1963-02-18 第43回国会 衆議院 外務委員会 第2号
ところが、同じ日に池田総理大臣の御答弁を伺っておりますと、「分離国家に対して、その分離国家の繁栄、ひいて韓国と日本との関係、これをよくし、両方を繁栄に導くために、請求権という条約上の権利を消滅させるために、無償あるいは有償のあれをやるということは、請求権の変体でございます。変体というのは、請求権がそういうものに変わってくるということでございます。」
ところが、同じ日に池田総理大臣の御答弁を伺っておりますと、「分離国家に対して、その分離国家の繁栄、ひいて韓国と日本との関係、これをよくし、両方を繁栄に導くために、請求権という条約上の権利を消滅させるために、無償あるいは有償のあれをやるということは、請求権の変体でございます。変体というのは、請求権がそういうものに変わってくるということでございます。」
それはもうあなたも御存じの通り、外交交渉、ことに賠償とか、こういう問題、分離国家の問題なんかをどういう計算でいこう、ああいう計算でいこうということは、なかなか困難で、これはもう外交上の事例からそれがあるわけでございます。
ということは、適用される法理論とは、分離国家に対して母体国家、これが一体どういう権利を持ち、どういう義務を持つものであるか、国際慣例というものが明確にない。
そこで、分離国家に対して、その分離国家の繁栄、ひいて韓国と日本との関係、これをよくし、両方を繁栄に導くために、請求権という条約上の権利を消滅させるために、無償あるいは有償のあれをやるということは、請求権の変体でございます。変体というのは、請求権がそういうものに変わってくるということでございます。これはあり得ることであります。
ただ、政府があまりに一つの自分の立場を強く強調せんがあまりに、こういう何でもかんでも国際法の確立だ、原則だというような態度で、頭ごなしにやってきておられるけれども、そこには必ずしもこういう特殊なケースをカバーするような先例はないのではないか、こういう意味で、一般の分離国家が、母国からの権利義務は原則として継承するというような議論だけで、このベトナム賠償の問題を切り抜けようとするところに、どだい無理があるんじゃないか
統一の場合だけでなくて、これは一つの可能性としては、不幸にして南北が事実上あるいはさらには法律上それこそ分離国家なり、別の国家になるということもあり得るものと思うのです。そういう場合にも一体北ベトナムは━━統一政府の場合じゃありませんよ。これは確かに日本に対する安全な別な請求権を主張してくることは、これは当然だと思うわけですね。その場合は、一体日本政府の態度はどうなのですか。
であるから、今回賠償協定ができて賠償を支払えば、これで日本国の賠償の義務は、サンフランシスコ条約に基づく義務は、これで完全に履行される、こういう建前をとっておられるわけなんですが、しかし、その議論は先ほど申し上げましたように、事実上外務大臣も私に対する御答弁の中で、分離国家ということを言っておられた。正式に言えば、国家は分離していないわけですけれども、いわゆる分離国ですね。