1948-06-30 第2回国会 衆議院 司法委員会 第46号
○野木政府委員 いま一つ搜索の場合の第百十五條、それからただいま申し上げました檢証の第百三十一條第二項、第百四十條、これはただいま申し上げた意味の強行規定であります。
○野木政府委員 いま一つ搜索の場合の第百十五條、それからただいま申し上げました檢証の第百三十一條第二項、第百四十條、これはただいま申し上げた意味の強行規定であります。
○野木政府委員 訓辞規定か、強行規定かという対立さして御質問願うと、いささか答弁が苦しくなるわけでありますけれども、訓辞規定という言葉はむしろ努力規定と対立する観念である。強行規定という観念はむしろ任意規定と対立する観念ではないかと存ずる次第であります。強行規定かどうかという点から論じますと、刑事訴訟法の規定は後者に属しまして、当事者の意思をもつてこれと異なる私的、自治的規定を設けないという意味におきまして
○野木政府委員 第三百八十五條の場合は、控訴申立に対して規定しているので、これは現行法と同じ、第三百八十六條の場合は、控訴趣意書の規定をしているのである。この法立に規定した條件に合致しないときは受理しない。よつて第三百八十六條は、第三百八十五條と性質上同じと見ている。それで同じところに並べたわけであつて、この意味から憲法違反の問題を生じないと思う。
○野木政府委員 憲法の趣旨とするところは、最終の判決を主として指しているので、方式違反とかを、控訴権の消滅後のものは決定でやることは、憲法違反にならぬと思う。
○野木政府委員 第二百七條において留置の必要がないときには、ただちに釈放せよと規定したのは、内偵捜索のごとき逮捕状をもつて捕うべき場合でも、人違いか何かの問違いがあつたときは、人権保護に反するから、檢察官が釈放を要求することができると思う。檢察官が釈放の指揮ができるか、どうかについては、司法警察官に対する一般的規定、すなわち刑訴第百九十三條の適用の場合となる。
○野木政府委員 その点はまつたくごもつともだと思います。私も在野法曹としての経驗から、十分同感であります。從つて最大限努力いたすつもりであります。なお実際上の取扱い、及びどういうふうに解釈すべきかということにつきましては、政府委員からお答え申し上げたいと思います。
○野木政府委員 法の建前として「保釈又は勾留の執行停止は、その効力を失う。」となつておりますので、失つた以上、これを執行する方法が当然出てこなければならないのでありまして、一面保釈もしくは勾留の執行停止を取消す決定をした場合等の執行の方法につきましては、九十八條に規定してありますので、三百四十三條の効力を失つた場合につき、何も規定がないと、その執行方法につきまして、非常に疑問を生ずる次第でありますので
○野木政府委員 九十八條の規定を準用しておきませんと、保釈もしくは勾留の執行停止の効力を失つた場合に、実際それを準用しなければならなくなつた場合に、一体どういうふうにしてそれを收監することができるか、そういう根拠がなくなりますので、どうしてもこの規定は準用しておかなければならない関係になつております。
○野木政府委員 英米法と申しましようか、あちらの方の考え方では、私どもが一応取調べ、あるいは聞いたところから考えてみますと、被告人というものはとにかく一旦身柄を拘束されてしまつて、それから保釈という形になつていくというように、むしろ大陸法系的の立て方と逆のようになつておるようでありまして、本案の方はむしろそちらのような考え方に從つた部分が多いのでございます。
○野木政府委員 なるほど現行法第八十七條には一号ないし三号に掲げる理由のある場合のみ勾引し、從つてまたこれを勾留することができるというようになつておるのでありまして、本案ではその点は明記してない次第でありますが、実際の運用を考えますと、ほとんど大差ないことになろうと思います。それよりもむしろあとの方の担保をしつかりしておいた方が、実際問題としては被告人の人権の保障を厚くするゆえんになるものと考えておる
○野木政府委員 その点につきましては、本案におきましては、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとき、こういう條件を積極的に設けておりますので、全然罪を犯したことを疑うに足りる理由のないような場合には勾留される。そういうことがありませんので、その意味で現行法よりもはるかに実質的な担保は強くなつておるものと信ずるものであります。
○野木政府委員 たしかアメリカの刑事訴訟手続におきましては、被告人は証人となつて立てば、裁判所の尋問を受けなければならないけれども、そうでなければ、いわゆる裁判所の尋問の対象にならない、そういうように了承しております。
○野木政府委員 根本的には憲法第三十八條第一項の「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」というところがもとになつてきているのでありまして、立法政策上、多少これを布衍したと申しますか、この訴訟法におきましては、公判においては、被告人の当事者的地位を現在の訴訟法よりも高める。そういう意味におきまして、「被告人は、終始沈默し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる」という規定を置いて、被告人の保護
○野木政府委員 この法文の根拠を申し上げますと、第三百十一條第一項におきまして、「被告人は、終始沈默し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。」という規定によりまして、いわゆる被告人の默秘権を認めておる次第であります。この規定に照応いたしまして、三百九十一條第二項の規定を設けておるわけであります。
○野木政府委員 適用を実現するというようにわけないで、適用して、そうして実現する、どつちかと言えば、あとのような趣旨の頭で立案しておる次第であります。
○野木政府委員 実現というのを特に附け加えましたのは、この刑事訴訟法には刑の執行ということもはいつておりますので、その氣持を多少出したいという点で、「適用実現」という表現をしたわけであります。
○野木政府委員 基本的な改革の点と申しましようか、今までの刑事訴訟法に比較して、今度の案で最も力を入れた点はどこかと申しますと、憲法の趣旨に副いまして、今までの刑事訴訟法ではなお足りなかつた、あるいは明らかになつていなかつたところの、基本的人権の保障という面を強調しておる点であります。しかしながら刑事訴訟法を全体としてみますと、やはり刑事訴訟法の理念というものは第一條にうたつてありますように、「公共
○野木政府委員 三十五條の点につきましては、お説のうちの初めの方の趣旨でございまして、あとの方の趣旨はここではさしあたつて考えておりません。ただ数人の被告人の利害相反する場合にはどうするかという処置につきまして、この法案におきましては、第三百十三條第二項、ここにおきまして「裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。
○野木政府委員 御意見のほどはまことにごもつともな点もあると存ぜられます。いわゆる最終弁論なるものは、この訴訟法のもとにおきましては、從來のような重要性はなくて、弁護人などの活動は、個々の証拠の提出とか、証拠調べとか、そちらの方にむしろ重点が移つていくようになるのではないかという点は、大体御説の通りだと思ます。ただ最終弁論の点をここから除きましたのは、いわゆる在野法曹側の非常に熱心な主張もあつて、こういうことになつたのであります
○野木政府委員 この主任弁護人の制度を置くことを考えましたのは、要するに被告人のためにするいろいろな訴訟行為が多数の弁護人の間で相矛盾するようなことがあつてはならないということが一つと、それから多数の弁護人がついた場合、いろいろの訴訟の進行を適切ならしめるためには、主任弁護人というようなものがあつたがよろしいという二つの点からでありまして、その主任弁護人の権限がどういうことになるかという点につきましては
○野木政府委員 先ほどの説明にいま少し補足いたします。刑の量定の点で議論が続いておりますが、例にあげて申しますと、控訴裁判所で原記録、すなわち原裁判所において取調べた証拠をずつと調査してみて、それだけで刑の量定が不当でないと確信した場合には、もうそれで上訴は棄却になります。しかしどうも不当であるかどうかいま少し調べてみなければわからないと疑いをもつた場合、はたして妥当であるかどうかと疑いをもつた場合
○野木政府委員 ただいまの点についてお答え申し上げます。まず刑の量定が不当であるかどうかという点につきましては、この案の考えといたしましては、第一審に全訴訟の重点を集中するということが、一つの建前になつております。現行法のように一審で事実を取調べる。控訴審へ行つてまた再度詳しく調べる。控訴審へ行つてまた取調べをやり直すというようなことは考えておりませんで、一審を主審場としてそこで十分に審理を盡すという
○野木政府委員 訴因というのは、新しい言葉でありまするけれども、要するに一つの社会的事実としてのある犯罪現象がある。それを一つ法律的に構成しまして、たとえば刑法二百三十五條窃盗をやつたとかいうように法律的に構成した事実、それを訴因。ですからある物をとられたという場合におきまして、あるいは暴行を伴えば強盗、暴行を伴わなければ窃盗となるのであつて、しかも社会的には一つの同一性がある事実であります。今まではそれをたとえば
○政府委員(野木新一君) それでは第九章、押收及び捜索につきまして、逐條御説明申上げます。第九十九條は現行法の百四十條と同旨であります。ただ現行法では「之ヲ差押フヘシ」となつておるのを、これを多少強過ぎるので「差し押えることができる。」という権限の範囲から出ておるという点が違うのであります。次には第百條、これは現行法の百四十一條と同旨であります。次に百一條、これも現行法の百四十二條と同旨であります。
○野木政府委員 起訴の法式は、從前より明確であると思う。二百五十六條で公訴事実は訴因の明示を規定している。しかも訴因を明示するには、日時、場所及び方法をもつて罪となるべき事実を特定しなければならないので、ここに起訴状の変更という観念が生まれてくる。このように訴因の変更を認めている事情を見れば、この問題は現在より明確になると考える。
○野木政府委員 本案においては起訴状一本主義の建前その他から、現行法のように公判前に実体的な事項を調査することは考えられない。ただ二百九十七條の規定があるので、運用であらかじめ如何なる証拠があるか準備することができると考える。
○野木政府委員 ただいま御質問の点につきましては、刑事身訟法應席措置法立案当時も、問題になりましたところでありまして、当時各方面の意見なども聽きまして、いろいろ研究した結果、一應違憲にあらずというので、こういう結論に達したわけであります。今そのことを申し述べてみますと、まず二百十條の緊急逮捕の問題であります。これからまず申し上げますと、憲法三十三條は「何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限
○野木政府委員 その点につきましては、実は臨時法制調査会、司法法制審議会の答申にも、公判調書のようなものに対して、科学的な部面を取入れるという答申がありまして、われわれ研究してまいりましたけれども、この案は大体いわゆる憲法が認めました最高裁判所の規則制定後の判例などを考慮しまして、若干のものは規則制定後に讓つたような関係があります。そこでそれらの点も必要とあれば、規則制定後の公判調書と関連して規定していくという
○野木政府委員 経済統制法令に関連する法人のいろいろな刑罰関係その他の問題につきましては、実は今いろいろ議論が発展中でありまして、十分熱しない点もありますし、十分研究の足りない点もありますので、恒久的の刑訴にまだそれを盛りこむ段階に至つておらないという点で、この刑訴法に、そういう問題はあまり多くはいつておりません。もし必要があれば、何か特別の規決で賄つておきまして、それが通説的に一般的になつた場合に
○野木政府委員 第三十五十一條第一号についてまず例を引いて御説明申しまげますと、この「公判準備もしくは公判期日において」というのは要するに公訴提起後の公判準備、公判期日、從つて大体一号の場合には現に公判を開いておる裁判所及びその裁判所の公判期日、及びその公判準備の場合を大体予想しております。 第二項にいきまして、「被告人以外の者の公非準備若しくは公判期日における供述を録取した書面又は裁判所若しくは
○野木政府委員 先ほどの御説明が少し徹底しないところがありまして非常に恐縮に存じます。まず第一の考えといたしましては、本案におきましては当事者主義的色彩を非常に強化してまいりましたけれども、それは日本の現在の段階では、大体公判以後において非常に強化し、公判以前におきましてはそこまで徹底できなかつた。その理由といたしましては、一つは先ほど申し上げましたように、起訴、不起訴という檢察官の性格が、欧米のように
○野木政府委員 弁護士の方の関係の問題についてお答え申し上げます。まず第一点に、弁護士に補助員の制度を設ける要なきや、しかして弁護士の力を強化してはどうかという点でございます。結論的に申し上げますれば、この案におきましてはこの点は考えておりません。將來の問題として補助員の制度を設けたらどうかという点につきましては、なおいろいろ研究してみたい問題として弁護士が補助員を使い得るといことは、これはできると