2012-07-26 第180回国会 参議院 社会保障と税の一体改革に関する特別委員会 第8号
○参考人(高山憲之君) おっしゃるとおりだと思います。 特に、軽減税率や複数税率の問題というのは、仮に食料品を例に取っても、高所得者にその恩典が及んでしまうんですよね。ですから、もうちょっと、せっかくちょうだいした消費税ですから、それを集中して所得の低い人に回すという仕組みの方が私はいいんではないかというふうにかねがね思っているということでございます。
○参考人(高山憲之君) おっしゃるとおりだと思います。 特に、軽減税率や複数税率の問題というのは、仮に食料品を例に取っても、高所得者にその恩典が及んでしまうんですよね。ですから、もうちょっと、せっかくちょうだいした消費税ですから、それを集中して所得の低い人に回すという仕組みの方が私はいいんではないかというふうにかねがね思っているということでございます。
○参考人(高山憲之君) ヨーロッパは、やっぱりVATの税率、最低でも一五%、まあ実際にはもう二〇%から二五%ですよね。そういう中での軽減税率なり複数税率というのは、もう過去のいきさつからそういうことになったと思います。 日本の場合、この消費税、全部福祉というか社会保障に使うということになりましたよね。これ、ヨーロッパと違っています、考え方が。社会保障の主たる受給者は高齢者で、これからは少し子供とか
○参考人(高山憲之君) 高山でございます。 本日は、参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会にお招きくださり、誠にありがとうございます。参考人として一体改革八法案に意見を申し述べる機会をちょうだいいたしましたこと、大変光栄に存じます。 以下、八法案に基本的に賛成の立場から、五点にわたり意見を申し上げます。 一、今からほぼ十年前のことでございますが、二〇〇二年七月二十五日の参議院厚生労働委員会
○高山参考人 お答えいたします。 現在提出されている政府法案における次世代育成支援は、次のステップに向けたものだと私も理解をしておりまして、高く評価しているところでございます。これ以外にさらに強力に推進すべきもの、あるいは年金制度の枠外で子育て支援をもっと充実することを真剣にお考えになっていただきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○高山参考人 お答えいたします。 政府提案の人口要因スライドは、中身を詳細に検討しますと、マクロ経済とは余り直接関係ありません。実態は人口要因に着目したものであります。 人口要因に着目したスライド調整は、実はドイツでも提案され、一部実施に向けて動き出していると思います。その際、ドイツでは、人口要因の年々の変化率を毎年すべて給付に反映させるのではなくて、部分的に反映させながら、期限つきではなく、将来
○高山参考人 高山でございます。 本日は、衆議院厚生労働委員会にお招きくださいまして、まことにありがとうございます。参考人として年金関連法案に意見を申し述べ得る機会をちょうだいいたしましたこと、大変光栄に存じます。 以下、十一点にわたり意見を申し述べます。 一。日本の公的年金は、二〇〇〇年三月末の段階で約六百兆円の債務超過となっておりました。この債務超過は、既に政府が支払い約束をした年金給付のうち
○高山参考人 お答えいたします。 確定給付がうまくいかないということでございますけれども、私は、確定給付という言葉を使っておりません。給付建ての制度だというふうに言う。給付自体は確定していないのですね。労使の交渉によって給付自体が変わってしまうということであります。どうしてこんな言葉が使われるようになったかよくわかりません。もともとこの業界では、給付建てと掛金建てという適訳があったはずなんですけれども
○高山参考人 お答えいたします。 先ほど時間の制約なんかで余り詳しく申し上げることができませんでしたけれども、日本の企業年金制、特に今、企業年金といいましても事実上退職給付でございまして、一時金払いが圧倒的に多いわけでございます。その給付設計は、いろいろな理由はあるんですが、主として税制上の理由によりまして、給付建て制度に圧倒的な部分がなっているわけであります。かつてはこれで余り支障はなかったわけでございますけれども
○高山参考人 一橋大学の高山でございます。本日は、当委員会にお招きをいただきまして、大変光栄に存じております。 確定拠出年金法案について意見を述べます。 まず、法案には、基本的に賛成でございます。 その主たる理由は二つございまして、第一は、税制優遇措置つきの新しい掛金建て制度であること。第二に、従来の給付建て制度は転職者に不利な面が多々ございました。しかし、新制度では、ポータビリティーを高めるという
○公述人(高山憲之君) 日本人の標準的な働き方を想定して、当初二十年とか二十五年という条件がセットされたと思います。ただ、おっしゃるように日本人の働き方は大分変わってまいりました。世界から見ても、二十五年という長さが問題ではないかという理解は広まっているというふうに私自身は考えておりますので、ここは今後の検討課題になっているというふうに理解をしております。
○公述人(高山憲之君) おっしゃるように、主要国の支給開始年齢は、本則は六十五歳とか、将来もっと六十七歳に向けて調整するとか、そういう国が少なくございません。ただ、ではそういう国で、六十五歳まで現役社会にしようかとか、あるいは六十七歳まで現役だというふうな形で政府が施策を打っているかというと、これはまた別なんです。 主要国を見ますと、平均退職年齢は六十歳から六十二歳、ある国によればもう五十代の後半
○公述人(高山憲之君) 一橋大学の高山でございます。本日は公述人として意見を陳述する機会をお与えくださり、大変光栄に存じます。 以下、四点に絞りまして意見を申し上げます。 一番目、高齢者をめぐる雇用環境は依然として厳しく、今後とも好転する見通しは立っていないということでございます。 男性六十歳代前半層の雇用環境は、有効求人倍率あるいは就職率等の指標で見ましても、殊のほか厳しい状況が続いております
○参考人(高山憲之君) 難しい問題を幾つか指摘をされたんですけれども、まず社会保障負担をめぐる問題で一番悩ましいのは、今後高齢者にどうやって負担増をお願いするかという問題だと私自身は考えております。 それは、先ほど時間の関係で詳しく説明できなかった、お手元に私が書いた「年金の教室」という、第八章に図の八の一というのがございます、百八十六ページなんですけれども。最近のこれが実態でございまして、費用を
○参考人(高山憲之君) 特に私に指名はなかったんですが、外国人労働問題は今後やはり本格的に議論をしてもらいたい問題の一つでございます。 少子化が進行しているのは日本だけではございません。ドイツもそうですし、イタリアもそうです。あるいは、南ヨーロッパ諸国みんなそうなんですけれども、彼らのところへお訪ねをしまして議論をしても、どうも日本的な感覚が共有されないという面があるんですね。やはり彼らは、人口が
○参考人(高山憲之君) 一橋大学の高山でございます。 本日は当調査会にお招きをいただきまして大変ありがとうございました。意見陳述できることを大変光栄に存じます。 きょうは、少子化の進展と社会保障負担のあり方等につきまして、以下、大枠で七つの問題について意見を申し上げたいと思います。 一番目の問題、少子化をめぐる三つの問題、二番目、出産時及び子育て期における現金給付の追加・拡大、三番目、これからの
○高山参考人 基本的に、財投改革と切り離して議論することは極めて不適切だというふうに考えておりまして、その点での認識は先生と全く同じでございます。 私、先ほどの意見陳述の中で資金運用問題についてほとんど触れませんでした。それで、少し補足させていただきたいのですけれども、若杉先生は大変立派な方でございまして一々ごもっともなんですが、ただ、長期投資のメリットを盛んに強調なさった、長期投資のメリットはあるというふうにおっしゃったんですが
○高山参考人 清家先生の生涯現役社会、あるいは今労働省がかなり力を入れて推進している政策でございますが、これの構想自体は、私は全く賛成でございます。ただし、本当にこの夢のような話が実現するのかということなんですね。私はそこだけなんです。 私が、会社の経営者じゃありませんけれども、経営者だったらどう考えるかということですね。本当に高齢者を雇うのかということなんです。女性もいるじゃないか、外国人だっているじゃないか
○高山参考人 一橋大学の高山でございます。年金改正法案等について、参考人として、以下六点にわたり意見を申し上げたいと思います。 まず第一点目。高齢者をめぐる雇用環境が依然として厳しい状況が続いております。そして、今後とも好転する見通しは立っておりません。 特に、男性の六十歳前半層の雇用環境は殊のほか厳しいものがございます。かつて、バブルの時期がございまして、日本経済絶好調の時期でございましたが、
○公述人(高山憲之君) 確かに、施設整備が十分行われるかということについては私も心配をしている人間ですけれども、施設整備がうまく進まない場合、病院におけるいわゆる社会的入院が依然としてまだ大きく残るということじゃないんでしょうか。 心の問題は、私は専門家でないものですからお答えする立場にないんですけれども、家族、当事者としてできること、精神的なサポートというのは家族にとって非常に大きな役割が期待されていると
○公述人(高山憲之君) これは、既に法案が成立した後の話なものですから、今後どうするかというのはなかなかお話ししがたいんですけれども、ドイツでは確かにおっしゃるように現金給付が実施されるということになっておりますが、日本の法律の中にはそれが明記されておりません。 結果的に、これだったら施設介護をお願いした方がいいのではないかという人が制度実施後極端にふえるおそれが強いのではないかというふうに思います
○公述人(高山憲之君) 高山でございます。 私、昨年の四月からことしの二月中旬まで実はアメリカとイギリスに長期滞在をしておりました。そこで、社会保障について皆様にお話し申し上げる前に、英米のマスコミが昨年の日本をどう取り上げたかということについて、少しお時間をいただいて紹介させていただきたいと思います。 何といっても世界を驚かせたのは、ティアズ・オブ・アポロジーといいますか、昨年の山一証券の店じまいといいますか
○参考人(高山憲之君) なかなか難しい質問なんですが、現在の農業者年金の制度は、私の理解では経営移譲ということを表に掲げた制度だと思います。いろいろな意味で農村対策それから農業者対策ということで打ち出されたものだと思っているんですが、将来の日本の農業を展望する場合に今の形のままでいいかどうかについてはやはりいろいろな御意見があるかと思います。 私は、基本的には、農地を持っている人が農家を継いでいくというふうな
○参考人(高山憲之君) お答えいたします。 若い人たちは、今基本的に年功序列の賃金体系のもとにございますので、若いときは、能力があってもそれ以下のペイしかもらっていない人が多うございます。他方で、多少とも年配になりますと、生活給の要素が日本の賃金体系にはついておりまして、過去いろいろ会社に貢献した分は後で取り返すということなんですが、そういう形で受け取る賃金体系に今なっております。そういう形なものですから
○参考人(高山憲之君) ただいま紹介をいただきました高山でございます。 当調査会にて参考人として意見を申し述べる機会を与えられましたことを大変光栄に存じております。社会保障の課題と基本的方向につきまして、お手元のレジュメと資料を使いながら御説明をさせていただきます。 まず最初に、「アメリカの繁栄は老人が墓場へ持っていってしまった」という言葉の紹介から始めたいと思います。この言葉は、アメリカのボストン
○高山公述人 お答えいたします。 確かに所得税というようなもの、所得課税あるいは直接税というものを使えば累進税率を採用することができるということでございまして、水平的公平というものに対する配慮がそれなりにできるということでございますが、その消費支出に着目しても、例えば支出税体系をとる、そういたしますとそれは直接税なんですね。今の所得税の中で貯蓄分をただ控除するだけなんです。そこを課税ベースにすれば
○高山公述人 先ほど申し上げましたが、成長率が高い時代、このときには確かに所得税を中心とする税制にそれなりのメリットがあったということでございますが、低成長に移行し、今後なかなか経済成長を持続していくことが容易でないそういう時代、しかもいずれ高齢者が三人に一人というような時代に突入していくわけですね、そのときに本当に所得課税偏重型でみんなが納得できるかということでございます。確かにその高齢者と現役の
○高山公述人 高山でございます。 本日は、税制改革案につきまして意見を申し述べる機会に恵まれましたことを大変光栄に存じます。 今回の税制改革は、所得減税の恒久化を実現させる一方、消費税の定着に向けて第一歩を踏み出した点におきましてそれなりの評価に値する内容を有しております。取りまとめに当たった関係者の皆様方の労を歩といたしたく存じます。ただし、コメントすべき点も少なくございません。 以下、四つの
○高山公述人 二十一世紀福祉ビジョンは、これまでの施策における優先順位を変更しようではないかという宣言だというふうに私は受け取っております。従来は年金と医療にどちらかというと偏重していた、それを、余り政策の手が及ばなかった介護だとか出産、子育て支援の方にかじを変えていこう、そちらに向けていこうという宣言文書であったというふうに考えております。 それからあわせて、従来の私の理解では、臨調行革路線の中
○高山公述人 ネットスライドの意味についての御質問だったというふうに理解をしたいのですが、今後高齢化の進行に伴って保険料負担は引き上げていかざるを得ない、あるいは場合によっては、増税ということも受け入れていかなければならない。そうしますと、名目賃金は上昇いたしましても、手取り賃金の上昇はそこには追いついていかない。上昇率で比較しますと、税込み社会保険料込みの賃金の方の上昇率のスピードの方が、税を抜き
○高山公述人 高山でございます。公述人として意見を述べる機会を与えていただきましたことを大変光栄に存ずる次第でございます。 今回の改正案は十年に一度の大改正という名にふさわしい内容を持っているというふうに私は考えまして、基本的に本案には賛成でございます。 その主たる理由三つを述べたいと思いますが、まず、世代間の信頼を築く上で最も重要なネットスライド方式への切りかえが提案されているということ、長年