○吉田委員 この問も福井県の方を視察に参りましたときにも、基本的に絶対反対だという方々の御
意見ももちろんございますけれども、むしろどちらかと言えば、いわゆる地元に対するメリット、たとえて言うならば電源立地県とか、あるいはその周辺の地域に対しては特別に電気料金を割り引くとか安くするとかそういう方法はないのかという、そういう非常に現実的な向こう側の希望というもののあることもわれわれつくづく感じとめたわけでございます。
したがって、やはり
日本はこういう現状の中で一刻も早く電源立地を進めていかなければならない、電気料金の原価主義や
制度そのものとのすり合わせをどうするかということはなかなかむずかしい問題ではありますけれども、やはり
政府としても、
一つの重要な国策としてそういう対策を考えるために、一歩何か踏み出すべき時期に来ているのではないかというふうに私は思うわけであります。いずれにしても、七千八百万キロワットつくり出すためには、なお四千万近くの処女地を
開発しなければ達成できないわけでございます。私は、そういう点で今後、
長官並びに
関係の要路の方々のかなり思い切った発想の転換というものをそろそろお考えいただくべき時期に来ているのではないかというふうに思います。
一つは、手続論でございますけれども、
原子力発電をつくるためには、三十三の個々に独立した
法律と六十六の許認可を必要とするのだというふうに私どもは聞いております。これは一口にそう申しましても、なかなか容易ならぬ作業だと思うのです。これだけのハードルを越えなければ許認可がおりないということ、それもそれぞれかなり大規模な習熟した
民間企業が主体となってやっていることではありますけれども、やはり
政府の許認可というもの、これがそう簡単なものではない。かついろいろ許認可の段階でも、どちらかと言えば役所の横のもたれ合いと申しますか、あるいはにらみ合いというのでしょうか、あちらの
許可が出ればうちもするとか、うちが先んじてやることはないだろうとか、事が
原子力の問題でありますだけに、その辺にかかってくるいろんな精神的な圧力とかいろいろの反対の懸念等もございまして、役所という仕組みはそうスピーディーにはやりにくい作業の
一つではないか。特にこの
原子力にかかわる許認可の問題、私は、やはりそういうことを厳に心配する一人でございます。
したがって、この辺の許認可の手続を私は何も簡略にしろとは言いません、地元の納得を得るために、あるいは将来不満を起こさないために十分な配慮が必要ではありますけれども、何かもう少しセットにして
許可する方法はないだろうか、ないしは役所同士のにらみ合いやもたれ合いを除去するために、必ず順序はこうなんだ、これが出ればこういう順番で出さなければならない、そちらを先にということはいけないのだ、大体いままでかなりの経験を踏んでいるわけでございますから、その辺の何か順序づけというもの、あるいはこれが
許可されれば、こういうことが完全であるならば、自動的にここまでは
許可してもよろしいとか、何かその辺雑にしろと言うわけではございませんけれども、もう少し効率的に進める方法があるのではないだろうかと思うわけでございますが、いかがですか。