1972-11-02 第70回国会 参議院 社会労働委員会 第2号
ですから、これはひとつ、そういうことを踏んまえてもらってこのアソニット工場に対しましても相当の行政指導をやっていただきたいと思います。ほんとうに差別待遇なんていうのはけしからぬと思います。これは事実です、私ちゃんと見てきましたのですから。これはひとつ、そんなことが行なわれているということは局長自身御存じないくらいですから、最もそれはいけないと思うのです。
ですから、これはひとつ、そういうことを踏んまえてもらってこのアソニット工場に対しましても相当の行政指導をやっていただきたいと思います。ほんとうに差別待遇なんていうのはけしからぬと思います。これは事実です、私ちゃんと見てきましたのですから。これはひとつ、そんなことが行なわれているということは局長自身御存じないくらいですから、最もそれはいけないと思うのです。
○政府委員(渡邊健二君) せっかく誘置いたしましたアソニット工場の問題につきましてただいま先生の御指摘をいただいたわけでございますけれども、私どもいまお話を伺いまして、どうしてそんな特別の差別をしておるのかちょっと理解ができない、こういう感じがいたします。さっそく事情を調べまして、そういうことがなくなるように行政指導をしてまいりたい、かように考えます。
労働省のほうも肝いりであそこにアソニット工場を誘致していただいた。山で働いてCO中毒になって困っている人、あるいはなくなった人の家族のために、こういうようなことでアソニット工場というものを誘致してもらった。あれは荒尾市でしたか、あそこにアソニット工場ができておる。私もちょっとのぞいてまいりました。
その方々の賃金は、縫製工場のほうは固定給で三百五十円で、アソニット工場のほうは全額請負で約三百五十円の平均になっておりますが、二百五、六十円という人が非常に多いということであります。一家の生計を保つために、主婦として、支柱を失っておりますから、子供のため、子供が病気をしたとか、あるいは子供の入学であるとか、親が病気をしたということで休む日にちは普通の人より多い。
それで先般予算委員会でも滝井委員がちょっと問題にしましたように、あそこのアソニット工場等は、ひどいのになると、死亡した人の未亡人が一日働いてもらっておる金が一日にわずか百二十円。これは三池炭鉱の会社が、会社のふところから別に三百円ずつそういう人には金を出してくれている。しかもこの百二十円というのは、六カ月間の職業訓練を経て就職をしておる未亡人が百二十円しかもらっていない。
それから、いまのアソニット工場の実例なんかのように、実際利にさとい業者が、炭鉱で死亡した人の未亡人の低賃金労働力を目ざしてやってきて、人道上実にひどいやり方をやっておるようであります。これは単に三池のみならず、各地で、多かれ少なかれ、こういった炭鉱地帯等において見られる現象であります。今後ともひとつ厳重に行政指導をやっていただくようにお願いを申し上げるわけであります。