1954-06-02 第19回国会 衆議院 農林委員会 第56号
きのうまであんなにぴんぴん働いておつた馬が、強制検診によつて真性伝貧ときまると、いきなり自分の家に帰さないで殺されてしまう。馬はおれたちの家族なんだ。人間は癩病だつて肺病だつてみな隔離して最後までめんどうを見て、いよいよなおらないというときにあきらめるんだ。それをいきなりひつぱつて行つて、わけがわからない伝貧とかなんとかでぱつと殺してしまう。
きのうまであんなにぴんぴん働いておつた馬が、強制検診によつて真性伝貧ときまると、いきなり自分の家に帰さないで殺されてしまう。馬はおれたちの家族なんだ。人間は癩病だつて肺病だつてみな隔離して最後までめんどうを見て、いよいよなおらないというときにあきらめるんだ。それをいきなりひつぱつて行つて、わけがわからない伝貧とかなんとかでぱつと殺してしまう。
その犠牲になつた馬の罪滅しに、この益金に上つて全体の畜産を振興しようとか、あるいは社会事業に使おうというならば、競馬そのものがたといいろいろ非難がありましても、度すべき点があるのじやないかと思いますが、その点はそういうふうにこだわらないで、もつとこの益金というものを奮発して、あるいは畜産奨励であるとか、あるいはその他の社会事業に使うのだ、それだけ競馬というものは犠牲になるのだ、こういうようなはつきりした
そうして農家の、みんなお互いに金を出して買つた馬を走らして、高い馬がよく走るか、走らないか、みんなの馬を出し合つて走らせた方が、よほど馬匹改良にもなり畜産振興にもなる。そういう面において基本的に割切れないものがある。ただこれがスポーツとしてやるのならスポーツとしてやるのもまたいいでしようが、羊頭狗肉で、看板は畜産振興だが、具体的に何も役に立つていない。これが今の競馬の実情なんです。
戦争中並びに戦後のああいうどさくさになりまして、従来やつておりました組織的な防疫がほとんどできなくなりまして、しかも外地から帰逃して来た馬とか、あるいは九州で買つた馬を北海道へ還元したり、いろいろの馬の移動が相当はげしくなつたものですから、戦争後は相当の伝染性貧血があつたのじやないかというような話になつていたわけであります。
もし国会がほんとうに、走つた馬がかけり行くがごとく自由でありまするならば、三権分立の精神はこわれてしまうに相違ございません。そこで国会に対して調節を加える方法が幾つも考えられて来るはずであります。しかし、これはなかなかむずかしいことでありまして、たとえば、アメリカのような議院内閣制をとらない純粋な権力分立制をとつておりまする国では、事実好ましい調節方法はございません。
ところが地方競馬の方は、実際の数は六百頭でございますけれども、走つておりますものはそのうちの三分の二程度でありまして、あとは大体故障馬とかあるいはあまりよくない馬でありまして、大井競馬の例をとつてみましても、その走つております馬の七〇%までは国営競馬の下つた馬である、こういうことになつておるわけであります。
ところがそれに対して公安條例が出たということで、多いときには約一千名の警官隊が武装いたしまして、つつ込めという号令のもとに、ちようどインドの労働者が、イギリスの官憲の乘つた馬のひずめの下にけ散らかされたように、警官の棒でもつてなぐられたり、けられたりいたしまして、けがをしているという陳情が、私どものところに来ておるのでございます。
大体の骨子は、この提案理由に書いてある次官からお話がありました通りでありますが、この経過を申上げますと、二十二年までは、いろいろの家畜伝染病予防法、畜牛結核予防法、それから馬の伝染性貧血に罹つた馬の殺処分に関する法律、その外、奨励方面としましては、馬の生産率の増進の施設、牛の繁殖障害の除去施設、骨軟症の防止施設、こういうようないろいろの種類の家畜衛生関係の施設があつたのであります。
注射をして見たんだが、その後別にどうということもなくて終つたという例もありますし、私考えて見まするに、一体結核病のある牛からとつた乳を人間が飲みますと、その伝染が一体何ぼぐらいあるかということを知りたいが、若し現われておりましたら、それを聞かせて貰いたいということと、それから伝染性貧血にかかつておる馬がうまく見付かれば、それでやつておりますが、割合に肉付のいい、ぴんぴんしている、昨日まで使つておつた馬
貸し下げられた馬を駄馬に使つたり、挽馬に使つたりして、やせ細つた馬は値段が安くなつておる。そうすると世上傳えられるように、正直者がばかを見る。國の貸下馬だからその管理を一生命念に完全にしてきたものが、この際價格が高くなつてしまつた。むしろそれを利用したものの方が安くなつて來る。こういう値段の踏み方はどういう方法でおやりになつたか。
しかるに競馬が開催されることによつて不必要な馬が非常に氾濫し、生産者は一獲千金を夢みて産業用馬に生産に從事せずに、この不必要な競馬の馬を盛んにつくる傾向があり、また競馬にも走らず、一獲千金は夢と消えて、この馬が産業用馬にもならず、困つた馬が農村にもあるいは都会にも反乱する結果を生じ、國家的大不利益をもたらすものと私は思います。
これはどういうことかというと、傳貧に罹つた馬を早期に診断して、早く殺してしまわんと大変だというわけです。治療方法を知らない、予防法も知らない、病源が分らない、早く殺すに限る、こういう法律が出ておるということが、すでに日本の学問の方面から申しましても、努力しなければならない一つの問題になつておるわけです。世界でもやはり研究しております。併しどこでも解決付かない。
第十一は、馬の傳染性貧血に罹つた馬の殺処分に関する法律と畜牛結核病予防法を廃止し、これらの傳染病を本法に加えたことであります。馬の傳染性貧血は近年ますます蔓延の傾向にありますが、幸い診断法も或る程度見通しの付いたのを機会に、他の傳染病と同様な方法によつて防遏を図るのが至当と考えるからであります。