1951-05-24 第10回国会 参議院 文部委員会 第38号
そういう点でこれは大臣が積極的にけさも全国婦人校長会議においでになつて女性解放論を一席述べられて大変みんな喜んでおるのですから、大臣がそういう積極的な御意思をお持ちであるならばやはりそういう指導的な役割をも十分果して、封建的な日本の現状においてはやはり特定の指導の下にこの婦人の職場というものを守らなければならない。
そういう点でこれは大臣が積極的にけさも全国婦人校長会議においでになつて女性解放論を一席述べられて大変みんな喜んでおるのですから、大臣がそういう積極的な御意思をお持ちであるならばやはりそういう指導的な役割をも十分果して、封建的な日本の現状においてはやはり特定の指導の下にこの婦人の職場というものを守らなければならない。
私どもは教育によつて女性の教養の水準を男性程度に高めよう、それが唯一の男女同権の根源になる。法律がいかに男女同権になつたとしても、実際的に男女同権と言えない。法律が男女同権になる前にも、家庭によつては男女は同権であつたというような点を考えて、要するに帰着するところは女性の教養を高めるにある。それは教育の任務であると考えているわけであります。
從つて女性文化の向上という廣い面におきまして、今後受胎調節、産兒調節の問題を積極的に取上げ、正しく指導されることが必要ではないかと思います。これに対して御意見を承りたいと存じます。
最も大事なことであつて、女性はこれがために泣くのでございます。あとで婚姻豫約不履行に基く損害賠償、貞操蹂躙に基く損害賠償がありましても、その傷はとうてい癒えないのでございます。とうてい癒えるべくもない、癒えるはずがないのでございます。そこでまず事實婚というものをなしたるものに責任を負わせるという大義名分を高く掲げて、輕率なる結婚をしようという男性を戒めるところがなければ相なりません。
世間一般の人々は、この條文は男尊女卑の封建的習慣を清算し、封建的思想を止揚して、夫婦同権に向つて女性を解放したものと見ているようであります。けれども私たち女性の立場からこれを見れば、條文の中央に掲げられてあるものは、実に両性は相互に協力して健全な家庭を維持しなければならないという理想に向つての努力を最も強く規定しているものと解釈します。
若しそれ、かかる目標を以て姦通罪を在続させれば、これ即ちひいきの引き倒しとなり、前に述べたように、却つて悲痛なる愛情或いは事情により発生した女性の愛恋を踏みにじり、却つて女性の多くを泣かしむる惡法となるのであります。若しそれ淫奔悖徳の場合は、これを離縁することによつて、その懲罰の目的は達せられます。
姦通罪の廃止ということによつて女性の地位は向上し、女性の尊嚴性が社会に明確化せられ、両性の本質的平等の一端が実現せられるものであらうと思います。女性の尊嚴、それは姦通罪の存否に拘わらず、女性自身の貞操観念の堅実なることにあると思います。女性が男性の行爲を敢然と防ぐその女性によつて女性の尊嚴性が社会に表明せられると思います。
大抵の人たちは、この條文は男尊女卑という封建的な遺物を清算し、封建的な思想を解消して、そうして夫婦同權に向つて女性の解放を定めたものと見ているようであります。けれども私たち女性の立場から見ますと、條文の中央に書いてあります通り、兩性は相互に協力して健全な家庭を維持しなければならないという理想に向つての努力を、最も強く規定しておるものと解釋されるのであります。