1997-12-04 第141回国会 参議院 法務委員会 第8号
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先ほど民事局長の方から説明いたしましたように、破産事件がこのところどんどんふえておりまして、大体平成三年ごろからふえてまいりまして、昨年、平成八年までの五年間程度で二倍あるいは二倍以上の件数になっております。 こういった事件数の動向を踏まえまして私どもの方で、この破産事件を処理する要員として中心になりますのは裁判官よりもむしろ書記官、事務官でございますので、書記官
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先ほど民事局長の方から説明いたしましたように、破産事件がこのところどんどんふえておりまして、大体平成三年ごろからふえてまいりまして、昨年、平成八年までの五年間程度で二倍あるいは二倍以上の件数になっております。 こういった事件数の動向を踏まえまして私どもの方で、この破産事件を処理する要員として中心になりますのは裁判官よりもむしろ書記官、事務官でございますので、書記官
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 委員の方から司法試験の合格者をふやすことになったという御指摘がございました。 実はこれまで裁判官の増員をやります場合の一つの問題として、司法修習の課程を終えました修習生の就職の希望といいますか、それがどうしても弁護士の方に人気がございまして、なかなか裁判官になってもらうのにふさわしいという方に数多く裁判官の任官を希望してもらえないという、そういうネックがあったわけでございますが
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) これは、実は年度によってかなり違いがございまして、例えば民事事件が非常に多くなってまいりました平成三年、四年あたり、東京地裁で単独で民事の事件を処理しております裁判官ですと、人によりましては一人当たり三百件程度の事件を抱えておるというようなところもございました。 ただその後、実はこのところずっと毎年のように裁判官の増員をお認めいただいておりまして、私どもの方でこういう
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 裁判所の事務量を一番はかります物差しといいますか、これは事件数ということになろうかと思いますが、委員御指摘のように、確かにこのところ民事系統の事件を中心に非常に事件がふえてきておりますので、裁判所の事務量がふえてきておるというところはそのとおりであると思います。また、今後の社会状況の変化というものを考えますと、いろんな法的紛争を解決する手続として裁判手続を用いたいという
○涌井最高裁判所長官代理者 委員御指摘ございましたように、いわゆるバブルの崩壊といいますか、そういう社会状況を受けまして、裁判所の方に提起されてきます民事の事件が非常にふえてきております。やはりこれからの社会状況というものにかんがみますと、さらに事件は数の上でもふえてまいりますでしょうし、またその内容の面でも難しい事件が増加してくるだろうと思っております。私ども裁判所としましては、こういった事件増に
○涌井最高裁判所長官代理者 裁判官の増員の関係でございますが、先ほど来申し上げましたような民事事件の急増という動向を受けまして、裁判所でもこのところ毎年着実に裁判官の増員を図ってきておるところでございまして、数字で申し上げますと、最近五年間、平成五年からことし平成九年までの五年間でございますが、その合計数でいいますと、六十四名の裁判官を増員してきております。来年度の概算要求におきましても、二十名の裁判官
○涌井最高裁判所長官代理者 裁判所の方に持ち込まれます事件の動向は、いわゆるバブルがはじけたと言われますころから民事事件が非常にふえてきておりまして、特に、その事件増が大都市圏あるいは大都市部を中心に起こっているというのが特徴でございます。 今後の事件の動向、どういうふうに推移していくかなかなか読みにくいところがございますが、委員御指摘のような社会情勢を背景にかんがみますと、恐らく今後とも、いろいろな
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 確かに、このところの社会状況を背景にいたしまして、いろんな法律関係が非常に複雑、高度化してきております。その一方で、やはりこういういろんな法的な紛争を解決する場として裁判という手続を使いたいという国民の側からの要望が非常に強くなってきております。恐らくこれからますますこういう司法に対する国民の期待というのは強くなってくるだろうと私どもの方も考えております。 したがいまして
○涌井最高裁判所長官代理者 委員御指摘になりましたような社会情勢の変化といいますか、そういうものを考えますと、恐らく今後、司法に対する国民の期待というのはますます大きくなってくるだろうということは我々も全く同様に感じておるところでございまして、やはりこういう国民の期待にこたえていけるような体制、これは人的体制を含めて、そういうものを整備していく必要があるだろうと思っております。 裁判官の人員のお尋
○涌井最高裁判所長官代理者 法的な紛争が起こりましたときの解決手続として、やはり裁判という手続の持っている特徴は、何よりも公平でありますし、また、透明な手続で紛争解決がされることだろうと思います。そういう意味で、この紛争解決手段としての裁判に対する社会の期待というものは、昨今の社会情勢からしますとますます強くなってきておるというふうに我々は考えております。委員御指摘のように、やはりもっともっと裁判手続
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 委員御指摘のように、最近の社会情勢からいたしますと、裁判所に対する需要といいますか裁判所に持ち込まれてまいります事件というのは、量の面でもそうですし質の面でもますます増大してくるだろうという認識は我々も十分持っておるつもりでございます。 そのため、我々の方としましては、一つは事件を処理する人的な体制の整備という問題、それから裁判所のいろんな施設とかあるいは事務処理
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) このところ、事件増を背景にいたしまして、私どもの方は相当増員措置を継続してきたつもりでございますが、さらに来年一月から新しい民事訴訟法が施行されることになっておりまして、そこでは今御指摘のありました少額事件を初めとしまして、特に書記官にとっていろいろ新しいといいますか、難しい、責任の重い仕事がふえてまいります。そういったところを十分見ながら、本当にこの新民訴法が
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) いわゆるバブル崩壊と言われます平成三年ころから、民訴事件だけではございませんで、執行事件、破産事件が非常に急激にふえてきておるということは御指摘のとおりでございます。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 裁判所の職員の繁忙度というのは、簡単に言いますと事件の数によって決まってくるわけでございますが、この事件数というのは、特に民事事件の場合、その時々の社会の経済状況といいますか、それを非常に敏感に反映する面がございます。 最近の傾向を申し上げますと、いわゆるバブルが崩壊し始めたと言われております平成三年度以降、急激に民事の事件が伸びてきております。訴訟事件はもちろんでございますけれども
○涌井最高裁判所長官代理者 民事の記録でありますとか判決は、裁判所の側からいたしますと、専ら裁判手続での利用ということを考えまして保存しておるわけでございまして、これを永久保存から五十年保存に変えましたのは、従前の利用の実績で、五十年を超えるようなものがその後の裁判等で利用されるという例はもう皆無であると言っていいような状況でございましたし、また、実はこの判決原本なり記録の保存に非常にスペースが必要
○涌井最高裁判所長官代理者 委員御指摘のとおり、平成三年ごろから民事の事件が非常にふえてまいりまして、特に、大都市部の民事事件担当の部署が非常に忙しくなっておりまして、裁判官によりましては、今御指摘ありましたような非常に多くの事件を抱えて非常に忙しい思いをしておるというところが出てきております。 私どもとしては、こういう事態に対処するために、人員の配置を見直しをしましたり、あるいは、毎年このところ
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 関係の職員全部について調査をいたしまして、その結果、内部から秘密が漏えいされた事実は認められないという結論になったわけでございます。 その後、今御指摘のございましたような「編集週報」の記事も見ましたので、この「編集週報」の執筆者である共同通信社の社会部長にも事実を確認いたしましたが、この記事も内部からの秘密の漏えいということを書いた記事ではないという、そういう
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先日の委員会でも御説明申し上げましたとおり、二月九日にこの報道がございましてから、最高裁の方では、本件の合議に関与いたしました十五人の裁判官、それから直接合議には関与しておりませんけれども、審議のための資料といいますか、そういうものを……
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 今回の制度見直しを考えました一番大きな理由は、今後の裁判所に提起されてまいります事件の動向というものを見ますと、非常に内容の難しい事件が数の上でもふえてくるだろうと。そうしますと、やはり証人の供述等も、要領を筆記するだけじゃなくて、その言葉どおりに逐語的に調書にとっていく、そういう逐語調書の需要というものがどんどん大きくなってくるだろう。 ところが御承知のように
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 法律上といいますか、裁判所法の定めでは、各裁判所に速記官を置くという規定があるだけでございまして、これは、速記官というものを配置しまして逐語的な供述調書をつくる、そういう体制をとる必要がある庁につきましては裁判所速記官を置くという、そういう規定でございます。 実は、今回考えております構想といいますのは、今いる速記官八百名余りを一気にその仕事をかえてしまうという
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 沖縄の復帰に関する特別措置法でございますので、裁判所の方からその立法の趣旨等を御説明するのもいささかおかしいかと思いますが。 実は私どもの方も、この特別措置法に基づきまして、規則でその裁判所の沖縄の定員というのを決めております。その背景は、沖縄につきましては、本土と違いますいろいろ特殊な歴史的な背景、条件等がございますので、本土の場合とはやはり違った形で裁判所
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 御紹介のありました「編集週報」という記事の書かれました根拠等を承知しておりませんので、その記事の内容について御意見等を申し上げる立場にないわけでございますが、委員御指摘になりましたとおり、その記事の構成自体は非常に合議の内容に踏み込んだような記事になっておりまして、これを読みます読者あるいは国民の立場からいたしますと、あたかも合議の秘密が何らかの形で漏えいされたのではないか
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 報道機関側に対しましては、裁判所担当の記者というのがございますので、その記者を呼びまして直接本人から、これは一度だけではございませんで、繰り返し取材経過等について釈明を聴取するという、そういう措置を講じております。その結果、記者の側からも、本件の報道が裁判所の内部からの秘密の漏えいによるものではないんだという、そういう釈明を受けておるわけでございます。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 調査の方法でございますが、まずその対象者をどうするかという問題がございまして、私どもの方ではこの事件の合議の内容を直接間接に知る可能性のある者をできるだけ広く調査の対象にいたしまして調査をしたつもりでございます。 もちろん、事件の合議の内容を直接知っておりますのは十五名の裁判官でございますけれども、実は調査官というのがございまして、これは事件のいろんな法律問題等
○涌井最高裁判所長官代理者 まず、地裁の民事訴訟事件でございますが、平成三年は十二万七百件程度、それが平成七年には十五万五千件程度になっておりますので、約三万四千件、比率でいいますと二八%の増加になっております。 それから、地裁の刑事訴訟事件でございますが、平成三年は六万二千七百件程度であったものが、平成七年には六万九千件程度ということでございますので、約六千四百件、率にいたしますと一〇%程度の増加
○涌井最高裁判所長官代理者 実は、全国の裁判官の実情を申し上げますと、多くの裁判官は、たとえ民事部に配属しております裁判官でありましても、訴訟事件だけを担当しているわけではございませんで、同時に保全事件とか執行事件をやりましたり、あるいは小さな庁になりますと同時に家裁の事件も担当しておりますので、なかなか具体的な基準でその手持ち事件数というのを調査することは難しいわけでございます。 ただ、委員御指摘
○涌井最高裁判所長官代理者 何といいますか、客観的な裁判官の必要数というのを算出するのは非常に難しゅうございまして、抽象的に言いますと、裁判所に提起されてまいります事件すべてを適正迅速に処理するのにどれだけの裁判官が必要かという計算が必要になってくるわけでございます。 ただ、委員御承知のように、裁判官の増員の場合はどうしても給源という問題がございまして、現実には、増員いたしました裁判官、ほとんどは
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 私どもの方、念には念を入れて十分調査をしたつもりでございますので、私どもの調査結果が間違っているということはないというふうに考えております。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 私どもの方、内部の者、それから報道機関側、双方について十分念を入れて調査いたしまして、その結果、裁判所の内部からこの合議の秘密が漏れたという、そういう事実は認められないというふうに考えたわけでございます。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 先ほど申し上げましたように、調査の結果、裁判所の内部からは合議の秘密が漏えいされたという事実は認められないと。それとあわせまして、実は報道機関の側からも、この記事はいわば部外のいろんな取材に基づく記者の一種の予測記事として記事にしたものであって、裁判所関係者の秘密漏えいに基づくものではないという、そういう釈明を受けたわけでございます。 そういたしますと、裁判所
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 実は、調査の具体的な方法、内容、特にこの事件を現に担当しております裁判官に対する調査がどういう方法で行われたかという点になりますと、これはこの事件の合議の内容それ自体にも密接に関連してくる点がございますので、具体的な内容まで明らかにすることは御容赦いただきたいと思います。要するに、裁判官を含みます内部の関係者全員につきまして、外部にその合議の秘密を漏らした、そういう
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) まず、調査の経緯でございますが、二月九日の新聞報道がありました時点から、私どもの方は直ちに、この記事は合議の秘密が内部から漏えいされて書かれたのではないかという点について調査を開始いたしました。 その後、種々調査を行いました結果、合議の秘密が部内の者から漏れたという、そういう事実は認められないという結論に達しましたので、二月十九日の時点で、それまでの調査結果を
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) まず、調書のつくり方で、速記録の形で調書をつくっておるものと書記官の要領調書の形でつくりておるものとの割合でございますが、これは実は全国的な調査というものをしておりませんので全国の正確な数字というのはわかりません。ただ、速記官が配置されております地方裁判所、そこでの速記が付される証拠調べの割合といいますか、人証を調べました件数のうちどれぐらいに速記がついておるかというところの
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) まさに委員御指摘のとおりであろうかと思います。今回の記事というのは、裁判所にとってみましては大変に遺憾な記事であったと思っております。 まず、事実関係を内部で明らかにしただけで済む問題でないということは委員御指摘のとおりでございまして、やはり国民の皆さんにこの調査の結果を明らかにしまして裁判所に対する信頼を回復していただかないといけませんので、そういう趣旨で昨日
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 御指摘のありました朝日新聞とそれから共同通信が配信しました通信に基づく記事でございますが、御指摘のように、いずれも大法廷の合議の内容を報道するという、そういう形の記事になっておりまして、これをお読みになる方からしますと、これは事件の合議の内容がいわば裁判所の内部から漏れたのではないか、確かにそういうふうな疑念をお持ちになるのは当然のような記事になっております。また
○涌井最高裁判所長官代理者 そのとおりでございます。
○涌井最高裁判所長官代理者 御指摘の記事は、確かに読者にはどうもこの記事は裁判所の内部から合議の秘密が漏れたんではないか、そういう疑念を抱かせるような記事でございましたので、私ども、記事が出ました最初から、これはゆゆしい問題だと考えまして、今御指摘ございました裁判官を含むいわば審議に関与している者全員につきまして慎重な調査をいたしました。 その結果、内部からそのような合議の内容が漏れたという事実は
○涌井最高裁判所長官代理者 二社それぞれ時間のずれがございますが、おおよそ昨日の午後、共同通信に対しましては一時半ごろから、朝日新聞に対しましては午後四時ごろから、それぞれ事務総長が社の責任者を呼びまして書面で厳重に抗議を行っております。
○涌井最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘がございましたような社会状況の変化を受けまして、これから裁判所に提起されてまいります事件というのは、数の面でも、またその内容といいますか質の面でもますます重いといいますか、増大してくるだろうと考えております。したがいまして、国民の司法に対する期待というのは今後ますます大きくなってくるだろう。我々としては、こういう国民の期待に的確にこたえていく必要があるだろうと