1955-07-27 第22回国会 参議院 外務委員会 第22号
二、わが国移民事業の特質並びに現状に本会社はその主目的が多数農業移民の送り出しと、その定着のための営農資金の貸付とにあることに充分留意して経営すること。 三、本会社の業務の運営に対する指揮監督については当面農業移民が最も重要な割合を占ることに顧み、外務省は特に農林省と充分連絡を行うこと。
二、わが国移民事業の特質並びに現状に本会社はその主目的が多数農業移民の送り出しと、その定着のための営農資金の貸付とにあることに充分留意して経営すること。 三、本会社の業務の運営に対する指揮監督については当面農業移民が最も重要な割合を占ることに顧み、外務省は特に農林省と充分連絡を行うこと。
これを簡単に説明いたしますと、第一の項目は、本会社は御承知の通り公社ではない、会社の形はとっておりますが、事実上これは政府の指導する会社でありますために、この種の会社が外国においてわが国移民の保護促進をする場合においては、よほど注意をしてやらないと、外国の誤解を招いていわゆる排日運動を激成するおそれがあるのであります。
それから今後の構想と申しまするか、についての御質問に対しましては、御承知のことかと察知いたしまするが、最近われわれの努力も若干報いられまして、中南米その他におけるわが国移民に対する受け入れ状況が逐次好転しつつありまして、ブラジルのみならず、アルゼンチンとか、それからボリビア、ドミニカ、その他の国におきまして日本の移民を歓迎しておりますので、今年度は約六千人ばかりを送り出し得る予定であります。
しかし今や南米におけるわが国移民歓迎の風潮は、今日これあるも明日必ずしもかくのごとき状態が続くものというわけに行かないのであります。先ほど私の申しましたように、鉄は熱したときに打つべしである。私はこういう意味におきまして、特に政府の考えを一この点に注がれることを希望せざるを得ないのであります。