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2021-06-02 第204回国会 衆議院 国土交通委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
令和三年六月二日(水曜日) 午前九時
開議
出席委員
委員長
あ
かま二郎
君
理事
古賀 篤君
理事
谷 公一君
理事
土井 亨君
理事
平口 洋君
理事
簗 和生君
理事
城井
崇君
理事
小宮山泰子
君
理事
岡本
三成君
石原
伸晃
君 泉田 裕彦君 岩田 和親君 小里 泰弘君 加藤 鮎子君 門 博文君
金子
恭之君 菅家 一郎君 工藤 彰三君
小林
茂樹
君 鈴木 貴子君
田中
英之君
田中
良生
君
高木
啓君
津島
淳君 中谷 真一君 中村 裕之君
鳩山
二郎
君 深澤 陽一君 堀井 学君
三ッ矢憲生
君
山本
拓君 荒井 聰君
伊藤
俊輔
君
岡本
充功
君
辻元
清美
君 広田 一君
松田
功君
道下
大樹
君
森山
浩行
君
山本和嘉子
君 北側 一雄君 吉田
宣弘
君
高橋千鶴子
君
井上
英孝君 古川 元久君 ………………………………… 国務大臣 (
水循環政策担当
) 赤羽 一嘉君
国土交通大臣政務官
小林
茂樹
君
国土交通大臣政務官
鳩山
二郎
君
国土交通委員会専門員
武藤
裕良
君 ――
―――――――――――
委員
の異動 六月二日
辞任
補欠選任
秋本
真利
君
石原
伸晃
君
井上
貴博
君
津島
淳君
伊藤
俊輔
君
森山
浩行
君 同日
辞任
補欠選任
石原
伸晃
君
秋本
真利
君
津島
淳君
井上
貴博
君
森山
浩行
君
伊藤
俊輔
君 ――
―――――――――――
五月二十八日
新型コロナ危機打開
のため
観光業
などへの直接
支援
の実施に関する
請願
(
奥野総一郎
君
紹介
)(第一〇四九号) 同(
清水忠史
君
紹介
)(第一一三四号)
新型コロナ感染症対策
と
タクシー事業法
(
仮称
)
制定
に関する
請願
(
大西健介
君
紹介
)(第一一六八号) 同(
岡本あき子
君
紹介
)(第一一六九号) 同(
神谷裕
君
紹介
)(第一一七〇号) 同(
近藤和也
君
紹介
)(第一一七一号) 同(
牧義夫
君
紹介
)(第一一七二号) 同(
松田功
君
紹介
)(第一一七三号) 同(
森田俊和
君
紹介
)(第一一七四号) 同(
笠浩史
君
紹介
)(第一一七五号) 同(
池田真紀
君
紹介
)(第一二〇九号) 同(
石川香織
君
紹介
)(第一二一〇号) 同(
今井雅人
君
紹介
)(第一二一一号) 同(
尾辻かな子
君
紹介
)(第一二一二号) 同(
海江田万里
君
紹介
)(第一二一三号) 同(
城井崇
君
紹介
)(第一二一四号) 同(
篠原豪
君
紹介
)(第一二一五号) 同(
長尾秀樹
君
紹介
)(第一二一六号) 同(
日吉雄太
君
紹介
)(第一二一七号) 同(
谷田川元
君
紹介
)(第一二一八号) 同(
屋良朝博
君
紹介
)(第一二一九号) 同(
山本和嘉子
君
紹介
)(第一二二〇号) 六月一日
新型コロナ感染症対策
と
タクシー事業法
(
仮称
)
制定
に関する
請願
(
逢坂誠二
君
紹介
)(第一二九二号) 同(
金子恵美
君
紹介
)(第一二九三号) 同(
佐々木隆博
君
紹介
)(第一二九四号) 同(
櫻井周
君
紹介
)(第一二九五号) 同(
辻元
清美
君
紹介
)(第一二九六号) 同(
森山浩行
君
紹介
)(第一二九七号) 同(
大串博志
君
紹介
)(第一三八五号) 同(
末松義規
君
紹介
)(第一三八六号) 同(
高木錬太郎
君
紹介
)(第一三八七号) 同(
西岡秀子
君
紹介
)(第一三八八号) 同(
原口一博
君
紹介
)(第一三八九号) 同(
道下大樹
君
紹介
)(第一三九〇号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
国土交通行政
の
基本施策
に関する件
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律案起草
の件
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する件 ――――◇―――――
あかま二郎
1
○あ
かま委員長
これより
会議
を開きます。
国土交通行政
の
基本施策
に関する件について
調査
を進めます。
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律案起草
の件について議事を進めます。
本件
につきましては、
石原伸晃
君外五名から、自由民主党・
無所属
の会、
立憲民主党
・
無所属
、公明党、
日本維新
の会・
無所属
の会及び
国民民主党
・
無所属クラブ
の五
会派共同提案
により、お手元に配付してありますとおり、
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律案
の草案を成案とし、本
委員会提出
の
法律案
として決定すべしとの動議が提出されております。
提出者
より
趣旨
の
説明
を求めます。
小宮山泰子
君。
小宮山泰子
2
○
小宮山委員
本
起草案
の
趣旨
につきまして、
提出者
を代表して御
説明
申し上げます。
地下水
は、身近な水源として多様な
用途
に
利用
され、広く
地域
の社会や文化と関わっている一方で、
地盤沈下
を始めとする
地下水
の
過剰採取
による障害は、その
回復
に極めて長期間を要するものです。 また、
地下水
は一般的に
地域性
が極めて高く、その
挙動
や
水収支等
の
実態
が不明な
地域
が多いことから、新たに
地下水
の
採取
を
制限
する
条例
を設けようとする
地方公共団体
はその
実態
の
調査
を行う必要があることや、
地下水
が
地方公共団体
の
境界
を越えて流動するものであることから、
地下水
に対する
取組
を行うに当たっては、
関係地方公共団体
、
関係者等
から成る
協議
の場を設ける必要があることが
指摘
されています。 これらの
課題
に
対応
し、
地下水
に関する健全な
水循環
の
維持
の
回復
のため、国及び
地方公共団体
において、
地下水マネジメント
の
取組
を一層推進していくことが求められています。 本
起草案
は、このような状況に鑑み、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
を図るため、
水循環
に関する
施策
に
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
施策
が含まれることを明記するとともに、
水循環
に関する
基本的施策
として
地下水
の適正な
保全
及び
利用
を図るために必要な
措置
を追加するもので、その主な
内容
は次のとおりであります。 第一に、国の
責務
に関する
規定
において、国が総合的に策定し、及び実施する
責務
を有する
水循環
に関する
施策
として、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
施策
を含むことを明記することとしています。 第二に、
水循環
に関する
基本的施策
として、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
の
規定
を追加し、その
内容
として、国及び
地方公共団体
は、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
を図るため、
地域
の
実情
に応じ、
地下水
に関する
観測
又は
調査
による
情報
の収集並びに
当該情報
の整理、
分析
、公表及び保存、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
協議
を行う
組織
の
設置
、
地下水
の
採取
の
制限等
の必要な
措置
を講ずるよう努めることとしております。 以上が、本
起草案
の
趣旨
であります。 何とぞ速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。 ――
―――――――――――
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律案
〔
本号末尾
に掲載〕 ――
―――――――――――
あかま二郎
3
○あ
かま委員長
これにて
趣旨
の
説明
は終わりました。
本件
について発言を求められておりますので、順次これを許します。
森山浩行
君。
森山浩行
4
○
森山
(浩)
委員
おはようございます。
立憲民主党
の
森山浩行
でございます。今日は水を意識して青いスーツで参りました。
水循環基本法
、この
法案
の策定ということで、十年余り前から数年かけて案を作っていくという中で、超党派の
水制度改革議員連盟
の
事務局長
として当時関わりました。
制定
時におきましては、多くの省庁、九つの
府省
を主にということでありますけれども、
横串
を刺して、水全体を
管理
をするという
法律
でありますので、初めての試みということであったわけですけれども、その際、
地下水
、これまでは、
くみ上げ
の
規制
、これぐらいしかなくて、担当する官庁がないのだというような
説明
の中で、
循環基本法
の中で
地下水
も含めてやっていくのだという
議論
をしたという中で、この
地下水
というのは
水循環基本法
そもそもの中に含まれているという
理解
でこれまでやってまいりました。 今回、
地下水
が含まれるということをこの
法案
の中に明記するという
改正案
となったということであります。なぜ、あえて
地下水
を明記した
法改正
が必要だという判断に至ったのかということについて、
発議者
からお願いをいたします。
石原伸晃
5
○
石原
(伸)
委員
森山委員
におかれましては、初代の
事務局長
として
水循環基本法
の
制定
に御尽力いただき、また、今回も
役員
としてこの
改正案
にお取り組みいただきましたこと、本当に感謝を申し上げたいと思います。 私も、
国土交通大臣
、
環境大臣
等々をやらせていただく中で、この
地下水
の問題というのは、量の問題、質の問題、さらには最近
大変関心
のあるところの
生態系
、あるいは
地方創生
の観点から、非常にこれは重要だなという
認識
を持つに至ってきております。 私の前の
会長
は、御引退されましたけれども、
中川秀直先生
でございます。
水循環改革議員連盟
の代表に就きましたけれども、やはり、こんな中で、
委員
御
指摘
のとおり、当然、
基本法制定
のときに、中に含まれていると
関係者
の中では思っておりますけれども、しっかり書いていない、等というところで読む、そういうことでございましたので、この
地下水
の問題、今回、
フォローアップ委員会
等々でかなり御
議論
をいただいてまいりました。 当初は、
地下水
と
表流水
を
一体
に考えた具体的な
制度づくり
が
課題
であると捉えてまいりましたけれども、やはり、
条例
の
制定
に取り組むなど、
地方自治体
ですけれども、
現場
としての
地下水
の問題に向き合っている
団体
と、私
たち国
、これが
一体
となって取り組んでいくということが重要なのではないかというふうに捉えるようになりました。 そして、まさに文字どおり、
地下
に潜って
可視化
されていない
地下水
の
実態把握
。最近でこそ、かなり
調査
が科学的に進められるようになってはまいりましたけれども、いまだに、過剰な
くみ上げ
に伴う
地盤沈下
の問題が落ち着き始めてから、
観測井戸
の
管理
が行き届いていないなどの
課題
を抱えているということも事実だと思っております。
地方
の
取組
を促進するための
制度的担保
として、
地下水
の
実態
を知る基盤ですか、こういうものをいま一度つくらなければならない。そして、
委員
が
制定
に御尽力をいただいた
水循環基本法
が目指す健全な
水循環
の
維持
、これはもう誰もがそのとおりと言っていただける問題だと思います。 そして、
回復
の実効性ある
取組
が進んでいかないのではないかという
問題意識
を、この十年近くの間に
委員
とも
議論
をさせていただきましたけれども、多くの方が持つようになったということも私は事実ではないかと思っております。 そんな中で、このような
認識
に立って提出するのが今回の
法律案
。もちろん、
委員
と一緒に
個別法
の
制定
も検討いたしましたけれども、現状では
水循環基本法
の
改正
による
対応
が現実的であるという結論に至って、本日に至っているというふうに御
理解
をいただければと思います。
森山浩行
6
○
森山
(浩)
委員
議連会長
をお務めいただいています
石原先生
から全体的な視点について
お話
をいただきました。
水循環基本法
の立法時、
理念法
であるこの
基本法
をまずは
成立
をさせる、具体的な問題は各省にわたりたくさんありますので、
個別法
の
課題
に取り組んでいくという形での、二段
ロケット
というような形で進めていこうという形で
議連
では
説明
をしてまいりました。 今回の
改正
は、まさに
地下水
の問題に取り組んでいく二段
ロケット
の最初の部分ということで、本当に、この間、
議員連盟
の
フォローアップ委員会
という形で、学者あるいは
現場
の皆さんにたくさん
参加
をしていただいて、共に練り上げてきたという形であります。 その中で、現実的な
法制度
の見直しという
対応
ということで、
課題
としては、本当は
個別法
をやりたかったんだけれども、緩やかな形で、まずは
地下水
を書き込んでしっかり調べた上で、将来的には
個別法
にもというような思いがございます。 今
国会
の
国交委員会
では、
流域治水関連法案
の審議、これが
重点課題
の
一つ
となりました。
気候変動
を取り巻く水の
変化
に、
日本
、そしていかに世界に対しても
対応
していくかが
重点課題
となっています。 様々な
主体
が協力して
流域ごと
に
管理
をするということが、これは重要になってまいります。今
国会
で
成立
をした
流域治水関連法
における
流域治水計画
、これも今回の
改正
と併せ、できるだけ多くの人に
参加
をしてもらって、
流域水循環計画
に収れんする形で更なる協力を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
小宮山泰子
7
○
小宮山委員
御質問ありがとうございます。 水を守る
現場
の方々の御
意見
、私も視察もさせていただきました。また、今年、
水循環基本法
への
地下水関連規定
の追加に関する
報告書
、
沖座長
、また、
水循環基本法
の
フォローアップ委員会
の
蔵治座長
にも御尽力いただきまして出されましたけれども、これを読みながらも、改めて、
地域
の水を守れる人、
人材
の問題が深刻であるという
認識
を強くしております。
水循環
は、
治水
、利水、
上下水道
、森林、気象、海洋、農業など、多くの側面で成り立っております。そのいずれの
分野
でも人の問題に直面をしております。
提案者
としても、
地域
の水を守る人の問題を解決していくことが、技術、そして
国民
の知識や行動の
変化
も含めた健全な
水循環
の
維持
、
回復
につながるものと考えており、
森山先生
が御
指摘
される
水循環基本法
を通じた二段目の
ロケット
を打ち上げるべく、目標の
一つ
でもある、
地域
で多くの
主体
が
参加
してそれぞれの知見を持ち寄り、協力してその
流域
に合った
流域水循環計画
を立てて実行していくことにつながると考えております。
森山浩行
8
○
森山
(浩)
委員
ありがとうございます。 今後の
課題
、人ということであります。コーディネートのための
専門家
の
育成
というのが
課題
ということでありますけれども、今後の展望についてお願いいたします。
小宮山泰子
9
○
小宮山委員
水循環政策本部
では、
水循環アドバイザー制度
を活用して、
地域
の
水循環
を担う
専門家
の
育成
にも取り組んでおります。
提案者
としても、
地域
が抱える個々の問題を
水循環
の問題として捉え直した多面的な
取組
が重要だと考えております。 一方で、
水循環基本計画
に基づく
流域ごと
の
水循環計画
である
流域水循環計画
に係る国の
認定数
は、
全国
で合計五十四にとどまっております。 今回の
法改正
を通じて、
地域
の
取組
を進めようとしている
地下水
の問題を始めとして、
上下水道
、
水環境
、防災など
自治体
が抱える様々な水問題について、それぞれの
地域
にいる
専門分野
にたけた
人材
のノウハウを生かし、
専門領域
を広げ、
地域
全体を俯瞰した
課題解決
につなげる
取組
が増えることを期待をしております。
森山浩行
10
○
森山
(浩)
委員
ありがとうございます。 命の水を守るということは、これは党派を超えた
課題
であるというふうに考えております。これからも、
国会
全体の問題として取り組んでまいりたいと思います。共に頑張りましょう。 ありがとうございました。
あかま二郎
11
○あ
かま委員長
次に、
高橋千鶴子
君。
高橋千鶴子
12
○
高橋
(千)
委員
日本共産党
の
高橋千鶴子
です。 私も
議連
の
役員
の一人に加わらせていただきましたが、本
改正
に向けて精力的に
議論
を重ねてきた
提案者
の
皆様
、また
フォローアップ委員会
の
皆様
に心から敬意を表したいと思います。 早速ですが、まず
与党提案者
に質問します。 本
法案
は、国の
責務
に
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
施策
を加え、そのために必要な
措置
として、
地方公共団体
の
条例制定
を念頭に置いて書かれているかと思います。 既に、
全国
六百五十六の
地方公共団体
で八百三十四の
条例
、実に三五%が、何らかの
地下水
に関係する
条例
を
制定
しています。
議員連盟
としても、
地下水保全法
の
制定
を準備したこともあったと思いますが、改めて検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
津島淳
13
○
津島委員
高橋委員
に御質問いただきまして、ありがとうございます。
地下水
については、これまで、
全国
的に共通する事項については、例えば
工業用水法
など、
国法レベル
での規律がなされているところではございますが、基本的に、
地下水
が存在するその
地下構造
や
地下水
の
利用形態
が
地域ごと
に大きく異なるという特徴があることから、これまで、持続可能な
地下水
の
保全
と
利用
を図るため、
地域
の
実情
に応じて、
地方公共団体
が
主体
的に
条例等
による
取組
を行っているところでございます。 具体的には、
地下水
に関する
課題
についての
共通認識
を醸成することや、
地下水
の
利用
や
挙動等
の
実態把握
とその
分析
、
可視化
、水量と水質の
保全
、涵養、
採取等
に関する
地域
における
協議
やその
内容
を実施する、いわゆる
地下水マネジメント
が行われているものと承知をしております。
提案者
といたしましては、このことを踏まえて、国が統一的な
規制
を行うよりも、まずは、引き続き、
地域
の
実情
に応じて、
地方公共団体
が行う
地下水マネジメント
の
取組
に対して
支援
をするということが有効であると考えております。この
法案
は、それを後押しするものとなっていると考えております。 以上です。
高橋千鶴子
14
○
高橋
(千)
委員
ありがとうございます。
地域
の
実情
に応じてと
お話
がございました。
可視化
することや、
自治体
を超えた
マネジメント
、
協議
の場を設けていくというのはとても大事なことだと思います。
趣旨説明
の中にもあったかなと思うんですね。 ただ、
地下水
は
地方公共団体
の
境界線
を越えて流動しているにもかかわらず、
条例
が
規制
できる
範囲
が
当該地方公共団体
の
範囲
に限定されるために、効力が限界があると思うんですね。その点についてどう考えるか、伺います。
津島淳
15
○
津島委員
ありがとうございます。
高橋委員
御
指摘
のとおりでございまして、
地下水
は複数の
地方公共団体
にまたがって流れている場合が多くございまして、他方、
条例
で
規制
できる
範囲
は、基本的には、その
条例
を
制定
した
地方公共団体
の
行政区域
に限定されるところでございます。 この問題について、
地方公共団体
からも、
地下水
に対する
取組
を行うに当たっては、
関係地方公共団体
や
関係者等
から成る
協議
の場が必要である、そういう御
意見
も拝聴しているところでございます。 これを踏まえて、今回、十六条の二において、国及び
地方公共団体
は、
地域
の
実情
に応じて、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
協議
を行う
組織
の
設置
又はこれに類する業務を行う既存の
組織
の活用に努めるものとするとしているところでございます。
提案者
としましては、この
改正
に基づき、
地域
の
実情
に応じ、
関係地方公共団体
や
関係者等
で
協議
を進め、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に取り組んでいただきたいと考えているところでございます。 以上です。
高橋千鶴子
16
○
高橋
(千)
委員
ありがとうございます。 とはいえ、
条例
の
規制
について
訴訟
となったケースも少なくないと思います。
JR東海
が大阪府
摂津
市と
茨木
市にまたがる
東海道新幹線鳥飼車両基地
で進める
地下水
の
取水
をめぐり、
摂津
市が
地盤沈下
のおそれがあるとして差止めを求めた
訴訟
が、二〇一八年三月八日、最高裁で上告が棄却され、
市側
の敗訴が確定しました。 一九六四年の
新幹線開業
後に、旧
国鉄
による
取水
で
地盤沈下
があったということで、
摂津
市が七七年に、
取水
を原則禁止する
環境保全協定
を旧
国鉄
と締結したものです。しかし、
JR東海
は
車両基地
内でわずか三%しか面積のないお隣の
茨木
市側
で
取水
をしたために、一審では、
協定
は
摂津
市のみに限られるということで、負けたわけであります。高裁は、逆に、同じ
車両基地
を使っているということで、
茨木
市にも適用されると変更したものの、
制限
されるのは
地盤沈下
などの具体的な
危険性
が認められる場合に限るとして、
対象外
とされました。 これも、
条例
の
規制
が及ぶ
範囲
がその
地方公共団体
のみに限定しているためによるものだと思います。まさに、広域に流れる
地下水
の特質からいっても、矛盾するのではないかと思います。 そこで伺いますが、
公水
とされてきた
河川水
とは異なり、
地下水
は、
土地所有権
に付随するものとして扱われており、
土地所有者等
の裁量で
利用
できる
環境
に置かれています、これは
フォローアップ委員会
でも
指摘
をされているところですが。一方、循環する水は、
国民共有
の貴重な
財産
であり、
公共性
の高いものと
水循環基本法
には位置づけられているわけであって、この
改正案
によって、
地下水
の定義は見送った、じゃ、
公共性
ということについてはどのように整理されたんでしょうか。
小宮山泰子
17
○
小宮山委員
現行の
水循環基本法
三条二項では、「水が
国民共有
の貴重な
財産
であり、
公共性
の高いもの」とされており、
地下水
も水の一部であるため、
国民共有
の貴重な
財産
であり、
公共性
の高いものであることは、今回の
改正
前後を通じて変わりありません。 なお、今回の
責務規定
や
基本的施策
の
改正
は、このような
地下水
の
公共性
を前提とするものであり、今回の
改正
により、
地下水
の
公共性
が一層明確になったと考えております。
高橋千鶴子
18
○
高橋
(千)
委員
ありがとうございます。 民法二百七条は、「
土地
の
所有権
は、
法令
の
制限
内において、その
土地
の上下に及ぶ。」と定めておって、
条例
を運用する
地方自治体
では、
法令
が存在しないために
訴訟リスク
を抱えてしまうという
課題
があります。今言った、例に出したのも、まさにそのとおりなんですね。
制限
に関わる
法令
なくして
土地所有権
を
制限
する
行為
というのは、憲法二十九条の
財産権
を侵害するおそれがあるということも
課題
であると、これも
フォローアップ委員会
の
報告書
にも書かれていると思うんですね。だから、改めて、
地下水保全法
が必要なんじゃないかなと思っています。 そこで、
開発行為
の
規制
についてはどうかということです。 今は
取水
について聞きましたけれども、
取水
ではなく、掘削によって
地下水脈
に影響を与える場合です。
整備新幹線
や
リニア新幹線
、
高速道路
などにつきものの
トンネル工事
において、掘削する際に
地下水
の
流路
に突き当たって流れを止めたり変更したりする、こうしたことを、
公共団体
の
条例
で定める
地下水
の
採取
の
制限
の中に含まれると見てよろしいのか、伺います。
小宮山泰子
19
○
小宮山委員
ありがとうございます。
高橋委員
の
指摘
は大変鋭いものがあると常に感じております。 今般、国及び
地方公共団体
の
地下水
に係る
努力義務規定
の例示として十六条二に
規定
した
地下水
の
採取
の
制限
については、
地下水
を何らかの
用途
に使用すること等を目的に取る
行為
をその
対象
として想定しており、
事業
に伴い
地下水
が流出するような場合については想定をしておりません。 もっとも、十六条二は、全体としては、国又は
地方公共団体
が
地下水
の適正な
保全
及び
利用
を図るため、
地域
の
実情
に応じ、必要な
措置
を講ずるよう努めることを
規定
しているものであることから、
事業
に伴って
地下水
が流出するような場合については、
地域
の
実情
に応じて、
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に必要な
範囲
で適切な
措置
が講じられることはあり得るものと考えております。
高橋千鶴子
20
○
高橋
(千)
委員
あり得るものという答弁でありました。 やはり、
事業者
が
地下水
を活用するためでなくても、
工事
などにより
地下水
を流出、消失させるなどは
取水
と同様であって、やはり
規制
の
対象
とすべきだと思います。 今現実に起こっている、
南アルプス
を掘削し、
トンネル
を造る
リニア
の
新幹線静岡工
区、まさに
静岡
県が、大井川への流入が毎秒二トンも減るとして、
JR東海
に全量戻しを求めているわけであります。当初は全部戻すと約束したんだけれども、技術的には困難で、山梨、
長野側
へ
湧水
を流出せざるを得ない、完成後に戻しますよと言っているんだけれども、それには十年から二十年かかるというわけであって、それでは六十二万人の
生活用水
を守るということと非常に対立する問題である、水と
生活
を犠牲にすることはあってはならないだろうということで、やはりこの
水循環基本法
の
改正
がそうしたことにもしっかりと
対応
できるようにしていくべきではないか、このことを
指摘
して、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
あかま二郎
21
○あ
かま委員長
これにて発言は終了いたしました。 これより採決いたします。
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律案起草
の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本
委員会
の成案とし、これを
委員会提出
の
法律案
と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
あかま二郎
22
○あ
かま委員長
起立総員。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました本
法律案
の提出手続等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
あかま二郎
23
○あ
かま委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――
―――――――――――
あかま二郎
24
○あ
かま委員長
この際、平口洋君外五名から、自由民主党・
無所属
の会、
立憲民主党
・
無所属
、公明党、
日本共産党
、
日本維新
の会・
無所属
の会及び
国民民主党
・
無所属クラブ
の六
会派共同提案
による
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
提出者
より
趣旨
の
説明
を聴取いたします。平口洋君。
平口洋
25
○平口
委員
ただいま議題となりました
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する件につきまして、
提出者
を代表して、その
趣旨
を御
説明
申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって
趣旨
の
説明
に代えることといたします。
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する件(案) 政府は、
水循環基本法
の一部を
改正
する
法律
の施行に当たり、次の諸点について適切な
措置
を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 政府においては、
地方公共団体
が
地下水
の適正な
保全
及び
利用
を図るため、
地域
の
実情
に応じ、
法令
に違反しない限りにおいて
条例
で定めるところにより、
地下水
の
採取
の
制限
その他の必要な
制限
をすることができることについて、
地方公共団体
に対して、周知を行うこと。また、その
条例制定
等に関し、必要な助言等の
支援
を行うとともに、
制定
動向を把握し公表に努めること。 二
地下水マネジメント
を推進するため、
地方公共団体
等により
観測
されている
観測
データを集約し相互
利用
する
地下水
データベースの構築を推進するとともに、
地方公共団体
による
地下水
の適正な
保全
及び
利用
に関する
協議
会の運営や、
地方公共団体
等が行う
地下水
に関する
観測
等に必要な
支援
を講ずること。 三
法改正
を踏まえ、
水循環基本計画
の改定等の必要性について検討を行うこと。 右決議する。 以上であります。
委員
各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
あかま二郎
26
○あ
かま委員長
これにて
趣旨
の
説明
は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
あかま二郎
27
○あ
かま委員長
起立総員。よって、
本件
は本
委員会
の決議とするに決しました。 この際、ただいまの決議につきまして、
水循環政策担当
大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
水循環政策担当
大臣赤羽一嘉君。
赤羽一嘉
28
○赤羽国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その
趣旨
を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。
あかま二郎
29
○あ
かま委員長
お諮りいたします。 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
あかま二郎
30
○あ
かま委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時二十九分散会