1962-03-05 第40回国会 参議院 予算委員会 第5号
それは第一に、昭和三十年の八月の日本国とタイ国との間の協定が、これが大体非常にあいまいで、かつ政治的なものであって、当時国会においても金約款の解釈等をめぐって法的な検討も十分されていない面があると私は思うのであります。昭和三十年三月三十一日の参議院予算委員会で、松澤兼人議員の質問に対して当時の重光外相は、過去の協定を離れて両国で合意するより方法がないと答弁をしている。
それは第一に、昭和三十年の八月の日本国とタイ国との間の協定が、これが大体非常にあいまいで、かつ政治的なものであって、当時国会においても金約款の解釈等をめぐって法的な検討も十分されていない面があると私は思うのであります。昭和三十年三月三十一日の参議院予算委員会で、松澤兼人議員の質問に対して当時の重光外相は、過去の協定を離れて両国で合意するより方法がないと答弁をしている。
一方タイ側としても、金約款がありせば一千二百六十七億円というものが出てくる。そこで当時のポンドとバーツの比率で換算してくれば千三百五十億円程度のものが出る。あるいは今度はそれをドルとバーツの換算でやってくれば二百七十億円余のものが出るというようなことで、いろいろ政治的な、何と言いますか、妥協への努力をしたわけでございます。
私は前からずっと聞いておりましたが、今の特別円の問題は御承知のとおり金約款がついて、金で払うという建前になっているのであります。当初は、日本の徴発物資その他の貿易帳じりは大体半分くらいは金で払うということでいっておったのであります。しかし戦争遂行上いろいろな徴発物資に対して金で払うのだが、とりあえず半分を払うというので、半分でやっておった。
○小坂国務大臣 金約款のままに用いますれば、千二百五十億円になる。そこで、いろいろ交渉した結果、五百四十億円までおりてきて、さらにそれが百五十億円までおりてきたというのが、今お話しのような事情によるこちらの主張というものを先方がのんだ結果であると思います。
金約款というのは、それをいうのではないのですよ。金約款というのは、この三十年協定の第三条の第二項に、「タイ外務大臣にあてたタイ駐在日本国大使の次の書簡に基いて日本国政府がタイ政府に売却すべきであった金のうちまだ売却されていない分に対する請求権」、(a)、(b)、(c)と三つがある。この三つについては、あなたの方で私に出してきたじゃありませんか。
どういうようにわかるかというと、日本政府としては、昭和二十年九月の十一日に、日本政府に対してタイの政府から、「タイは、同盟条約及びそれに連なる一切の条約及び協定は、特別円決済に関する両国大蔵省間協定、覚書をも含め、終止したものとみなす」、だから金約款はだめだ、こう言っている。あなたが言う五十四億円のうちのほとんどは金約款ではないですか。
しこうして、その百五十億円の払い方につきまして、五十四億円は、金約款等がございましたので、その金約款の分は一ポンド千円のあれで払っております。そうしてその残りの分を合わせて五十四億。しこうして九十六億円につきましてはどうするかという問題は、お話のように九十六億円を投資あるいはクレジットの形式によって、日本からの資材、役務を供給する。供与とは書いてない。供給する。
しかし、昭和十九年四月以降に預け合い勘定ができた以後においては金約款というものはありません。あるはずがないんです。政府は昭和十九年四月から預け合い勘定を始めている。これはもう岸総理もよく御存じでしょう。連銀だって儲備券だって、皆大陸で日本の軍費を調達する手段として預け合い勘定をやったんでありますから、金約款はないですよ。現に国内の方の見合いだって金約款はありはしませんよ。
そこでさっき金約款の、さっき正金とのあれが問題があるのですけれども、いまさっきの議論が金約款の問題と賠償との二重払いの問題に触れましたから、私はついでにその点を質問いたします。金約款は高橋条約局長もこれは否定されておるのですよ。否定されておるのに、どうしてこれが金約款を勘案して十五億にしたのですか。
○政府委員(高橋通敏君) 私が金約款を否定をしたという意味は、これは金約款という正式の何と申しますか、これは金約款の定義の問題になります。が、これは必ずしも三谷・ラバル交換公文によって前の金約款のあれを否定したものではない、疑いがある、がある、この点は申し上げたつもりでございます。
○木村禧八郎君 それから次に、金約款の問題について伺いたいのです。一昨日もちょっと伺いましたが、この金約款は、政府は否定の立場をおとりになっているわけですね、そうして事実、これは一昨日政府委員の方から、昭和十六年の協定について、金約款の意味につきまして、詳細な御説明がありました。これは了解しました。それは日仏協定ですね、十六年の。
○政府委員(高橋通敏君) この三谷・ラバル交換公文と、その前の四十一年の協定でございますが、私、この前申し上げましたのは、衆議院で申し上げましたときは、あるいは正確さを欠いたかと思いますが、この四十一年の協定はもし金約款であるとしますれば、三谷・ラバル交換公文では金約款ではない。しかし、それに近い関係の問題であるとして、これは考えなければいけないのではなかろうか。
○政府委員(高橋通敏君) ただいま御指摘の通り、金約款と申しますか、金の量目に関する規定というものは前の四一年の協定にも、もちろん四三年の交換公文にもございません。その意味におきましてこれが厳格な意味におけると申しますか、正式の金約款ではない、これはそういうふうに考える次第でございます。
それからもう一つ具体的に伺いたいのは、藤山外務大臣は金約款ということを言われております。そうして本年十一月五日の衆議院外務委員会におきまして、八月二十五日の残高五億七千三百万円、これに対して一〇・〇三倍のこの指数を金約款に基づいてこれを乗じて、そうしてその結果が五十七億になるので、フランス側に交渉して十五億に負けてもらった。
○木村禧八郎君 それならば、なぜ日本側は金約款というものはあくまでも否定しなかったのですか。藤山外務大臣は金約款に基づいて八月二十五日現在の残高が五億七千三百万円であるのに、金約款というものを持ち出して、そうして十五億円払うことになったのです。もし金約款を否定すれば、五億七千三百万円でいいわけです。さらに政府が出されているこういう資料があるのです。
これに特別金約款や、それに近い条項を考慮に入れますると、六十億であるとか、あるいは百三十億になるとか……。そういうことに深入りすることを避けまして、とにかく十五億で、この交渉によって支払う債権を押えた、この経緯は先ほど申し上げた通りでございます。そうして戦後におきましては、ただに仏印のみならず、そのようなことは多々各方面においても起こったことではなかろうかと考えておる次第でございます。
○政府委員(高橋通敏君) その点になりますと、その協定自体の問題、その他協定に即したいろいろな法律的な点もいろいろ考えるわけでございますが、そうなりますと、協定には金約款がございますし、またそれに近い約束事もあるわけでございます。
○田中(稔)委員 交換公文においても、これはむしろ金約款を指定しておる。ただ特別な場合の例外として、換算率の変更ということが両者の合意によって成り立つことがあるのでありますが、しかしそういうことは実際行なわれ得なかったと思います。さらにまた十九年四月以降は、現地において軍票を発行するのと何ら変わりのないような姿であったのだと思うのであります。
むしろそれは金約款を認めないという規定じゃありませんか。
昭和二十七年以来ずっと交渉をしておったわけでございますが、当初イタリア側の主張によりますと、これは日本の政府の債務である、従って政府はこれに対して弁済をする義務があるんだということ、しかも特別円勘定につきましては金約款がついておるのだということ、それから円勘定Rについてはドル買い予約が今なお有効であるということを主張いたしておりまして、これをそのままのみますと、三十六億七千万円という膨大な金額になるのでございます
そこで、大蔵省としては、戦時中の為替操作によって生じた債権債務は、契約内容によると、貨幣価値の変化を織り込まなければならないような金約款はついていない。第二に、政府が債務保証を行なってはいないのだから、イタリア政府の請求は根拠のないものだ。
○一萬田国務大臣 これは非常にむずかしい問題で、むろんこれは裁判まで持っていかなくてはならぬ問題でありますが、しかし、当時の情勢として、この金約款が国際裁判まで持っていったときに必ず勝つだけの確信が持てない。そうして、戦前の債務になればなるほど金約款がつくという解釈のもとに、そういうような事態をすべて勘案をして、最も日本に有利な解決方法をとったわけであります。
○岡田委員 金約款はそれじゃ認めたのですか。
金約款を使ったのならば、金約款だとお話しになればいいし、金約款でないというようないわくであって金約款でないならば、それじゃ二億円はどうやって払われたか。そういう政治的妥協の産物として払った、こういうお話ですか。
しかし、ドルの分と特別円の分については債務が残っておりますから、実は率直に申しますと、これにも金約款その他むずかしい問題があったようでございますが、これは先ほど申し上げましたように、まあ突っ込みにしてと申しますか、常識的にできるだけこちらの負担を軽くするようにということをいろいろやりました結果、昨年の三月二十七日に、このドルの決済も意外に少く済んだ、こういう状態になっておりますので、御了承願いたいと
しかし金約款と申しますか、そういう約束があったから払う、問題はありますが、やむを得ないといわれれば、一応私はそれは認めていいと思います。しかしながら、それだけの一億六千万円のものに対して百三十四億円を支払ったという事実がある、評価をすれば……。
この九千万円も金約款の条項がいろいろ問題になりますので、金約款の条項を適用するというようなことになると、九十億円くらいな金額になるわけです。それを政治的解決をもちまして、十六億円で解決をいたしました。
ただ、これは調停にかけます前に、両当事者、つまりフランス側の債権者委員の団体と日本政府との間に、両者でいろいろな案を出しまして、当初向うは金約款が本件の財産によるという建前で、金約款はないということを一方で言い、そのかわり最後に日本側は、名目が五五倍というような数字になるところまでの案を出したのであります。
金百円と申しますか、英語のゴールド、フランス語のオール、百円オールで支払うということが書いてありますために、これがフランス側としては金約款であるということを主張いたしたのでございます。
タイ国の特別円の問題は、戦時中、日本軍がタイ国で物資購入に充当した相当額を日本銀行にタイ国政府特別勘定を設けたが、その残額が終戦当時で約十五億円に上っており、金約款がついていたから、今の日本金に直すと約千三百五十億円となる。しかし、右の協定は、終戦と同時にタイ国側より破棄通告がなされ、条約上の債務ではない。
しかも預金者についてはいわゆる金約款というものはついておりませんから、過去において百円の預金をした人は、その後貨幣価値が下つてもやはり百円しかとれません。もちろん利息はつきます。従つて百円の預金者がかりに三十円だけ打切られたとすれば、その三十円しか返さない。
いしなければならぬのでありますが、その利息をつけてお返しするというのは、第三十七条の二以降に詳しく規定を設けてあるわけでありまして、その点につきましては、今お話のような実質的にインフレーシヨンのお陰で貨幣価値が下つたという点から行きますと、実質的に預金者にお気の毒したという場合はあるわけでありますけれども、これはすべて貨幣の形態において持つておつた場合におきましては、当然にみな共通する問題でありまして、それがために金約款
例えばこれが金約款でもついておるような債権債務でありますれば、これは又別でありましようけれども、一般の観念から言うと、やはりそれはその貨幣自体を示しておる名目で以て支払われることが、金銭証書というものの本質であろう、かように私どもは考えておるのであります。その原則は今提案申上げておる法につきましても、やはり同じように適用して行くべきものじやないか、かように考えておる次第であります。
今度の條約の中には、とにかく外債処理というものについて日本政府としても努力せねばならんという趣旨のことが織り込まれておるのでありまして、そういう考え方の下においてやはり数字というものを作つて見なければならないと、そこで最近私たちのほうで計算し申上げておる数字は、大体大きく見積つてどのくらいかという数字のほうか間違いがないのではないか、そういう意味で先ほど申しましたような工合で、大体金約款の点を除いては
それをそのまま数字に一応持つて行く、それから又金約款の問題がありますが、金約款は大体問題が余りありませんので、これは一応金約款は無規するということで計算いたしました数字で申上げておるわけでございます。
丁度一九三五年であります、昭和十年に、金約款のことでたまたま私アメリカに参りましたときに、ニユーヨークのコロンビア大学のセリグマン先生にお会いしたのであります。このセリグマン先生は財政経済学の父と言われたかたであります。先生が私に対して、日本の国鉄が黒字であるということを賞して、「日本の外債を買つたよ」、こういうことを言われたことを私は記憶いたしておるのであります。
でその一つの方法といたしまして、金約款附與金とか、或いはその他実質價値を担保とする預金の制度をお作りになるお考はないかということを大藏大臣にお尋ねいたしたい。以上で以て私の質問は終ります。(拍手) 〔國務大臣和田博雄君登壇〕
この貯蓄の増強がこの際非常に必要だということは屡々申すまでもないことでありますが、而してこの貯蓄の増強のために金約款或いは安定價値要件というような制度を始めるということも考え得るのであります。