○笹川
国務大臣 質問は三つでありますか、大変
内容のたくさんあることを実は御
質問いただきましたので、はしょってはちょっと
お答えしにくいので、お許しをいただきたいと思います。
第一の
質問の、五カ年の十七兆円について、投資がされたけれ
ども内容的にどうだ、こういう
お尋ねでありますが、御案内のように、十七兆円は基本計画に盛り込まれた施策の実現に多く寄与いたしました。
内容につきましては、競争的かつ流動性のある研究開発環境の整備については、競争的資金の倍増、
平成七年度は千二百五十億円でございますが、
平成十二年度には三千二百八十億円に倍増されておりますので、そういう意味では、科学者が一生懸命やればそれだけの費用は出しましょう、評価をきっちりやりましょう、こういうふうに御
理解いただいたらよろしいかと思います。
また、ポストドクター等につきましては、一万人の支援計画を実現しました。それからまた、任期つき任用
制度、一般の会社から四年なら四年の期間を定めまして役人になっていただく、こういう
制度もやっておりますし、私
どもの中にもそういう人が何人も今来ていただいておりますので、必ずいい成果が上げられると思います。
それから、研究開発評価の本格的導入。
日本は、評価が非常にどうも、やってはいるけれ
ども余りはっきりしない。これは、やはり評価をきっちりしないと、これから二十一世紀の科学技術の進歩発展というのは難しいんじゃないか、もう少しシビアにやったらどうだ、こういうことであろうと思います。
また、産学官の連携の推進。これは常に言われるんですけれ
ども、これはもうやっていかないと外国になかなか太刀打ちができなくなるのではないか。まさに今は乾坤一てき、やらなければならないという時期であろうと思います。
また、研究開発の
現場は大変活性化もされておりますし、
日本の科学技術は世界最高水準に行っているとは思うんですが、御案内のように、世界の科学雑誌というのは「サイエンス」というのと「ネイチャー」と二つありますけれ
ども、結構今
日本の学者が、論文の掲載が相当ふえてまいりました。これは、「ネイチャー」の場合は五・七%だったものが現在七%になっていますし、「サイエンス」という本については三・五%が五・〇、どんどんふえております。やはり、そういうところで評価を受けませんと国際的な評価というものはない、私はこういうふうに思っております。
また、学校あるいはまた官の方で研究費を投じて特許だとか、そういう製品がありますが、これをどんどん売って
民間で活用しなければ、研究だけしておけばいいんだというような態度ではやはりこれからは乗り切っていけない、こういうふうに考えております。
ただ、やはり
批判の点も十分にございます。人材の流動性が必ずしも十分ではないというような御
批判もいただいておりますし、評価のプロセスがまだまだ不透明だ、もっと透明性を持てというような御
批判もあります。国立大学の施設だとか研究支援がまだやはりよくない、こういう御
批判もありますので、私も先般、一番施設の整っているところと一番悪いところと両方を視察させていただきました。
現場百回ということで、私もいろいろなところへ今御訪問をさせていただいております。
また、第一次基本計画では、
国家として重点的に取り組むべき目標がどうも余り明確じゃなかったという点はありますので、今度の第二次につきましては、明確にどういう点、どういう点というところを
国民の
皆さんにお示しをし、それは三月の十五日までに総合科学技術
会議の結果を
総理の方に答申して、そして
総理の方から改めてまた私
どもの方に返ってきて、そして最終的には
内閣の決定とする。
時間の
関係で大分はしょって
お答えして大変申しわけありませんけれ
ども、また時間がありましたら、詳しく聞いていただければ幾らでも御
説明はさせていただきたいと思っております。
今度の第二次科学技術計画では、御案内のように、ライフサイエンスの分野とか高度
情報通信社会の構築、あるいはハイテク産業の拡大に直結する
情報通信分野とか、それから人の命の話ですから、人の健康、生活環境というものを考えないと、科学技術だけ進歩させていればいいんだというわけにはいきませんから、やはり地球を傷めない、我々の環境を悪くしないということを前提に置いて科学技術を進歩発展させていこうじゃないか、こういうところに大変配慮をさせていただいておりますし、ナノテクノロジー、人間もそうですが、イネだとかいろいろなことがありますので、ぜひその点も力を入れていきたい。
特にエネルギーにつきましては、我々は原子力その他で
大変お世話になっておりますし、このことを念頭から離すわけにはいきませんが、これは何といっても地元の
方々の御
理解がないと到底完成しませんので、その点につきましても十分
理解がいただけるようにしてまいりたいと思います。
最後になりましたが、昨年十一月にクローン人間の産生を禁止する法律ができました。私
どもの方といたしましては、
総理から直接御指示もありましたので、私と文部科学
大臣の連名で、国内の医療
機関あるいは学校、研究者、もとよりこういう法律の趣旨をわきまえてぜひ協力をしていただきたい。
それから、海外につきましても、
外務省を通じまして既にそういう文書を発信いたしまして、各国から既にもう返事を何国からもいただいておりますので、そういう趣旨をぜひ御
理解いただきたい、こういうふうに思っております。
私
どもとしては、人間の倫理という問題を考えまして、クローンの産生だけだめだ、これだけははっきり明確に打ち出しておりますので、そのほかの不妊だとかそういう研究についてはまた別途、学者の
皆さん方と
議論をさせていただいて
一つのセーフガードをこしらえていきたい、こういうふうに考えております。
まだまだございますが、時間があれでございますので、これで
答弁を終わらせていただきます。