1954-12-02 第20回国会 参議院 本会議 第3号
吉田内閣が従来自由放任政策によつて、計画経済などとらぬと言い、昨日の吉田首相の答弁でも、計画経済は国を誤るとまで極言をいたしました。従つて中小企業の中から四人や五人自殺する者が出ても仕方がないと言つて、中小企業、平和産業の事業場の閉鎖、企業整備、首切り、失業者の増加、そうして広汎な国民生活の破壊が、平然と見送られて参りました。そこには失業と餓死の自由があるだけであります。
吉田内閣が従来自由放任政策によつて、計画経済などとらぬと言い、昨日の吉田首相の答弁でも、計画経済は国を誤るとまで極言をいたしました。従つて中小企業の中から四人や五人自殺する者が出ても仕方がないと言つて、中小企業、平和産業の事業場の閉鎖、企業整備、首切り、失業者の増加、そうして広汎な国民生活の破壊が、平然と見送られて参りました。そこには失業と餓死の自由があるだけであります。
従つて、計画経済という言葉がよく使われますけれども、またこの計画経済という言葉がいろいろな意味に使われているので、そういう言葉を今使うことはあるいは妥当でないかもしれませんけれども、ある種の計画経済というものは非常にむずかしく、また場合によつては危険でもある。
(拍手) 中共政府は、戰後の混乱から建設段階に入るのに従つて計画経済を行い、国家貿易を行うに至るや、旧来の英国その他の帝国主義的貿易政策が清算を要請せられることは当然のことであり、もはや中国を植民地として搾取するがごとき貿易行為は成り立たなくなつたのであります。
今まで戦後処理的な性格が強く、中国の産業復興のために多角的な貿易態勢がありましたが、今建設期に入つて計画経済が軌道に乗つて来つつあるのでありまして、英国としても、いつまでも植民地中国に対する昔の夢を持ち続けるというような甘い考えを捨てざるを得なくなつたのであろうと思います。
政府は、その情勢の推移によつて計画経済採用の意思ありやいなや、この点を承りたいのであります。 昭和二十五年度は、ドツジ政策による安定恐慌のうちに明けました。秋から冬にかけて、世界各国の軍拡景気に伴う輸出の伸張と特需の増大によつて、日本経済は好況へと躍進いたしました。しかしながら、年末近くになりますると、中共の進出による朝鮮職局の変転と国際政局の変化は、明るい希望をゆるがし始めたのであります。
從つて、計画経済にのみ重点を置いて社会主義への移行を説くのも事実を曲げるものであれば、自由経済にのみ重点を置いて自由経済復帰を説くのも、現実を無視するものといわなければなりません。この計画性と自由性の割合は、必ずしもイデオロギーの問題ではなく、日本の現実の條件と現実の必要の問題であるといわなければならないと思います。
○山田佐一君 酒類配給公團法は独占禁止法に基いて御施行になるのでありますが、独占禁止法を出した趣旨は、今までの計画経済から一日も早く脱却して自由経済へ復帰するという大方針、いわゆる自由競爭へ戻そうという趣旨の下に独占禁止法が出たものだと思いますが、それをこの公團法によつて計画経済を更に強固に行うということは、禁止法の出た趣旨に逆行するものではないか、而してこの酒類の原料が主食を使用するものであるからという