2003-05-14 第156回国会 参議院 憲法調査会 第7号
○参考人(明石康君) ありがとうございます。 私は、国連尊重といいますか、国連主義というものは我が国の外交の幾つかの少数の柱の一つであり続けるべきだと思います。しかし、国連第一主義が看板になってしまっては困りますし、また外交の実態は必ずしも国連中心主義とは同じではありませんでした。 そういうことで、基本的な我が国の憲法の精神に立ちながら、その理念と国連の理念との合致点を求めながら執拗に行動していくことが
○参考人(明石康君) ありがとうございます。 私は、国連尊重といいますか、国連主義というものは我が国の外交の幾つかの少数の柱の一つであり続けるべきだと思います。しかし、国連第一主義が看板になってしまっては困りますし、また外交の実態は必ずしも国連中心主義とは同じではありませんでした。 そういうことで、基本的な我が国の憲法の精神に立ちながら、その理念と国連の理念との合致点を求めながら執拗に行動していくことが
○参考人(明石康君) ありがとうございます。 国連は、できましてからもう既に五十八年、そろそろ六十年になるわけであります。二世代を経験することになるわけです。ところが、基本的には国連は大きな改革をしてまいりませんでした。安保理事会と経済社会理事会は一度改革し、多少構成を拡大しました。しかし、小規模な手直しに終わったということは言えると思います。 安保理に関して申し上げると、安保理の構成は、十一か
○参考人(明石康君) ありがとうございます。 今日は大変に、ここにお招きいただいて、光栄と存じております。 二人の碩学に囲まれて、国連の実務を担当してきた立場から率直に私の意見を述べさせていただきたいと思います。 私は、国連の邦人職員の第一号として国連に入りまして、約四十年間にわたってそこで仕事をしてきました。特に、日本人であると、また日本国憲法というものを持った国民として、まあ悪びれることもなく
○参考人(明石康君) 日本が常任理事国になるべきだ、なるのが望ましいというのが、私は、国連の非常に多くの国の希望であり意見であるのではないかというふうに考えております。 問題は、日本がなることではなくて、日本以外にどの国を入れるべきかということに関して、おれもおれもという国が結構いるということが問題が紛糾する原因であるということで、日本それ自体についてはそんなに問題がないと思います。 それから、
○参考人(明石康君) 今、馳委員からの御質問の第一点、安保理に入ったとしてどういうビジョン、どういう指針で対処するのかということに関しましては、もちろん我が国の場合、戦後憲法を持っておりますし、非核三原則、武器輸出三原則、ODA憲章、そういう立派なものがあります。そういうものがやはり安保理に対処する大きな政策的な枠組みを提供するんではないかと思っております。 それから、ポスト冷戦期に入って確かに、
○参考人(明石康君) ありがとうございます。 ただいま御紹介にあずかりました明石でございます。きょうは、非常に大きなテーマについて、いかにも参議院らしい問題について御審議なさるのに参考人として出席させていただいたことを光栄と感じております。 まず、一九九〇年代の国連というものが、今までの冷戦時代の国連と違って、非常に新しい期待をかけられて登場したわけでございます。冷戦時代には自由主義世界と共産圏
○参考人(明石康君) 高野先生から核廃絶に至る過程においてNGOが果たし得る役割について御質問がございました。それに関連して、対人地雷廃止条約のときにNGOは非常に効果的な役割を果たしたという御指摘がありました。それはそのとおりでございます。 対人地雷の場合にNGOがあれだけ影響力を発揮できだというのは、一つには対人地雷の犠牲になる無事の民衆というものが非常に具体的な形で、目に見える形で世界じゅうの
○参考人(明石康君) 今の宮澤先生の二つの御質問でございますけれども、第一のNPT条約第六条が核保有国によってまだはかばかしいそういう核軍縮に向かった具体的な措置にあらわれていない、それをどういうふうに進めたらいいのか、国連を通じて何ができるかということであります。 非常に難しい核兵器解体に伴う問題については、まさに堂ノ脇元大使が言われたとおりでありまして、技術的な問題、資金的な問題、特にロシアの
○参考人(明石康君) 第二次世界大戦後の悲惨な記憶、その中でも広島、長崎における核被爆の耐えがたい経験は、当然のことでありますけれども戦後日本のあり方に大きな影響を持ってきております。核兵器のない世界を目指すこの日本の悲願が、先月のインドとパキスタンの相次ぐ核実験によって大きな衝撃を受けたのは言うまでもありません。NPTとCTBTから成る現在の体制は、大きなチャレンジにさらされております。核兵器が世界
○参考人(明石康君) ただいま岡野先生の御質問、要員確保の面、これはかつては余り国民にとって大きな問題ではございませんでした。紛争の数も少なかったわけですし、国連の出番も多くはございませんでした。それに小国で比較的中立的な国、ネパールとかフィジーとかガーナとか、そういう国は国連側から財政的な支持さえ得られれば、割と欣然として国連の平和維持活動に参加していただけたわけでございます。 ところが、先生は
○参考人(明石康君) 今、岡野先生が御指摘になりましたとおり、国連の平和維持活動というのははっきりした目的と性格と手段を持っております。 実は、日本において国連軍ないしは国連平和維持活動が言われる場合に、いろんな形での今までの国連の介入のあり方があったものでございますから、やや議論に混乱が見えることがありますのは非常に残念なことだと思うのでございます。 一つには、朝鮮戦争ないしは湾岸戦争型の介入
○参考人(明石康君) ただいま委員長から御親切な御紹介にあずかりました明石でございます。 ただいま、ニューヨークの国連本部から明日カンボジアに帰るわけでございますけれども、その途次東京に寄らせていただきまして、PKO協力法案という非常に重要な法案の審議をなさっておられるこの参議院の委員会の場で、私なりに見ておりますカンボジアにおける国連の役割、任務、当面しておる問題、課題その他について、できるだけ
○明石参考人 フランス、イギリスその他の一部の新聞は、UNTACの立ち上がりが少し遅いというふうな批判的なことを書いております。しかし、これは国連の事情をよく理解しない批判ではないかと私は考えております。少なくとも私が任命されました一月九日以来、私としては全力を尽くしてUNTACの発足のため、また現地に配備するために努力を重ねておるつもりでございます。 しかしながら、何せ国連の予算手続は非常に複雑
○明石参考人 大島委員からの御質問でございますけれども、UNTACが当面しております困難なことは幾つかございます。一つには財政的なことでございます。UNTACは国連史始まって以来の最も巨額の予算のかかる活動でございますし、ほぼ同時にユーゴスラビアの平和維持活動も発足しておりまして、これまた五億ドルないしは六億ドルかかる活動でございまして、それからエルサルバドルにおける国連の平和維持活動、これも数億かかるのじゃないかと
○明石参考人 ただいま林委員長から御紹介にあずかりました明石でございます。よろしくお願いします。 私は、昨日ニュー・ヨークからここに着きまして、この十四日にはバンコクを経由しまして、十五日にプノンペンに入ることになっております。そのことによって、国連のカンボジアにおける暫定行政機構は現地に展開されるという運びになります。 このカンボジアにおける国連の平和維持活動というのは、基本的には、昨年の十一月二十三日
○参考人(明石康君) INF協定が事実上合意に達したということを除きましては、今、安保室長から御説明のあったとおり、戦略核兵器に関するいろんな突っ込んだ話し合いがあった。恐らくこれは、ABM条約の取り扱いの問題さえ解決すれば次期モスクワ会談で恐らく合意の可能性の最も大きな問題じゃないかと思います。そういう意味では、今回のワシントンにおけるレーガン・ゴルバチョフ会談の大きな山は、INFについてはもう事前
○参考人(明石康君) 今の志苫先生の御質問に対しましては、アメリカの新聞、雑誌、テレビを通じて散見する限りにおきましては、アメリカ国民は圧倒的にこのINFの締結というものを歓迎しておるという感じがいたします。 先ほど森本室長から上院の批准の見通しについての話がありましたけれども、上院に関する限り大体室長の言うとおりだと思います。共和党保守派の一部、ヘルムズ議員その他、強いて言えば約二十名前後反対するかもしれませんけれども
○参考人(明石康君) ただいま御紹介にあずかりました明石でございます。 このたびはこういう形でお招きいただきまして大変に光栄に存じております。 私は国連本部におりまして、世界各国の議員団が次から次と超党派の形で国連に参りまして、そのような人たちと会う機会も多々ございますけれども、そういう形で各国の国会の方々とお会いするということについて、私は非常に重要なことではないかと思っております。 その一