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多々良参考人 本当に御指摘のとおり、
トラブルが後を絶たないということで遺憾に思いますが、私
どもの方では、ではどのように考えておるかと申しますと、先ほ
どもちょっと御
説明させていただきましたように、五十三年の三月末に全国の
取引員の代表者を一堂に糾合いたしまして、その席上でいろいろ
論議を尽くしまして、三つの
受託業務を適正化するための
協定を結びました。先ほど申し上げたとおりでございます。そしてその後は、その
精神にのっとりまして一生懸命やっておるところでございます。
ただ、先ほ
どもちょっと申し上げましたけれ
ども、金銭がついて回る、そういった取引でございますので、結果的に御損をなさると、とかく不満になりがち、あるいは苦情になりがちという点もあわせて御理解いただきたいと思います。もちろん私
どもは、結果的に御損になられても不満や苦情のないような対応をしなければならぬというふうに自戒はいたしておりますけれ
ども、金銭がつきまとうだけに、
トラブルの発生を全面的に防止するということはきわめて困難だろうと思います。
それから、私
どもが金の
取引所に非常に熱心だという御指摘でございます。確かに熱心でございますが、これは二つの面で熱心でございまして、
一つは、金そのものの持っている性質であるとか、今後の対応であるとか、
国際的な視野に立った場合であるとかというような、いわゆる金そのものの性質からくる
取引所の必要論でございます。
たとえば、先ほど
田中参考人からは、それほどただいま現在ではヘッジ機能として必要ではないという御
意見もございましたが、私
どものところに寄せられております中には、やはり
ヘッジ機関として必要であるというような御
意見もございます。
ちなみに申し上げますと、ついせんだって、ある新聞社主催の経済セミナーで、ある商社の方が、
ヘッジ機関があれば非常にわれわれはやりいい、こういう意味のことをおっしゃられておりました。考えてみますというと、数百年来金の取り扱いをなさっていらっしゃる方はそれほどのことはないと思いますが、短い期間、しかも期間計算という決算ごとの期間に追われている人からすれば、その期間内の逆な
価格の動きというものは非常に決算上も問題になるはずでございますので、ヘッジの
必要性は当然起こってくるのではないか、このようにも思います。
それから、いま
一つの消極論の意味合いでの熱心さでございます。それは先生も御承知のとおりに、フランクマーケント——去年の四月二十六日からはもはや
ブラックマーケットと言ってはならないかもわかりませんが、いうところのいわゆる金の
ブラックマーケットがいろんな問題を惹起いたしました。これを取り締まっていただくのに一番便利なのは、
取引所類似施設であるということで
取引所行為ができなければ一番いいわけですが、去年の四月の
逆転解釈でこれが実はできるということになっております。そのために、そういった
業者の
方々による紛議が後を絶たない。これと私
ども商品業界とは画然と一線を引いておりますので、その辺もぜひ御理解をいただきたい。
実は私
ども、常日ごろ困っておりますのは、そういった
方々がかつて
商品業界に籍を置いたことがあったりした
人たちが相当いますので、その
関係上、ブラックの紛議はすなわち
商品業界、われわれの紛議であるというがごときイメージをどうしても与えがちなので、いうところの割りを食っている状態にございまして、実は私
ども自身がそのことに一番迷惑を受けておるわけでございます。そのために、これを排除するためにも、金を政令指定することによって、むしろそういった
取引所の類似施設を一切排除した方がいい、このように考えて、その意味合いからも
取引所に上場されることを熱望しておる、熱心に動いておる、こういう状況でございます。