1999-12-02 第146回国会 参議院 国民福祉委員会 第4号
○参考人(岡本祐三君) 私の資料で最後にお示ししましたが、これまでの福祉のやり方がまさにそういう担当者、ソーシャルワーカーとかケースワーカーとかが自分の判断で決めていた。それは、先ほどお示ししましたように、もう極めて恣意的に行われておりますから同じような要介護度であってもてんでんばらばらである、これではおっしゃったような行政的な、全社会的なサービスについては財源のめども立ちません。 二点目は、この
○参考人(岡本祐三君) 私の資料で最後にお示ししましたが、これまでの福祉のやり方がまさにそういう担当者、ソーシャルワーカーとかケースワーカーとかが自分の判断で決めていた。それは、先ほどお示ししましたように、もう極めて恣意的に行われておりますから同じような要介護度であってもてんでんばらばらである、これではおっしゃったような行政的な、全社会的なサービスについては財源のめども立ちません。 二点目は、この
○参考人(岡本祐三君) 実は、租税方式という形で語られる方がよく認識しておらないのは、世界じゅう、介護を社会システムで提供している国は北欧でも基本は住民税でやっております。国税でやっているところはないわけです。一定の市民の間で負担と給付の関係が明確な地方自治体の中の税を基本にしてやっている。 そういう意味では、私自身の解釈では、今回の新保険料はある意味で地方目的税だと。実は、その税方式か社会保険方式
○参考人(岡本祐三君) 私は、今よく取りざたされております要介護度認定というものが一体どういう概念かを簡単に御説明申し上げます。用意してあります資料をごらんください。 まず、医療保険というよくなじまれた制度との対比でそこに書いておりますが、要介護度認定というのは医療でいえばいわば診断に当たるプロセスというふうにお考えください。このプロセスは、医療の場合ですと、いろんな検査をもとに医師という専門職が
○公述人(岡本祐三君) 極めて近未来的に日本でも招来する問題であると思います。 おっしゃった問題は、要するに貧困対策としてあった養老院の延長線上に今特別養護老人ホームができてしまったというところにあると。やっぱり参考になるのは北欧の例であって、デンマークなんかでもナーシングホームという施設はやめて、ホームを壊してケアセンターにして、個別の老人住宅をその周りにずっとつくって、元ナーシングホームのケアセンター
○公述人(岡本祐三君) きょうの公述人の方々の意見を対比しますと、佐野公述人とか鈴木公述人の場合は、今特養に入っている方、入れている方のことを問題にしている。私どもは、特養に入れない、あるいは社会サービスヘの申請すらできかねている人々のニーズをどう開放できるか。 それは、これまでの制度がニーズというものを供給側が一方的に決められることになっている制度である限り、この問題は解決できないという認識であります
○公述人(岡本祐三君) 一九八九年にゴールドプランが施行されまして、実質わずか七年で、国政の場で、介護は家族責任ではなく社会的な介護システムで支えるべきであるという合意が全党一致で成立いたしました。そのための制度として、公的介護保険制度は今まさに成立しようとしているわけであります。この間わずか七年という驚くべき短期間に進展を見たということについて、長年この問題に携わってきました者として非常に感慨を禁
○参考人(岡本祐三君) 分けますと十ぐらいの質問項目が入っておりまして短時間にお答えするのは難しいわけでありますけれども、最初御指摘のあった負担の公平化というのは非常に難しい。と申しますのは、表面にあらわれてこない自己負担というのが非常にたくさんあるわけでございますね。今は病院に入れると一番安くつく。確かに基準看護というものをとっている、付き添いさんをつけてはいけないようなそういう病院に入れますと余
○参考人(岡本祐三君) 行政形態として北欧を例にとりますと、デンマークの場合、医療は県の所轄でございます。社会福祉サービスは市の仕事というふうになっております。したがいましてデンマークでは病院は全部県立てございます。 老人が病院に入院いたしまして 退院の日が決まりますと、少なくとも退院の五日前に病院から、その高齢者、老人患者の在所といいますか住んでいる市の福祉課の方に連絡が行くわけです、五日後に退院
○参考人(岡本祐三君) 御紹介いただきました岡本でございます。 高齢化社会に対応する一番の問題はやはり寝たきり老人の介護だというふうにことしの総理の施政方針にも出てまいったわけでございますが、最初に申し上げておきたいのは、今私どもが医療の場でも一番困っているいわゆる寝たきり老人の介護問題、この長期にわたる寝たきり老人の介護問題というのは、昭和四十年代以降日本の社会にあらわれてきた非常に新しい問題である
○参考人(岡本祐三君) この訪問看護婦と申しますのは、まず病状判断にすぐれている、それから実際的な看護に関して高い技術性が要求されますので、病院勤務の経験があるということ、しかも総合病院での勤務経験があるということが必須でございます。それプラス、世帯のいろんな生活困難の問題に対処せざるを得なくなるわけでありますから、いろんな福祉制度の運用に通暁しておるとか、そういう社会的なセンスですね、いわばソーシャルワーカー
○参考人(岡本祐三君) まず、最初の話の中でも申しましたように、日本の場合、医療費の中に本来福祉が担うべきものが多量に入っております。先ほどデンマークの医療費はGNPの六%と申しましたが、デンマークの場合、年金、医療以外で高齢者福祉に実はGNPの三・六%をつぎ込んでおります。したがいまして、本来福士が抱えるべきものを医療から差し引けば老人医療費そのものはそのように天文学的な数字になるはずはございません
○参考人(岡本祐三君) 私は、主として老人訪問看護制度に重点を置いて述べたいと思います。 老人訪問看護制度でありますが、これからの在宅高齢者あるいは障害者に対して積極的に出ていく形の医療サービスヘの道を開いた画期的な施策としてまず高く評価したいと思います。在宅での看護はもちろん、医療と福祉サービスの橋渡しをする重要な役割を担うものとして、高齢者への医療福祉の最先進国である北欧諸国でも、訪問看護婦は