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1989-11-08 第116回国会 参議院 科学技術特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成元年十一月八日(水曜日)    午後四時十九分開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         中西 珠子君     理 事                 岡部 三郎君                 吉川 芳男君                 稲村 稔夫君                 中川 嘉美君     委 員                 岡野  裕君                 鹿熊 安正君                 熊谷太三郎君                 谷川 寛三君                 長谷川 信君                 庄司  中君                 種田  誠君                 三上 隆雄君                 吉田 達男君                 吉川 春子君    国務大臣        国 務 大 臣        (科学技術庁長        官)       斎藤栄三郎君    政府委員        科学技術政務次        官        高橋 清孝君        科学技術庁長官        官房長      平野 拓也君    事務局側        第三特別調査室        長        大平 芳弘君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○科学技術振興対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)     ─────────────
  2. 中西珠子

    委員長中西珠子君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。  科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。  第百十五回国会閉会中、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。三上隆雄君。
  3. 三上隆雄

    三上隆雄君 それでは、私から委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。  派遣地北海道派遣期間は九月十二日から十四日までの三日間であります。派遣委員は、中西委員長岡部理事稲村理事鹿熊委員吉田委員新坂委員及び私の七名であります。派遣先は、水産庁北海道さけますふ化場千歳支場株式会社日本製鋼所室蘭製作所北海道電力株式会社泊発電所北海道大学低温科学研究所サッポロビール株式会社札幌工場及び同社ビール博物館北海道東海大学及び恵庭リサーチビジネスパーク株式会社であります。  以下、調査概要を御報告申し上げます。  水産庁北海道さけますふ化場千歳支場では、同場の事業概況について説明を聴取した後、サケふ化飼育等の諸施設を視察いたしました。我が国で初めてサケ人工ふ化が行われたのは、明治九年にアメリカの技術を導入して試験的に行われたものであります。しかし、人工ふ化放流事業が本格的に行われるようになったのは本千歳支場の前身である千歳中央ふ化場明治二十一年に設置されてからであります。その後幾度かの変遷を経た後、同場は事業部門研究部門を一体化し、技術水準の向上に努めるとともに、道、県、漁業関係者などを指導して、サケマス人工ふ化放流事業を積極的に推進してこられました。  現在、同場では、従来の主要資源であるサケに加えて、新しい資源として、サクラマス、ベニザケを対象魚種として捕獲、採卵、ふ化並びに稚魚の飼育放流等事業を行うほか、サケマス生理生態、卵の発生、回遊回帰の実態、病害防除寄生虫等について調査研究を行っております。  我が国サケ資源は、昭和三十年代前半では三百から四百万尾にすぎませんでしたが、現在では五千万尾、約十五万トンに増大しております。この間、同場では、資源安定維持を図るため、道内はもとより本州の資源水準の低い地域へ種苗の供給を実施するなどして、サケ資源の増大に貢献してきたとのことであります。  次に、株式会社日本製鋼所室蘭製作所では、同社沿革事業概況について説明を聴取した後、工場にて一万トンプレス機新規事業人工水晶製造工程などを視察いたしました。  同社は、明治四十年に北海道炭鉱汽船株式会社ほか二社の共同出資で室蘭市に設立された鉄鋼メーカーであります。戦前は主として兵器の製造を行っておりましたが、戦後は蓄積した高度の技術基礎とし、技術開発新規事業分野開拓に努め、大型鋳鍛鋼品、重機鉄構、鋼板、各種産業機械、石油・ガス・化学プラント関連のエンジニアリングなど幅広い分野で鋼と機械総合メーカーとして活躍してこられました。  現在は、在来製品競争力強化を図る一方、従来の重化学工業メーカーとしての地位にとどまることなく、時代の変化に対応してエレクトロニクス、情報、新素材等ハイテク産業のニーズにも応じるべく努力を続けているとのことであります。  次に、北海道電力株式会社泊発電所では、同社事業概況について説明を聴取した後、二号機の建設現場、一号機中央制御室及びタービン建屋等を視察いたしました。  泊発電所は、昭和四十四年九月に建設予定地が決定されて以来約二十年の歳月を経て、一号機が本年六月に営業運転を開始したところであり、また二号機が平成三年の運開を目指して建設中であります。一号機及び建設中の二号機は、ともに加圧水型軽水炉で、出力は一基当たり五十七万九千キロワットであります。同所道内初原子力発電所で、二号機が完成すると道内で使用する電気の約三分の一を賄うことになるとのことであります。  同発電所の特徴としては、建屋配置改良、継ぎ目のない一体構造原子炉容器胴部採用、全チタン管復水器採用などのほか、米国スリーマイル発電所事故の教訓から改良型中央制御盤採用したことなどを挙げることができます。  同所では、地震や台風といった自然災害に十分耐えるような設計を行うことはもちろん、万一事故や誤操作があっても安全が確保されるようフェールセーフシステムインターロックシステム採用しております。また、コンピューターによるシミュレーターを使用した運転員の訓練を厳しく行うなど安全の確保に特に力を入れているとのことであります。  次に、北海道大学低温科学研究所では、同所沿革及び概要について説明を聴取した後、低温実験室等を視察いたしました。  低温科学研究所は、北海道大学附置研究所で、低温における科学的現象に関する学理及び応用研究を目的に昭和十六年に設立されました。同所では、特に昭和三十年代以降は、地域生活に密着した雪崩、凍上、溶雪、流氷植物凍害などの寒冷災害研究に重点が置かれるようになりました。現在、同所研究部門は氷の結晶成長などの基礎研究を行っている物理学部門を初めとして、応用物理学部門気象学部門海洋学部門凍上 学部門融雪科学部門降雪物理学部門植物凍害科学部門など十二の研究部門及び附属の研究施設として流氷研究施設があります。  同所低温実験室では、南極の氷を初め各種の氷のサンプルを観察いたしました。  次に、サッポロビール株式会社札幌工場では、同社工場及びビール博物館を視察いたしました。  同社の創業は、北海道開拓使が始めたビール事業に始まり、これは明治九年九月のことでありました。それを受け継いだ形で明治二十一年に札幌麦酒株式会社が発足し、以来、幾度かの変遷を経て、昭和三十九年一月にサッポロビール株式会社に社名を変更し、現在に至っております。  同社札幌工場は、ビール製造能力年間十一万八千キロリットルの見学モデル工場で、ここでは主原料の麦芽と米、コーンスターチ等の副原料に温水を加え、まぜ合わせたかゆ状のものをろ過するためのろ過機ビールを熟成させる貯酒タンク、そして製品を瓶詰にする工程等を見学いたしました。また、工場に併設されているビール博物館では、北海道開拓便麦酒醸造所に始まるビールづくりの歴史やビール製造上欠かせない発酵などのバイオテクノロジー、精密分析技術等を見学いたしました。  最後に、北海道東海大学及び恵庭リサーチビジネスパーク株式会社では、両所にて新技術開発事業団の実施する創造科学推進事業プロジェクトの一つである水谷植物情報プロジェクト研究が行われていることから、両所及び新技術開発事業団事業概要についてあわせて説明を聴取し、また同プロジェクトについて研究概要説明を聴取し、各研究室を視察いたしました。  水谷プロジェクトは、植物が他の動植物に対して影響を与える物質、すなわち植物情報物質をつくり出していることに着目し、その生成役割等研究し農業や食品の分野での利用の可能性を探索しようとするものであります。同プロジェクトは三研究グループに分かれており、東海大学では植物植物微生物研究グループがこれまでほとんど扱われたことのない雑草や野生植物と他の植物微生物との相互作用研究しており、恵庭リサーチビジネスパークでは生成機構研究グループ防御物質の分離、構造解析を、また植物動物研究グループ植物と昆虫などの動物との相互作用についてそれぞれ研究を行っております。  以上、報告を終わります。
  4. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 以上で派遣委員報告は終了いたしました。     ─────────────
  5. 中西珠子

    委員長中西珠子君) この際、斎藤科学技術庁長官及び高橋科学技術政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。斎藤科学技術庁長官
  6. 斎藤栄三郎

    国務大臣斎藤栄三郎君) このたび科学技術庁長官を拝命いたしました斎藤栄三郎でございます。  浅学非才でございますけれども、委員長を初め諸先生方の御指導、御協力を賜ってその職責を全うしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いをいたします、  どうもありがとうございました。
  7. 中西珠子

  8. 高橋清孝

    政府委員高橋清孝君) 政務次官を拝命いたしました高橋清孝でございます。  大臣同様に皆さん方の御指導、御鞭撻をお願いいたしまして、ごあいさつといたします。
  9. 中西珠子

    委員長中西珠子君) 本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十四分散会