります。(拍手)
〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
榊利夫