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宮澤国務大臣 実は、先日ナミビア
理事会の首脳部の方が見えまして、いろいろ
お話をしたのでございますけれども、
日本が海賊行為をやっておると言われるものですから、私が申しましたのは、こっちは悪気でやったわけではないので、契約そのものは、私契約としてはりっぱに
成立をしておる。南ア
自身が自分のものでないものを売ったという
お話なら、それは買った方に罪があるとはちょっと話がきついので、売った方が、これはナミビアのものを自分のものとして売った、こういう
お話なのでしょうと言いましたら、まあ、そう言われればそうなんだという
お話なのです。また、ナミビア
理事会というのが、御承知のようにちょっと前例のないものでありまして、本当は現地に出かけて行っていわゆる国づくりの
基礎をつくれというのが
国連総会の意思であっただろうと思いますけれども、実際には現地に行けませんで――まあ、無理もないと思います。いわば外で、机の上でいろいろ布告をしたり、また、独立の場合の官吏の養成をインスティテュートをつくってやろうというようなことでございますから、言ってみれば、いまの
状態では現地そのものに足がない、そういう状況であるわけでございます。こういうことは前例のないことでございます。しかし、そうではありますけれども、南アの統治というのはいかにも不当であるということをわれわれも思っておりますから、結局、ナミビア
理事会の言うことは、やがてナミビア国の財産になるべきであるところの鉱物資源をいま勝手に持って行ってもらっては困る、そういうような
考え方になってくるのだということをこの間話して私は思ったわけでございます。でございますから、もう五月三十一日の期限も過ぎましたし、アフリカにおける動きはかなり急でございますから、何かの形で実際この問題は
国連の総意の方に進んでいくであろうと期待をしてもそんなに無理ではないという事実が片方でございます。
他方で、先ほどから
お話の六千万キロワットというのは、現在、エネルギーの総合
計画を再検討しておりまして、その結果は夏ごろには一応暫定的に出るようでございますが、常識的に
考えまして、昭和六十年の六千万キロワットというものはなかなか容易でない。それは電力の立地がおくれておることが主たる原因でございます。そういうこともございますので、やはり現状から
考えますと、土井
委員がおっしゃっていらっしゃいますように、まだ二年先のことでもありますので、少し余裕を持って事態を
考えてもいいのではないだろうか。これは、私としましては通産
大臣の御意向もよく伺わなければならないことではありますけれども、あれこれ
考えますと、その両方の面から、余り性急な処置なり決断なりをしない方がいいのではないだろうか。私もエネルギーの方の主管
大臣でございませんので、これ以上具体的にちょっと申し上げにくうございますけれども、私としては大体土井
委員のお
考えになっていらっしゃるような、多少時間をかしても、しりに火のついたようなことにはならないのじゃないかという気持ちを持っております。