1988-11-02 第113回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第5号
○田尻参考人 私は大変困ったものだと思います。もう既に四つの基地をつくってしまいましたのでさほど名案というのはございませんけれども、一つだけ端的に申し上げたいことがございます。 それは、LNGタンカーが荷役中に、タンクが半載の状態になったときに、もしも台風や暴風がやってきまして沖合に避難をした、そしてそこで船が動揺した。そのときに、学問的にはまだはっきりしていない部分もございますけれども、ロールオーバー
○田尻参考人 私は大変困ったものだと思います。もう既に四つの基地をつくってしまいましたのでさほど名案というのはございませんけれども、一つだけ端的に申し上げたいことがございます。 それは、LNGタンカーが荷役中に、タンクが半載の状態になったときに、もしも台風や暴風がやってきまして沖合に避難をした、そしてそこで船が動揺した。そのときに、学問的にはまだはっきりしていない部分もございますけれども、ロールオーバー
○田尻参考人 率直に申し上げさせていただきますと、当初、東京湾横断橋といって全部橋をかける計画が建設省の監督のもとに発表されました。そのときに、私たち海事関係と言ってもいいと思いますが、ほとんどがこれに対しては大変な危惧を持ちました。これは単に海事関係者が危惧を持っただけではございません。私たち非常に驚きましたのは、昭和四十九年に監督官庁である関東地方建設局の報告書「東京湾船舶航行調査報告書」の中に
○田尻参考人 私どもの反省を申し上げますと、東京湾の問題といいますと、従来ややもすると汚れの問題を中心にしてまいりました。しかしながら、東京湾の海の安全という問題が最近非常に大きく叫ばれるようになりましたが、東京湾の海の安全といいますのは、何といいましても、タンカーが一たび事故を起こしたならば油で覆われて爆発火災に至るおそれがある、そういうことを考えますと、東京湾のもう一つの問題がほとんど見忘れられていたのではないかという
○参考人(田尻宗昭君) 私は、基本的には、もうこれ以上東京湾の水面を減少させるような計画には原則的には賛成できません。しかしながら、比重が全然違います。といいますのは、東京湾の中で、さっき谷先生もおっしゃいましたけれども、川崎、横浜の沖合が最も過密でございます。これはもう圧倒的にあそこに集中している。なぜかなれば、川崎港は日本でも恐らく最高に油の受け入れの多いところでございます。横浜港は日本で神戸と
○参考人(田尻宗昭君) 東京湾の危険の状況についてまずお尋ねですが、例えば日本海難防止協会という大変権威のある海の専門機関がございます。ここの報告書の中に、浦賀水道は幅が七百メーターである、しかしながら年々タンカーが大型化してきまして、その七百メーターの幅に現在のタンカーの操船能力は超えていると。 例えば二十万トンタンカーでは、かじをいっぱい切りましても一千メーターの旋回幅が要ります。例えば、ラッシュ
○参考人(田尻宗昭君) 海上保安庁二十二年間の経験をもとにいたしまして、若干の御説明をさせていただきます。 東京湾の現状は、御存じのとおり京葉、京浜二大コンビナートが立地いたしまして、日本の工業出荷額の約三割、日本の原油輸入量の四割という大きなシェアを示しております。当然のことながら、こういうような工業地帯に入ってくる船が大変過密になってまいりました。我が国最高の過密と言っても過言ではないと思います
○田尻参考人 私、四日市の海上保安部で一番苦労したのがこの点でございます。といいますのは、消防法は海岸線から内陸だけにしか適用できません。したがって、非常に端的に言いますと、海岸線から海に突き出した桟橋にはもう消防法が適用できないわけです。したがって、極端に言いますと、この桟橋に消防設備がなくても違法ではないわけです、もちろん行政指導でそんなことはやらせないとしても。 あるいはまた、港の中で船舶に
○田尻参考人 ただいまの御質問の趣旨は、災害が発生した場合の船長の責任はどうかというお尋ねだと理解しましたが、よろしゅうございますか。(田畑委員「はい」と呼ぶ) 船舶が海上において事故が発生したならば、申すまでもなく第一義的に船長の責任であることは論をまたないわけです。たとえば、先ほど申しましたアモコ・カジス号事件でも、刑務所に入れられているのは船長であります。 しかしながら、先ほど私が申し上げたのは
○田尻参考人 私は、前職の海上保安庁の現場の体験を通じまして、巨大タンカーが一たん事故を起こして大量の油を出したならば取り返しがつかないという問題につきまして、その問題点を若干申し述べてみたいと思います。 現在、海上保安庁では海洋汚染防止法とかあるいは海上交通安全法で懸命にこのタンカーの油の対策を立てておりますけれども、何分にも海洋汚染防止法は不法排出を規制する、あるいは油が出た後の処理をする、また
○参考人(田尻宗昭君) まず第一に、水深の問題でございますけれども、やはり私感じますのは、港湾関係の方というのは船のことをよく御存じないですね、船のことを。これはまことに残念です。非常に土木的な発想でやられちゃたまらぬですね。船は生きた人間が操船しているということを強調しておきたい。たとえば水島航路の、港内の航路の真ん中に十四・七メーターという浅いところがございます。これは岩盤でございますね。これは
○参考人(田尻宗昭君) 運輸省が、省令に全く問題がないとおっしゃるのは、私はよくわからないんです。それは、省令にこういうことになっておりまして、これは昭和五十年の二月に、「港湾の施設の技術上の基準とその運用」ということでありまして、根拠となります省令は、昭和四十九年の、運輸省令第三十号で、港湾局長通達が港建第二百五号、建設課長通達が港建第十四号、それでいずれも出ております。その中で、航路については、
○参考人(田尻宗昭君) 私は、前職の海上保安庁でタンカーの油について非常に苦労いたしましたので、その体験等も含めて申し上げておきたいと思います。 まず、この瀬戸内海保全措置法の第十七条に、海難等による大量の油の排出の防止及び防除に関しての規定がございますけれども、このこと自体は非常に意義のあることだと思いますけれども、こういうような表現の条項あるいは条文というものは、すでに海上保安庁におきまして非常
○田尻参考人 非常にむずかしい表現になりますけれども、CTS構想というのは、私は一つの例として申し上げましたけれども、私、個人的には現在の巨大タンカーの方向には批判的でございます。したがって、三十万トン、五十万トンというようなタンカーはもうすでに——具体的に申しますと、たとえば鉄板の厚さなんかも五万トンと二十万トンは同じ二十二ミリの厚さなんです。こういうタンカーの安全性も確認をされていないのに、三十万
○田尻参考人 お答えいたします。 第一点の、ただいま先生御指摘になりました海上交通法とか海洋汚染防止法という既存の法律で本来は処理すべきことがかなり多うございますけれども、私、前職海上保安庁におりましても痛感しましたのは、どうも一般法でこういうような政策的課題といいますか、タンカーの非常にスケールの大きい総合的な問題が処理し切れないという感じがしてならないわけなんです。こういう一般法では、たとえば
○田尻参考人 東京都公害局規制部長の田尻でございます。時間の都合がございますので、要約をいたして申し述べてみたいと思います。 本日は、この瀬戸内海保全措置法第十七条にも取り上げられておりますけれども、瀬戸内海の水質保全にとって最大の公害源となり得る巨大タンカー対策というものについて申し述べてみたいと思います。これなくしては、真に瀬戸内海を守ることにはならないと思うからであります。 日本は、国連統計
○田尻参考人 お答えいたします。 現在は、まだ掘り上げた土を地上で、そういうぐあいに還元処理をしている最中でございます。
○田尻参考人 お答えいたします。 地下鉄工事の現在、行われておりますところは、もと日本化学のグラウンド跡地でございました。これを首都整備局と交通局が両方で買ったわけであります。そして、地下鉄工事が先行いたしておりますその部分につきましては、まず応急対策といたしまして、アスファルトで覆いまして、そして出てくる水は水処理装置をつくりまして、そこで還元処理をしておるわけであります。しかし、この地下鉄工事
○田尻参考人 東京都公害局の規制部長、田尻でございます。 まず、第一に、鉱滓投棄の実態について申し上げます。 昭和十四年から三十六年間、五十七万トンという鉱滓の大半を、下請運送会社である共立運保に投棄をさせていたのでありますが、会社では小松川工場の歴代事務長や事務課長が、これの管理に当たっておりました。ところが、会社の中には、この投棄を記録しておる記録はほとんどありません。わずかに十年間の運賃請求書
○参考人(田尻宗昭君) これは私がいま申し上げておりますのは、私の意見のみならず、日本海難防止協会がつくりました参考のパンフレットあるいは合同調査報告書というようなものをもとにお話をしているわけでございますが、まず、こういう港で、入り口で二十万トンタンカーが操船をしますのに、実は当初港湾計画が五万トンクラスであったために、急遽二十万トンに変更されたために北防波堤を九十メーター切断するということが行われております
○参考人(田尻宗昭君) 鹿島港は、わが国で人工港としまして造成された港、本来ならば最も理想的な形でつくられなければならない港であったはずでございます。しかしながら、その港が私たちの専門的な立場から申し上げますと最も欠陥港である。その具体的な例を申し上げますと、やはりこの動機となったのは企業立地に際して港や船の安全性ということが全く念頭になかったとしか思いようがありません。そうして太平洋の荒波の面する
○参考人(田尻宗昭君) 三菱石油の重油流出事件は、五十万坪に及ぶ大石油精製所の夜間の陸上防災体制がわずか五人の保安要員で行われていた、それも二時間に一回の自転車のパトロール、しかも油量計には自動警報装置がなかったというような非常に貧困な陸上防災の欠陥とともに、よりさらに大きな問題といたしまして、実は、従来見落とされていた港湾防災の根本的な欠陥を浮き彫りにしたと思います。 まず、水島港は重大な欠陥港
○田尻参考人 四日市のお尋ねでありますが、四日市のまず基本的な弱点は、小さい四日市港にコンビナートが密集いたしまして、その密集したコンビナートと四日市港を根城にして、これが巨大な二十万トンクラスのタンカーに至るまで迎え入れている。そのことから発生しますことは、狭隘な港湾の防波堤の外に設けられましたシーバースが、この巨大タンカーのよりどころになっているわけでございますが、非常に狭い港の中に五万トンクラス
○田尻参考人 お答えいたします。 まずシーバースの問題でございますが、全国で巨大タンカーが着きますシーバースが二十四ございます。これから先シーバースはいろいろな意味で大はやりだろうと思います。しかしこのシーバースには基本的な問題がございまして、まず港内のシーバースにつきましては、港長の工事、作業の許可の対象になっております。しかしながらシーバース、つまり巨大タンカーが海上の桟橋としてそれを利用し、
○田尻参考人 私は海上保安庁に勤めておりましたので、その従来の経験から申し上げてみたいと思います。 今回の三菱石油の事件は、陸上防災の貧困ということを非常にあらわにいたしました。しかしながら、さらに大きな問題としまして、港湾防災の根本的な欠陥、それから水島港が重大な欠陥港であること、さらに二十万トンマンモスタンカー時代を迎えまして、この巨大化に突っ走ったマンモスタンカーを無理やり入港させていることから