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1978-03-30 第84回国会 参議院 商工委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十三年三月三十日(木曜日)    午後一時開会     —————————————    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      増岡 康治君     岩崎 純三君  三月二十七日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     神谷信之助君      柿沢 弘治君     円山 雅也君  三月二十八日     辞任         補欠選任      中村 啓一君     野呂田芳成君      大塚  喬君     村田 秀三君      対馬 孝且君     勝又 武一君      神谷信之助君     安武 洋子君      円山 雅也君     有田 一寿君  三月二十九日     辞任         補欠選任      野呂田芳成君     中村 啓一君      勝又 武一君     対馬 孝且君      村田 秀三君     大塚  喬君      有田 一寿君     柿沢 弘治君  三月三十日     辞任         補欠選任      藤井 恒男君     中村 利次君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         楠  正俊君     理 事                 大谷藤之助君                 福岡日出麿君                 対馬 孝且君                 安武 洋子君     委 員                 岩崎 純三君                 下条進一郎君                 中山 太郎君                 長谷川 信君                 真鍋 賢二君                 大塚  喬君                 小柳  勇君                 浜本 万三君                 馬場  富君                 峯山 昭範君                 中村 利次君                 藤井 恒男君                 柿沢 弘治君    国務大臣        通商産業大臣   河本 敏夫君    政府委員        通商産業大臣官        房審議官     島田 春樹君        通商産業省機械        情報産業局長   森山 信吾君        資源エネルギー        庁石油部長    古田 徳昌君    事務局側        常任委員会専門        員        町田 正利君    説明員        通商産業政策局        消費経済課長   野崎  紀君        通商産業省機械        情報産業局計量        課長       三野 正博君        資源エネルギー        庁石油部流通課        長        廣重 博一君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○計量法の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 楠正俊

    委員長楠正俊君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十四日、増岡康治君が委員辞任され、その補欠として岩崎純三君が、また二十七日、安武洋子君が委員辞任され、その補欠として神谷信之助君が、また二十八日、対馬孝且君委員辞任され、その補欠として勝又武一君が、また昨二十九日、神谷信之助君及び勝又武一君が委員辞任され、その補欠として安武洋子君及び対馬孝且君がそれぞれ委員選任されました。     —————————————
  3. 楠正俊

    委員長楠正俊君) この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員異動に伴い、理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事対馬孝且君及び安武洋子君を指名いたします。     —————————————
  5. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 計量法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 対馬孝且

    対馬孝且君 時間が限られておりますので、政府側答弁はひとつ簡潔明瞭にできるだけお願いしたいと思います。  まず、基本的な態度をお伺いするわけでありますが、計量法は、明治年間につくられた旧度量衡法の後を受けまして、昭和二十六年に制定されました法律でありますが、その大きな目標となっておりますのは、メートル法中心にした計量単位統一化を図ることが挙げられております。  そこで、この計量適正化を図ることは国民生活保護のために基本的な課題の一つあると思うが、今後わが国計量行政をどのような方向推進をしていくのか、この点に関しまして、基本的な方針通産大臣にお伺いをいたします。
  7. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 計量制度は、貨幣制度とともに社会生活における最も基本的な制度であり、統一的かつ合理的な計量制度を確立することは、わが国経済の発展と文化の向上に不可欠なことであると存じます。  計量法においては、計量制度の確立を図るため、計量基準を定めるとともに、適正な計量実施を確保するための各般の措置が定められ、かつその内容内外情勢の変化に即応し、制定以来十四次に及ぶ改正によりまして拡充されてまいりました。  政府といたしましては、従来から計量法の目的を実現するため、計量法の適切な運用等を通じ、第一にメートル単位系への統一国際単位系導入、第二は計量にかかわる事業者計量器計量方法等に関する適正な規制指導、助成のための諸措置を講じてきたところであります。  今後とも計量制度を取り巻く国際的動向に十分配意をしながら、消費者保護環境保全を初め、国民の要請に十分対応した計量行政推進に積極的に努力してまいる所存でございます。
  8. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま基本姿勢につきまして大臣からお答えがございました。基本は何といっても国民生活保護ということが重大な柱でなければならない、こう考えますが、いま大臣からのお答えの中にもございましたので、その基本方針でこれから進めていただきたい、こう考えるわけであります。  そこで、今回の改正案につきまして、国際度量衡総会決議に基づく計量単位法定化が含まれているわけでありますが、国際的にこれらの計量単位導入状況はどういうふうになっているのか、この点ひとつ、局長でも結構でありますからお伺いします。
  9. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 国際度量衡総会決議等によりまして、各国それぞれその単位採用しておるわけでございますが、ただいま対馬先生から御指摘のございました諸外国における導入状況を簡単に申し上げますと、まずECでございます。ECにつきましては、理事会がございまして、その理事会の指令によりまして、加盟各国は遅くとも一九七八年の四月までにSI単位採用すべきこととされておるわけでございます。今回お願いいたしております国際単位につきましても、すでにフランスにおきましては一九七五年に採用いたしております。それから、イギリスにおきましては一九七六年、西ドイツにおきましては一九七七年までにすべて採用されているところでございます。なお、イタリアにつきましては目下イタリアの国会で採用審議中というふうに聞いております。  EC以外の国について申し上げますと、スイスにおきましては法令にすでに規定されておるところでございますが、そのほか、ソ連等におきましても強制使用のための準備が着々進められているという状況でございます。  なお、アメリカにおきましては任意採用ということでございまして、アメリカ国立標準局中心になりましてその普及に努めておる、こういった状況でございます。
  10. 対馬孝且

    対馬孝且君 国際的状況につきましてはよくわかりましたが、問題は本改正案の背景となっておりますこの計量行政審議会答申昭和四十八年に通産大臣から計量法体系全面的検討について諮問を受けております。三年間にわたって計量法全体について検討を行ったものを、五十一年の十二月にまとめたものであります。そういう意味では、いわば計量法全体について時間をかけて抜本的に見直しを図ろうとする趣旨に沿うたものと思いますが、審議会答申を受けて出された本改正案が、国際度量衡総会決議に基づく計量単位追加公害計測関係計量器追加にとどまっております。  したがって、計量法基本的見直しという改正にはほど遠いものと考えますが、審議会答申が本法の改正案に十分生かされているかどうか、こういう点についてひとつお伺いいたします。
  11. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま対馬先生から御指摘のございましたように、計量行政審議会におきまして、昭和四十八年以来三年間にわたりまして審議をしていただきまして、答申をいただいたわけでございます。  ただ、その間四十八年の十二月に一応の中間答申がございまして、その中間答申に基づきまして私どもは四十九年に計量法改正をお願いいたしまして、成立さしていただいたわけでございまして、その際に二点新たにつけ加えたわけでございますが、第一点は環境計測適正化でございます。第二点は、適正な計量取引推進でございまして、先ほど申し上げました計量行政審議会で御答申いただきましたものの一部を四十九年の改正ですでに実施をさしていただいたということでございまして、今回改正をお願いいたしまして目下御審議いただいております計量単位の問題、あるいは計量器追加の問題、あるいは手数料の改定の問題、こういうものをお認めいただきますと、さきに答申をいただきました計量行政審議会答申が一応完結する、こういうことでございますので、ぜひともよろしく御審議を賜りたい、こういうふに考えているところでございます。
  12. 対馬孝且

    対馬孝且君 いまお答えありましたけれども、私は計量単位追加として、新しいといいますかね、新たに出てきた印象としては、公害計測関係が出ていますが、その限界にとどまっているんじゃないか。つまり、審議会答申の全面的な見直しというものに今回の改正は一〇〇%こたえているのかどうか、こういう認識について聞いておりますので、その点われわれとしてはちょっと問題があるのじゃないか。全部が織り込まれたということにはなっていないんじゃないか。この点どうですか。
  13. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 確かに先生指摘のとおり、計量行政の全面的な見直しという観点からいたしますと、今回の法律改正政府原案は、若干一部に偏ったという御指摘は、もっともな点があろうかと思います。  ただし、先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもといたしましては、すでに四十九年にお願いいたしました計量法の一部改正におきましてすでに実施をいたしておるということを踏まえまして、今回の改正を行わさしていただきますならば、審議会答申にこたえることになるんではないか、こういうふうに考えておるところでございます。  なお、法律改正だけではなくて行政面における充実という問題もあろうかと思いますので、その点は対馬先生指摘趣旨を十分体しまして、法律以外の運用面あるいは行政面につきまして計量行政審議会答申に十分こたえられるような努力をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  14. 対馬孝且

    対馬孝且君 いま局長から運用の面で十分に配慮していきたいというお答えですから、それなりにひとつ生かしてもらいたいと、こう思います。  次に、わが国計量単位は、昭和四十一年以降メートル法統一をされました、先ほどもございましたが。そこで、従来の計量単位であった尺貫法は、取引証明用計量計器としては製造等ができないことになっているわけです。マスコミでもちょっと問題になった点もあるわけでありますが、しかしながら取引実態として、特に建設関係大工、戸建てなんかそうでありますが、伝統的な尺貫法使用が一般的であり、このためかね尺等使用が実際上は不可欠であるのに、その製造が禁止をされていたために作業に不便を生じ、また公認をされないかね尺等が出回るという結果になっていったのではないかと、こう思います。こうした事情にかんがみまして、通産省現行法範囲内で尺貫法による計量器使用を認めたというが、どういう内容なのかをひとつお伺いしたい、こう思います。
  15. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 計量行政審議会におきまして昨年の二月以来計量単位臨時専門部会というものを設けまして、延べ九回にわたりましていま御指摘の点の審議をしていただいたわけでございます。  特に建築の分野あるいは文化財修復分野、さらには和裁等分野に関しまして、尺単位及び鯨尺単位等使用状況実態を調査をいたしました。これらの長さ計の必要性メートル系単位への統一推進という課題とをいかに調整するか、調和させるかという問題につきまして慎重な御審議をお願いしたわけでございます。その結果、昨年の九月に通産大臣あてに一応の建議がなされたわけでございます。  その建議内容を簡単に申し上げますと、尺系単位取引上または証明上の計量に用いてはならないという現行法の原則は変更すべきではないが、ただ御指摘のように、大工さんでございますとか和裁士さんのような方々不便を解消いたしまして、いわゆるやみ商品流通による社会的不公正を是正するために、メートル系単位への統一は引き続き図りつつも、尺単位目盛りつきさしがねあるいはコンベックス・スケール等計量器としてだけでなく工作道具としても使用され、需要の根強いもの及び鯨尺単位目盛りつき竹製物差しに限りまして、現行法範囲内で、適切な供給を行わせることを当分の間可能とすることが妥当である、こういう建議をいただいたわけでございます。  したがいまして通産省といたしましてはその建議を受けまして、昨年の十月三十一日に局長通達関係機関に出しまして、そういったものを一定の範囲内で製造を認めるいうことを決断いたしたわけでございまして、製造事前届け出でございますとかあるいは事後の報告制採用するということでございまして、もうすでにユーザーの方々のお手元にはそういったいわゆる正規尺相当目盛りつき物差し等が供給されておると、こういう状況でございます。
  16. 対馬孝且

    対馬孝且君 そこで、端的にいまの答弁でわかりますが、実際これからの運用面として、いまの現状段階でこういう措置をとったということはわかるんだが、実際の運営上の問題、仕事上の問題として不便が解消されるということに理解していいのかどうか、このところがやっぱり問題だと思うんですよ。そう理解していいですか。その点ひとつ。
  17. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 私ども理解ではいま対馬先生指摘のとおりでございまして、従来は全くそういうものの製造販売を禁止いたしておったわけでございますが、先ほど申し上げましたような答申を受けまして、一応の限定づきでございますけれども、そういった大工さんでございますとか和裁士さんのような、そういうものをぜひとも必要とされる方々につきまして、特定の条件のもとに製造販売をさせるということに踏み切ったことは、そういった不便を解消して差し上げるという気持ちのあらわれでございますので、御指摘のようなふうに私ども考えておるということでございます。
  18. 対馬孝且

    対馬孝且君 それでは、実際これからの仕事上の問題としての不便を感じない、そういうおそれなしというふうに解消されたと、こう理解をすることにいたしましょう。  そうしますと、そこで問題になりますのは、やっぱり尺貫法使用制限によって、従来かね尺等検定を受けることができなかったために、いわゆる未公認やみ製品が相当出回っていたのではないかというふうに思うわけです。そうしますと、こういう計量器使用されることによって計量適正化に障害を生ずるおそれがあると思うわけでありますが、これらの未検定計量器に対してどのような対策を講じていくのか、この点ひとつお伺いしたいわけです。つまりやみの出回ったものに対する対応の仕方を一体どうするのかと、こういうことなんですがね。
  19. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、すでにいわゆる正規のものの製造販売を認めたわけでございまして、関係業界方々も今回の私ども措置によりまして大変希望を持って製造販売をしておられるわけでございます。そこで、たとえばその価格等につきましても、今回の措置をとる以前の状態と、今回の措置をとった以降の状態を見ましても、概括的に申し上げますと、値段は大体三分の二ぐらいに下がっているのではないかということでございまして、そういった正確なものが安く供給されるということが最もやみ商品を追放する一番近道ではないかということでございまして、そういった方向につきまして、私ども正規商品をおつくりになる方々指導奨励をしてまいるということによりましてやみ商品の撲滅を図ろう、こういうことを考えておるところでございます。
  20. 対馬孝且

    対馬孝且君 そういうことで、いまお答え願ったようなことを厳にひとつ、きちっと行政指導していってもらわないと結果的に支障を来すという結果を招来しますので、この点だけ特に申し上げておきます。  次に、計量法で尺、貫、坪などの国民生活なじみの深い計量単位使用を禁ずる一方で、今回の改正案の中に非常にむずかしい、つまりモルジーメンスパスカル、ベクレル、グレイというようななじみのない単位導入をはかっているわけですが、かえってこれが国民になじまないじゃないか、こういうものは、いわば国民生活取引慣行等を考慮しないで、強引に計量単位統一を図ろうとする姿勢があるのではないかというふうに、やや無理があるのではないかと、こう思うのですが、この点、どういうふうにお考えになっていますか。
  21. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 尺貫法を廃止いたしましてメートル系採用いたしました理由といたしましては、先ほど大臣からも答弁ございましたように、まず計量単位を国家的に統一することが、経済の伸展でございますとかあるいは学術の振興等の基礎を築く上で不可欠の要件であるというふうに考えておるわけでございます。  第二に、メートル系におきましては単位基準が確定しておりまして、かつ科学的な根拠も有しておる、それから単位相互間に密接な関係がある、こういった利便がございます。  それから三番目に、世界の多くの国々でメートル系採用している。こういう理由によりましていわゆるメートル系採用に踏み切ったわけでございます。  したがいまして、ただいま対馬先生から御指摘のございまた、たとえばモルでございますとかあるいはジーメンスあるいはパスカルという言葉は確かに現段階におきましてはなじみの薄いものでございまして、従来の尺貫系に比べますと、とんでもないようなものが出てきたというふうにお考えになるかもしれませんけれども、これは国際度量衡総会におきまして国際単位といたしまして採用しようということが決議されたわけでございます。したがいまして、日本といたしましてもその線に沿いまして採用に踏み切ったわけでございますが、御指摘のとおり大変なじみの薄いものがございますので、学校教育あるいは学界等PR活動等を通じまして国民に広く啓蒙宣伝する必要があろうかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  22. 対馬孝且

    対馬孝且君 何といってもなかなかこれを徹底するということが、非常にどこまで浸透していくかということが問題ですがね。やっぱりこれは、われわれも尺貫法で習った方ですけれども、後半メートルに変えていったんですけれども。さらに今度計量単位がどちらかというと化学的な単位が変わってきているということになるわけですからね。いまお答えもありましたけれども、何といっても十年前まで貫あるいは匁というようなことが普通であったのが、現在店頭表示でもグラム単位統一をされている。ようやく日常生活に浸透してきているというのが現状ですから、したがって、これらの対策について特にやっぱり学校教育を通しまして、あるいは消費者協会などを通じまして、つまり主婦等のああいう普及消費者協会、ああいう場を通して徹底したあれを行わなければなかなかやっぱり徹底しないんじゃないか、また、そういう方向に進んでいかないんじゃないかと、こういうふうに考えますので、そこらあたりのひとつ対策をぜひとっていただきたい。特に要望しておきます。  それでは次の問題で、ひとつ環境公害の計測問題についてちょっとお伺いいたしますが、前回の昭和四十九年の法改正によりまして環境計測制度というのが導入が行われました。それから新たに環境計量士が創設されるなど、公害防止対策のための計量制度の整備が図られてきましたが、その後の公害計測運用状況は一体どうなっているのか、この点、ひとつお伺いいたします。
  23. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま先生から御指摘のございましたように、昭和四十九年にお願いいたしました改正によりまして、環境計測適正化を二つの制度として発足さしたわけでございます。  その第一の制度は、高度な化学計測の知識、技能を有する計測技術者の確保という観点から環境計量士制度というものをつくったわけでございます。五十年の三月以来すでに四回国家試験実施いたしまして、現在二千三百二十名の方が環境計量士としての登録を受けておられるわけでございまして、環境計量証明事業所及び一般事業場におきまして環境計測の総合的な技術管理者としての活躍をお願いしているところでございます。  それから第二の制度は、濃度騒音環境計量証明事業者信頼性を高めるために、いわゆる事業者登録制度採用したわけでございます。現在、全国濃度関係が七百七事業所騒音関係が百七十一事業所登録を受けておりまして、さらに全国団体でございます日本環境測定分析協会、または都道府県ごと事業者団体を通じまして測定分析制度向上に寄与しておるところでございます。
  24. 対馬孝且

    対馬孝且君 そこで今回の改正案公害計測器のうちの大気汚染、特に原発公害にまつわる問題でありますが、大気汚染あるいは水質汚濁総量規制に関連いたしまして使用される流量計流速計、これを新たに法定計量器に加えているわけでありますが、これについての法的規制がなかったために、精度及び性能上の基準も定まっていないものが多いのではないか、こういう感じがするんでありますが、その点につきましての信頼性の面及び使用面で問題が多いという現状があることを計量行政審議会で実は指摘をされておるわけです。  そこで、この答申でも指摘されておるんでありますが、従来、これらはなぜこの規制対象になっていなかったのかということが第一点であります。  それから審議会答申で、電力の取引に関連をして使用される力率計最大需要電流計法定計量器に指定することを求めているが、改正案の中ではこれが除外をされているわけです。この点、どういうふうに除外をされたのかという点を、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  25. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) まず、御質問の第一点からお答え申し上げますと、流量計流速計、今回新しく追加をお願いしておるわけでございますが、御指摘のとおり従来やっていなかったわけでございます。これは従来、生産プロセスにおきます流量あるいは流速の制御あるいは河川等水量測定用といたしまして、こういった流量計流速計が用いられておったわけでございまして、いわゆる計量法上の規制対象とはいたしておりませんでしたが、事業者自主管理にゆだねてまいってきたわけでございます。ところが、御承知のとおり、昨今、公害規制の強化に伴いまして、特に四十九年大気汚染防止法の改正によります大気関係総量規制導入あるいは一部地方自治体におきます水質関係の量的規制導入によりまして、流量計等の計量器が必要になってきたということでございまして、当時、従来の流量計等がそのまま排ガス用または排水用に用いることができなかったわけでございますが、今回そういった観点から新たにつけ加える必要がある、緊急性が高まってきたのではないか、こういうことでございまして、いわゆる大気及び水質関係流量計等をあわせまして、今回、計量法対象とさしていただいたということでございます。  それから、御質問の第二点の力率計関係でございますが、御指摘のとおり、五十一年十二月の計量行政審議会答申におきまして、電力の取引に関連して使用される力率計及び最大需要電流計につきましても、法定計量器に指定するかどうかにつきまして検討する必要がある、こういう御指摘をいただいたわけでございます。  しかしながら、力率計について申し上げますと、製造されます力率計のうち電力取引用に用いられるものがきわめて少ないという実態がございます。それから電力取引用の力率計と電力取引以外の用途に用いられる力率計との間に構造上に差がなくなってきたという点がございます。それから第三に、電力取引用以外の力率計につきましても新たに法定計量器とする積極的な理由がない、こういうこと。それから四番目に、計量法によります規制を行わなくても、定期的に第三者機関の検査を受けさせる等の手段がございまして、そういったことによりまして測定の信頼性がある程度確保できる。こういったような理由によりまして、今回、法定計量器追加することを見送ったわけでございます。  それから最大需要電流計につきましても、電気用品の技術上の基準を定める省令というものがございまして、これはことしの三月一日に施行されたわけでございますが、これと同様の目的を達せられます電流制限器が製造できるようになりましたので、この最大需要電流計は非常にコストが高いという理由もございまして、恐らく法定にいたしましても使用されないんではないか、こういう理由によりまして、今回の法定計量器追加することを見送ったと、こういう理由でございます。
  26. 対馬孝且

    対馬孝且君 一応、審議会の中で先ほどお答えになったようなあれがあるわけでありますが、ただ公害規制上、公害の視点から今回の計量法改正の中にこういったあれを除外しても十分に機能を果たし得ると、こういうふうに理解していいんですか、この点。その点伺っておきたい。
  27. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 審議会から答申がございまして、私どもは一つ一つ慎重な配慮をしたわけでございますが、ただいま先生から御指摘のございましたように、法定計量器に指定いたさなくても企業の自主管理によりまして十分目的を達成されるというものにつきましては、その事業者の自主的な管理に任せるということでございまして、それに対する行政指導は十分やってまいろうと、こういうことでございます。
  28. 対馬孝且

    対馬孝且君 その点、今後の課題の一つとして、やっぱり公害上の問題にまつわる問題ですからね、いま答弁の中では、かなり機械の質、価格の問題とか、いろんなことにも触れられましたけれども、より機能が、そういうふうに公害上の観点からしてやることが望ましいというのであれば、私は、やっぱりこれからの課題としても十分ひとつ検討していただきたい、こういうことを強く申し上げておきます。よろしゅうございますか、その点いまの。
  29. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 御指摘趣旨を体しまして十分検討さしていただきたいと思います。
  30. 対馬孝且

    対馬孝且君 それじゃ、消費者保護対策の立場からちょっとお伺いをしたいと思います。  従来の計量法改正においては、消費者保護対策というのは、先ほども説明の中で大臣から国民の立場ということをずいぶん強調されましたが、したがいまして、この計量適正化が盛り込まれる場合が多かったわけですが、今回の改正案には、消費者保護対策の強化については触れられていないんじゃないかという感じがするわけです。この点について計量行政審議会答申におきましても、単位価格の表示制度、つまりユニッブライシング及び内容量の数値の単純化、標準化の推進について検討するよう言及されておりますが、今回の改正案消費者保護対策が含まれなかったということについてどういうふうにお考えになっているか、この点をお伺いします。
  31. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 今回の法律改正をお願いいたしております事項は、先ほどから申し上げておりますとおり、四十八年八月に出しました、通産大臣から計量行政審議会に出しました諮問を受けてやっておるわけでございますが、すでに消費者保護関連事項につきましては中間答申を得まして四十九年に法律改正をさしていただいたわけでございまして、その際、計量販売の促進と正味量の表記商品制度の強化につきまして法的な規制を講じさしていただいたわけでございます。  それから、五十一年の十二月の答申におきましては、いま先生から御指摘のございました二点、第一点のユニットプライシングの推進と、それから第二点は内容量の数値の単純化、標準化の推進というものがうたわれておるわけでございます。ただ、この二つの項目につきまして、果たして法律規制することが正しいかどうかという点も十分検討したわけでございますし、またその審議会におきましても、いま申し上げました二点の推進はぜひとも必要でございますけれども、必ずしもその法律の中に規定することが適当であるかにつきましては、疑問のあるという御意見の方も多かったわけでございます。  ただ、計量行政というものは計量法に規定されたものによってのみ行政をしているわけでございませんので、先ほどもお答え申し上げましたとおり、審議会の御答申、特にいま先生指摘の二点につきましては、行政運営上、十分配慮してやらなくちゃならぬ事項ではないかということでございまして、そういう観点から関係業界あるいは関係機関との連携を図りつつ、行政指導あるいは調査の貫徹を期すと、こういうようなことでやってまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  32. 対馬孝且

    対馬孝且君 この計量行政審議会答申において、先ほど申しました単位価格表示制度、つまりユニットプライシングの普及についてやっぱり指摘があるわけですね、はっきり言って。  そこで、いまあなたがお答えになっているんでありますけれども昭和四十七年に消費者保護会議が開かれておりまして、この普及推進がここで決まっておるんでありますが、これに基づいて通産省、農林省、経済企画庁の関係省庁が通達を実は出しておるわけですよ。これは御案内のとおりだと思うのですがね。そこで、この調査実験事業を行うなどの普及を図っているという点でありますけれども、実際にしかし昨年通産省実施をした主要十品目の調査によれば全体の実施率は五割に満たってなかったと、こういう結果がこの調査報告で出ているわけです。したがいまして、このような普及率が低いのは、一般小売店が積極的でないんじゃないかという点が挙げられるわけでありますから、そういう意味で私は申し上げているわけでありまして、そういう観点からいたしますならば、やっぱり消費者保護のためのその普及を、さらに図るべきであるというふうに考えるわけでありますが、その対策をどのようにお考えになっているのか、この点お伺いしたいと思います。
  33. 野崎紀

    説明員(野崎紀君) 先生指摘のとおりユニットプライシング、いわゆる単位価格表示制度につきましては、昭和五十年の八月二十日付で経企庁及び農林省、それと通産省、三省庁合同で日本百貨店協会あるいはチェーンストア協会、それから生活協同組合連合会といったところに要請を行っておるわけでございまして、また同趣旨で都道府県に対しましても指導方要請を行った次第でございます。また、このほか中小小売業者の団体、それから製造業者の団体に対しましても同様の要請を行っている次第でございます。しかしながら、昨年の二月に私ども委嘱をしております七百名余りの消費生活改善監視員に対する調査におきましては、御指摘のとおり百貨店の実施率が約四割強強、それからスーパーマーケット、生協等におきましては三分の一ぐらいの実施率ということに相なっておりまして、必ずしも高い実施率にはなっておらない次第でございます。また、一般の小売店につきましてはその実施率というのはなかなか詳しい数字が手元にないわけでございますが、恐らくかなりわずかな率にとどまっているものと推定されるわけでございます。  しかしながら、昨年の十二月にまたもう一つ調査を行いまして、事業者に対する調査を行った次第でございますが、これによりますと、七割程度やっておるという答えが返ってきておりますが、それにしても余り高い数字ではございません。大変なばらつきがあるようでございます。  こういった必ずしも高い実施率になっていない原因といたしましては、第一にはやはり特に一般小売店等におきましては、これを実施するために相当の費用とそれから特に手間がかかるということで、なかなか一概に強制できない面もあるということでございます。それから第二には消費者の意識といたしましても、他の消費に関する情報に比較して、特に単位価格表示を必要とするという意識が必ずしも高くないという点もございまして、そこら辺にも問題があるんではないかというふうに考えております。  したがいまして、私どもといたしましては答申あるいは報告、いろいろな報告にもありますような趣旨に従いまして、今後とも事業者、特に百貨店あるいはスーパーマーケット等の力のある小売店からまず十分に実施を図っていただくよう、より一層の指導の徹底を図ってまいりたいと思いますし、また同時に従来から行っております消費者に対するPR、啓蒙の活動というものも今後ともより一層充実を図ってまいりたいと、かように考えている次第でございます。
  34. 対馬孝且

    対馬孝且君 実際いまあなたがお認めになっているように、実施率の普及度合いというのは非常に結果的には五割ないし六割という結果でしかない。こういう問題についてやっぱりこれは消費者保護の立場から、これは目盛りが、量的な問題につながっていくわけですから、生活に結びつく、直接的に結びつく問題なんだから、これはここらあたりをきちっとしていかないと、せっかく法改正するわけですから、法改正に従ってのやっぱり普及あるいは生活、先ほど大臣お答えになっているように国民生活を柱にしてどう改正をしていくかということが基本であるという大臣の表現もあるわけですから、そこらあたりひとつ徹底した対策をとってもらいたい。強く要請しておきます。  そこで具体的にちょっとお伺いするんですが、計量器は一般の家庭の中にも温度計、体温計、あるいはキッチンスケール(台所用の計量器)、ベビースケール(乳児用の体重計)あるいはヘルスメーター(体重計)、物差し、巻尺などがかなり使用されております。さらには計量米びつあるいは計量カップ、あるいは計量目盛りつき哺乳びん、アクセサリーとしての温度計などがあるわけですが、これらの家庭計量器適正化についてどういう対策をお考えになっているのか、この点をお伺いします。
  35. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま先生から御指摘のございました計量器につきまして、それぞれ現在とっております対策お答え申し上げたいと思います。  まず、ガラス製の体温計でございますが、これは場合によりましては生命にも関係するという大変重要なものでございますので、製造事業登録制を全面的にとっております。それから全品検査でございまして、検査を通ったもの以外は一切売っちゃいかぬと、いわゆる譲渡禁止の制度もとっております。さらに、どういう方でも販売されるということになりますと大変困るという問題もございますので、販売されるいわゆる販売事業者登録制ということでございまして、メーカー段階あるいはその販売段階のダブルチェックということで慎重な配慮をしておるところでございます。  それから、御指摘のございましたヘルスメーターでございますとかあるいは乳児用のはかり、あるいはキッチンスケール、あるいは板付のガラス製の温度計、あるいは二メートル以下の巻尺、これは繊維製と合成樹脂製と両方ございますが、そういった巻尺及びバイメタル方式の温度計につきましては、いわゆる家庭用の計量器制度というものがございまして、その制度によりまして、製造事業者等に対しまして技術基準適合義務という義務を課しておりますし、それから家庭用のマル正マーク——マルの中に正しいという字を書くわけでございますけれども、そういったラベルを必ず張るという義務を課しておりますとともに、販売事業者に対しましても、そういったマル正マークが必ずついておる物を販売しなくちゃならないという義務づけをしておるわけでございます。  なお、最後に御指摘のございました計量カップあるいは哺乳びん等につきまして、いわゆるこれは家庭で使用されておるわけでございますけれども、現在計量法規制対象とはいたしておりません。メーカーの自主的な品質性能管理にゆだねておるわけでございますが、哺乳びんあるいは計器一式米びつ等につきましては、家庭用品品質表示法あるいはJISマーク等によりまして最大容量の適正化を図る、こういったほかの法律の面からもチェックをできるというシステムを採用して、厳重に取り締まりをしておるという段階でございます。
  36. 対馬孝且

    対馬孝且君 何といってもこれ、扱い方によってはいまもお答えあったように生命にかかわる問題にも発展することですから、往々にして結果ができ上がってからこうするああするという対策ではなしに、ひとつ事前チェックを厳正にしていただいて、そういうことのないように取り扱ってもらいたい。  これ、最後一問で終わります。簡潔にお答え願いたいんですが、家庭用の計量器——体温計などの一部のものを除いて、法定外計量器としてほとんど検定対象から除外されているわけです。しかしながら、一般家庭においてはその計量器を信用して使用しているのでありますから、中にはキッチンスケールで郵便用の小包等の重量をはかって料金の計算をするような場合もあるわけです。こうした場合、計量器の誤差が大きいと日常生活にも支障を生ずることがあると思いますので、家庭用の計量器適正化についての検討を行うべきではないかと、こう考えますが、いかがでしょうか。
  37. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) いわゆる家庭用の計量器につきましては、都道府県あるいは特定市におきます立ち入り検査でございますとか、あるいは試買検査——試みに買う、購入するという試買検査あるいは一般消費者からの苦情等を通じまして、技術基準の遵守が確保されるように指導しておるわけでございます。したがいまして、特に検定対象とする考えはございませんけれども、今後とも品質、性能の適正化に遺漏なきを期したいということを考えておるわけでございます。  それから精度の問題、いま先生から御指摘のございました例によりまして、精度に必ずしも信頼性がないではないかという点もあろうかと思います。そういったものを想定いたしまして、先ほど申し上げましたようないろんな検査等を通じまして、十分その精度の強化も図ってまいりたいということでございまして、御指摘の御趣旨を体しまして、今後とも指導の強化に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  38. 対馬孝且

    対馬孝且君 時間の関係でまだあるんですけれども、これでやめますけれども、いま何と言ってもやっぱり家庭用のこの計量器がどういうふうに適正化さるべきかということが一番現実の問題ですから、いま局長お答えになっているけれども、ここらあたりをこれから厳正にひとつ行政指導の中できちっと指導して、改正によってのそういう障害なり影響なりということより、むしろメリットが多かったということにこれでいかないとプラスにならないわけですから、そういう面をひとつ十分に配意してやっていただきたいということを強く申し上げて私の質問を終わります。
  39. 馬場富

    ○馬場富君 質問いたします。  本改正案は、計量単位追加法定計量器追加、手数料の限度額の改正をその内容としておりますが、改正案が提出された背景について説明をお願いしたいと思います。
  40. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 今回改正をお願いいたしております趣旨は、提案理由でも御説明申し上げましたように三点ございまして、第一点は計量単位追加でございます。それから第二点は法定計量器追加でございます。第三点は手数料の最高限度の引き上げをお願いしたいということでございます。   〔委員長退席、理事大谷藤之助君着席〕  まず第一点の計量単位追加につきましては、いわゆる国際的な動向という問題を踏まえまして、国際度量衡総会というものがございまして、メートル条約に加盟しておる国々が、それぞれこの国際度量衡総会決議を尊重しなくちゃならぬという位置づけにあるわけでございまして、わが国におきましてもメートル系採用して以来、この国際度量衡総会決議がある都度、所要の手続を経まして法律改正をお願いしておるわけでございますが、今回、モルでございますとか、あるいはジーメンス等の単位につきまして改正をお願いしたいということでございます。端的に申し上げますと、国際的な動向を踏まえましてわが国としてもそれに対応したいというのが第一点でございます。  それから、第二点の法定計量器追加につきましては、いわゆる公害規制の問題がございます。大気汚染でございますとか、あるいは水質汚濁につきましての公害規制の進展が進んでまいりまして、こういったものに対応いたしまして、従来法定の計量器といたしておりませんでした流量計流速計等につきまして、十分そういった計量にたえ得るような品質を持つ計量器というものを確保してまいりたいという観点で、新たに法定の計量器として追加をお願いしているというわけでございます。  それから第三点の手数料につきましては、法律で手数料の最高限度を決めておるわけでございますけれども、   〔理事大谷藤之助君退席、委員長着席〕 すでに四十八年以来、その最高限度に到達いたしまして、なかなか検査あるいは検定等の事業に差し支えが生じておるというような事態も発生いたしておりますので、この際、手数料の最高限度の引き上げをさしていただきたい。以上三つのポイントを踏まえまして、背景その他を御説明さしていただいた次第でございます。
  41. 馬場富

    ○馬場富君 先ほども質問がございましたが、わが国計量法についてはメートル法への統一ということを中心にしているようでございますが、メートル法わが国実施されたのは明治初年導入されて百年の歴史をいま持っておるわけでございますが、まあ現在はその中で尺貫法のように日本人の生活の中に密着して使用されておるものもございますし、また航海等で使用されている海里等のように、実はそういう仕事の上で欠かせない状況になっておるというものもございます。そういう意味で、この計量法については単に法律で決めればよいというわけにいかぬ。そういう日常生活とか、その業務においての問題からも出てくる点がずいぶんあるわけですね。そういう点で、今後こういう改正に当たって、計量法として考えていかなきゃならぬ基本的な考え方を少しここで説明してもらいたいと思うのです。
  42. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) 計量単位を確立し、その統一を図ることは、計量制度の基礎をなす重要なことではありますが、メートル単位系統一の歴史に見られますように、きわめて苦労の多い、むずかしいことであることは御指摘のとおりでございます。  今回計量法に新たに追加される計量単位につきましては、関係省庁と十分連携をとりながら、広く学界、業界の協力を求めまして、学校教育日本工業規格、計量記念日を中心とした啓発活動等を通じまして周知を図り、その普及に努めてまいりたいと存じております。
  43. 馬場富

    ○馬場富君 本法による計量単位は、長さ、重さ、時間等の基本単位と、広さ、速さなどの基未単位の組み合わせによる誘導単位と、並びにキロメートルとか、あるいはミリグラムなどの基本単位の補助としての補助単位の三つの体系から実はなっておるわけでございますが、今回の改正で、基本単位に物質量のモルが加えられておりますが、この単位基本単位に加える理由と、それによる利点ですね、それを御説明願いたいと思います。
  44. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま御指摘のございましたモルを、物質量の基本単位といたしまして採用しようとしております理由といたしましては二点ございます。  その第一点は、モルが他の基本単位の組み合わせによって誘導されるものではないという理由でございますし、むしろ他の単位の組み立て要素となる基本的な単位であることが第一点の理由でございます。  それから第二点の理由といたしましては、国際度量衡総会におきましてこのモルを物質量の基本単位とする旨の決議がなされた、この二つの理由によりましてモル基本単位として採用したいというお願いをしておるところでございます。  それからモルにつきましては、いわゆる化学関係でございますけれども、この化学関係の研究者や、あるいは現場の技術者の間で主として使用されている単位でございまして、余りポピュラーなものではございません。ほとんど日常生活に使われることはないかと思いますが、そういった化学関係、あるいは学術関係におきまして非常に使用される。しかも、そういうものは国際的な相互関連性が非常に強いということでございますので、先ほど申し上げました二つの理由と同時に、今回改正をお願いしているわけでございまして、基本的な単位といたしましてモル採用さしていただきますならば、そういった関係方々に対する利便というものは大変大きなものがあるのではないかと、こういうふうに考えておるところでございます。
  45. 馬場富

    ○馬場富君 次にもう一点は、照射線量の単位を、現在一般的に使われているレントゲンからクーロン毎キログラムに改める、このなじみ深い単位がこういう新しい単位に切りかえられる、こういう点についての一般人の理解というのは非常にむずかしいのじゃないか。その点での対策をどうするか、御説明願いたいと思います。
  46. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま御指摘のクーロン毎キログラムという計量単位につきましては、御指摘のとおり、国民生活の上ではさほどなじみがないわけでございますが、専門の学術研究または産業分野等におきましてはかなり頻繁に使用される単位でございます。計量単位の国際性でございますとか、あるいは計量単位の国家的統一必要性にかんがみまして、今回追加をお願いしておるわけでございます。いま申し上げましたように一般にはさほどなじみがないわけでございますので、専門の方々の間にかなり頻繁に行われると言いましても、やはり計量単位として採用するからには、広く国民方々に御理解を得なくちゃならぬという点もよくわかりますので、学校教育等を通じまして十分なPRに努めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  47. 馬場富

    ○馬場富君 次に、環境計測器の規制は、前回の四十七年の改正によって計量法導入されたものでございますが、現在どのような体制になっているか、これを説明していただきたいと思います。
  48. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 濃度計、騒音計、振動計につきましては、製造事業の登録制を採用いたしましたし、それから検査規程に基づきます社内検査の遵守義務を課しております。そういうことによりまして、一定以上の品質、性能の確保を図っておるわけでございます。  それから計量器個々の信頼性を担保するために、計量法ではいわゆる検定制度というものが採用されておるわけでございまして、ガラス電極式水素イオン濃度計、あるいは非分散型赤外線式濃度計及び騒音計につきましては、検定を行っておるところでございます。  なお濃度計につきましては、使用段階におきまして濃度値が正確にわかっております標準ガスまたは標準液で校正して使用しないと正確な計量ができないということから、JISに定める方法による校正をしつつ使用するように政令によりまして義務づけを行っておる、こういうことでございます。
  49. 馬場富

    ○馬場富君 そのために環境計量士の資格認定制度導入されたわけでございますが、現在までの資格認定の実績とその活動状況を、簡単に御説明願いたいと思います。
  50. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 濃度騒音、振動などの環境計測につきましては、御指摘のとおり高度の知識と技術能力を必要とするわけでございまして、その人材を確保するために、昭和四十九年の法改正によりまして、環境計量士登録制度導入されたわけでございます。それ以来すでに四回国家試験実施いたしておりまして、現在までに二千三百二十名の方々環境計量士としての登録を受けておるわけでございます。  これらの環境計量士方々は、計量法の規定に基づきます環境計量証明事業における管理責任者、または一般事業場におきます環境計測技術者として働いていただいている、こういう状況でございます。
  51. 馬場富

    ○馬場富君 今回の法案の中に、流量計並びに流速計法定計量器に入ったわけでございますが、これらの検定についてはどのようになさるか、御説明願いたいと思います。
  52. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 流量計等の検定実施のためには、まず検定基準の設定と、それから検定用の基準器の研究開発、さらには検定機関の体制整備等が必要でございまして、現在その準備作業に着手しつつございますけれども、それぞれ純技術的な実験研究をも伴うものでございますので、検定開始までにはまだ時間がかかるのではないかということでございます。したがいまして、御指摘検定がどうなっているかという点につきましては、現在準備中ということでございまして、準備が整い次第検定を開始してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、ただその間、御指摘の環境計量器につきまして十分なる品質の担保をする必要がございますので、事業登録を通じまして、あるいは検査の届け出あるいは遵守義務等を通じまして品質、性能の強化に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  53. 馬場富

    ○馬場富君 まだ決定されてないということですが、一応業界等の状況を聞いてみますと、この流量計並びに流速計については製造会社等に検定の設備を持てという条件がつくんではないかという、そういうような一つは危惧がございますが、その点はどうでしょうか。
  54. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 法定の計量器に指定されますと、検定制度の適用がなくとも、それぞれの事業所の中におきまして検査設備を持つことが義務づけられるわけでございまして、ただいま先生の御指摘になりました点は、恐らく検査設備というふうな点ではないかと思います。これは検定の義務を課されなくても、まず法定の計量器に指定されますと、当然に各事業所ともその検査設備というものを十分なるものとして備えることを義務づけられるわけでございますので、検定とは直接関係はないんではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  55. 馬場富

    ○馬場富君 その点につきまして、たとえば流量計等の検定については、特に大口径の流量計等については大きな設備が要りますし、その検定のために莫大な投資が要るということが起こってくるわけですけれども、こういう点については、外国等の例もございますので、研究していただきたいと思いますが、やはり原理に合った状況で類推するような形で、この検査方法が行われるかどうかという点がいま業界でも考えられておるわけでございますが、その点についてはどうでしょうか。
  56. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま御指摘の点でございますが、流量計と申しましても、それぞれ大きさが違ってまいると思います。したがいまして、法定の計量器に指定されましても、それぞれの会社でお使いになる用途に応じましてその大きさ、口径の違いが出てくるわけでございまして、私どもとしましてはきめの細かい検査設備等の指導をやりたいということでございまして、御指摘のとおり、画一的にあるいは推定的にこの検査設備のチェックを行うということは慎んでまいりたいということでございます。
  57. 馬場富

    ○馬場富君 それに並行しましてもう一点は、そういう場合のやはり型式承認というのがございますね。それの、やはりいま業界等では簡易化が強く要望されておりますが、その点はどうでしょうか。
  58. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) いわゆる型式承認につきましても、先ほどお答え申し上げましたと同じように、画一的に行うのではなくて、御指摘のような御趣旨を踏まえまして、実情に合ったような型式承認の制度採用していきたいというふうに考えます。
  59. 馬場富

    ○馬場富君 次に、あとは消費者保護観点に立ってお伺いしたいと思います。  計量行政審議会委員の構成でございますが、その中で消費者側は何名中何名でしょう。
  60. 三野正博

    説明員(三野正博君) お答え申し上げます。  現在、計量行政審議会委員は、会長一名、その他二十八名で、全員二十九名ございますが、消費者関係委員と見られる方は五名でございます。
  61. 馬場富

    ○馬場富君 この計量器につきましては、特に消費者との関係が非常に密接にあるわけです。そういう点でやはり、いまの御説明聞きますと、消費者団体の人員が非常にまだ少ないんじゃないか。そういう点ではこういう人選等についての基準はどのように考えていらっしゃるか、ひとつ御説明願いたいと思います。
  62. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 計量行政というものを、国民基本的な制度の一つといたしまして審議をしていただく機関でございます。御指摘のとおり大変消費者方々の声を反映さしていただく必要性の特に強い審議会ではないかと思います。  したがいまして、先ほど計量課長から御答弁申し上げましたとおり、私どもといたしましてはできるだけ多くの消費者を代表される声を聞かしていただきたいという気持ちで委員の構成に当たっておるわけでございまして、五名の方が消費者代表というかっこうで入っていただいておるわけでございまして、こういう方々の御活動を通じまして計量行政に反映さしていただくというようなことを考えておるわけでございます。  それから、さらに申し加えますと、それぞれ部会がございまして、たとえば尺貫法の取り扱い等につきまして先般私どもは、一定の条件のもとで尺系の目盛りつきの長さ計の製造販売等の禁止を緩和したわけでございますけれども、その際は計量単位の専門部会というものを設けたわけでございます。そういったそれぞれの関係の部会等には、さらに多くの消費者の声を代表されるような方々を御参集願いまして、より広く消費者方々の御意見が反映できるような審議会の運営を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  63. 馬場富

    ○馬場富君 五十一年の十二月に出された計量行政審議会答申の中でも、いわゆる消費者保護対策について触れられておるわけでございますけれども、今回の改正案の中には消費者保護に関する規定というのは全然出ておりませんが、そういう点はどうでしょうか。
  64. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 五十一年の十二月に計量行政審議会からいただきました答申は、いま馬場先生指摘のとおり、消費者関係に対する配慮というものも十分やるようにという御意見を承っているわけでございます。そこで私どもは、今回法律改正をお願いしておりますのは、冒頭に申し上げました三点でございますが、御指摘のとおり消費者関係に対する配慮の規定が入ってないではないかということでございます。これにつきましては、昭和四十九年の改正の際に取り入れさしていただきまして、今回は四十九年の改正の際に落ちておりました点を中心にいたしまして改正をお願いいたしまして、それによりまして一応全面的な改正という審議会の御答申にこたえたんではないかというふうに考えておるところでございます。  なお、法律の中に規定すべき事項と、計量行政といたしまして特に運営上留意すべき点というものとの区別はございますので、今回法律改正の中に消費者に対する配慮規定というものは特にうたっておりませんが、たとえばユニットプライシングの推進等につきましては、法律改正を伴わなくても行政運営で十分に配慮していきたい、それが審議会の御答申にこたえる道ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
  65. 馬場富

    ○馬場富君 次に、やはり同じく消費者保護の面からの計量問題として商品の数値の単純化ですね、あるいは標準化の推進が挙げられておるわけでございますが、この点は計量行政審議会答申でも触れられております。特に牛乳などについては、特殊容器の採用などを行って実験等も進められて普及を図ってみえるようでございますが、現在これについてどのように進められておるか、御説明願いたいと思います。
  66. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 最近におきます消費者生活の高度化でございますとかあるいは消費物資の商品の形態、内容、量の多様化に伴いまして、消費者方々の合理的な商品選択というものは大変むずかしくなっているということがあるんではないかと思います。  現在、計量法に規定されております特殊容器制度、たとえばいま先生指摘のございました牛乳びん等でございますが、そういうものの販売、つまり牛乳等の販売に当たりましてはその内容量の単純化、標準化に寄与しておるというふうに認められるわけでございますけれども、さらに生活関連商品の規格化を関係業界を通じて推進するように、いま行政指導してまいっておるととろでございます。また、商品内容量の単純化、標準化につきまして、その実態調査、分析、経済性の研究もあわせて行っておるわけでございます。それから、消費生活関連商品内容量の単純化、標準化につきましては、製造設備でございますとか、あるいは洗浄設備等の総入れかえを場合によってはしなくちゃならないという問題もございますし、あるいは流通面におきましも、たとえば運送コンテナのサイズの変更等をしなくちゃならぬということになりますと膨大な設備投資を要するわけでございます。こういうことになりますと、商品価格の上昇にはね返るおそれがあるといったような問題もございまして、商品の選択の幅が狭められるという問題になりますと、消費者の側から見ましても果たしてプラスであるかどうか問題があるという面もございますので、大変むずかしい問題でございますけれども、こういった問題につきましては十分実態調査を行いました上で、適正な判断を加えてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  67. 馬場富

    ○馬場富君 次に、日本消費者協会等に寄せられる相談の中には、量目不足に関する苦情が圧倒的に多いというふうに言われております。計量器は定期検査が行われても、その使用方法が適正でなければ何も意味がないということになると思うんです。そういう点で、関係当局は適正な、ごまかしのない計量の確保にどのような努力をなさっておるか、ちょっとお聞かせを願いたいと思います。
  68. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 消費者保護観点から量目の適正化を図るために、現在面前の計量商品といたしまして三十九品目指定いたしております。これは精米でございますとか、食肉でございますとか、灯油等でございます。それから正味量の表記商品といたしまして百七十一品目を指定いたしております。これはハチみつでございますとか、精米でございますとか、バター等でございますが、こういったふうにそれぞれ政令指定をいたしておりまして、これらにつきましては、政令で定める量目の公差、まあ公差と申しますのは一定の誤差といいましょうか、許容される誤差の範囲といいましょうか、そういった量目の公差を超えないではからなければならないというふうに義務づけをしているところでございます。  これらの商品につきましては、量目公差を遵守しているかどうかにつきまして、デパート、スーパー、あるいは一般小売店等に対する都道府県あるいは特定市による立入検査を随時実施いたしております。そのほか、特にお中元の季節でございますとかお歳暮の季節等につきまして、いわゆる年末年始でございますが、そういうときには、全国的に一斉にある種の商品につきまして立入検査を実施するということでございまして、計量管理の推進と不正の絶滅を期すべく積極的な指導を行っているということでございます。  それから、量目の遵守状況を監視するために、各通産局、都道府県及び特定市におきまして試買検査を実施しきして、量目不足がありました場合には厳重なる改善の指導を行っておるということでございます。さらに都道府県及び特定市によります立入検査が合理的かつ統一的に行われますように、そういった方々に対しまして立入検査のマニュアルというものをつくりまして、一定の基準のもとに立入検査をしていただくというそのマニュアルを策定中でございまして、今後とも量目の適正化を図るために適宜適切に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  69. 馬場富

    ○馬場富君 それにつけ加えまして、量目の表示がないものがずいぶん多いという点について消費者からの苦情が多いわけですが、この点はどうでしょう。
  70. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) いわゆる密封商品のうち、精米、ハチみつ等百七十一品目につきましては、先ほど申し上げましたように政令指定をいたしまして、一定の許容誤差を超えない範囲で正しく計量すべきことを義務づけてるわけでございます。政令で指定いたしました以外の商品につきまして、特に密封商品につきましてもこれは指定商品に準ずる扱いをしなさいということが法律で決められておるわけでございまして、この条項によりまして政令指定商品以外につきましても、都道府県あるいは特定市を通じまして適正に計量するように指導してまいっているわけでございます。
  71. 馬場富

    ○馬場富君 次に、家庭用のガスメーターとか、あるいは水道メーター、電力メーター等の検定制度はどのようになっておるか、御説明願いたいと思います。
  72. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 国民生活に直接関連いたしますガスメーターあるいは水道メーター、電力計等は、すべて検定に合格したものでないと使用してはならないということでございまして、これは全品検定合格のものを使わせるということでございます。検定は都道府県あるいは日本電気計器検定所におきまして検定を行ってるわけでございます。  それから、使用中のものの精度保証につきましては、機器の使用実態に応じまして検定の有効期間を設けまして、有効期間経過後は使ってはならない、こういうことを指導しておるわけでございます。
  73. 馬場富

    ○馬場富君 その期間を設けるということは理解できますが、これについて定期検査というのはないわけですわね。そういう点につきまして、これはもし故障が起きたり、そういうようなことで表示が不明確になった場合に、国民生活に損失を与える、そういう問題等もあるわけでございますが、この点についての配慮はどうでしょうか。
  74. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ガスメーターでございますとか水道メーター、あるいは電力量計等につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、検定あるいはまあその以前の型式承認の際に連続試験を行いまして、有効期間中一定の精度が保たれるかどうかを十分確かめた上でオーケーを出しておるわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましては、通常、一定の期間内でございますとその精度は確保されてるんではないかというふうに考えるわけでございます。  しかしながら、いま馬場先生から御指摘のございましたように、有効期間であっても故障が起こるおそれがあるんではないかということでございまして、そういうものに対して定期検査をやったらどうかという御指摘でございます。まあ現在、こういったメーター類がどの程度普及しているかということを御参考までに申し上げますと、たとえば都市ガス用のメーターでございますが、これは全国で千四百三十七万件ございますし、それからLPガスは千九百万件ございますし、水道メーターにつきましては二千六百万件、電力量計につきましては四千五百万件ということでございまして、果たして物理的に定期検査できるかどうか、大変問題の点もございますので、定期検査をするという方向も有益な御意見でございますけれども、私どもは物理的に検査ができないという状況を踏まえまして、十分品質が担保できるような行政を行うべきではないかということでございまして、その点からの行政指導を十分強化してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  75. 馬場富

    ○馬場富君 次に、計量器の管理の適正化については、法的な問題ではなくて、企業の自主的な努力に任せられるというのが現状のようでございますが、ここにおきまして、特に消費物資にあっては、消費者はその商品の表示を信用して買うわけでございますし、内容量が正しく計量されているかどうかということは消費者保護の立場からも重要な問題でございます。こうした観点から計量管理の適正化については、関係当局がやはり企業任せにせずに十分に指導して対処すべきであると、このように考えますが、これに対する御意見を承りたいと思います。
  76. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 計量法によりまして、各種の規制その他の措置を講じまして十分遺漏なきを期しているわけでございますけれども、必ずしも法律によってのみ取り締まりを行う、いわゆる取り締まり万能主義だけでもいけないんではないかということでございまして、先生指摘のとおり、ある部分におきましてはいわゆる企業の自主的な計量管理というものをやっていただいておるわけでございます。計量管理の推進にとりましては、人的な要素あるいは物的な要素あるいは計量管理システムの確立といったようなものが不可欠でございまして、これらの要件を自主的に整えるような指導を十分してまいりたいということでございますし、要件の整っておりますものにつきましては、自主的な管理に任せましても特段の支障を生じないんではないかということでございます。  もっとも、内容量の表記につきましては、計量法上の量目公差の規制等の措置が定められておりますので、都道府県、特定市を通じまして本措置実施の徹底を図るとともに、関係事業者が適正な表記を行うようその計量管理等につきまして十分な指導をやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  77. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、先ほど来一貫して私申し上げましたが、特に計量器の管理につきましては消費者に密接な関係がある点でございます。そういう点で委員等についてのことも意見を申し上げましたが、やはり法の範囲のいろんな適用や運用面におきましても、全部が日常生活関係したことでございます。どうかそういう点で、やはり消費者をもっと考えた上での運用に力を入れていただきたいということを要望いたしまして質問を終わります。
  78. 安武洋子

    安武洋子君 計量法改正について御質問申し上げますおれども、今度の計量法改正は、一つは計量単位法定計量器追加、それから諸手数料の引き上げ、こういう内容でございますけれども、特にその中で手数料の値上げ、こういうものが中小企業へのはね返り、影響というものが出るのではないかというふうな心配がございますが、この点いかがでございましょうか。
  79. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいま安武先生から御指摘のございました、今回の手数料値上げをお願いしておりますことによりまして、中小企業者に影響が出るんではないかという点につきましてお答え申し上げたいと存じます。  まず、今回手数料の値上げをお願いいたしております理由といたしましては、昭和四十八年以来法律の最高限度額が据え置かれておるわけでございまして、実際に検定あるいは検査をやっていただいております、たとえば都道府県あるいは特定市の方々に大変御迷惑をかけているということもございまして、何とか手数料の最高限度の値上げを認めてさしていただきたいというお願いでございます。しかしながら一方におきまして、御指摘のとおり値上げをすることによりまして中小企業の方々が迷惑をこうむってはいかぬということも十分私どもとしましては案を考えておるところでございます。ただ、いま申し上げましたように、四十八年以降据え置かれているという実態がなかなか問題もあるという点もございますので、その点につきましては御理解を賜りたいと思う次第でございます。  今回の改正のうちに、特に中小企業の方々関係のある、たとえば製造登録でございますとか、あるいは販売登録、修理登録等につきましては、計量法上は、一たん登録を受けますと十年間は有効であるということでございまして、もちろん、一回手数料を払えば十年間有効だから値上げしても構わないという理屈にはならないわけでございますけれども、十年間の問題であるということと、それから、現在すでに登録を受けておられます方々が、十年たちまして新しく登録を更新されるという場合には、新規登録に比べまして半分の手数料にしたいというようなことを考えておりますし、それから、特に中小企業性の強い製品、たとえば回転尺でございますとか、あるいは皮革面積計等につきましてはできるだけ手数料の引き上げ幅を小さくしたいということでございまして、二割から三割以内にとどめる、こういうようなことを十分配慮いたしまして、全く中小企業の方々への影響がないとは申し上げかねるわけでございますけれども、何とかその辺を御理解を賜りたいということでございます。  なお、この法律で手数料の最高限度を決めていただきますと、実際に具体的に料金をどの程度にするかというものは手数料令という政令で決めるわけでございまして、その政令で決める際に十分なる配慮はさしていただきたい、かように考えておる次第でございます。
  80. 安武洋子

    安武洋子君 計量がより正確に行われなければならないということで計量器そのものの精度、それは確実に保証するという立場から私若干の質問とそれから御提案を申し上げたいと思うんです。  一昨年十一月に揮発油販売業法が成立いたしておりますけれども、その中で、粗悪なガソリンが販売されることがないようにガソリンの中の灯油分の基準やその分析、これが義務づけられておりますけれども、その要旨について御説明いただけますでしょうか。
  81. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 御説明させていただきます。  先ほど先生指摘の揮発油販売業法は、ガソリンの品質の確保を図るということが一つの大きな制定の目的でございまして、このために揮発油の規格といたしまして通産省令で定めることにしております。現在、灯油分につきまして体積比で四%までしか混合してはいけない、こういう規格を設けているわけでございます。かつ、この基準を守りますために揮発油販売業者は一定の資格を持ちました品質管理者というものを選びまして、この品質管理者が一定の技術基準に適合します分析設備を使いまして常時揮発油の成分の分析をする、こういう体制を通じまして品質の確保を図るように努めているところでございます。
  82. 安武洋子

    安武洋子君 ガソリンの中の物質の濃度を分析するガソリン分析器、こういうのがございますね、これはどのようなものか御説明いただきとうございます。
  83. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 現在使っております分析設備につきましては、これも揮発油販売業法の省令で基準を決めているわけでございまして、具体的には、灯油分につきまして数値ではっきりとその成分比を示すこと、それからその場合の精度につきましては「測定値の再現性の度合いが二体積百分率以下であること」砕いて申し上げますと、要するに測定値のぱらつきが二%の範囲にとどまること、こういうことを規定しておるわけでございます。具体的な設備の態様につきましては、これはいわゆるガスクロマトグラフィーというものの一種であるというふうに考えられております。
  84. 安武洋子

    安武洋子君 そのガスクロマトグラフについてお伺いいたしますけれども、この製造といいますのは日立製作所、島津製作所、それから柳本製作所、この三社でつくられていることは間違いございませんか。
  85. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 現在、技術省令に合致するものとして市場に出回っているものは、先生指摘の三機種であるというふうに考えております。
  86. 安武洋子

    安武洋子君 全国でいまガソリンスタンド約五万七千なんですが、この中で一万二、三千ぐらいこのガスクロマトグラフが設置されていると思うんです。それでこのガソリン分析器の販売と言いますのは、これは各県の石油商の協同組合ですか、、ここを通じてしか購入できない、こういう仕組みになっておりますので、その結果、ほとんど一つの県は一つの機種というふうになっていると思うんです。こういう点を御承知でございましょうか。
  87. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 現在三機種がどのように各地に設置されているかということにつきまして、私ども一応調査してまいりましたが、その結果によりますと、一つの県が一つの機種で占められているということ、こういった実情はないようでございます。ただ先生指摘のとおり、地方によりましては三つのメーカーの機種のうちに特定のものの度合い、割合が非常に大きいと、こういった事情はあるようでございます。  これにつきましては、実は分析器の設置につきまして必ずしも個々の事業者が一台ずつ設けるということではなくて、実際の設備の使用効率でございますとかあるいは事業者が中小企業である、こういったことも考えまして、現在一つの分析器で九スタンドまではカバーしていいという、こういうことにして指導しておりますので、そういった複数事業者が共同使用しているという実情、それから分析設備につきましては、いずれにしましても維持管理という精度維持の保守が必要なわけでございますが、そういった面からも同一の機種を購入した方が便利な面もあるというこういった点を踏まえまして、先生指摘の販売事業者の組合が、その組合事業の一環として分析設備の購入のあっせんと、こういったことをやった結果、御指摘のような事例も出ているものというふうに考えております。
  88. 安武洋子

    安武洋子君 私どもが調査いたしましたところでは、東京、神奈川、山梨、ここは日立です。それから埼玉、宮城、これは島津になっております。で、静岡というのは柳本というふうな、こういうふうな形になっているわけですね。そこで現在、ガソリン販売業者の間でこのガソリン分析器が、機種によって同じガソリンを分析しても違った結果が出てくるというふうなことが問題にされているわけなんです。機種ごとに精度が違うのではないかという疑問ですけれども、埼玉県で買うときは低い数値が出る、しかし東京に持ち帰ってはかると高い数値が出るというふうなことなんです。普通はタンクローリーで三店から四店のガソリンスタンドに配られる場合に、同じ県内のスタンドに卸される、その限りでは一県の中で私が先ほど申したような一つの機種でも別に問題はないわけなんですけれども、機種の違う県をまたがって取引されるとか、機種の違うところに取引をされるとかいうふうな場合には、分析結果が違ってくるというふうなことが業者の間で言われているわけなんです。  このガソリンの分析器の場合は法定計器、これなので、当然計量法の第十三条の製造事業登録を受けている者しかつくられないわけですけれども、つくられた計器が正当なものであるかどうか、どのようにひとつチェックをされているのか、その辺のところを伺いというございます。
  89. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 御説明申し上げます。  冒頭に先生指摘になりました各地域別のメーカーの機械の配置状況につきましては、実は私どもの調査と若干先生の御指摘と違うかと思います。これは後ほど資料に即しまして御説明させていただきたいと思います。  それで、同一のサンプルについてそれぞれのメーカーの機械によって出てくる結果が違うのではないかというこういう御指摘でございますが、実は私どもの所管団体に社団法人の全国石油協会というのがございます。これは主としてガソリンの品質の確保を図るという目的からつくられておりまして、第三者機関ということで、いろいろ試買検査等の事業を行って、ガソリンの品質が十分保全されているかどうかを常時監視している機関でございますが、ここで同一のサンプルの灯油分につきまして、現在ございますその三機種についてそれぞれ測定させたこともございますが、現在までのところ、その測定値について特に問題になるような開きが出てきているというそういう報告は受けてないところでございます。  なお、今後とも五十三年度の予算案におきまして、私ども各通産局に現在各事業者が設置しております分析器械をそれぞれ買っていただくことに予算をお願いしておりますので、来年度におきましては、あるいは私ども通産局にもこの設備を設けまして、この設備も活用いたしまして、御指摘のような問題があるかないか、十分把握してまいりたいと考えております。
  90. 安武洋子

    安武洋子君 現在、法二十条で業者の検査規程というのは自分でつくるというふうなことで、通産大臣に届け出るというふうになっておりますけれども、実際の検査というのは業者の自主性にゆだねられているというふうなことになっていると思うんです。ですからいまおっしゃったように、通産省にもそれを置かれて、一つずつの機種をそれに当てはめて検査をなさるというふうなことであれば、三機種がすべて同じ基準であるかどうかということがわかるわけですけれども、現行ではそういうふうにならないので、言ったら業者の自主性に任せられているというふうになると思うんですね。私はこの通産省令で定められたガソリンの分析設備の技術上の基準というのが灯油の含有率がパーセントではかれるもので測定値の再現性が二%以内であることとか、それから分析結果がはっきりと出るものとかと、こういう二点が示されているわけですけれども、各機種ごとの計量結果が正確であるかどうかということがチェックできるものでないということがいまの問題点だろうと思うんです。  やはり私は、クロスチェックということになりましても、非常に固まった地域に同じ機種があるということでは、これはクロスチェックもできないわけですから、通産省だけではなくてもう少し一つ一つの機種が本当に正確であるかどうかというふうなことをお考え願うような余地はないものでしょうか。その点、お伺いいたします。
  91. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 御説明申し上げます。  先生指摘のとおり、分析設備につきましては技術上の基準で一定の規格を要請しているわけでございます。さらに揮発油販売業法の体制におきましては、品質管理者がその職務といたしまして、分析に使います分析設備を技術上の基準に合致するように維持することを義務づけております。したがいまして、品質管理者としましても、常時自分が使っておる器械が正しい機能、性能を発揮しているものであるかどうかということについては関心を払っているわけでございます。法律上は、したがいまして、こういった品質管理者の精度維持義務を通じまして特に現状では問題はないとも考えておりますが、今後御指摘のような点が実態的に生ずる懸念もございますれば、さらにメーカーに対しましてアフターケア体制を十分整備するよう指導するとか各種の手段を講じまして、問題のないように十分対処してまいりたいと考えております。
  92. 安武洋子

    安武洋子君 業者の間から苦情が出ていると、おかしいという声が上がっているのは確かなんです。ですから一応お調べをいただいて、現状がどうなっているかということを把握していただきたいというふうに思います。それからやはりこういうことが出るのは取引条件にかかわる計器であるものとか、あるいは他の法律で一定の基準を満たすことが義務づけられている、物をはかる計量器とかというものはより正確さを要求されるわけなんです。少なくともこれらの計量器については特定の何らかの検査を行うという制度的なもの、こういうものをひとつお考え願うことはできないでしょうか。そのことをお伺いいたします。
  93. 廣重博一

    説明員廣重博一君) 揮発油の分析設備につきましては、揮発油販売業法上で、一応基準維持義務を設けております。したがいまして、仮にその設備が基準に合致しなくなる、こういった場合に、修理あるいは取りかえという、こういった措置が講じられるものとなるものと考えております。  なお、国としましても、先ほど申し上げましたが、各事業者の分析の結果なども監視いたしますし、また私どもの方にございます、設けることになっております分析設備、さらには第三者検査機関としての社団法人石油協会の機能の活用、こういったことを通じまして十分、分析設備の精度の問題については問題が生じないように考慮をしてまいりたいと考えております。
  94. 安武洋子

    安武洋子君 いやいまのこの問題だけではなくって、私は一般的な計量器の問題でお伺いしているわけです。ですから、取引の条件にかかわるような計量器とかあるいは他の法律等で一定の基準を満たすことを義務づけられているものをはかる計量器について、一般的な問題として少なくともこれらの計量器について何らかの検査を行う必要があるのではないかということを、いま石油分析器を一例として挙げてお話をしておりますので、そういう御配慮をお願いできないかと、一つの提案として申し上げておりますので、これはお答えいただきとうございます。
  95. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいままでに安武先生から例示としてお示しいただきまして議論のございましたガソリン分析器でございますが、これは計量法の立場から申しますと、いわゆる濃度計でございまして、法定の計量器でございます。したがいまして、当然にガソリン分析器の製造事業者は事業登録を受けなくちゃならぬという義務がございますし、また、通産大臣に届け出をいたしました検査規程を守りながら社内検査を十分実施しなくちゃならぬという義務があるわけでございます。  さらに一般的に申し上げますと、法定の計量器になりますと、そういった登録関係あるいは検査の関係のほかに、もう一つ検定という制度があるわけでございまして、現在このガソリン分析器につきましては検定制度をとっておりません。とっておらない理由は、先ほどエネルギー庁の方からお話のございましたように、揮発油販売業法でそういった技術上の基準というものが定められておりますので、まあ私どもといたしましては、そちらの方にゆだねまして検定制度を特にとっていないわけでございます。ただ、先ほど問題、御指摘のございましたように、いろいろ各メーカーによりましてその基準が違うというような問題がございますと、これは計量法の立場から申しましても、大変好ましいことではないということでございますので、エネルギー庁と十分協議しながら、そのアフターケア、アフターサービスにつきまして、当局といたしましても十分な配慮を払ってまいりたいというふうに考えるわけでございます。  なお、一般論として申し上げますと、やはり先生の御指摘の、あるいは御提案になりました問題は実は大きな問題でございますので、そういった法定の計量器と、取引あるいは証明用計量器として法定されたものというものに対する十分なる監督、指導と、と同時に、それ以外のものにつきましてどういった配慮をするかという点につきましては、やはり計量法といいますものは、決められた一定の法定の計量器についてのみ厳重に守ればよろしいんだということでは相済まないんではないかということでございまして、やはり広く計量というものを周知徹底させる、あるいは量目をしっかりはかるというような観点に立ちますと、法定の計量器以外につきましても、当然行政指導その他につきましてそういったものの普及を図ってまいるということは大変必要なことでございます。したがいまして、ただいま安武先生から御提案のございました点は、大変私どもにとりまして有益な御意見でございますので、十分な検討をさしていただきたいというふうに考えるわけでございます。
  96. 安武洋子

    安武洋子君 終わります。
  97. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 計量法考え方について少しお尋ねをしたいと思います。  計量法第一条を読みますと、「この法律は、計量基準を定め、適正な計量実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。」と書いてございます。学術、産業等の国際交流の分野、必要な分野で、国際度量衡総会決議等を踏まえて計量単位導入する、統一するということについて特に異議を差しはさむものではありませんけれども、国内におけるさまざまな分野において伝統的な計量単位使用を禁ずるということが、果たしてこの計量法の目的に合致するものかどうか。明治以来、わが国では尺貫法をまあやめて、メートル系単位統一を図ってきましたけれども、その政策そのものに私は問題があるのではないかというふうに思いますが、その点をまず伺いたいと思います。
  98. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 柿沢先生から御指摘のございました計量法の目的でございます。  お説のとおりでございまして、まあ国におきましては明治十八年以来いわゆるメートル条約というものに加盟いたしまして、メートル系単位普及啓発に努めてきたわけでございます。そこで、まあ尺貫法というものがそれによって廃止をされたわけでございまして、そういった日本古来の文化というものの否定につながるのではないかという御指摘でございますが、私どもといたしましては、計量単位を国家的に統一するということが、大変いろいろな面におきまして有効なことではないかという気持ちを持っておりまして、これはまあ世界各国の例を見ましても、おおむねそういう方向に向かっておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、日本におきましても明治十八年以来メートル系に入ってきたわけでございまして、昭和三十四年以降は尺貫いわゆる尺系の単位取引証明使用してはいけないという禁止をしたわけでございまして、メートル系単位採用いたしました理由といたしましては、先ほども申し上げましたように、大変まあいろいろな面で便利があるということと、諸外国もそういう方向へ向かっているということでございますけれども、具体的に申し上げますと、単位基準が国際的にまあ確立されておりまして、かつ科学的な根拠もあるのではないか、それから単位相互間に密接な関係を有しておるというような側面があるんではないかというのがまず第一点でございます。  それから第二点といたしまして、メートル系単位はおおむね十進法を採用しておるということでございまして、まあ最大のものから最小のものまで全部備わっているという利点もございます。  それから三番目の問題といたしまして、新しい分野単位基本単位から容易に導きやすいという利点もございます。  まあそういったようなことで、メートル系採用に踏み切ったわけでございまして、明治十八年以来まさに百年に近い年月を費やしましてメートル系普及啓蒙を図っておりますので、文化の破壊というようにおとらまえになりませんで、ひとつ御理解を賜れば大変幸いだと思う次第でございます。
  99. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 先ほどの局長の御説明を聞いておりましても、私はこの「文化の向上に寄与する」という点の解釈が非常に狭いように思います。経済の伸展とか学術の振興とかおっしゃっておりますが、これはまさに、まあ文化論の問題になるんですけれども、いままで計量単位計量行政をやっていらっしゃった方にとっての文化とは、何か学術であるかのごとき印象があります。  そういう意味では、その計量単位の完全な統一化というのはいわばもう日本の建築をやめて全部洋風の建築にする、もしくは和服をやめて背広にすると、そういった鹿鳴館時代の志向が依然として続いているのではないかという懸念を持つわけでございます。そういう意味で、私たちはいまその近代合理主義というものの矛盾といいますか、そうした単純化が果たして人間生活を豊かにすることにつながるのかどうか、それが「文化の向上に寄与する」のかどうか、もう少し多様な価値感というものを生かしていく、そうした文明論といいますか、文化論というものがあっていいのではないだろうか、その点で、官僚的な統一化、画一的な統制というもので計量単位考えていくということは私は間違いだというふうに思っているわけでございます。特に一量一単位ということが原則だそうでございますが、一量一単位にこだわり過ぎてはいないだろうか。今回提案されております圧力のパスカル、放射能のベクレル、吸収線量のグレイ、これはそれぞれ一量一単位になっておりますか。
  100. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 一量一単位というものはいわば国際的な方向性でございまして、必ずしも三里単位にはなっていないわけでございます。したがいまして、柿沢先生から最後に御指摘のありました点は一量一単位ではございません。同じメートル系の中で複数の単位を今回採用することをお認めいただきたいというお願いをしておるところでございます。
  101. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 今度の改正案そのものが一量一単位からむしろはみ出して一つの計量単位の中にさまざまな単位を加えていこう、それによっていろいろ複雑な計量に備えていこうということでございますから、長さについて、重さについて、体積について一量一単位でなければならない理由は私はないと思うんです。それはもちろんその化学的な分野その他では一量一単位であることが望ましいかもわかりませんけれども日常生活の中で、牛肉と砂糖と同じ単位ではからなければならない必然性、それによって日常生活が便利になるという快適性、そういうものが果たしてあるだろうか。砂糖は一斤、牛肉は何匁で結構ではないか、それこそ生活の豊かさ、むしろその感覚の豊かさというものにつながるというふうに考えておりますので、少なくとも法律で罰則を設けて強制すべき問題ではないというふうに思うわけですが、その点はいかがでございましょうか。
  102. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 先ほどお答えいたしました一量一単位ではないという分野につきましてまずお答え申し上げますと、これは同じメートル系の中で、一つの量につきまして複数の単位があるケースがあるわけでございまして、メートル系以外の、たとえばいま最後に御指摘尺貫系のものを併用して認めるというわけじゃございませんので、同じメートル系の中におきまして複数の単位があるということを、今回特にお願いをしたいということでございます。しかしながら、世界の中で同じメートル系の中にも一量につきまして複数の単位がございますといろいろインターナショナルな観点からぐあいの悪いというものもございまして、いわゆるSIという、国際標準単位というものを志向しようではないかというのが度量衡総会の一つの決議でございまして、同じ複数の単位を認めるにいたしましても、これはやはりメートル系の枠内での複数単位ということでございます。  したがいまして、いま柿沢先生から御指摘のございました、たとえば砂糖というものは一斤でもいいではないかということになりますと、これは一量複数単位とは言えないわけでございまして、メートル系以外の計量単位を復活するということになりまして、明治十八年以来メートル系推進してまいったという先達の努力もあろうと思いますし、国民皆様の御協力もございまして、現在では砂糖一斤としてお買いになる方と砂糖を何グラムとしてお買いになる方とを比べますと果たしてどちらが多いかということになりますれば、圧倒的に後者の方が多いのではないかということもございます。したがいまして、私どもはその尺系の単位というものを全面的に否定しているわけではございませんで、計量法は御承知のとおり取引証明用計量に限ってそういうものを使ってはいけないということでございまして、たとえば文化の面でございますとかあるいは学術の面等につきまして尺系の単位をお使いになることはそれは許容されているわけでございます。したがいまして、先ほど文化論をお聞かせいただいたわけでございますけれども、必ずしも現在の日本の社会の通念の中から尺系の単位を全部抹殺してしまうということではなくて、あくまでも取引証明に限って尺系のものを使ってはならない、禁止しているというふうに御理解を賜れば大変ありがたいと思うわけでございます。     —————————————
  103. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 委員異動について御報告いたします。  本日、藤井恒男君が委員辞任され、その補欠として中村利次君が委員選任されました。     —————————————
  104. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 一般の利用は認めているとおっしゃいますけれども、そこがまさに問題になっているところで、取引証明の中に表示も含むということで物差しそのものの製造自身が違反になる。これは物差しを提供しないで一般の使用を認めているということが果たして理屈として通用するのかどうか、その点についてはいかがですか。
  105. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 物差しにつきましては、たとえば大工さんでございますとか和裁をなさる方々にとりまして、いわゆるメートル系の物差しが便利なのであるかあるいは尺系の物差しが便利なのであるか、これは大変問題の多いところであろうか、こういうふうに感じまして、実は昨年の二月以来、計量行政審議会におきまして特に部会を設けまして、その辺の取り扱いの御審議をお願いしたわけでございます。それで、前後九回ほどその部会をお開きいただきまして、またいま申し上げました大工さんでございますとかあるいは和裁士さん等の方々の御意見も十分踏まえまして結論をいただいたわけでございます。  簡単にその結論を申し上げますと、メートル法の原則を崩さない範囲内でそういった方々不便さを解消するための措置を講ずべきではなかろうかということを御建議いただいたわけでございます。したがいまして、通産省におきましては計量行政審議会の御建議に基づきまして、昨年の十月に一定の条件のもとに、そういった従来禁止いたしておりました物差し等につきまして復活を認めたわけでございます。これはただ尺系の単位の全面復活ということではございませんで、メートル法範囲内におきまして、従来お困りになっておられたような特殊の方々に便利を図って差し上げるという趣旨のもとに復活をしたわけでございまして、そういった配慮は十分やっておるつもりでございます。
  106. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 私が申し上げたのは、法律上のたてまえとして物差しをつくることが法律違反になるという、法律、法制をそのままにしておいて、しかも伝統的な計量単位使用は一般には認めているという理屈が成り立つのでしょうかということを申し上げているわけです。確かに政府は昨年メートル表示による尺系の目盛りのついた一部の物差しの製造販売を認めましたけれども、それは正式の認知ではないわけですね、あくまでも尺表示は認めないということですから。それはいわば私生児的な扱いになっている。私生児としての物差ししか国民に提供しないで、尺貫法使用は認めているのですという理屈が成り立つのでしょうか。それはやはり一般の使用も禁じているに等しいのではないか。つまり原器を認めないで使用を認めるということは、それは言葉の中で、たとえば尺取り虫という言葉を使ったからといって罰則はかけませんとか一寸刻みという言葉を使ったからといって罰則は認めませんというだけであって、一寸とはどれなのかというのは国民にとっては一切知らされる方法がないわけです。  今度の復活した物差しを見ても、一尺はどの長さなのかということは明示されていないわけですね。そういう意味では依然として尺貫法の物差ししの使用は禁じているに等しいと思うんです。それでなおかつ一般の使用を禁じているわけではありませんというのは、これはいわば三百代言的な解釈、答弁であって、むしろ使用を全面禁止しているというのに等しいと思うんですが、そこはいかがでしょうか。
  107. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) ただいまの柿沢先生の御指摘、まことに同感の面もございます。ただ私どもといたしまして、メートル系採用に踏み切りまして、過去長年にわたりましてメートル系の浸透を十分図ってまいった立場から申し上げますと、やはりメートル系というものを貫くというのが一つの思想ではないかと思うわけでございます。ただその中で、現実の問題といたしまして現にいろんな不便を感じておられる方に対しまして、その不便性を解消するというものもやはり行政としてなすべきことではないかということでございます。  実は、正直に申し上げますと、昨年の秋に一部緩和の方策をとったわけでございます。柿沢先生のお言葉によりますと私生児的な取り扱いということになろうかと思いますが、その私生児的な取り扱いをすら否定されるような御意見もたくさんあったわけでございまして、もうメートル系に踏み切った以上は断固としてメートル系に邁進すべきであって、その不便さは忍んでもらうしかないではないかという御意見もあったわけでございますけれども、私ども行政の立場から申しますと、やはりそこに、ある職業の方々がどうしても不便だというようなことでございますと、幾らメートル系に邁進するといいましてもその方々の犠牲を強いるわけにもまいらないという点を配慮いたしまして、特にメートル系範囲内でそういう方々の御不便を解消するような知恵はないものかということでいろいろ対策を講じたわけでございまして、私どもとしましては精いっぱいの努力をしたつもりでございます。  したがいまして、基本的な考え方といたしましては、私どもメートル系を貫くという姿勢でございます。ただ、例外的にそういったものの不便さを解消するという行政的な裏づけもする必要があるんではないかと、こういう判断をしたわけでございます。
  108. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 長年続けてきた政策だからそのまま実行したいんだというのは全く理屈になっていないと思います。長年続けてきたことでもずいぶんいろいろ間違いがあります。尺貫法と同じような政策で最近非常に大きな問題になっているのに、町名の変更、統一化というのがあると思います。その町名の中に含まれている伝統的な価値、その中に含まれている伝統的なイメージというものをつぶしながら町名の統一化を、明治以来の日本の官僚というのは営々としてやってきたわけです。歴史の抹殺を続けてきたわけです。尺貫法の抹殺の中にも同じ誤りがなかっただろうか。それでいけば、いまの昭和という元号も抹殺をして西暦に全部統一すべきだと、そういう考え方にも通ずるわけだと思います。それが国際的な道だというのならそれもあるでしょう。  しかし、この尺貫法メートル法との併存というものが果たしてそれほど国民に大きな不便を課するのだろうか。和裁の分野や伝統的な、いまだに建築の六五%は在来工法の和風建築だと言われているその分野で、尺貫法を依然として私生児扱いをするということが本当に必要なんだろうか。それはある意味では国語のかな書き、ローマ字化の道へも通じる間違った思想だと思うわけです。そういう意味で、むしろこの際、法律範囲内で精いっぱいやっていますというお答えはよくわかりますけれども、思い切って法律を直すべきではないですか。今回の計量法改正の中にそうしたものが含まれて出てきたら、これは明治百年の誤りを正して新しい計量法の世紀を開くんだというようなことになるかもしれませんけれども、コンダクタンスとモルとベクレル、グレイでは、これはいままでの進んできた道、ローマ字化への道を一生懸命やっているに等しいのではないだろうか。そういう意味で私はどうもこの内容に不満でございます。まあ反対はしませんけれども非常に不満でございます。  それから、先ほどのいろいろな分野での要望と不便にこたえるために、尺系の目盛りのついたメートルの物差しを出しているというお話がありましたけれども、そこまでいったのであれば、もう一つ、三十三分の幾つという下に括弧して尺とか括弧して寸とかいうことは書けないんでしょうかか。その点は現行法では全く不可能というふうに考えてよろしゅうございますか。
  109. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 全く不可能ではないかと私どもは解釈しておるわけでございまして、実は、いま柿沢先生から御指摘のございましたように、せっかくそこまでやるんならその刻みごとに小さな字ででも表示をすべきではないかという意見、私どもの部内にもございまして、いろいろ法律の専門家とも研究を重ねてまいったわけでございますが、やはり取引及び証明という観点に立ちますと明らかに計量法違反になるということでございまして、その尺及び寸という表現を表示いたしまして取引をするということになりますと、それは現行の計量法上問題があるということでございます。せっかく私どもが行政的な配慮でそういうことをいたしましてそういう物差しをおつくりになった方が、計量法上違反になるようなことでは大変申しわけないということでございまして、一部のそういったものを特に必要となさいます職業の方々は、その尺とか寸とかいう言葉をごらんにならなくても一つの目盛りで判断されるんではないかということに着目いたしまして、あえてその尺及び寸という表現はとらせなかったということでございます。
  110. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 私は、この目盛りの三十三分の十とか三十三分の五とかいうのはまさにそういう意味ではやはり尺貫法の抹殺以外の何物でもない、もしくは全く日陰者扱い、私生児扱いであるというふうに思わざるを得ない。その意味でどうも伝統文化を大事にしなければと思っている私の目から見ると非常に不愉快な表示でございます。  いま局長の御答弁もう一度明確にしておきたいと思いますが、私がその下に括弧して尺とか寸とか表示することは現行法上全く不可能ですかという質問に対して、全く不可能とは思いませんと最初お答えになりました。それでいて最後に、もしそういう表示があったときに、現行の計量法に違反するということになると申しわけないから書かせなかったと。そこは厳密に言ってどちらなんですか。絶対に違反なんでしょうか。
  111. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 先ほど私がお答え申む上げましたのは、全く違反でございますというふうに申し上げたつもりでございまして、したがいまして、私どもが書かせなかった理由は違反になりますので書かせなったということでございます。
  112. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 それでは尺とか寸とかいう字に似ている模様を下につけたらどうですか。
  113. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 実はそれも私ども検討対象になったわけでございます。まあ数字あるいは字以外の何らかの方法で表示することが適当かどうかの判断をしたわけでございますけれども、余りにも尺系にこだわり過ぎまして、はっきり尺とか寸とか読めなくて何かそれをイメージするようなものを設けましても、実際にそういうものをお扱いになる方々は、その刻みを見ればこれがどの単位であるかということはすでに十分おわかりの方々がこの物差しをお扱いになるわけでございますので、いろんな苦心をいたすよりはむしろ何にもないプレーンの方が、使っていただく方には最もわかりやすいんではないか、こういう判断をしたわけでございます。
  114. 柿澤弘治

    柿沢弘治君 最後にいたしますが、やはり少数民族を最後に圧殺しようというどうも思想になっているようにしか思えません。私は尺貫法を何とかして生き延びさせたいと思いますので、もしも最初に局長がおっしゃいましたように、計量法の精神は公式の証明もしくは報告等に使うことを禁じている、一般の使用は禁じていないのだという考え方、それが基本考え方であるとするならば、最低限その物差しという目盛り、計量単位についてだけは認めるという例外規定を法律改正によって行う必要があると思いますが、もし政府がそれをおやりいただけないのであれば、私たちはどうも皆様に相談して議員提案でも議員立法でもやらざるを得ない。そうでなければ、先ほど局長がおっしゃった一般生活での使用は認めておりますという基本的な精神に反する事態が現在の法律であらわれているわけですから、法律の精神からいってもその点は例外を設けていただく必要があると思いますので、私はそう信じてこれからやりたいと思いますが、まああえてもう一度御意見を承ればそれで終わりにいたしたいと思います。
  115. 森山信吾

    政府委員森山信吾君) 政府といたしましては、明治十八年にメートル条約に加盟いたしまして、以来メートル系推進に努めたわけでございます。それから、世界各国におきましてもそれぞれメートル条約に加盟しております国、これは大部分の国が加盟しておるわけでございまして、逐次完全なるメートル系に移行しつつございます。旧イギリス圏内の諸国におきますヤード、ポンドもすでに廃止という方向が打ち出されておるわけでございまして、これはすべて国際度量衡総会というものの決議を尊重しようと、それがインターナショナルな交流につながっていくんだということでございまして、わが国といたしましてもメートル条約に加盟しておるという立場からいたしますと、時代の逆行になるような改正政府が提案するというわけにはまいらぬと思います。  ただ、先ほどから御指摘のございました日本古来の文化としての尺系の単位の取り扱いにつきまして、それは御趣旨はよくわかりますので、それをその法律範囲を超えない、つまり法律の原則を崩さない範囲で保存していこうという御趣旨には全く賛成でございます。そこで、私どももいろんな批判を受けながらも昨年の秋、そういった大変こそくな手段だというおしかりを受けましたけれども、そういった面で十分配慮を払うべきであって、法律の原則そのものの変更をすべきではないんではないかというのが政府として、まあ少なくとも私としての見解でございます。
  116. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  117. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 速記起こして。  他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。  計量法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  119. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  対馬君から発言を求められておりますので、これを許します。対馬君。
  120. 対馬孝且

    対馬孝且君 私は、ただいま可決をされました計量法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党及び新自由クラブの各会派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。  案文を朗読いたします。   計量法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行にあたり計量単位普及と適正な計量実施を図るため、次の諸点につき適切な措置を講ずべきである。  一、新たに規定される計量単位について、学校教育等を通じて広く周知を図り、その普及に努めること。  二、消費者利益の保護を図るため、商品の量目、家庭計量器等に関する規制の徹底を期するとともに、単位価格表示制度推進に努めること。  三、伝統的分野での尺貫法使用については、その使用現状にかんがみ、現行法範囲内で使用者の便宜を十分配慮すること。  右決議する。  以上でございます。御賛同を賜れば幸いでございます。
  121. 楠正俊

    委員長楠正俊君) ただいま対馬君から提出されました附帯決議案を議題といたします。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  122. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 全会一致と認めます。よって、対馬君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、河本通産大上臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。河本通産大臣
  123. 河本敏夫

    国務大臣河本敏夫君) ただいまの附帯決議の御趣旨を尊重して、この実施に万遺漏なきを期する次第でございます。
  124. 楠正俊

    委員長楠正俊君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 楠正俊

    委員長楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時十七分散会