○土屋公述人 お答え申し上げます。 御質問の要点が、国債の減額よりは、むしろ、余裕が出たらば、社会福祉の強化に回すべきじゃないか、こういうことでございまして、それは私どもよくわかります。今度の場合も、インフレ調整の意味で、かなり社会保障関係、三六%ですか何かふえているわけですね。ですからそれは、いま申しましたように、インフレ下において社会保障的なことに使う、こういうことだと思うので、その方向としてはけっこうである
○土屋公述人 お答え申します。 第一点の社会資本の充実でございますが、つまり、過去二カ年間の予算編成の眼目が、社会資本の充実と社会福祉の強化にあったと私は考えておりまして、なかんずく社会資本につきましては、四十七年度が二九%の増加——公共投資ですね。それから四十八年度が実に三二・二%の増加ということになっている。これはこの二年が社会資本の強化に置いたので、こういう著しい増額があったと思っております
○土屋公述人 四十九年度予算案についての私の意見を述べさせていただくことは、非常に光栄に思います。 明年度の予算案が何を目ざすかと申しますと、これは何と申しましても、インフレの抑制と、それから、インフレによって生じたひずみに対する補償、この二つだろうと思います。これは、過去二、三年間福祉を中心に予算が編成されたのに対しまして、非常に大きな重点の違いである。もっぱら目前のインフレ現象をどう押えるか、
○土屋参考人 労働金庫の預金というのはほとんど個人預金がないのです、労働組合の預金でしてね。今度の預金保険の趣旨というのが個人の大衆預金を保護するというところにあるわけなんです。したがって労働組合の預金を保護するということまで拡張することはちょっと趣旨が違うんじゃないかと思います。
○土屋参考人 私もいまの御意見と同感でありまして、基本的には金融正常化を強力に進めなければならぬということはもちろんでありまして、それを私ども過去二十年来提唱してまいったのですが、その歩みが遅々として進まない。非常に遺憾だと思っております。 預貸率幾らかということは、これはいろいろな基準がありますけれども、戦前でいえば大体七〇%から七五%くらいだと承知しています。戦後、いまの数字で見ましたように、
○土屋参考人 預金保険法案について、私は賛成であるという立場から意見を申し上げたいと思います。 預金というのは国の重要な財産でありまして、それを預かる金融機関においては当然その保全に十分の用意がなければいけないのでありまして、そのためには、まず金融機関がみずから現金その他の有価証券をある程度保有して、それで緊急の場合に備えるという自己準備が必要であります。そしてまた、それを補うものとして準備預金制度
○土屋参考人 お答えいたします。 確かに今までの合理化、過去数年間の合理化は、オーナーにしわを寄せることによって、用船の切り下げで大部分合理化のメリットを上げたことは御説の通りだと思っております。そしてまた今後においても、オーナーがかなり苦しい立場に置かれるのじゃないかということも、この構想から当然予想されることだと思うのです。しかしオーナーの機能というものがかつてとはかなり変わっていると思うのです
○土屋参考人 お答えいたします。 二社合併が海造審の答申にはなかったということは、先ほど申し上げた通り事実であります。これが最終段階で政府、与党の折衝の間に入ったのでありますが、私はその趣旨は、現在ある二十二オペレーターの統合を急ぐという意味において、海造審の答申にはなかったけれども、けっこうなことだと思っております。と申しますのは、もう一社で保有船五十万トン以上の会社がございますから、協力的な態度
○土屋参考人 私はここに提案されております海運関係の二法案について全面的に賛成いたします。その理由について私の所見を申し上げることを許されましたことを非常に光栄に存じておる次第であります。 なぜこの海運に対する助成措置を中心とした両法案が妥当であるかと申しますと、私は、日本の海運業というものは、基本的に成長産業であると考えております。今日海運業は非常な苦境にあり、赤字状態を続けておる石炭と並んで斜陽産業視
○参考人(土屋清君) ちょっと補足して、西ドイツの話がたびたび出ましたので申し上げたいと思います。 私も、昨年、通産省から、欧州のエネルギー事情の調査に参りまして、西ドイツの事情を調べましたが、西ドイツが有給休暇とか帰休制をとりましたのは、昭和三十三年ごろにおいて約一千五百万トンくらいの過剰炭が一どきに出まして、どうにもならない。そこで、アメリカからの輸入契約を国の負担で破棄するとか、あるいは過剰炭対策
○参考人(土屋清君) これは非常に大きな問題だと思うのですが、つまり、戦前の場合には、それなりのやはり経済界に自主的な調整が行われる態勢ができていたと思うのです。たとえば、財閥というものがありまして——いいか悪いかを言っているのじゃない、財閥というものがありまして、財閥が企業については中枢部でコントロールしていた。財閥があったから、めちゃくちゃな競争をしていなかったところが、財閥解体がされ、企業がみなある
○参考人(土屋清君) 私は、こういう措置はできるだけ早くやった方がいい一と思うので、むしろやはり昨年あたりにやつてもよかったのじゃないかと思っております。昨年景気が悪いから、こういうことをやっても、すぐそれに応ずる会社があったかどうかは疑問でありますが、この法律の施行期限というものは一年に限られているわけじゃない、二年あるいは三年ということでありますから、多少の景気の波がございましても、景気が好転すれば
○参考人(土屋清君) 戦後の日本経済の成長発展にはかなり著しいものがございまして、量的には、西ドイツと並んで世界の驚異だと言ってもいいかと思います。昨年はなべ底型の不況で、ほとんど成長がストップしたような形になりました。しかし、三十四年度はおそらく、ちょっと景気がよくなれば五・五%ぐらいの成長が見込まれる。五・五%の成長といいますと、これは英米が数年前の好況時の絶頂において経験した成長率であります。
○土屋参考人 外資の導入が、いわゆるインパクト・ローンの形でなされたときにインフレを招来しないか、こういう御懸念だと思うのです。これは、お話の通り、確かに物資の輸入を伴わないで外資が入り、国内の円資金だけ使われた場合においては、外貨の裏づけがありましても、理論的にはインフレ要因になることは、これは否定できない。従って問題はその程度なんですね。かりに一億ドルの外資の導入があって、国内で三百六十億円円資金
○土屋参考人 確かに国内の金融情勢から見ますと苦い経験をしたはずですが、それにもかかわらず、企業家の投資態度が直っていない。これは私は同感です。これについては金融政策上いろいろ措置しなければならぬ面があると思うのでありますが、外債の発行は、なるほど確かに円資金を調達するという面があって、そのことを私は指摘したのでありますけれども、同時に、やはり外貨の補強という大きなねらいがあるように思うのです。三千万
○土屋参考人 私は、今回の外債発行に賛成でありますが、以下それについての所見を申し上げます。 外債発行は二つの目的があると思います。一つは、外資を確保して、わが国の外貨事情を安全な状態に置くというねらい、第二には、国内資本の不足を補給して、外債によって生ずる見返りの円資金を国内の経済建設に使うというねらいであります。 この第一の、わが国の外貨の事情からして外債を発行する必要がありはしないかという
○土屋公述人 それはむずかしい問題で、私もあまり自信はないのです。しかし先ほど申しましたように、一番の基本は財政と金融との調整をどうはかるか、こういうことだと思うのです。それでまず金融ですけれども、私はやはり金融の引き締め政策をとらざるを得ない段階に来ていると思います。私は昨年の九月以来、投資が異常な高水準で、このままの傾向がなかなか沈静しない、早目に手を打っておかなければいかぬという引き締めを提唱
○土屋公述人 確かに国鉄運賃三百五十億円とそれからガソリン税百五十億一円の増徴、約五百億円ですね。国鉄運賃については先ほど申し上げましたように、一割三分がどうなるかということは、私は大体この前の一割値上げでもって論証できていると思うのです、これは経営調査会を半年ばかりやったときに私が主になって調べた。大体あのときの一割値上げというものは全体の物価水準に響いていないです。これはつまりコストとしては累加
○土屋公述人 衆議院におきまして、明年度予算案に対する私見を述べることができますことは非常に光栄に思います。 私は三点について意見を申し上げたいと思います。 第一点は財政政策の基本的考え方であります。今回の予算案を拝見しますと、一般会計は一兆一千三百七十四億円、財政投融資は三千二百五十億円となっておりまして、それぞれかなりの膨張であります。すなわち一般会計においては一千二十億円、財政投融資においては
○土屋参考人 そうでございます。
○土屋参考人 お答えいたします。先ほども申しましたように、私は実は、この法案ではそういう点については一切ぼかされておる点が非常に不満であります。これは金額は覚えておりませんが、たしか正金銀行当時も二千五百万円ぐらいを限度として日銀から低利融通したというような先例がございます。それが四千五百億円になるかどうかわかりませんが、為替専門銀行に対してはやはり特殊の低利の円資金を供給することが当然必要になる。
○土屋参考人 私はこの法案に賛成いたします。以下その理由を申し上げます。 現在為替業務は、いわゆる十二の甲種為替銀行を指定いたしまして、それを通じて行われております。しかし実際このうち海外に支店を出してやつているのは五、六行の程度であります。その間には別にそれほどの差別はつけられておりません。今度の為替銀行法案が成立いたしますと、それら為替銀行のうち、特にこの法案に準拠して為替銀行となるものを選んで
○土屋公述人 お答えいたします。食糧の増産を恒久的な観点から考えなければいけないということは、私もまつたく同意見で、私は前は食糧の自給論者であつた。ただ調べてみたところが、あまりに効果が上つていない。先ほど申しましたように、二千億投じて、統計上には一石も出ていないような状態であります。このままでずるずると投下を続けて行つた場合、気休めになるだけであつて、実際の食糧自給には役立たないと思います。特に最近農林省
○土屋公述人 お答えいたします。第一点の減税の問題でありますが、私は税収総額を現在以下に引下げるということは、それが多くの、今後新たなる、財政支出を必要とする、たとえば財政投資とか、社会保障いう点から見てむずかしいこと、それが必ずしも貯蓄にまわらないというこの三点において困難であるということを申し上げました。しかしお話のように大衆の購買力を現存よりある程度回復するために減税をするということについては
○土屋公述人 昭和二十八年度の予算案につきまして、私の考えるところを申し上げたいと思います。実はこの前の国会で不成立予算案につきましてやはり公述いたしましたので、今回の予算案は骨格はそれほどかわつておりませんから、格別その点については新しくつけ加えるところがないのでありますが、しかし予算不成立の後におきまして国際情勢に重大な変化が生じ、朝鮮休戦というような事態が現われまして、これが財政上考慮を要するいろいろの
○土屋公述人 私はその数字を直接いただいて、おりませんのでわかりませんが、繰越使用分は狭義の防衛費に関する限りは二百三十一億円じやないかと思うのであります。しかし、お話のようにそれが四百億円であれば、なおさら私の論旨はそれだけ強まるわけでありまして繰越使用をするというような情勢のもとにおいては、来年度の支出においてもはたして使い切れるものなのかどうか、またそれだけほんとうに必要なのかどうかということについて
○土屋公述人 お答えいたします。安全保障諸費が二十七年度限りのもので、二十八年度には必要がないから、それだけ減らせるのではないかというのは、昨年も私はたしか国会において申し上げたところであります。従つてこれは当然なくなるべきものだと考えるのでありますが、従来政府の答弁は、何か特別な事情があるもの、千八百二十億のわくは動かしがたいという印象を非常に与えております。われわれはその内部の事情については存じませんけれども
○土屋公述人 御紹介にあずかりました土屋清であります。 来年度の予算案は、講和後最初の本格的な予算、わが国が独自の立場からなし得る自主的な予算といたしまして、私どもその編成について非常に注目をいたしておりました。これまでの予算編成にはいろいろの制約がございましたが、そのからをどこまで破つて独立日本にふさわしい建設的、積極的な内容を盛り込むことができるかについて、非常に期待を寄せていたわけであります
○公述人(土屋清君) ワールド、バンクの貸付を見ておりますと、政府若しくは政府の保証による企業に対する貸付というのが一番多いように私は思つております。そうしますと、特殊会社であれば政府保証を日本政府として與えやすいと思います。現在民間の会社に対しましては政府保証を與えることは行われておりませんけれども、特殊会社であれば例外的に、株式会社でありましても政府保証は與えやすいのじやないかと思いますし、そうしますと
○公述人(土屋清君) お答えいたします。外資の問題、これは私が申しましたことが多少内海公述人にも又下條さんにも誤解されておるかのように感じますが、私は外資が入らなくてもいいというのは、外資に頼らないで、とにかく日本が円資金でも電力は開発し得るのだ、そういう建前をはつきりさせることが必要なんであります。その上に立つて諸般の計画を進めることが今一番必要だと思うのです。政府のように、最初から外資、外資と言
○公述人(土屋清君) 私はこの電源開発促進法案に賛成であります。以下それにつきまして私の考えておるところを申上げたいと思います。 敗戰日本にとりまして残された唯一の資源が電力、即ち水力であることは、もはや申上げるまでもないと思います。これを開発利用するということが日本経済の前途にとつて殆んど唯一とも言うべき可能性をもたらすものと私は考えます。特に十年先を考えますと、この際放置されておる大規模電源を
○土屋公述人 補正予算の検討に入る前に、ごく簡單に、講和を控えた日本経済の今後の見通しに触れたいと思います。 今後の日本経済は、楽観論と悲観論が非常に対立しておりまして、必ずしも一致した見解には到達しておりませんけれども、私は、どちらかというと悲観的な要素の方が強いと思います。すなわち第一には財政負担の増大という問題がございます。第二には経済自立の可能性、特に、東南アジア、あるいは日米経済協力という
○土屋参考人 短期金融債が長期資金なりやいなやということは、ある程度までは定義問題であります。しかしこの短期債の名が示す通り、これは短期資金であると了解いたします。三年以上あるいは五年以上というものが長期資金でありまして、一年というものは明らかに短期資金である。もちろん六箇月ないし三箇月の資金に比べればこれは長期資金でありますけれども、普通金融界においては、今までは三年以上のものを長期資金と考えておりまして
○公述人(土屋清君) 私朝日新聞の土屋清であります。電気事業再編成法案並びに公益事業法案に反対であります。以下その理由を申上げます。 先ずこの法案ができるまでの手続について私は非常に異議があると同時に、それは手続だけの問題ではなくて、そのことが結局法案の内容等にも関係しているのでありますが、御承知のように経済民主化という観点から電気事業再編成が問題になりまして、最初に電気事業民主委員会ができまして
○公述人(土屋清君) 我が國のインフレーシヨンもいよいよ最後段階に入りました。早晩このインフレの整理を考えなければならん時期に際会していると思います。最近中間安定などということが政府方面或いは日銀などから唱えられておりますのも、そういう氣運を反映しているものと思います。勿論今年度において中間安定を実現し得るかどうかは別問題といたしまして、少くとも明年度においては上半期或いは遅くとも下半期までにインフレ
○土屋公述人 今日の日本のインフレーシヨンの段階は、きわめて憂慮すべき事態に立至つております。通貨は千六百九十五億圓、これは昭和十二年の約六十倍に達しておりますのに、生産は昭和十二年の約三割程度にしか過ぎません。しかもこの一年間をとつてみますと、昨年の十月に比べまして通貨は二倍に殖えておりますので、生産は昨年の十月に比べてほとんど殖えていない、こういう状態を呈しておるのであります。このときにあたりまして