1954-08-12 第19回国会 衆議院 決算委員会 第41号
ところが当時の法務大臣だつた犬養さんは、検事の更迭は一昨年のメーデーの事件の取調べのために忙しくて更迭されたので、全然黄変米などには関係ないのだ、こういうことで答弁なされてそれきりになつてしまつたのです。
ところが当時の法務大臣だつた犬養さんは、検事の更迭は一昨年のメーデーの事件の取調べのために忙しくて更迭されたので、全然黄変米などには関係ないのだ、こういうことで答弁なされてそれきりになつてしまつたのです。
このたびの法務大臣の検事総長に対する指揮権発動は、その行使に当つた犬養法相が、世論には勝てず遂に辞任したのであります。このこと自体、法相が決して真の良心的指揮権行使と信じ得ないことを証明するものと言わねばならない。従つてこの事実は、端的に今回の指揮権行使が如何に合理性のないものであるかを立証するものであります。
(拍手)木堂氏の御曹子として育ち、白樺派の文士として一片のヒユーマニズムを持ち合わせておつた犬養氏としては、政界の孤児となつて世人から忘れ去られようとしていたときに、吉田総理から拾われて、とにかく柄にもない法務大臣、国警担当国務大臣として脚光を浴びるに至つた、その吉田総理に対して旧式的な恩義、これと、検察陣が寝食を忘れ、社会正義確立のために敢闘する真摯な態度を連日、百日有余に亘つて見せつけられて来て
問い、政界の大物と親交があるというがどうか、答え、緒方副総理のむすこさんが三井金属の文書課長をしていたとき、私が特殊金属会社を三井金属に合併した関係で緒方さんと知り合つた、犬養さんは遊び友達で、二人で銀座のダンス・ホールに出かけたり、赤坂の料亭などで五、六回飲んだことがある。
しかし、いやしくも責任のある政治家が、一党の総裁として在野時代に天下に発表し、いよいよ朝に立たれて、これを実行に移し得る権力の裏づけを得られた一國の総理大臣が、政策のことを語らずして、いたずらに口を開けば解散のことを叫ぶのは、あたかも往年、話せばわかると言つた犬養首相に対して、問答無用、撃てと命令した青年將校の態度をさえも連想させるものがあるのであります。