運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1974-04-08 第72回国会 参議院 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十九年四月八日(月曜日)    午前十時五十四分開会     —————————————    委員の異動  四月八日     辞任         補欠選任      熊谷太三郎君     原 文兵衛君      小林 国司君     竹内 藤男君      永野 鎮雄君     梶木 又三君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         橘  直治君     理 事                 志村 愛子君                 西村 尚治君                 松本 賢一君                 多田 省吾君                 岩間 正男君     委 員                 植竹 春彦君                 梶木 又三君                 後藤 義隆君                 竹内 藤男君                 原 文兵衛君                 宮崎 正雄君                 横川 正市君                 中尾 辰義君                 村尾 重雄君    国務大臣        自 治 大 臣  町村 金五君    政府委員        自治省行政局選        挙部長      土屋 佳照君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  保君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国会議員選挙等執行経費基準に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付)     —————————————
  2. 橘直治

    委員長橘直治君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。  国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。町村大臣
  3. 町村金五

    国務大臣町村金五君) ただいま議題となりました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由内容の概略を御説明申し上げます。  この改正法案は、国会議員選挙等執行について、国が負担する経費地方公共団体に交付するものの現行基準が、実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改正を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与改定賃金及び物価変動等にかんがみまして、執行経費基準改定し、もって国会議員選挙等執行に遺憾のないようにしたいと存ずるものであります。  次に、この法律案による改正内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一は、最近における公務員給与改定等に伴い、投票所経費開票所経費等積算単価である超過勤務手当人夫賃及び投票管理者開票管理者立会人等費用弁償の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額改定しようとするものであります。  第二は、最近における物価変動に伴い、選挙公報発行費ポスター掲示場費等積算単価である用紙代その他の額を実情に即するよう引き上げ、これらの経費に係る基準額改定しようとするものであります。  以上が国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案の要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 橘直治

    委員長橘直治君) 次に補足説明を聴取いたします。土屋選挙部長
  5. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) お手元に配布されております法律案関係資料でございますが、この二つ目の青い紙の次に、今回お願いをいたしております国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案につきましての要綱を掲記いたしております。これによりまして若干補足的に御説明申し上げたいと存じます。  今回改正お願いいたしたいと考えております点は、要綱に掲げておりますように、大別して二つに分かれております。  第一点は、基準法昭和四十六年に改正お願いいたしまして以来三年間据え置かれてまいったわけでございますので、その間における公務員給与改定賃金変動等によりまして、選挙事務に従事いたします地方公共団体職員超過勤務手当単価選挙の際の臨時雇用者人夫賃、それから投票管理者開票管理者投票立会人開票立会人等費用弁償の額を実情に即するように引き上げる必要が生じてまいったわけでございます。今回それらの単価改定して、投票所経費開票所経費その他の関係経費基準額改正することをお願い申し上げているわけでございます。  なお、あらためて申し上げる必要もないことかと存じますが、基準法には、国がその費用を負担する各種の経費基準額が定められておりますが、その基準額は、たとえば投票所経費について申し上げますと、投票管理者投票立会人費用弁償、それから職員超過勤務手当人夫賃その他投票所の運営に要する経費積算の内訳としていっておりまして、それらの個別の経費合計額投票所経費としているわけでございます。  そこで、まず超過勤務手当でございますが、お手元に別に資料をお配りしてございます二枚つづりの薄い資料が別途ございますが、それをごらんいただきますと、都道府県分について申し上げますと、大都市のある都道府県の一時間当たり単価は、現行の三百十三円六十八銭から四百六十八円六十二銭に引き上げるようにお願い申し上げております。同様に、その他の県の単価は、三百七円から四百六十八円八十三銭に引き上げるようにお願いいたしております。市区町村分について申し上げますと、区につきましては三百二十二円九十二銭から四百六十三円四十一銭へ、市につきましては二百八十一円三十三銭から四百三十円七銭へ、町村につきましては二百二十三円七十九銭から三百五十六円六十一銭に引き上げるようにお願いをいたしております。単純に平均いたしまして約五〇%アップ単価改定になるわけでございます。  次に人夫賃でございますが、区につきましては一人当たり単価現行の千百四十円から千九百円に、市につきましては八百七十円から千四百五十円に、町村につきましては八百円から千三百四十円に引き上げるようお願いしております。平均しておおむね六七%のアップでございます。  それから投票管理者開票管理者立会人等費用弁償につきましても単価改定お願いいたしております。投票管理者及び開票管理者につきましては現行の二千五百円から三千四百円に、三六%のアップ投票立会人開票立会人につきましては現行の二千円から二千七百円に、三五%のアップお願いいたしております。  第二点といたしまして、選挙公報発行に要する経費ポスター掲示場の設置に要する経費等につきましても、最近における物価変動に伴い、その積算単価である用紙代その他の額を実情に即するように引き上げる必要が生じてまいりましたので、それらの単価改定して選挙公報発行費ポスター掲示場費その他の関係基準額改正をすることをお願い申し上げているわけでございます。  まず、選挙公報積算単価である用紙代一連当たり単価を、お手元のただいまの資料にございますように千八百四十円から三千七百二十円に、ほぼ二倍に引き上げることをお願いいたしております。次に投票用紙代につきましては、一枚当たり単価現行二十銭を四十銭に、これも倍に引き上げるようにお願いをいたしておるわけでございます。それからポスター掲示場費につきましては、候補者数九人未満の場合について申し上げますと、区につきましては現行の五千円から六千五百円に、市につきましては四千五百円から五千五百円に、町村につきましては三千五百円から四千五百円に引き上げるようお願いいたしております。  以上おもな内容につきまして御説明申し上げましたが、この法律は公布の日から施行させていただいて、今度の参議院議員通常選挙には改正後の基準額を適用いたしたいと存じております。  地方公共団体に委託をする経費の総額といたしましては、これらの単価改定分を含めまして、お手元資料のいまの二枚つづりの別の表でございますが、そこの上のほうにございますように、約百四億円をお願いいたしておるわけでございます。  以上、今回提案しております基準法改正につきまして、資料の御説明を兼ねて若干補足を申し上げた次第でございます。  何とぞよろしくお願いを申し上げます。
  6. 橘直治

    委員長橘直治君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 松本賢一

    松本賢一君 法案質疑に入る前に、めったに開かれない委員会でございますので、この委員会のもう長い間の宿題みたいな問題について、一応大臣お尋ねをしてみたいと思います。  これは、大臣のおかわりになるたびにこういう質問をするのはまことに残念なことなんですけれども大臣もよく御存じのことだと思いますが、例の政治資金規正法の問題、それから定数是正の問題というものがもうこの委員会の七、八年前からの、それよりもっと前からの問題なんですけれども、具体的に問題になったのがたぶん七年前だったと思いますけれども政治資金規正法改正については第五次選挙制度審議会から、一般選挙法改正を全部おやりになるのもけっこうだけれども、とにかくさしあたって政治資金規正法改正をやれと、こういう答申がはっきりと出た。それが、当時の佐藤首相あるいは当時の自治大臣等からいろいろ苦心もなさったでしょうけれども、結局うやむやなことで今日まできてしまった。大臣のおかわりになるごとにお尋ねをしておるのですけれども、なかなか前進しない、こういうことになるわけなんです。  大臣にとにかく一応お聞きしたいと思うのですけれども一般の全体的な改正というものとあわせてやるんだというのがいつも当局の御答弁なんで、それが七年も八年もやられていないということになっておるのですが、この政治資金規正法改正というもの、あるいは常に問題になる定数是正の問題というもの、こういうものをやっぱり町村自治大臣も、佐藤首相がいつも言われたごとく、全体の改正と一緒にやるんだというようなことでいかれようとするのか、それとも、これはぜひ考えるべきであるというような感覚をお持ちになっておるのか。その点を簡単にお答えいただきたいと思います。
  8. 町村金五

    国務大臣町村金五君) この衆参両院議員定数の問題、また政治資金規正のあり方ということについては、今日まで衆参両院においてしばしば論議をせられたところでもございますし、また、今日までたびたびこれに関する法案いうものも提案をされ、あるいは提案をされる準備といったようなこともずいぶんしばしば行なわれたということは、松本委員もよく御承知のところでございますが、なかなかそういった改正現実には容易に行なわれないというままで今日に至っておるということは、十分御承知のとおりでございます。  私どもも、一体この選挙区の定数というものが、現実に国勢調査によりましても、人口が都市に次第に集中をするという傾向がなおとまっていないというような現状から考えてみますると、人口議員定数とのいわゆる不均衡というものが次第に激しくなりつつあるということは、これは選挙制度自体が何と申しましても国民の多数の意思というものが反映をされなければならないというたてまえから考えてみましても、今日のような不均衡がこのままで私はよろしいというふうには全く考えることはできません、考えておりません。したがって、これはやはり何とか改正をしなければならぬものだというふうに基本的には私ども考えておるのでございます。  しかし、私があらためて申し上げまするまでもなく、さてこれをいよいよ改めるということになりますると、なかなか実はむずかしい問題がございます。私は、先般の田中首相が特に強く提案をしようと考えられましたいわゆる小選挙比例代表制度といったような考え方というものは、今日の定数問題を考えてまいりまする場合に、一番多数の方の合意の得られる方法ではないかというように考えておるのでございますけれども、これも御承知のような経緯もございまして、なかなか実現には至らないというようなことで今日に至ってしまっておるのでございまして、やはり局部的に改正をすると申しましても、それはやってやれないことはないと思います、やってやれないことばないと思いまするけれども、しかし全体としての合理化をはかるということから考えてみますると、きわめてほど遠いものになってしまわなければならないかもしれない。それは、せっかくこういうむずかしい定数を改めるということでございまするならば、抜本的な、ほんとうに多数の国民合意の得られるような合理的な定数改正を行なうべきものだと、かように私ども常に考えておるところでございまして、したがって、そうなりますると、なかなか実はいまの現状におきましては容易ならぬ困難がある。したがいまして、政府は常に、御承知のようにいままでも全体の改正と申しましょうか、総定数の問題なり、あるいは現行選挙区制の問題、あるいはその他の選挙制度をどうするかといったようなものを全体ひっくるめて考えていくべきだと、したがって部分的な選挙区制の定数問題だけを切り離してやっていくということは必ずしも適当でないという実は考え方、すなわち従来から、いま御指摘になりました佐藤首相が言われましたと私どもは大体同じような考え方をこの定数の問題についても持っておるわけでございます。  それからさらに政治資金規正の事柄についてのお尋ねでございますが、選挙に金がかかるということは、私なども多少選挙経験をいたしておりまするが、少なくとも終戦後間もない、私ども終戦後七、八年後に初めて選挙に出た経験がございまするが、当時と今日とを比べてみますると、まことに実は格段の政治資金多額にかかるようになってまいった。少なくとも選挙多額のお金がかかるということは、選挙の公正な執行が行なわれていくという上におきまして、これは好ましくないことだというように私なども考えておるのでございまして、何とか金のかからない選挙というものを実施することができないものであろうかと。  選挙に金をかからないようにさせるというために、御承知のように公営制度というものがずいぶん取り上げられております。私もこういったことについての知識のたいへん乏しい人間でございますけれども、聞くところによりますると、先進諸国に比べてみますると、日本は少なくとも公営制度というものについては非常に進んでおると申しましょうか、少なくとも公営制度の範囲というものの非常に幅の広い国の一つ、一番広い国ではないかというふうに指摘をされておるのでございまして、そういった公営制度というものがかなり大幅に取り入れられておるにかかわらず、現実には各候補者選挙のためにばく大な選挙資金を必要とするということが一体なぜ起こるのであろうか。やっぱりそういった根本の問題に深く検討を加え、これに思い切ったメスを入れるということでございませんと、なかなかこれは私は思うようにはまいらないものではないか。  したがって、現象的にあらわれておりまする外部からの選挙資金等に対する寄付金等を制限をするというような方法だけでは、この問題の基本的な解決というものにはならないのではないかというような、私はそういう感じを持っておるわけでございます。したがって、政治資金の問題につきましては、これまた先ほどの定数問題と同様に、選挙制度全体に対する相当抜本的な改革というものを加えられるとして、その一環として私はこの問題についても根本的なメスを入れてまいるという必要があるのではないか。  私どもはいまのところ、定数問題あるいは資金規正の問題につきましてお尋ねでございまするが、そういったことを今日私としては考えておるところでございます。
  9. 松本賢一

    松本賢一君 時間を少ししかちょうだいしておりませんので、簡単に答えてください。  どの大臣もみな同じようなことをおっしゃるのですけれども、そうすると、具体的に御答弁を願いたいのですが、根本的にいまから研究するといったふうにとれるような御答弁だったのですけれども、もうこれはいままでの選挙制度審議会論議は尽くされてしまっている問題で、この上は政府法案をつくってもらって、そしてとにかく国会へ出してもらうという手続を踏んでもらう段階にもうとつくの昔にきているわけなんです。ですから、これからまたどうこうというようなことになると、それじゃ一体、また第八次選挙制度審議会といったようなものをつくってやってもらうんだと、そういう気分がおありなんですか。それとも早急に政府当局検討をして成案を得たい、こういうお考えなんですか。簡単明瞭に御答弁をいただきたいと思うのです。
  10. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、確かに今日まで数次にわたりまする選挙制度審議会からいろいろな有力な御答申が出ておることを私も承知をいたしております。しかし、いま私が申し上げましたように、選挙制度全般に関しまして根本的な改革を加えるという場合に、従来までの答申だけで十分足りるかどうかということになりますると、私はまだ相当に問題が残っておるのではないかというような感じがいたします。したがいまして、やっぱり全体的の改正をやるという場合には、さらに選挙制度審議会の御審議を仰ぐということも私はきわめて必要なことがまだ残っておるのではないかという感じがいたさぬわけではございません。
  11. 松本賢一

    松本賢一君 そうすると、近い将来にまた選挙制度審議会というものをつくらねばならぬと、そういうお考えをお持ちなわけですね。
  12. 町村金五

    国務大臣町村金五君) この点につきましては、私自治大臣だけの見解でとかく申し上げることはちょっといたしかねるわけでございますが、まだこういった問題につきましては、実は田中首相とも結論的なものが得られるまでの相談をいたしておるという段階ではございません。
  13. 松本賢一

    松本賢一君 議論をしておると時間ばかりかかりますのであれですが、田中総理はもう議論は尽くされているというようなふうに論じておられるように思うのですけれども、その点多少いまの大臣ことばと違うのですが、その点についてはきょうはこれ以上触れないことにしまして、要望として、できるだけ早く成案を得るような道を考えてもらいたいということにとどめたいと思います。  次にお尋ねしたいのは、これは少しこまかい問題かもしれませんけれども、ちょっとある自治体で最近問題になってから私も気がついたのですけれども公職選挙法選挙期日公示とか告示とかいうものがあるわけですね。これは選挙部長からお答えをいただいてけっこうだと思うのですが、三十一条、三十二条、三十三条に選挙期日公示告示というものが示されておって、そうして八十六条に立候補届け出というものが示されており、それから百二十九条に選挙運動というものが書かれておるわけです。読んでみると、私もいままで長いことこの委員会におりながら不勉強だったわけですけれども選挙期日公示というものをして、そしてその公示のあった日から届け出ができる、それから届け出のあった日から選挙運動ができると、こういうことが書いてあるわけなんで、そうすると、その選挙期日公示というものが、何といいますか、——これは選挙部長公示はだれがやるのですか。選挙管理委員会がやるのですか、それとも当局がやるのですか。ちょっとそれを答えてください。
  14. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 選挙によっていろいろ違うわけでございますが、たとえば総選挙とか通常選挙ということになりますと、これは一つの天皇の国事行為にもなっておるわけでございます。それ以外のものは、それぞれの所管の選挙管理委員会告示をいたすというようなことになっておるわけでございます。
  15. 松本賢一

    松本賢一君 それで、その選挙管理委員会というものと、地方首長といいますか、知事とか市長とか村長とかいうものとは、これ事実上つうつうなんですね。そうすると、届け出告示があった日からできる、選挙運動届け出のあった日からできる、こういうことになると、告示というものが、かりに市長選挙なら市長選挙の十日前ですか、普通の一般市長の場合は十日前までに告示しなければならぬ、こういうことになっているわけです。そうすると、ある日にぽかっと告示をして、その日から届け出ができる、選挙運動ができる、こういうかっこうになると、ちょっとそこのところにゆとりがなさすぎるのですね。  それで、これはある町ですが、私の郷里に近いところの町なんですけれども、町長の任期が五月一日に切れる。そうすると、それから三十日前の間に選挙をしなければならぬということになっているわけですね。それで選挙を、四月七日に投票するということを三月三十一日に告示した。これはそうですね。ですけれども、三月三十一日にぱっと告示をして、三月三十一日は土曜日だった。土曜日の午後にはもう役所はいろんなことをやっていないということになると、戸籍抄本も取ることができない。供託金もできない。こんなようなことになって、立候補する人があくる日から選挙運動を始めることができないといったようなことがあったわけなんです。そうして、それが必ずしも違法ではないということなんですね。そういうことをしてはいかぬということはこの法律のどこにも書いてないわけなんです。そうすると、これは自分任期満了のときには、やはり自分の都合のいいときに選挙告示をやりたいという、これは人情ですね、地方首長にしてみれば。そうすると、そこの選挙管理委員会と話し合いをして、そしていいぐあいにやってもらいたいということは事実上はできるわけですよ。私だって市長経験がありますから、選挙管理委員会市長との間というものはすこぶる親密な間柄なんですから、そういうことは裏ではできないことはないはずなんです。そうすると、ほかの立候補予定者に対して不意打ちを食わせるということはできることになるわけですね、このあれでは。  ですから、そこは良識に訴えてやればいいと私も思うし、またそれだけの良識は皆さん持っていられるはずだと思うけれども、しかし、なるほどやってみれば違法じゃないということになって、そういう事実もあるということになれば、ここで詳しく報告書衆議院森井忠良君が私に書いてくれたので、森井忠良君は実際に現場に行って調査してきたものを書いてくれたので、時間がありませんから事務当局のほうにあとであげますからよく研究してみていただきたいと思うのですけれども、こういうことがあるとすれば、私はこれはこの法を、ただ選挙期日告示ということだけでなくて、立候補届け出期日という、この日から立候補届け出ができますよという期日もあわせて告示をする、そしてその何日か前に告示をするというようなことにしておけば、今度起こったようなことは起こらないで済むのじゃないか、こう思うのですが、そういうような点について、私は法律屋でありませんのでどういうふうに改正したらいいかということはわかりませんけれども、とにかくそういうふうな考え方に立って、法というものをもう一ぺん変えてみることを研究してみたらどうかと思うのですけれども、どうでしょうか、その点は。
  16. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) いまいろいろと実例をお示しいただいたわけでございますが、選挙というこの重要な、しかも最も公正に執行しなければならないものにつきましては、いろいろと候補者自身にとってみれば、準備行為も前もって要るわけでございますし、ある程度早くから予想ができるという立場になければならない。しかもまた通常の場合は、公示あるいは告示をいたします場合は、いろいろ候補者を集めて説明会をするとか、いろいろな候補者便宜等をはかっておるのが実情でございまして、いまのようなお話のところは私もあまりいままで聞いたことがないわけでございますが、告示の前になって、ただぽかっと告示をやってしまった、これは通常考えられないことでございまして、御承知のように公選法の六条におきましても「選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない」と、これは同時に候補者についても当然そうすべきことでございましょうし、法の改正とかどうとかいうこと以前に、それは当然常識として、前もってある程度の期間を置いて周知をすべき事柄だという気がいたすわけでございます。  ただ、選挙と申しましてもいろいろございます。急に解散が起こったという選挙もございましょうし、前もってどの程度早くそれができるかどうかということ、これはいろいろケースによっても違うかと思いますが、だだ、いまのようなことがあってはなりませんので、この具体の事例そのものについては私もよくあとで実情を聞きまして、十分注意をし指導もいたしたいと思っております。  それ以外に、法的にどうするかというお尋ねでございますが、これはちょっとにわかに私もどうしたらいいかという名案もここにございません。当然それはおっしゃるようなことがあってはならないという前提に立っておるものでございますから、なおその点については検討させていただきたいと思っております。
  17. 松本賢一

    松本賢一君 これは私も何回か選挙経験しまして、ちょっとおかしいのです、感じがね。というのは、選挙告示というものは、選挙をやる人はいつから選挙を行なうんだということを告示してもらいたいのです。投票日だけ告示するわけなんですね。しかも運動が始まる日に告示をするということだと、どうも感じがおかしいのですよ。だから告示というものはそれより何日か前にして、そして選挙運動期間は二十日なら二十日、二十三日なら二十三日ということできめておけばいいわけなんで、そういうことをもう少しゆとりを持たせてやったほうがいいのじゃないか。実際告示の日には、もう早くから順番をとろうと思ってやっているわけですね。そんなようなことで、実際あれはちょっとあわただしすぎる。私はこの条文がそうなっているのではないかと思うので、もう一ぺんこの法律を研究して、そしてもっとゆとりを持たせたものにするということを研究してみていただけますか。
  18. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいまお示しのとおり、現行法では、告示があって、それから選挙運動ができるということになっております。告示あるいは公示によっていつ選挙を行なうということが示されるわけでございますが、そこの選挙運動期間というものについては、御承知のようにいろいろ変遷もございました。最近ではだんだん縮める形になっておるわけでございます。  そこで、いまおっしゃいましたように、いつやるかということの周知をさせる行為と、それから実際に選挙運動をやる行為というものを分けて考えてみたらどうかという御提案でございますが、従来からのいろいろないきさつもございますので、にわかには返答は申し上げられませんけれども、御趣旨の点はよく私ども検討させていただきたいと存じます。
  19. 松本賢一

    松本賢一君 ぜひひとつ検討すべきだと思うのです。われわれだって新聞や何かで知るのですよ、いつから選挙があるということを。かりに立候補しようと思っているときに、われわれ現職の議員でも新聞や何かで先に知るわけなんです。そういうことですから、やっぱりこれは何日か前に告示というか、正式な発表をやって、それは常識的に、周知徹底せしめなければならぬという道徳的な条文が選挙法の中にはあるからいいじゃないかということにもなりますけれども、こういうことはもう少しはっきりさせておいたほうがいいのじゃないかと私は思いますので、ぜひひとつ、いま御答弁なさったように研究してみていただきたいと思います。  大臣もどうですか、その点どういう御感触をお持ちでしょうか。
  20. 町村金五

    国務大臣町村金五君) いま御指摘になりましたこと、私も確かにごもっともなお考えじゃないかという感じを持ちました。いままで告示即その日から選挙運動ということで、私どももそれがあたりまえだというふうにずっと思い込んでおりましたけれども、御指摘を伺ってみると確かにごもっともだと思います。ただ、御承知のとおり普通の選挙の場合には、多少選挙に関心を持っておりまする者は、大体いつごろ告示になる、告示になればその日から選挙運動をできるが、その前にいいろいろ準備をするというのが通常行なわれていることでございますので、そう私はいままであまりこのために非常に困るといいましょうか、支障があるとは考えておりませんでしたけれども、個々にはいま御指摘のような問題もあるかと存じますので、選挙部長もそう申しておりますので、ひとつ検討をさせることにいたしましょう。
  21. 松本賢一

    松本賢一君 それでは、ぜひそういうふうにお願いします。  それから法案自体のことでございますが、もう時間もありませんので一言だけお聞きしておきたいと思うのですけれども、これは非常に苦心して積み上げられた計算の結果、こういう数字が出てきたのだろうと思うのですけれども、大体、物が高くなったり、またべースアップなんかも、これをつくられたときに計算をなさったよりももっと大幅に上がっていくのじゃないかという気がするんですよ。ですから、この法律はこの法律としましても、ひとつ地方自治体に迷惑のかからぬように、年度中であっても、これより大きな変化が起こってくるようなときには何らかの手を打つというようなことを考えていただいておるだろうと思いますが、その点はいかがでしょうか。
  22. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) これは国会議員選挙に要する経費等でございますから、当然にその必要額というものは国が措置をしなければならないということはもう仰せのとおりでございます。そういった意味で、いまのようないろいろ物価等の変動の激しいときは、最初きめたときよりもまたさらに変わってくるのじゃないかというような仰せもございます。確かにそういう点もあろうかと思います。しかし、この基準法で示しております額は、これは全体としてのまさに基準でございまして、総体的に総合的に実態において彼此流用しながらカバーしていくという性格のものでもございます。また、今回でもかなりな調整費等もとっておるわけでございます。そういったこと等も含めて、たとえばベースアップ等が途中で起これば調整費でカバーするというふうなことにも相なるわけでございます。そういった点を十分考えながら執行いたしまして、地方団体に迷惑のかからないように私どもとしても努力をいたしたいと思っております。
  23. 松本賢一

    松本賢一君 大臣からもひとつ御答弁いただきたいと思います。
  24. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 最近非常に物価が高騰をいたしておるというようなことで、この法律案を作成をいたしましたときは、大体私どもはこれで事は足りるというふうに考えてこの法案の作成をいたしたわけでございますが、その後における状況が非常に実情に合わないというようなことで、地方がたいへんこのために特別の出費をあえてしなければならぬというようなことは、こういった選挙というものは申し上げるまでもなく全部国が負担をしなければならぬというたてまえのものでございますので、いま選挙部長お答えを申し上げましたとおり、調整費その他等の用意もございますので、それによって何とか地方の方が特別に出費をしなければならぬということのないように、ひとつできるだけつとめてまいるというふうにいまのところ考えております。
  25. 多田省吾

    ○多田省吾君 法案についての質問はあとに回しまして、参議院の通常選挙を前にいたしまして、選挙法改正をいまうわさされているわけです。今週一ぱいぐらいに法案の提出をしないと間に合わないのじゃないかと思いますけれども、いまうわさをされているものは、法定費用の増額の件、あるいは公報の新聞折り込み配布の件、それに在宅投票制度の復活の件、さらに、これは自民党サイドでおっしゃっておられるらしいのですけれども、投票時間延長と平日投票というような問題。大臣はこういった法改正についてどういうお考えで臨んでおられるか、まずお尋ねしておきたい。
  26. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 実は、参議院の選挙もだいぶ時期が切迫をいたしておりまするし、先ほど松本議員から御指摘がございましたような基本的な改正というものは別といたしまして、当面どうしても処理をしなければならない、あるいは処理をする必要があると考えられておりまするものを、いま自治省といたしましてはいろいろな問題について検討をいたしておるわけでございます。  たとえば在宅投票制度というものを、いままでは全くそういった制度はないわけでございますけれども、ぜひこれを創設すべきではないかというような御意見もあり、私どももできるだけ多数の方が選挙権の行使ができるようになるというのは選挙法のたてまえ上当然だということからこの検討もいたしており、ある程度私どもとしては成案に近いものを得るに至っておるということでございますけれども、なお最終的な問題はもう少し実は詰めたいというように考えておるところでございます。  さらにまた、御指摘のございました投票時間の延長の問題につきましても、これは自民党サイドにおきましても、できるだけ選挙というものは多数の方に投票をしていただかなければならぬ、いわゆる投票率を上げるということは、やはりこれは議会制民主制度をますます強めてまいると申しましょうか、そういった趣旨からはきわめて必要なことでございますので、そういった意味での検討というものも加えておることは事実でございます。しかし、この問題につきましては過去におけるいろいろな例等もございまして、そういったものを検討を加えてみますると、たとえば投票日を平日にする、あるいはまた投票時間を若干延長するというようなことが過去において行なわれた例がございますけれども、必ずしも投票率がそう期待したほど高くなっていないというような実例等もございますので、そういった点は、私どもといたしましてはこれをいま実行に移す必要が必ずしもないのではないかというような実は感じを持って検討はいたしておりまするけれども、しかし、投票率がそのことによって上がるということになりまするならば、私どももこれは決して無視のできない考え方ということで、そういったことを含めていま最終段階検討に入っておるというところでございます。
  27. 多田省吾

    ○多田省吾君 法改正考えておられるようでございますけれども、今国会の期限はまあ四月二十七日でございますか、そうしますと今週一ぱいぐらいに法案を提出しないと間に合わないのじゃないかと思いますが、それはどうお考えですか。
  28. 町村金五

    国務大臣町村金五君) その点は、時間的に制約があることは御指摘のとおりでございます。私どもとしては、提案をいたすということになりまするならば、おのずからそういった時間的な制約を十分に検討をいたしておりますので、なるべく早く提案の運びに至らせるようにしたいと、こう考えております。
  29. 多田省吾

    ○多田省吾君 そのうわさをされている改正内容について、いまお考えになっていることを一つ一つちょっとお尋ねしたい。  まず法定費用の増額ですが、参議院全国区の場合、現在八百五十万円ですが、倍の千七百万円以上にしたいというようなお考えがあるようでございますけれども、その点、私は非常にこれは多過ぎるのじゃないかと、そのように思います。選挙に金がかかり過ぎるといわれているときに、昭和四十四年に八百五十万円に改定されたわけですが、五年を待たずして倍以上にするということはちょっと多過ぎるのじゃないか。ですから参議院全国区、地方区、また衆議院の法定費用についてどの程度増額を考えておられるのか。  もう一つは、供託金はやはり参議院全国区、地方区、それから衆議院について増額を考えておられるのか。
  30. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいまお尋ねがございましたが、公職選挙法改正考えておりますのは、一つはこの法律事項として規定されておりますのは、「選挙運動に従事する者に対し支給することができる実費弁償」の額、それから「選挙運動のために使用する労務者に対し支給することができる報酬及び実費弁償の額」、これが法律事項として掲げてあるわけでございます。それの内容を見ますと、御承知のように宿泊費も二千円以内というようなことでございますし、いわゆる人夫賃も千円以内といったようなことでございまして、全体として、いまあまり高くなるのはどうかとおっしゃいましたが、最近の実態から見て非常に低きに過ぎるのではなかろうかという気を持っておるわけでございます。したがいまして、まず法律といたしましてはそこの点を改正をいたしたい。したがいまして宿泊費あたりも倍に、それから人夫賃等も倍に、弁当料あたりも若干上げたいと、こういう考えを持っておるわけでございます。  そうなってまいりますと、全体としてのこの選挙費用の総額がどうなるかということになってくるわけでございます。これは御承知のように政令事項になっておるわけでございますけれども、一応法律改正します場合には、その結果費用制限額にどう響くかということも頭に置いて検討いたしておるわけでございますが、いまのように非常に大きく費用に影響いたします部分が変わるといったようなこともございますし、それ以外の実際上の費用というものもずいぶん高騰いたしておりますので、大体、私どもとしてまだ正確な数ははじいておりませんけれども、二倍程度のものになるのではないか。したがいまして、いま参議院で申しますれば全国区が八百五十万円でございますが、千八百万円前後ぐらいになるのじゃないかといったような感じを持っております。地方区についても、おおむね従来の場合の倍近くになるのじゃないかなというような程度でございまして、まだこまかい積算はこれからでございます。そういうことでいま検討いたしておるところでございます。  それから供託金の額につきましてのお尋ねでございましたが、御承知のように四十四年に公営の政見放送、テレビによる政見放送といったようなことも入りまして、引き上げをいたしたわけでございますが、今回は公営その他選挙制度の仕組みに触れる改正はしないといったようなこともございますので、供託金自体については目下改定をすることは考えていないわけでございます。
  31. 多田省吾

    ○多田省吾君 それから投票時間延長と平日投票の問題でございますが、いま自治大臣は、投票率がアップするものならば考えてもよろしいようなことをおっしゃいました。私は、これははっきり言って自民党の党利党略のお考えじゃないかと思うのです。平日に参議院選挙が行なわれたというのは、現在まで九回行なわれているうち第三回が金曜日、第五回が火曜日、あとは全部日曜なわけですね。第五回の火曜日に至っては五八・七五%と、現在まで最低の投票率になっております。世論調査等によっても、国民の希望は大体ほとんど七、八割まで日曜が望ましいという結果が出ていると思うのです。そのほうが学校なんかを使わせていただくにも、小学生、中学生の方々にも御迷惑がかからないし、それがやはりいままで通例になっていますし、外国なんかでは休日を投票日とすることに法定しているところもあるわけですね。これをウイークデーに戻す理由は、私はちょっと考えられないと思うのです。  それから投票時間につきましても、午前七時から午後六時までの現行投票時間は、明治二十二年から続いている投票時間でございまして、これをわざわざ直す必要はない。昭和三十八年の衆議院選挙のときに、自民、社会、民社の三党でそれを二時間延長した例がありますけれども、残念ながら戦後第三番目に低い結果に終わっているわけです。失敗しているわけですよ。投票率はかえって下がっているような姿ですね。それから現在の午前七時から午後六時までの現行投票時間で、社会生活の実際からいってすでに十分な時間でございますし、かりに六時としても遅刻早退自由となっているわけですから、何も時間延長の必要はないのじゃないか。  それから一律時間延長は、このように地理的に南北に長くて離島の多いわが国では非常に適当ではない。投票箱の送致とか開票事務に支障を来たしまして、また作業に当たる方々も非常にたいへんだし、衆議院選挙に至っては、大体冬に行なわれるのが最近は多いわけです。この石油危機の時代に冬の八時まで投票で、それ以降また開票事務だ。いまは即日開票が多いのですけれども、ますます翌日開票が多くなるとか、いろいろな開票事務にも支障を来たすわけですね。投票立会人の方だって、八時まで寒い中を十三時間もいるというのは非常にきびしいのじゃないかと思います。  こういうことを考えますと、私は参議院選挙衆議院選挙というものは日曜日に、いままでどおり午前七時から午後六時まで、そのほうがよろしいのじゃないか。投票時間についても、一部に時間延長を望む声も確かにあります。しかし自治省調査でも、四十四年の総選挙では時間延長を望む声が七・一%であったものが、四十七年の総選挙には三・〇%と逆に減っていますね。それからこの一律時間延長という問題は、当然いまの法改正なくしてはかってにできないものだと私は思います。離島とか、あるいは雪が降ったとか、そういう一部の選管で延長するのは、それはいまの法律でもできましょうけれども、全国一律時間延長というのは私は法改正をやらなければできないと思います。ですから、私はこういう選挙の重要性にかんがみまして、もし自民党が考えているような二時間時間延長なんていうものをなさるおつもりならば、各政党の全部の合意を得てでなければ私はなすべきではない。いままでの慣例を破ってはならないと、このように思いますが、大臣のお考えをお聞きしたい。
  32. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 先ほどもちょっと触れてお答えを申し上げたところでございまして、要は、投票日を平日にするとかあるいは若干投票時間を延長するということは、投票率を高めることができるかどうかということについての検討課題として問題になっておるわけでございまして、したがって、先ほど私は大体お答えを申し上げたような、いまの段階ではそういう感じを持っておりまするし、いま多田委員指摘になりましたように、もし一律時間延長をするということであれば、これはやはりいまの法の解釈ではちょっと無理かもしれない、むしろ法改正をやらなければならぬということになるのではないかという感じを深くいたしておるわけでございます。したがって、この問題につきましては私ども近く最終の結論を出るようにいたしたいと、こう考えておるところでございます。
  33. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、また法改正をなさろうとうわさされている在宅投票制度についてお聞きしたいのです。  私たち公明党としましても、在宅投票制度の復活を希望しております。身障者の方々の御便宜を考えて、これは当然だと思います。社会党さんにおきましても、四月三日ですか、在宅投票制度の法律案を出しておられるようです。だけれども、公明党や社会党が主張しているのはあくまでも巡回制度なんですね。ところが、どうも政府考えておられるのは、昭和二十七年まで実施していたところの郵送方式の復活らしいんです。  私は、昭和三十七年まで実施されていた郵送制度というものが、なぜこれがなくなったかということを考えますと、非常にやはり違反が多いということです。たとえば在宅投票制度で全員の当選が無効になった広島市議会選挙の例もございまして、これはもうたいへんな問題だと思うのです。  時間もありませんのでまとめて申し上げますと、郵送方式の在宅投票制度の問題点というものがかなりあるわけですね、制度上の欠陥といいますか。二十七年まで実施していた郵送方式の要綱というのは、医師の診断書のある疾病、負傷、妊娠、不具、産じょく等の歩行困難者も許す。それから現存する場所で記載する。代理投票もできる。それから所定の投票用封筒、表面に氏名、年月日、場所を記載して、不在者投票証明書とともに他の適当な封筒に入れて郵送または同居の親族によって提出する、こういうやり方ですね。結局、同居の親族の認定というものが不可能であったために、投票用紙の請求から投票まで、選挙人が知らない間に他人がやってしまったという例もかなりあるわけです。今回も、お聞きするところによりますと、請求とか、あるいは記載とか、封筒の上書きとか、三回ほど本人の自筆ということが必要なんでそういう不正は防げるだろうというお話でございますが、結局本人の筆跡かどうかなんというのを裁判でやるわけにいかないし、これは前のとおり同居の家族だけでも、あるいはまかり間違って他人が最初から終わりまでやってしまったということもこれは考えられるわけですね。  ですから、私たちはこういう在宅投票制度をせっかくなさるのですから、外国でも例があるのですから、巡回制度にして、その数もあとでお聞きしますけれども、そんなたいした数じゃないですから、それでその不正を追放したほうがいいのじゃないか。もし今回も二十七年まで実施したような郵送方式でやってまた失敗した場合、永久に今度は在宅投票制度ができなくなるというおそれもありますので、やはり不正の少ない巡回制度、まあ多少めんどうだと思いますけれども、それは乗りこえて私はやっていただきたい。こういう考えでございますが、大臣のお考えはいかがでございますか。
  34. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 身体障害者等の方々が投票所にみずから行くことができないために選挙権を行使することができない、これを何とか大事な選挙権が行使できるようにしたいものだというのは、これは当然のことでございます。そこで在宅投票制度の問題でございますが、これもいま多田委員が御指摘になりまするように、かつてこれを実行をいたしまして、非常な弊害があってやめたという経緯もあるわけでございますから、これの繰り返しになっては相ならぬということは私どもも重々考えておるところであります。  そこで、いま巡回投票制度というものについての御提案でございます。確かに私は巡回投票制度というものが確実に行なうことができるのならば、少なくとも公正の確保をするという点では、これはたいへんすぐれた一面があるというふうに私ども考えております。しかし現実の問題として、私はとうてい短い選挙期間の間に多数のこう  いう身体障害者等のために巡回制度を実行するということは、ほとんど日本の場合においては不可能に近いのではないかというような感じがいたしておるのでございまして、したがって、これについても十分可能性を確保できるということでございませんと簡単に踏み切るわけにいかないということも、これまたあらためて申し上げるまでもございません。  いずれにいたしましても、選挙権をできるだけ多数の方に行使させなければならないというたてまえと、同時に、選挙というものはあくまでも公正が確保されなければならないという、この二つの要請をいかにして調和してまいるかというところにこの問題のたいへんむずかしいところがあるわけでございまして、いま御指摘もございましたように、われわれとしては、やはり前に起きましたような弊害というものを再度繰り返すということのないような確実な見通しの立ち得る制度に、今度実行するといたしまするならばしなければならぬという立場で、いま最終の案を得たいと検討を急いでおるところでございます。
  35. 多田省吾

    ○多田省吾君 現在の状況で、肢体御不自由の一、二級の障害者の方だけのようなお考えのようでございますが、それに視覚障害、聴覚障害、内部障害等の肢体以外の一、二級障害者の方も含めるお考えがあるのか、あるいは寝たきりでいる老人の方を含めるお考えがあるのか。  その場合、それぞれの全国の大体の投票予定者の人員ですね、どの程度なのか、ちょっとお知らせ願いたいのです。  私どもの調査によりますと、昭和四十五年の十月の全国身体障害者実態調査、厚生省の社会局更正課の発表によりますと、肢体御不自由の一、二級の障害者の方は十二万六千人いらっしゃる。それから視覚障害、聴覚障害、内部障害まで含めますと三十二万四千名いらっしゃる。その他に、いわゆる寝たきり老人の方が大体四十五万人というような数も推定されるのでございますが、それぞれの数と、大体どの方々まで今度の法律改正では含めようとなさるのか。いまの段階でけっこうですから、お伺いしたい。
  36. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 過去の昭和二十六年の統一地方選挙の際のいろいろな実情から考えまして、やはり公正の確保ということが非常にむずかしいわけでございますが、公正の確保ということを十分考えなければならないわけでございますけれども、その際に範囲の問題、一体それに該当するということをどういうふうに認定していくかという問題があろうかと思うのでございます。そういった点で考えてまいりますと、いわば分けてまいりますと、長期的歩行困難者と一時的な歩行困難者と考えられるわけでございますが、私どもとしては範囲については、やはり公正な基準によって認定をされる、一定の方法で公証されるものに限っていくということが非常に必要ではなかろうかという気を持っておるわけでございます。そういった意味で、長期的歩行困難者の中で、特に身体の障害のために投票所にどうしても行けない、そういった方々を相手に考えてみたらどうであろうかというような考えで、いまのところ進んでおるわけでございます。  そうして考えてまいりますと、いま御指摘がございましたが、身体障害者、私どもが厚生省で聞いたところでは約百三十一万人ぐらいおるということでございますけれども、そのうちでいわゆる下肢、体幹の一、二級といったようなところ、それから内臓疾患の一ないし三級、そういった方々は大体十万程度というふうに聞いておるわけでございます。正確な数はつかんでおりませんが、そういうふうに聞いております。  そのほかにいわゆる寝たきり老人が、厚生白書等によりますと三十五万三千ということでございますが、その中で、要するに歩行困難であるという方の数は正確にはつかんでおりません。サンプル等で大体この程度かなというような感じは持っておりますけれども、まだ正確にその中での歩行困難者というものはつかんでないところでございます。ただ、もちろんこの寝たきり老人にいたしましても、内臓疾患等で身体障害者手帳等をもらえる、そういったダブって考えられる方もあるわけでございますので、その方がどれくらいあるかということ、これも不明でございますが、その約三十五万のうちの一割程度は身体障害者手帳をもらえるような資格の方ではないかというようなことを聞いております。しかし、これも実際のところ正確な数字ではございません。  いま申し上げましたようなことでございまして、私どもとしては非常にその対象者の範囲はかたく考えていきたいと思っておるものでございますから、身障者十万程度と、それに、いまもらってない方でも身障者手帳をもらうという方が幾らか出てくると思いますが、そういった方、あるいは戦傷病者で戦傷病者手帳を持っておって歩行困難な方、そういった方々を対象にいまのところ考えておるわけでございます。
  37. 多田省吾

    ○多田省吾君 いま第一段階考えておられる十数万の方をまず対象にしたいとおっしゃいますけれども、そうしますと結局、人口の中で〇・一%ですね、一億八百万の中で十数万ということですから。  衆議院では土屋部長は、巡回制度の在宅投票の場合は、一日十五軒をちょっと回る程度というようなことを世田谷区なんかを例に引いておっしゃっておりますが、世田谷区では、これは東京の区としては一番大きな区でございますけれども、たしか八百五十何名ぐらいだと思いますが、大体二十日間回るわけですね。そうしますと、何人かでやればこの程度なら巡回制度できるのじゃないか。あるいは車なんかも使用すれば一日五十軒ぐらいは一人で回ることも可能じゃないか。回って歩くだけですからね。こういうことを考えられますけれども、どうですか、郵送方式がほんとうに絶対不正がないようにできるという御確信があれば別ですけれども、私は昭和二十六年までやった体験で、非常にこれは危険だ。今後、もう一回禁止されたら永久にその機会を失うのじゃないかということをおそれますから申し上げるのですが、巡回方式はできませんか。
  38. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 私ども制度を考えます場合は、全国的にいろいろなレアケースその他も含めて、その法律が全体としてカバーできるといったような的確なものでなければならないという考えをまず持っておるわけでございます。  そういった意味で、先ほどからお話のございました過去のいろいろな例に照らして、公正を確保するという方向で考えていけば、確かにただいま御指摘がございましたような巡回投票制度というものも一つ考え方であろうと、その点は認識をいたしておるわけでございます。しかしながら、たとえば世田谷区の例でいまお話があったわけでございますけれども、私ども、この点は世田谷の実際に事務担当をしておる方々ともいろいろ話もしてみたわけでございます。世田谷のように七十万以上の人口を持っておるところ、たとえば大田区あたりでもそうでございますが、ここでも身障者が約八百人をこえておるのじゃなかろうかと思いますけれども、そういったところで考えます場合に、たとえば衆議院の場合、参議院の場合、いろいろございますけれども、区会議員の場合についてもこれはやらぬわけにはまいらない。  そうなってまいりますと、たとえば十日間の運動期間があるわけでございますけれども、投票日あるいはその前日というものは、これはもちろんそういうことはなかなか手をさきにくい。それから告示日とその翌日の受付の間も、これはなかなか回れない。だんだんそういうことを考えてみますと、実際上あれこれと選挙事務の忙しい中で実際に巡回できるということになりますと、非常に日数も限られてくるであろう。そういったケースも考えなければならない。  そうなってまいりますと、いまのような都会の中で、実際に車で回るにいたしましても相当混雑もございますし、なかなか一日にたくさんこなすというわけにもまいらないということでございまして、かなりな人数を必要とするということになってくるわけでございます。しかも、なおかつ、そういう回ります場合は一応管理人と立会人といったようなものも準備しなければならない。最低三人以上でなければいけないということになってまいりましょうし、そうなってまいりますと、そういうことに従事する方はある程度専門的な知識がなければなかなかやりにくい、実際に仕事をこなしにくいということになってくるのじゃなかろうかと思っておるわけでございます。  たとえばいまの世田谷区について申しますと、私はこれも気になって聞いてみたわけでございますけれども、実際の選挙の際の専従が二十三人ぐらいだ、うち七人は支所のほうへ出て、不在者投票その他のことをやっておる。そうなってまいりますと非常に実際の専従者というのは少なくなるし、併任して各部局から加勢をしてもらうものも十人程度だといったような話でございます。そうなってくると、なかなか専門的にそういうことで回っていただくという方を得るということがむずかしい。民間の方でも頼むということにいたしましても、一体どういう人なのか、専門的知識もない方でも困るし、またどういった立場の人であるか、これも心配でございます。それからなお、さらに考えてまいりますと、回る途中でたとえば事故があったというようなことで選挙人の家に行けなかったというようなこと等、一体どうなってくるのだろうかというような心配等をあるわけでございます。  そういった点が大都市にはございますし、さらにまた離島あたりが日本の場合非常にたくさんございます。多くの部落をかかえ、あるいは船で往復何時間というようなところもございますし、そういうところにも実際上身体障害者等歩行困難な方がおられる、そういうこともございます。あるいは山間僻地等でもそういうことが起こるわけでございますが、そういう人の扱いということも考えなければならない。そういう離島あたりで荒天のために船が動かない、あるいは豪雪のためになかなか回り切れないといったようなときの免責規定なんていうものは一体どう考えたらいいのだろうかと、いろいろなことを私ども考えまして、なかなか画一的な制度として巡回制度というものはとりにくいのじゃなかろうかというような感じがするわけでございます。  先ほどお話がございましたが、私どもが調べた点では、外国でも巡回投票制度というものはないようでございます。やはり他人の居宅へ入り込むといったようなこと等も、いろいろ外国としては個人主義的な国でございますから、問題があるのではなかろうかということも考えたりしておるわけでございます。もちろん郵便による投票制度というものは外国にもいろいろあるわけでございます。  そういうことで、私どもとしてはあれこれ考えた末に、なかなか巡回制度では十分ではないのじゃないかということを考えまして、そうなるとやはり郵便投票制度だということになってくるわけでございます。  しかしながら、これとても絶対に他人が関与しないとはどうも言い切れないという面は、御指摘のとおりあるだろうという気がいたします。しかしながら、先ほど申しましたように、範囲を非常な公正な基準によって認定されるところに限定をするということにいたしまして、事前にそういった在宅投票ができる人であるという在投証明を交付をする、あるいは従来失敗いたしましたような代理人請求は認めないというようなことにいたしまして、本人に直接郵送をして投票用紙も交付し、本人が自書によって投票所に送るといったようなことを考え、それからその際に、本人の意思に基づいてみずからその投票をした旨の宣誓をさせるとかいったようなこと等考えまして、問題が起こった場合の証拠もはっきり残しておく。そういうようなことも考え、さらには自宅でやるわけでございますから、公正を確保する意味でいろいろ問題があるかもしれません。そういった意味で投票干渉罪といったようなこと等もあるいは考えていいのじゃなかろうかといったようなことも考えておるわけでございまして、いろいろこういうことを考えて、必ずしも完全ではあるとは言いにくいと思いますけれども、一歩前進して確実なところから進んでみたらどうであろうかというような考えを持っておるわけでございます。
  39. 多田省吾

    ○多田省吾君 その場合に、衆議院審議によりますと、もしそういう郵便方式による在宅投票制度を今度の国会でつくったとしても、六月の通常選挙には間に合わないのじゃないかというような御答弁があったそうでございますが、これは間に合わせられないのですか。
  40. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) できるだけ法律をつくった以上は早く適用することが適当であると私ども思うわけでございますけれども、たとえば先ほども申し上げました身体障害者の方々について考えてみましても、現在私どもが厚生省あたりで調べてみますと、手帳をもらっておる方は対象者のうちで約五八%程度であるそうでございます。そういったことでもございますので、そういった方々に手帳を早くもらってくれといったようなPR期間というものも十分必要でございましょうし、またそういう方々が、先ほど申しましたようにあらかじめ在宅投票ができるという意味での証明書をもらうといったようなことになりますと、そういうもののための手続というものもかかるわけでございます。いろいろと選管の準備等もかかるわけでございます。そういったこと等を考えますと、この法案がいつ出され、いつ通るかわかりませんけれども、参議院の通常選挙との関連で考えてみますと、十分に準備ができかねるということもございますので、ある一定の期間をおいた後でなければ適用しにくいのではなかろうかと、そういうふうに考えておるわけでございます。
  41. 多田省吾

    ○多田省吾君 これは希望でございますが、いま部長がいろいろおあげになった巡回方式に対する難点でございますが、これはおもに選管が反対しているのじゃないか。安易な管理だけを希望して、そういうむずかしいものはやりたくないというお考えであれば、幾らでも難点はつくれるわけでありまして、それを乗り越えてやはり私は巡回制度をやれる範囲で考えていただきたいし、また、先ほど部長は地方選挙の場合にとおっしゃいましたが、まず、さしあたり国会選挙だけでも巡回制度を適用したほうがいいのじゃないか。もう少し考えていただきたい。このように思いますし、郵送方式の場合は、これは不正がないように十分にお考えいただきたい。また、なるべく早くこの在宅投票については実行していただきたいと、このように思うわけでございます。  ただ、いま部長がおっしゃった中にも、この在宅投票制度でできる方と、ちょっとはずれてできない方は非常に差がわずかでございます。そうなりますと、やはり私はいまの投票所の問題、二階、三階、四階、五階というところに投票所があるという場合が最近多くなっています。車いすでもなかなかのぼれないという場合もありますから、私はなるべく投票所は一階にしてもらいたいし、何階かの場合も、そういう歩行不自由な方もきちっと投票できるように配慮していただきたい、このように思いますが、これはいかがでしょう。
  42. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 身体の不自由な方々のために便宜をはかるということは、これは当然必要なことだと思うのでございます。私どもも現在、二階に設置された投票所というものの数を全国的にはつまびらかにはしておりません。ただ東京都あたりに聞いてみたわけでございますけれども、やはり区におきまして約九%くらいはあるようでございます。しかしながら、こういった状態は決して好ましいことではないと思うわけでございまして、できますならば、いま御指摘のございましたように、二階でない一階に、投票しやすいところへ持っていきたいというふうに考えてもおるわけでございます。また、そういうふうにも指導もいたしたいと思っております。ただ、つくるのはこれは市区町村でございますが、こういうところも、いろいろの施設をできるだけ便利なのを使おうと思いながらも、いろいろな周囲の情勢その他でやむを得ずそうしておることもあろうかと、思います。しかし、御趣旨はごもっともだと思いますので、そういった方向にいくように私どもとしても努力をいたしたいと思います。
  43. 多田省吾

    ○多田省吾君 次に、政治資金規正の問題でお尋ねしたいのですが、先ほど松本委員から強くこの政治資金規正の必要性が述べられました。私は昭和四十二年春の第五次選挙制度審議会答申というものは、緊急に措置すべき事項として答申されたわけでございますし、また、その当時の佐藤総理もはっきり車の両輪ではなくて、選挙制度と関係なしに、この政治不信の折から政治資金の規正だけはきちっと、骨抜きじゃなくてそのまま通したい、こういうことをおっしゃっていたわけでございますが、ところが、実際出てきたものは骨抜きだったわけです。骨抜きでない制度というのは二、三回、社会、公明、民社三党案として出している、あれが第五次選挙制度審議会答申案をそのままにつくった法律案なわけですよね。あれをきちっとやれば問題ないわけですよ。あれをほんとうは昭和四十二年あたりに通しておれば、五年後においては政治献金は個人に限るということになるわけですから、いまさらこんな論議は行なわれる必要がなかったわけです。すべて私はこれは政府の怠慢であり、自民党の党利党略によってできなかったことだと、このように断ぜざるを得ません。  自民党の方々の中には、寄付の制限は正しい政治活動の抑圧だとか、あるいは自発的な浄財の拠出に規制はできないとか、寄付するからには、法人、個人に分けるのは同じ社会単位を区別することになり誤りであるとか、企業にも政治活動を援助するため基金を拠出する権利があるとか、そういったことを言い続けて改革を避けてきたわけですが、これは私はすべて誤りである、このように思います。  具体的にお尋ねしたいのですけれども、朝日新聞等によりますと、公益法人国民協会の月額会費の大幅増額割当が去年なされた。それで増額幅が平均でも四・一倍、最高は六十倍になっておるわけです。金額では新日鉄の月額八百万円、ですから年には九千六百万円ですか、ほぼ一億、これが最高になっております。国民協会の法人月額会費は千円、五千円、一万円、五万円、十万円の五段階ありますけれども、これによりますと、新日鉄は最高額を八十口割り当てられたことになります。また会費の総額は三十三億にしかならないわけですから、その他は寄付ということになるのでありましょうけれども国民協会が四十八年中に集めたという百八十二億円は、全額この会費収入ということになっておるわけです。これは国民協会機関紙の「国民協会」四十九年二月一日号にはっきり出ております。  そこで自治大臣の見解をお伺いしたいわけでありますが、第一に、この現状で自発的な浄財の拠出といえるかどうか。第二番目は、政治資金規正法は五条二項で「会費」と「寄附」とを区別しておりますけれども、実際に一万円から八百万円もの開きのあるものが会費といえるのかどうか。会費何口なんというものが会費といえるのかどうかですね。それから国民協会は政治資金規正法届け出政治団体でありますけれども、このことについて規正法三十一条の「報告」「資料」の提出請求を指示するお考えはないか。この三点をまずお尋ねしたい。
  44. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいま具体的に国民協会の政治資金についてのお話があったわけでございますけれども、私どものところでは、これは事務的でたいへん恐縮でございますけれども、まだ四十八年中の収支そのものが報告がほとんどまとまっていない段階でございますので、いまの点の中身については私どもも十分承知していないわけでございます。  第一点の自発的な浄財かどうかといった点につきましては、これはちょっと事務的な問題ではございませんので、私からは差し控えたいと思いますが、二番目の、いろいろとこの会費そのものに幅がある、そういったものが一体会費として考えていいのかというお話でございますが、会費というのは、当該政治団体等を構成しておる者が一つの義務的な、その構成員として当然負うべき義務的な経費として負担するものでございますから、それは定款なりあるいは規約等でいろいろ定め方があるのだろうと思います。私、そのものは十分存じておりませんので、それを見た上でないと正確には申せませんけれども、一応会費として処理されておるということでございますれば、それはその会員の責任の度合いなりあるいはその会との関連においてあらかじめ定められたものを出しておるものであろう、したがって会費というかっこうで納めておるのだろうという気がするわけでございます。  それから第三点の、政治資金の収支についての報告、資料の問題でございますけれども、もちろん政治資金の収支の公開の徹底化をはかっていくということは当然のことでございます。その実施については異論がないわけでございますけれどもお尋ねの点につきましては、現行政治資金規正法によりますと、自治大臣が指揮監督権を行使できますのは「この法律執行に関し、必要があると認めるとき」とされておるわけでございまして、したがって収支報告書の受理、その要旨の公表等に関連した場合、たとえば収支報告書の数字の集計の誤りとかどうとかいったようなことに限られておるというふうに解せざるを得ないわけでございまして、会費については事こまかな内容についての報告も求めておりません。法自体がそうなっておりますので、その内容等についての報告や資料の提出をこの条文によって求めることは、なかなかむずかしいのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  45. 町村金五

    国務大臣町村金五君) ただいまいろいろな角度からの御指摘でございましたが、現在日本の企業あるいは会社といったようなものが、自由民主党に相当巨額の会費あるいは寄付金を拠出いたしておることは、これはすでに明らかになっておるところでございます。これがはたして一体自主的に当該企業が納める浄財であるかどうかといったようなことにもいまお触れになったのでございますが、この点は私、佐藤首相なりあるいは田中総理がいつもこういった問題について答えられておる事柄と、私も全く実は同様の考え方をいたしておるのでございまして、今日、日本の自由民主主義制度というものを守っていかなければならぬというような考えの企業なり会社というものも相当に存在をいたしておることは事実でございまして、そういう方々がやはり金銭的に、そういった考えを持ち、そういった立場に立つ政党に対して支援をするという意味で、自発的な会費なりあるいは寄付金の拠出が行なわれておるというふうに私ども考えておる次第でございまして、したがって、こういった会社なり企業なりからの一切の寄付金あるいは会費というものを禁止すべきだという御所見も、確かに一部にあることは私ども承知をいたしておりますけれども、それは私どもはにわかに御賛成申し上げるというわけにはまいりかねるという考えの立場に立っておるということをひとつお答えを申し上げておきたいのであります。
  46. 多田省吾

    ○多田省吾君 先ほど土屋部長が、定款にどうあるか、あるいは四十八年の下半期のものがまだ発表されていないということをおっしゃいましたけれども、四十八年の上半期のものはすでに出ているわけです。私は四十九年の二月一日の国民協会の機関紙にのっとって百八十二億円ということを申し上げているわけでございまして、これは誤りはないのじゃないかと思います。  四十八年の上半期を見ましても、やはり会費金額というものが何百万円というところがあるわけですよ、何十万円、何百万円。ところが、国民協会の法人月額会費というものは、千円、五千円、一万円、五万円、十万円の五段階でございまして、最高の十万円を考えましても、それ以上は全部何口ということでやっているということになりますと、これは無尽蔵に、たとえば何億円出そうと何百口だ何千口だということになれば、そんな何口などというのは意味がなくなってしまうので、そういうものも会費として私は取れるのかどうか、非常に疑わしい。ですから私は、こういう実態があるのですから、一般論としまして、八十口とか百口というものがはたして政治資金規正法における会費の名に値するものかどうか、それをお尋ねしたい。
  47. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 会費というものが、一口そのものが会費であるのか、そしてそれを何口もやるというからそれは会費でないということになるのか、ちょっと私も国民協会の規約そのものを詳しく見ておりませんので、よくわからないわけでございます。ただ全体として、一つのそれぞれの会員の会費の取り方として、単位として何口かをとっておって、そしてその会員の状態に応じてある程度の額をきめる、その一つのきめ方としてあるいは何口とされているのかどうなのか。それは私どもの法規には、会費がこういうかっこうで何口というかっこうでの届け出もございませんので、どうもちょっとその点はっきりしないわけでございまして、明確にお答えしかねるわけでございます。一応私どものほうには、そういう何かの基準できめられた会費というものを国民協会に出された、そういうものが会費として届けてきているというわけでございますので、いまの内容について、はたしてその一口が会費であって、それが幾つもあるのはそうでないというようなことについてどうかということについては、明確にどうも申し上げかねるわけでございます。
  48. 多田省吾

    ○多田省吾君 そうなりますと、いまの政治資金規正法は結局ざる法であるということをはっきり選挙部長が認めておられるということになりますね。だからこそ改正しなければならないのでございますが、しかし、いまのような解釈で、定款さえ整っておればもうどんな巨大な金額でも会費なんだとか、あるいは一口に何万円とあっても、何十口となってもこれは会費と見れば見れるのだという、そういうような解釈だったらこれは骨抜きだと思う。  私はそういうはっきりしないものは、現政治資金規正法でも、先ほど申し上げましたようにきちっと報告を求める権利が自治省なり選管なりにあるのですから、疑わしいものはきちっと、どうなっているのかということは報告を求めたほうがよろしいのじゃないか、このように思いますけれども大臣はどのようにお考えですか。
  49. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいま重ねてのお尋ねでございまして、確かに政治資金につきましては、収支の公開の徹底化をはかるというかっこうで明らかにするという必要があると、私も当然思うのでございます。ただ、現行政治資金規正法では、「この法律の施行に関し必要があると認めるとき」ということに三十一条では規定をされているわけでございますので、この三十一条の規定に基づいて要求ができますのは、収支報告書に関連した数字の集計等の誤りとかどうとか、それに関連したものに限られているというふうに解せられるわけでございまして、会費の一々の中身までについては、この法律自体が会費の個々の中身を報告するようになっておりませんので、それの中身についてまで資料の提出を求めることは、ちょっとむずかしいのではないかというふうに考えている次第でございます。
  50. 町村金五

    国務大臣町村金五君) これはいま選挙部長お答えを申し上げたようなことを繰り返すようなことになるかと思いますけれども、御承知のように現在の政治資金規正法のたてまえとしては、収支を公開をさせるという原則を通じまして、政党の活動というものが国民の監視と批判を受けるというところに政治資金規正法の基本的なたてまえがある。したがいまして、いま御指摘がございましたように、会費を比較的少額にして、それを何口というようなことが、現在の国民協会等の規約でどうなっておるかということがいま明らかではございませんけれども、いずれにいたしましても、そういった総額が収支公開の原則によって国民の監視と批判を受けるということでございますので、その点においていまの政治資金規正のたてまえというものが貫かれているのではないかと、こう私は考えておるところでございます。
  51. 多田省吾

    ○多田省吾君 私先ほどから申し上げているように、会費として計算しますと総額三十三億しかならないのに、百八十二億全部が会費だと。これは何口でも会費と認めるというようなやり方は、社会通念に反するし、政治資金規正法の法の精神にも絶対反するのじゃないか。そういうことはやはり私は三十一条による報告、資料の提出請求を指示することはできるんだと、このように思います。そのことについては水かけ論になりますから、これでやめます。  時間がありませんから、最後にこの法案についてお尋ねをしたいのですが、この執行経費につきましては、いつも地方公共団体の超過負担が非常に問題になっておりますので、ほんとうに積算内容あるいは積算基準に問題はないのかどうかですね。たとえば投票所経費で、区で五百人未満の平日の場合、二万四千三百十三円から三万三千九百九十八円にアップになっておりますけれども、その積算内容は、簡単でけっこうですが、どのようになっているのか。あるいは投票所に人夫が必要ですかどうか。それから食料費が一人二十円で足りるのかどうか。  それから最後に、現在、区、市、町村の三段階に分かれておりますが、たとえば東京都の三鷹市のように、行政区の区よりも都市化している市町村がありますけれども、この辺はどう考えるのか。また、その他超過勤務手当は、他の課からの応援に対しては完全に支給しておりますが、本来の選管の職員には完全に支給されていない。また、事務員については前後五日間認められておりますが、実際は十日も二十日も前から準備にかかっている。前後五日間をもっと延ばしてほしいという要望も強くありますけれども、こういったことを抜本的に考え直す必要がないのかどうか。まとめてひとつ答弁していただきたいと思います。
  52. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 先ほどもお答えをいたしましたが、国の選挙に要する経費でございますから、当然、必要額を国が負担すべきものでございまして、お示しのとおり超過負担を生じさせてはならないというふうに考えておるわけでございます。  最近の給与賃金物価等の実態に応じまして、今回基準額を適正に改正しようというふうに考えておるわけでございますが、御指摘投票所経費につきまして、区部であって五百人未満の平日の例でございますが、御承知のとおりその基準額は、当初に補足説明で申し上げましたように、投票管理者投票立会人費用弁償職員超過勤務手当人夫賃その他の運営経費を基礎に積算をしておるわけでございまして、それはそれぞれ中身を引き上げたことは先ほどお示ししたとおりでございます。  簡単に申し上げますと、投票管理者費用を、一人でございますが、二千五百円から三千四百円に引き上げた。それから立会人を大体三人程度見ておりますが、これも二千円から二千七百円に引き上げる。それから超過勤務手当につきましても、そこで見込まれておる六人の職員分について、先ほど当初に御説明申し上げたような形で引き上げるというようなことにいたしておるわけでございまして、人夫賃についても、いわゆるアルバイト費でございますが、千百四十円から千九百円に引き上げるというふうにいたしておるわけでございます。そのほか、旅費とか通信費とか薪炭費といったようなこと等につきましても、それぞれ従来の額に改定を加えて適正なものにしようとして、先ほどお示しのような額に引き上げた次第でございます。  それから、それぞれの中身についていろいろただいま御指摘があったわけでございますが、たとえば人夫賃と申しましても、単純労務等につきましては、職員を使うよりもアルバイトを使うほうが、仕事の内容も別に支障もないし、安上がりであるというようなこともございます。そういったこともございますので、一応この人夫賃というものも見ておるわけでございます。  それから食料費の御指摘もございましたが、これも湯茶料等に過ぎないわけでございます。しかしながら、二十円でよいかどうか、あるいは御指摘のように少ないような感じもいたすわけでございますが、一応のこれは基準でございまして、全体のワクの中でまかなうということは、さして困難ではないだろうというような感じがするわけでございます。いずれにいたしましても、基準であるからといっても、常に合理化をはかって実態に合うように努力する必要があるというふうに私ども考えておるわけでございます。  それから次にお尋ねの、超過勤務手当とか人夫賃あるいはポスター掲示場等の積算単価を、区、市、町村の三段階に分けていることは事実でございますが、これはむしろ私どもとしては一本画一的な形で積算をするということではなくて、たとえば給与にいたしましても、実態調査に基づいて、より実態に即したものにしようということで基準額を計算をいたした次第でございます。ただ、確かに同じ市であってもそれぞれ実情は異なっておりますし、一律にはいくまいというような感じもいたします。  いま御指摘の三鷹市の例でございましたか、都に非常に近接した市と地方都市とでは事情が異なるということも、現実にはあろうかと思うのでございます。それは、その給与実態等をもとにして、市全体として私どもとしてはとらえておるということでございます。また事務費にいたしましても、一応公示日あるいは告示日と選挙期日の前後、五日間の超勤手当というものを見ておるわけでございますが、これも日により職員によって実態はいろいろな形態があろうかと思うのでございます。なかなか一律には律しきれないという点があろうかと思います。基準法として一応の基準を定めます限りは、個々の実態にそのままマッチするということはなかなかしにくいわけでございますので、実際の実行にあたっては、総体のワクの中で運営をはかってもらうほかにはないというふうに考えるわけでございます。その点につきましては、従来からおおむね全体的に執行できるように措置をしてきたつもりでございます。  一昨年の総選挙のあとも、私どもいろいろな府県、市町村につきまして実態調査もしたわけでございますが、大体のところはこの交付額で済んでおるように思います。超過しておるといっても一部のものでございますが、それも当該団体が負担すべき備品とか電話料とか、そういったものも含まれておるとかということで、必ずしも私どもと、超過しておるか超過していないかという点でなかなか意見が合わない点もあるわけでございます。特に大都市地域でいろいろと問題があるようでございますけれども、その主張されておる超過というものが、どうも私ども考えでは、全部が全部超過負担であるようには思えない面もございます。その点は、全部が全部ではないということを言っておられるところもあるわけでございますけれども、なお、それじゃどの点がどうなっておるか、はたしてその執行が適正なものであるのか、もっとくふうをしたらうまくいくのじゃないかといったようなこと等については、よく今後ともそういった団体等と相談をいたしまして、実態も調べた上で、私ども今後とも最初に仰せになりました超過負担等生じないように善処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  53. 橘直治

    委員長橘直治君) 本案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時半に再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十九分休憩      —————・—————    午後一時三十九分開会
  54. 橘直治

    委員長橘直治君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  55. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 午前中の本改正提案説明の中で、「現行基準が、実情に即さないものになりましたので、今回これに所要の改定を加えようとするものであります。すなわち、最近における公務員給与改定賃金及び物価変動等にかんがみまして、執行経費基準改正し、もって国会議員選挙等執行に遺憾のないようにしたいと存じます」という大臣の御説明がございました。  私は、今改正案における単価改正額が、たとえばごく最近の物価高、石油危機に伴う異常な経済変化等をばその算定の中に含めておられなかったものでないかと、こう思うのです。俗な一つを取り上げましても、たとえば人夫賃などの取り扱い方ですが、現行千百四十円、それが改正案では区で千九百円に引き上げられているといいますが、これとて、いろいろ実情御存じだと思いますが、今日二千五、六百円が人夫の一日の相場だと思います。そういうような一事から見ましても明らかなように、この改正案では超過負担を解消するということにはならないのではないかと、こう思うのですが、自治省の改正案の提案に踏み切られたお考えについて、ひとつ伺いたいと思います。
  56. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 私どもといたしましては、選挙執行につきまして、地方団体に負担をかけないということでできるだけ努力をいたしたつもりでございます。そういった意味では、確かにいま御指摘がございましたように、予算案の準備というものは昨年のうちにやるのであろうというようなこともございます。したがって、私どもとしても予算案を出したあとで、十二月現在でまたいろいろと数値も変えまして、実態に応じ、またその当時行なわれた衆議院の補欠選挙とかあるいは参議院の補欠選挙等の実態等も勘案いたしまして、できるだけ実情に近づけたいということで、数を整理をして予算案として出しておるわけでございます。  しかし、その後もずっと参議院選の間には物価が上がるかもしらぬといったような御指摘も確かにあるわけでございますけれども、たとえば非常に心配されておりました公報用紙代、紙代あるいは木材といったものにつきましては、私ども通常物価指数の伸びとかそういうことによらないで、とにかく私どもが知り得る実態を把握をいたしまして、それに基づいて実勢単価をきめようというかっこうで予算折衝もいたしておるわけでございます。  それから一つ人夫賃についてのお尋ねもあったわけでございますけれども、この点についても、確かに現行法の単価というものは、これはもう低きに過ぎるであろうということはわかるわけでございますが、この点については国の四十六年度単価から四十九年度単価までの伸びを、六七%でございますが、大体それを勘案をいたしまして、そして区、市、町村の実態に応じまして、民間の賃金の状況、そういったものを見てこういった形できめたわけでございまして、たいへん失礼な話かもしれませんが、私どものところでもアルバイトを雇っておりますけれども、千九百円あれば現に雇っておるような状況でございます。ただ、おっしゃいましたように実情はいろいろでございますから、二千円あるいは二千五百円、あるいはもっと出しておられるところもあるかもしれません。しかし、こういった公の仕事をする場合、できるだけ各市町村もくふうをこらして、なるべくやれる範囲でやってもらいたいというつもりでおるわけでございますし、いろいろ私ども前の選挙等についての実態を見ましても、非常にばらつきがございます。いろいろそれぞれの団体のくふうによってはかなり活用できるものだろうと思っておるわけでございます。  それにいたしましても、総体論として、そういった状況では今度の通常選挙の際どうかと、そしてまた、この法律通常選挙のあとにくるいろいろな選挙についても適用されるわけでございますから、やはりそのつど、その段階におきましては、先生のおっしゃったような問題が出てくるだろうと思います。そういった点については、さしあたって私ども通常選挙については、先ほど申し上げましたようにこれが基準でございますから、総体の中でゆとりを持っておるものもございますし、いろいろ彼此流用いたしまして全体としてカバーできるであろうというような考えを持っております。ただ、もっと先になって非常に上がってきたというような場合は、これはあるいは調整費で見るのかどうかわかりませんが、いろいろ予算上検討しなければならぬ問題は生じてくるであろうというふうに考えております。
  57. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 私たちは来たるべき六月の参議院選挙について深い関心を持っています。また通常選挙のたびごとに、地方自治体から超過負担の問題についていろいろと事こまかな陳情があることは、私のみならず、自治省の選挙関係者にあってはもう従来から万々御承知のはずだと思うのです。そういう点につきまして、この改正案の骨子となった、たとえば人件費及び執行に要する管理費その他の基準改正というものは、いまお話がございましたが、大体八月ごろから始まった十一月ごろまでの本年度の予算編成のときに実態をにぎられたものだと。なお、いま十二月の異常な経済情勢の変化等十分考案してというお話がございました。あなたの衆議院答弁を見ましても、遺漏なきを期したという点については御説明があったことも伺ってはおります。しかし、最近の諸物価の高騰というもの、特に公務員給与改定等に伴いまして、異常なこれが値上がりを来たしているということは、もう私からこまごましたことを指摘しようとは思いません。  そこで私は、この超過負担の実態だけとらえましても、全国的に早急に再調査する必要があるのでないかと、こう思います。衆議院の附帯決議にもその旨があったと思います。私はこういうような点から、この執行経費基準についてもっと実態に即した適正化の御努力をなさるべきだと思いますが、選挙執行前に全国的な超過負担の実態調査ということに踏み切られる意思がおありなのかどうか、ひとつ伺いたいと思います。
  58. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) こういった基準どいうものができるだけ実態とマッチするように私どもも努力しなければならないということで、従来からやってきたところでございますけれども、実際の選挙にあたってはいろいろな声も聞かれます。そこで私どもは、四十七年の衆議院議員の総選挙における執行の実態を、抽出調査でございますけれども都道府県四十二カ所、それから指定都市二カ所、区で三カ所、市で八十カ所、町村で四十一カ所と、この程度の団体につきましていろいろ実態の調査をしてみたわけでございます。その結果ある程度の、相当なものは大体この基準でいけたなというふうに考えております。もちろんそれは調整費等も加えての話でございますけれども、大体われわれが考えておった基準でいけたというふうに見ておるわけでございます。  ただ、必ずしも十分それで足りていないところもあるわけでございますけれども、それについては、たとえば当該団体が当然負担すべき経費等が含まれておるといったような例もございますし、特に大都市あたりにつきまして、東京の区部あたりにつきましてはかなり大きな超過負担が出ておるんだと、こういう御意見もございます。ただ私ども、それについてもいろいろと直接当たって調べたところが、全部が全部どうも超過負担とは思えないという面もあるし、なお、ほかと比べてくふうをすればかなりうまくいくのじゃないかといったような点も感じられるわけでございます。しかしながら、それだけでは足りませんので、私どももなおさらにそういった点については実態を調査をいたしまして、この基準法自体が今後よくなるように努力をいたしたいと考えております。  したがいまして、全体についてこの参議院選挙の前にすぐ実情を調査するというわけにはまいりませんが、この前の選挙等において問題となったような、特に問題の多いようなところについては私どもとしても問題の存するところをよく解明をしてみたい、かように考えておる次第でございます。
  59. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 四十二カ所の地方府県、また指定都市についても数カ所調査したということですが、必ずしもその結果云々ということばがありました。私はこまかい数字を申し上げる準備もございませんが、たとえば大都市と地方都市との物価の相違ですね、これは私から申し上げるまでもなく、非常な格差のあることはもう御承知いただけると思う。こういうことは十分にお含みいただきたいということを申し上げますとともに、早急にひとついま御意見があったように全国的な調査を、いまできなくとも、参議院選が施行されましていろいろなことがおわかりになると思うので、参議院選挙後に全国的な調査を行なって、これを選挙後の国会に私は報告さるべきだと思いますが、いかがでしょう。できますか。
  60. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 調査と申します場合に、私どもとしても一応交付額と向こうの執行額は幾らという形での資料をとったりしまして、そういう形での調査ということは、これは全国的にもできないことではございません。  ただ、先ほども申し上げましたように、実際に執行したもので見れば、それぞれの団体の結果がただ単に出ておるだけでございまして、その中身までよく洗って、こういう形でなら超過は出ないんだとかどうとかといったような形での実態に即した調査をいたしますためには、全国全部やるということはなかなか私ども少ない職員でできかねるわけでございます。そういったことでは、あるいは市町村については府県のほうにお願いをするということもございましょうし、いろいろなやり方はあろうかと思いますけれども、なるべくその実態が解明できるような方法検討いたしてみたいと思っております。
  61. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 参議院選挙というものが行なわれるのですから、その結果、私はいろいろ超過負担等の問題について、地方自治体に国から委託された選挙の仕事というもの、これに要する経費というものは、いまの物価変動から見まして、相当な超過負担というような実態が起こってくると思うのです。この調査をされるとともに、その結果超過負担がいまあなたのお話にあるように招来したならば、私は通常選挙の大体三年目ぐらいの期間において基準改正が行なわれているというふうに聞いておりますが、参議院選挙の行なわれた後、実情に即しまして、その次の国会といいますか選挙後の国会において、超過負担の問題については改正案をば国会に提出すべきだと思うのですが、そうお考えになっておられますかどうか、伺いたいと思います。
  62. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 従来のやり方は、ただいま御指摘がございましたように三年ごとに、通常選挙がある前にやっておるというのが例でございます。たとえば、その間に国会議員選挙といたしましては衆議院選挙もあるわけでございますけれども、これはいつあるのか、もちろん当初から見込みが立つものではございません。突然やってくる場合もございましょう。そういった場合には、調整費等で十分そのときの物価等の状況等に応じて措置をするといったようなことを繰り返してきておりました。ただ、最近のこういった物価の推移等から見て、三年というのではちょっと長くなり過ぎる、やはり一年たってもある程度手直しをする必要が出るのであれば、そのつど法律を出したらどうかというようなお考えでございますが、これは私どもとして、経済の推移その他を実際上見なければ直ちには申し上げかねますけれども、非常に物価の趨勢等が変わる、あるいは賃金なり給与ベースが大きく変わるといったような状況がございましたら、それはやっぱりその実態に応じて、法律改正するかどうかということを検討しなければならないということもあるであろうというふうに考えております。
  63. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 超過負担のことにつきましては十分な考慮を、また、これが生じないように御努力をしていただくように自治省関係、大臣はじめ全部に要望しておきます。  次いで、午前中も多田委員からお尋ねがございました身障者の在宅投票制度のことについて簡潔にひとつお尋ねしたいのですが、身障者の投票実態が最近どうなっているかということ、ごく最近の実態でけっこうです。それからその棄権率はどのくらいか、わかれば知らせていただきたいと思います。  自治省がこのことを含めて公選法の改正準備しておられるということを聞くのですが、それが今国会に間に合わないということについては、午前中に御説明ありましたことで私は了としますが、その法案の作成に手をつけておられるとしたら、なぜ手間どっておられるのかという点がどうも理解しにくいのですが、その理由がありましたらひとつ聞かせてもらいたいと思うのです。
  64. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 身体障害者の投票実態ということでございますが、身体障害者がどの程度投票されたかといったようなことについては、ちょっと私もいま手元に詳しい資料を持っておりませんので、現在選挙人名簿に載っておりながら、かなりできない人もおるわけでございます。どの程度がされたかということば後ほどわかりましたらお答えをいたしますので、しばし御猶予をいただきたいと存じます。
  65. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 身体障害者の在宅投票制度についていろいろ多田委員からも要望がありましたし、おそらく他の委員も同じような考え方を持っておられることと思いますので、これが善処方をひとつ、まあ私は憲法の精神からどうの、参政権がどうのということは申し上げませんが、十分に前向きで積極的にこれらの在宅投票が可能なように、これはあやまちがあっては困ります、二十六年の統一地方選挙のときは云々ということはたびたび話を聞きますし、そういうことのないようにして、これらの人の意思をばどうか政治に参与できるような方法を講じていただきたいと思います。  そこで私がお尋ねしたいのは、現在、五十床以上の指定病院で独自に投票所を設けられているか、設けることができるというたてまえになっていますが、それ以下の病院にも、一定の基準に達すれば投票所を設置することができるぐらいの改正は行なわれるべきであろうと思うのですが、いかがでしょうか。
  66. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいまお話がございましたように、いわゆる指定病院としてそこで不在投票ができるという病院は、五十床以上の病院であるというふうにされてきておるわけでございまして、これは厚生省と、それから日本医師会等ともいろいろ連絡の上そういうことを決定をされてきておるわけでございます。これは要するに五十人以上収容する設備を有するということ、それほどの管理能力の持ったところであるから、ある程度不在者投票が十分行なわれると申しますか、管理が行き届くであろう、そういったこと等も配慮してのことであって、あまり小さい病院ではなかなかそれが十分にいかないということを心配されての一つ基準であろうというふうに考えております。  ただ、これが考えられましてから、二十五年でございますから相当な期日も立っております。いまお示しのような点についても私どももいろいろなところから聞いておりまして、もう少しこれを下げたらどうかといったような意見もあるようでございます。最近では病院もいろいろと設備その他も整ってきておりますけれども、それで人的な管理能力が病床の少ないところで十分であるかどうか、そこまでは私も自信を持っておりませんけれども、やはり最近の実態に応じて、古いものをいつまでもそれでいいというわけにはまいらないと思いますので、私どもよく各県の実態等も聞きながら、五十床以下のものでもやれるというようなことがあれば、それだけ不在投票の道も開けるわけでございますから、十分ひとつ検討させていただきたいと存じます。
  67. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 私は、人一人の意思というものを尊重すべきだと思いますが、やはり二十人三十人というこれらの人の政治への参画の機会というものは、これはやれるのですから、ぜひやるべきだと、こう思います。これは改正についても考えていただきたいと思うのです。  それといま一つ、これも改正法案とは別になりますが、自治省のほうで公職選挙法改正について、選挙公報の新聞折り込みを考えられているというようなことを聞いたのですが、これは実際なんでしょうか。もしそういうことをお考えになっておるのなら、どういう構想を持っておられるのか、ちょっとお伺いしたいと思うのです。
  68. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 選挙公報につきましては、御承知のように現在、有権者の各戸に配布をするものとするということで、これは配布をしなければならないというふうに解釈をされて運用されてきておるわけでございます。しかしながら最近の実態を見ますと、なかなか全戸配布ということが困難になっておる地域が出ておるわけでございます。特に大都市とかあるいはその近郊におきましては非常に人口が増加しておりますし、また人口流動も激化しておりますし、また、さまざまな住居態様というものも非常に複雑化しておるというような状況がございまして、現在のような規定でございますと、全戸に十分配布をするということができにくいといったような状況も出ておるわけでございます。  そういったことから、私どもとしては委託配布をも含めまして、たとえば新聞折り込みといったようなこともできないであろうかといったことをいろいろと検討をいたしておるわけでございます。しいて申しますならば、いま各戸に配布するということでございますから、各戸にいかなければ、厳格に申しますならば規定を十分に実行していないという結果になるわけでございまして、いまのような事情のもとではそれは非常にむずかしいことであるということでございます。  そこで私どもとしては、各世帯に配布が困難と認められる場合は、そういった特別な事情があります場合は、たとえば市町村の選管が都道府県の選管の承認を得て、客観的にそういった事態も第三者が見てもらって、そしてその必要があるということであれば、新聞折り込みその他これに準ずる適当な方法をもって、各戸に配布をするといういまの規定にかえることができるのだというようなことにいたしたいと思っておるわけでございます。  それの一番いい方法としては、私どもとしてはいまのところ、新聞折り込みの方法一つあるというふうに考えております。各世帯における新聞の何といいますか、新聞を購入しておる世帯の率でございますが、これは中央調査社あたりの調べでございますけれども、全国的に見れば約九四%ぐらいございます。それが大都市地域になると、京浜地区でも九六%、東京でも九五%といわれておりますが、京阪神地区では九八%と非常に高いカバレージを持っておるわけでございますので、新聞折り込みによってかなりなところには届くということは言えるわけでございます。  しかしながら、残りはそれじゃどうするのだということが問題になってまいります。そこに一つ問題があろうかと思います。したがいまして、私どもとしてもそういった代替措置を考える場合でも、市町村選挙管理委員会は補完措置を十分講ずることによりまして、選挙人が選挙公報を容易に入手することができるようにつとめていかなければならない。たとえて申しますならば、それぞれの市町村の末端の公共施設に備え置いて、いつでも必要な方は持っていってもらうとか、あるいは特定の世帯へは特に郵送をしてやってもいいということもございましょうし、これはやり方にはいろいろありましょうが、職員による配布も、たとえば独身寮とか寄宿舎とか母子寮とかいったようなところにはやってみたらどうかという、これは検討している人の意見もございます。  そういったいろいろな補完措置を残しながら、いま言ったようにかなりカバレージの高い新聞折り込みというものを、特別の事情がある地域について認めていくような方法をとりたいということで、いま検討をしておるところでございます。おおむね案が得られまするならば、今国会にでも間に合わせたいというふうに考えている次第でございます。
  69. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 公報を必ず有権者のもとに届けるということ、こうあるべきだと思います。現在行なわれている公報の各戸配布、これは私は都会生活しか知りませんが、かえって地方などはそうだと思いますが、完全に私は履行されているということを信じます。また、これは一番われわれ関心を持つことですから、公報の行き届いて配布されているということは私も確信するわけです。しかし、全国的に見ました場合において、あるいは種々な関係から一つの補完の配布方法をお考えになることも、これは私は必要だと思います。  が、しかし、新聞の場合、たとえばこれは新聞販売業者というのか配達業者に委託されるということになるのか、またその場合、いまお話があったように新聞を購読しない家庭も、わずかでありますが、たとえば三%ということをいわれていますが、ございますし、また、だんだん時代が変わってまいりまして、必ずしも宅配されるものとはさまっておりません。欧米の新聞配布の実情、最近の新聞配達者の人の確保というような点で、私は将来もいまのような状態で新聞が宅配されるとは思わないのです。また新聞は、むしろ人の関係から駅や街頭で立ち売りするのが中心になるような時代を迎えるのではないかと思います。  それに反して、現在正しく各家庭に届けられている現状を見ましても、私は先ほどから申し上げておりますような、現状一つ補うという意味からも超過負担の問題、またその他の現在の選挙法施行について、予算的な面についていま少しこれを拡大されていくほうが、私は公報についても正しくやはり配布が続けられていくものと信じます。こういうふうな点から、現行の状態をよりこれを正しくこのまま維持できるような方法にひとつお考えを続けてもらいたいと、こう思うのです。いかがでしょう。
  70. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 私どもはこの公報一つにいたしましても、いろいろな面でむしろ節約になるようにということで考えているわけでございますけれども、全般的な経費の問題につきましては、先ほどからるる申し上げておりますように、またいまお話がございましたように、十分地方団体に迷惑をかけないような、適正な基準のもとに執行してまいりたいというふうに考えております。
  71. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 大臣に最後に、この機会に御意見をひとつ伺っておきたいと思いますが、それは定数是正の問題についてであります。  現在、与党の自民党の都市議員の人々が中心となって衆議院定数是正の問題を提起されております。これはいまに始まったことじゃなくして、前々から定数是正については与党内部においても取り上げられてきたことであります。これについて大臣はどうお考えになるかということ。また、選挙制度の抜本的改正については非常に問題が多いのです。国民合意を得ることは非常に困難だと思いますが、衆議院、参議院の両院の定数是正については国民合意もあり、私はこれはかなり緊急に是正すべきだという意見が圧倒的だと、こう思います。したがって、この際、衆議院については第七次選挙制度審議会における土屋正三試案、並びに参議院については同じく第七次審議会の報告どおり私は改正すべきであると思うのですが、大臣のお考えをひとつ伺いたいと思います。
  72. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 先ほどもお答えを申し上げたわけでございますが、定数が今日たいへん不均衡になっておるということは、これはもうみなの一致して認めておるところでございます。いま村尾議員からも御指摘がございましたが、自民党内におきましても、この定数の問題については真剣に検討をする方がおられて、いろいろな研究結果をまとめておられるということも私ども承知をいたしておるところでございます。いずれにいたしましても、定数の不合理をこのままにしておくということは、議会政治そのものに対する国民の信頼が失われるということにも相なるのでございまして、この点は私どもも全く同様に考えておるのでございます。  したがって、衆参の定数是正というものにつきまして、これは国民合意が得られるのではないかという点は私もごもっともだと思うのでありまして、すなわち、できるだけいまのようなまことにアンバランスになりました定数を早く改正すべきだという点については、私は国民の間には異論のないところであり、早くこれを実行すべきだという点についても、私はこれは多くの方の意見の一致をするところであろうと考えます。  ただ、先ほども申し上げたのでございますけれども、御承知のように、しからば一体総定数をふやすのか、ふやさないのかといったような問題、さらには現在の選挙区制度、いまの衆議院選挙区の区制の問題、さらにはいまの参議院の区制の問題というようなものもいろいろ実はあるわけでございまして、そういった基本の問題について手をつけないで、ただ定数だけを是正する、早い話が総定数をこのままにしておきまして、現行選挙区制度のままで一体衆議院定数を新たな人口割りでもってやるというふうな問題にするのか、それとも人口の割合の減っているところ、少ないところはそのままにしておいて、ただ定数だけをふやしていくというやり方が一体よろしいのかどうか、ここらになりますると、御承知のとおり非常にまだ見解が著しく分かれておるという問題があることは、あらためて申し上げるまでもございません。  いわんや、この比例代表制度といったようなものが、今後の政党のほんとうの力というものをよく判定をするのにはやはり比例代表制度が適当だという意見があることは、すでに申し上げるまでもございません。どうせそういう改正をするならば、ただ単に現在の選挙区制度のままで、しかも政党相当数をどうするかといったようなところでやるのがよろしいのか、いま私が申し上げたような抜本的な改正までやるべきかどうかということになりますると、簡単にはなかなか合意が得られないというために、御承知のように今日の事態に相なっておるわけでございますが、いずれにいたしましても、いまのようなきわめて不均衡選挙区制をこのままに放置しておくということは、まことに好ましからぬことであると私ども考えておるわけでございまして、そういった点はもっともっと政府としても真剣にこの問題には取り組み、国民のほんとうに合意の得られまするような定数を含めた総体の選挙制度のあり方について、私は早くこの結論が出ますように努力をいたすべきものだと考えておるところでございます。
  73. 村尾重雄

    ○村尾重雄君 私は、きょう選挙制度改正について大臣議論を進めていこうとは考えておりません。選挙制度の根本的改正については多くの問題がございます。が、しかし、定数是正については、もとより地域割り並びに人口割り等についてはいろいろ議論のあるところではございましょうが、いま人口の移動というものはある程度私は定着してきたものではないかと、こう思うのです。  そこで私は、いま衆議院選挙で問題になっています千葉一区、東京七区、神奈川一区、埼玉一区、神奈川二区、東京十区その他かなり多数の府県があげられております。また参議院の選挙区においては、東京、大阪、神奈川、宮城、岐阜と、現状員から二名の増員が大体第七次審議会から報告をされておるのでありますが、私はとりわけ大阪の者ですが、大阪三区の実情ということをたびたび機会あるごとに訴えているのですが、ここは何としても定数是正が行なわれなければ、常に兵庫五区と大阪三区といつも対照されて論議の的となっているように、はなはだしいのです。おそらく他府県においても、ここにあげました東京七区だとか十区、神奈川一区、埼玉一区、神奈川二区、千葉一区というようなところは、やはりこうしたことについて私は強い人口割りの是正についての意見というものはあると思います。  こういうような点から、現在定数是正が時期的に困難というならば、参議院選挙が終了しましたときに、私は衆参入れまして、次に衆議院解散、選挙もあり得ることは予想されるのですからして、参議院選挙の終了次第ひとつ早い機会において、せめて定数是正改正案はお出しになるべきであろうと、こう思うのです。もし必要があるなれば定数是正についてのみ審議会におかけになる、そういう必要がないかと、こう思うのです。  お答えいただければいただきまして、私の質問は以上で終わりたいと思います。
  74. 町村金五

    国務大臣町村金五君) いま村尾議員から御指摘になりましたような、一部の人口激増地帯におきまするアンバランスがことのほか激しくなっているということは、まさに御指摘のとおりであると私ども考えております。したがって、総体の問題はなかなかむずかしいので、せめてこの分だけでも定数是正を実現したらどうかという御指摘でございます。  確かに有力な私は御提言である、こう考えるのでございますが、ただ定数是正の問題は、先ほど来お答えを申し上げておりまするような諸般の問題も、当然これと関連して検討をいたさなければならぬということになりまするので、いま御提案ではございますけれども、この参議院の通常選挙が終わりました後に直ちにそういったことに着手するかどうかということにつきましては、いまここで私から確たるお答えを申し上げるということはひとつ差し控えさせていただかなければならぬ、かように存ずる次第でございます。     —————————————
  75. 橘直治

    委員長橘直治君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、永野鎮雄君、熊谷太三郎君、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として梶木又三君、原文兵衛君、竹内藤男君が選任いたされました。     —————————————
  76. 橘直治

    委員長橘直治君) 引き続き質疑を続行いたします。  速記を止めて。   〔速記中止〕
  77. 橘直治

    委員長橘直治君) 速記を起こしてください。
  78. 岩間正男

    ○岩間正男君 まず最初にお聞きしますけれども選挙法、これは非常に議会制民主主義の根幹をなす重大な問題だと思います。ことに主権在民の立場から、国民選挙権を一〇〇%保障する、そのことは絶対これは必要な任務だと思うのです。したがって、自治省にお伺いしますけれども、そのような保障の努力を常にやっておられるかどうか。現在やっておるやり方というのは十分だと言えるかどうか。もう一つは、不十分だとするなら、今後これをもっと努力する考えがあるのかどうか。この点、最初に基本的態度としてお聞きしておきます。
  79. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 政治資金の問題につきましては、あらためて申し上げるまでもなく、国民の政治に対する信頼にかかわる重大な問題でございますので、御承知のように現在の政治資金規正法によりまして、その収支と申しましょうか、実態を明らかにして、国民の批判を仰ぐというのが現在の政治資金規正法のたてまえでございまして、ただ、この問題についてはいろいろ御批判、御意見の存することは私どもも重々承知をいたしておるところでございまして、したがってこれらの改革をどうするかということにつきましては、さきに選挙制度審議会の御答申等もございまするし、われわれとしてはそれを尊重いたしまして、かつて御承知のように国会改正案を提案をいたしたということもございますけれども現実には、これが不成立に終わったという経緯のあることは岩間議員も十分御承知のところでございます。政府といたしましては、この問題にも、今後ともこの政治資金がほんとうに公明に国民の前に明らかにされるというような形で、さらにこういった問題については真剣に検討を加えてまいりたいと、こう考えておるところでございます。
  80. 岩間正男

    ○岩間正男君 ちょっと注意してください。政治資金のことは聞いてないです。一体、国民選挙権を保障するどのような努力を常にしているか、現在の努力で十分かと、こう聞いているんですよ。端的に答えてください。
  81. 町村金五

    国務大臣町村金五君) これは先ほどもお答えを申し上げたのでございますけれども、申し上げるまでもなく、国民選挙権を確保するということは、これは議会政治の根幹をなすものであることは言うまでもございません。したがって、自治省といたしましては、常に選挙法のあるべき姿を追求をするという立場から、常時、関係当局の者はそういった点についての検討を行なっておる次第でございます。
  82. 岩間正男

    ○岩間正男君 実際は、そういう答弁をされていますけれども、私たちがいままでずっと見てきて、非常にこれは努力がおろそかになっている。しかも恒常的に組織的にやられていない。問題は、もう間ぎわになってこのような法案が出されたこと一つを見ればわかるわけですね。  そうして、しかも公職選挙法改正問題なんというのは、これはどういうふうになるのか、国会の会期の延長ともからんできて、非常にこれはわからない問題です。あるいは出されたが、出したということを宣伝にするのに出すのか、ほんとうにこれを通すために出すのかどうか。いまのところでは用意されておる法案というものがまだ海のものとも山のものともつかないというようなかっこうで、出されるなら、国会の運営のすき間を見てやるようなかっこうになるわけで、もっとやはり基本的に検討しておくべきだということです。ことに選挙の問題は、いま大臣も言われたように、これは議会制民主主義の根幹に関する問題ですよ。主権在民の立場から当然これは尊重されなければならぬ。ここに基本を置かなければならないと思うのです。  私は具体的にお聞きしますが、憲法十四条の法の平等の立場から考えて、在宅投票の問題、つまり重度身障者やあるいは寝たきり老人の在宅投票をもっと研究して、これを可能なように努力すべきだ。先ほどから各委員からこの点について追及をされたわけです。しかし、これについても非常にやはり研究は十分でない。何せこのような案が出たら公聴会でも何でも持って、十分に意見を聞いて反映させなければならぬ。ところが、とにかくこの間ぎわになってこの問題も出されようとしています。出されれば私たちは検討して、むろんそれば何ぼでも前進があるなら、それについて党の態度というものは決定されるべきですけれども、いまのところまだそうなっておりませんから、これは原則論で追及してお聞きしているわけですけれどもね。  もう少しやっぱり考えなければならぬ。たとえば同じ問題としまして、身障者の場合の人権を守る、国民の法における平等の権利を守るという立場からいいますと、義務教育の身障者の入学はこれはもう法的にも保障されて、いま実施されようとしている。そういうものと比べて、どうです、この選挙権は。はかりにかけたら片ちんばじゃないですか。一方は、とにかく不十分ではありますけれども努力をされて、そういうところに道を開いているのですね。ところが、どうもこの選挙法においてはこれは不十分だというふうに考えられるわけです。この点はどうです。これは自治省の態度として、選挙をあずかっておる者としてどういうふうに考えられますか。この点についてはっきりした基本的態度を明らかにされたい。これは大臣、どうです。
  83. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 身障者の選挙権の行使を確保するということは、これはもう当然のことでございます。ただ御承知のように、身障者の在宅投票制度というものはいまから二十余年前に実行に移されたのでございますけれども、そのときにたいへんな実は弊害が出たというような経緯もあって、これを廃止したというようないきさつのあることは岩間議員も十分御承知のところでございます。したがって、これを復活をいたすという場合におきましては、同じようなことがまた繰り返されてしまうというようなことがあってならぬことは申し上げるまでもございません。  したがいまして、このたび私どもはいろいろな角度から検討をいたしておるのでございますが、先ほどもお答えを申し上げましたように、やはり選挙の公正が確保されるという点について、第三者がごらんになってみて大体間違いがないというところに、まずこの制度の復活を認めていくということにすべきでございまして、身障者の選挙権の確保をするんだからといいまして、また不用意に選挙の公正の確保を得られるという見通し、自信を持たないままにやるというわけにはまいらないのでございますから、やっぱりその辺は見通しのついたというもの、多くの方がごらんになってみても客観的に大体見通しのつき得るものにこの際はとどめておくということが、どうも私はやむを得ないのではないか、そういう大体考え方法案の作成に鋭意努力をいたしておるというのがいまの段階でございます。
  84. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは見通しはございますか。この国会中に出される、そうして十分に両院の審議が間に合う、そういう見通しはございますか。
  85. 町村金五

    国務大臣町村金五君) だいぶ作業が進んでおりますので、できるならばきわめて近い機会に提案の運びに持ってまいりたいと、こう考えておるところでございます。
  86. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は繰り返して申し上げたい。この身障者の要求というのは非常に強いものがあるわけです。これは大臣も御存じだと思います。現にこの問題については訴訟がなされているんですからね。当然これは身障者の基本的な権利として、このような選挙権の行使、これを要求したいと。  ことに最近生活がたいへんなところに追い込まれているわけでしょう。老人の場合もそうですけれども、とにかくインフレ、狂乱物価、そういう中でどんどん貨幣の価値が低落をする。そうすると、きのうまで立っていた生活の基盤というやつはもうぐらぐらしているわけですね。ことに老人あるいは身障者の場合というのは、まだ社会保障が十分でございません。非常に不十分なんです。いままでだって不十分だった。それを耐えに耐えてきている。したがって要求は非常に激しいものがあるわけです。そこへもってきて今度のものすごい経済変動でございますから、お先まっ暗になっているんですね。そうすれば、これを政治的に当然自分の要求としてはっきり打ち出していく。それには自分選挙権の問題、主権者として持っているところの基本的なこの権利をあくまで尊重してほしいという要望というものは、これはちょっと普通の健康体の人が考えているのとは違う、そういうものを持っているだろう。これは十分理解されていいと思うのです。その立場に立ってこの問題をほんとうに貫くという態度でなければ私はだめだと思うのです。いままで長い間これはほうってこられたわけでありますけれども、できないんだ、できないんだ、できれば非常にむずかしいんだ、やれないんだ、やれないんだということでこれはやらなかったということでは話が済まない。  そこで、いま成案を得て出されると、こういうことでございますから、むろんわれわれは検討するのでありますけれども、いまのような基本的な要求というものを満たす、そういう一体成案を得ることができるのですか。大体骨格でもこれは話してほしいのですが、どうなんですか。
  87. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 先ほどからお話がございましたように、選挙権がありながら実際に投票権を行使できないといった方があるわけでございまして、これは何とかしなければならないということはもう仰せのとおりでございまして、私どももその点については過去何年来いろいろ議論がございました。そういった点では、ほうっておったわけではございませんで、いろいろ研究を進めてきたわけでございます。  しかしながら、ただいま大臣からも申し上げましたように、選挙の公正確保ということが非常に重大な問題である、二十六年の統一地方選挙のときの例に照らしてもいろいろ問題がございますから、そういった点を考慮をしていかなければならないということで、私どもとしては従来からの経緯にかんがみまして、一つにはその範囲というもの、あるいはまたそういった在宅投票のできる該当者の認定というものを、認定という点でいかに公正を確保するか、そういった点が第一点と、もう一つは投票をする際の公正確保と申しますか、そういった二点についていろいろと考えたわけでございます。  そういった点では、従来考えておりましたような一時疾病といったような者まで含めた広い範囲というものは、なかなかうまくいかないであろうというようなことで、特に身体に重度の障害を有する者、そういった方々についてまず確実なところから進んでいきたい。そういった方でございますと、一応対象者の認定につきましても、公正な基準によりまして、たとえば身体障害者手帳というものがございます。公正な基準によって認定をされ、一定の方法で公認、公証されるということになるわけでございますから、身体障害者福祉法第四条の「身体障害者」とか、あるいは戦傷病者特別援護法第二条第一項による「戦傷病者」といったような方々を対象にするということが、一つの公正を確保するゆえんではなかろうかというようなところから進んでいきたいという気持ちがございます。  それからもう一つは、従来の失敗は、これは代理人が請求し、代理人が送付をするといったようなことがありましたために、いろいろと不正が介在したということもございますので、そういった代理投票といったようなこと等はもう考えないというようなことにいたしまして、そしてまた、先ほども質問があったわけでございますけれども、巡回投票といったようなこともこれも一つの確実な方法でございますが、これはどうも私どもとしては非常に問題があって、にわかには踏み切れないということでございますので、一応郵便投票制度で、いろいろと公正を確保するための宣誓方式とか、あるいは本人の自書方式、いろいろ取り入れまして、また、これを担保するための罰則の規定等も整備をいたしまして法案の作成をしていったらどうであろうかと、そういうふうに現在考えておるところでございます。
  88. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは先ほど論議を聞いていますというと、今度の参議院選挙、これには間に合わないのだという話ですけれども、そういうことなんですか。間に合わないというのは、かりにこの法案が通ったとしても、それに対するいろいろな人員配置とかその他の態勢がとれない、そういうことで間に合わないということなんですか。どういうことなんですか。
  89. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 今回法案を出しましても、成立をするにいたしましてもかなり会期末になることが予想されるわけでございますが、たとえば、ただいま申し上げましたような身体障害者等につきましては、これは身体障害者手帳を持っておることによって、それによって実際の該当者を認定していきたいというようなことを考えておるわけでございますが、現在、厚生省あたりの話によりますと、身体障害者手帳を持っておる者が五八%程度であるというようなことでございまして、身体障害者手帳によって、たとえば下肢、体幹の一、二級に該当するということが判定できるわけでございますけれども、せっかくそういうものに該当しながらも、身体障害者手帳を持っていないというためにまた選挙権が行使できないということが、かなりのものが予想されるわけでございます。  したがいまして、私どもとしてもこの法律を実施するにあたりましては、やはりそういった資格を持っておる人、そういう方には十分周知徹底をして第一回から参加をしていただきたいと、かように考えておるわけでございますので、そういった手帳の未所持者でもらえる方、そういった方にPRをする期間というものはかなりやっぱり日数がかかるであろうというような気もいたしますし、また先ほどちょっと簡単に言い過ぎてしまいましたけれども、私どもは一応投票用紙の請求を本人が直接いたします際は、前もってそういった在宅投票ができる者に該当するという証明書を渡しておいて、これはある程度の有効期間を認めるというかっこうでやったらいいと思いますが、そういった証明の手続等にも時間がかかるわけでございます。そのほか選管も、参議院選を控えまして、法案が通ってからのいろいろな準備というようなこともございます。  そういうことをあれこれ考えますと、どうも、いつになるかわかりませんけれども次回の参議院の通常選挙には十分間に合いかねるのではなかろうかと、そういうふうに判断をいたしておるわけでございます。
  90. 岩間正男

    ○岩間正男君 法案が出ないから具体的な論議はできないわけですけれども、基本的には、そういう要求があったのでその要求の一部を何とか取り上げて、これで果たすんだと、そういう態度だけでは不十分だと思うんですね。冒頭に申し上げましたように、あくまでこれは憲法に保障された主権の発動ですから。そういう点ではもっともっと尊重されなくちゃならない。そういう点を踏まえて、はっきりやはり今後この問題に対処する、そういうことを確認してよろしゅうございますか。
  91. 町村金五

    国務大臣町村金五君) もちろん、そういうような立場、角度に立ってこの問題を積極的に取り上げようということで、いま検討を急ぎつつあるという次第でございます。
  92. 岩間正男

    ○岩間正男君 なおこの問題について、このような該当者から意見を聞く機会をいままであるいは持たれたかもしれませんけれども、これはほんとうにいろいろな控訴もされていて法廷で争われている問題でもあるのですけれども、こういう問題をもっともっと率直に取り入れるという基本的態度、そういうものを確立すべきだと思いますが、いかがですか。
  93. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 仰せのとおりであろうかと存じます。私どもも基本的にはそういうことを頭に置いてやっているわけでございますけれども、具体的な選挙制度として、それをもとに選挙執行するということを頭に浮かべながら私どもとしてはまた制度もつくっていかなければならないということでございますので、やはり選挙権の行使と選挙の公正との関係、あるいは秘密保持との関係といったようなことをいろいろ踏まえて考えていかなければならない。そういったことで、基本は同じでございますが、具体的な制度化するにあたっては慎重に検討してきたというようなことでございます。
  94. 岩間正男

    ○岩間正男君 公正の原則ということを先ほどから繰り返されているわけですね。そういう中で、定数是正の問題なんか一つ大きな課題として出されている。これはいままでの経過から言うと、先ほどの御答弁では納得いかぬです。この問題がいかに国民の大きな問題になり、現実的にはこれは提訴されている問題です。そして選挙をやるたびにこの問題は繰り返されている。こんなひどいやり方は、これは許されないですからね。だから、この問題には対処しなければならぬ。少なくともこれは本気になってやらなければならぬ問題だと思います。  もう一つの問題選挙技術上の問題ですけれども、私は具体的に一つお聞きしたい問題がある。  それは、今度参議院選挙が六月に行なわれる可能性が十分にあるわけですね。大体予定は六月になると思います。そういう中で、たとえば最も極端な例は全国区の場合ですが、全国区の場合に届け出をするわけですね。届け出して、これは東京で、中央選管でいろいろな選挙に必要なものをもらうわけです。そういう場合に、標旗がなければ実際は演説をやることはできない。  そうすると、東京だけでこれは受け付けているわけですから、そこで、何人になりますか、いままでの例ですと百五十人とか、多くの全国区候補が参集するわけです。それをまず第一に抽せんをやるわけですね。抽せんであとになった人というのは、これはずいぶんおくれるわけです。  それからもう一つは、全国区でどこで始めるかというのはその人の選挙活動の自由なわけであります。どこでやろうが、これは差しつかえない。ところが、たとえば東京でこのような標旗を受けた。しかし青森の津軽半島でやるかもしれない。ここまで行くと、飛行機でかりに飛んだとしても五時間、六時間かかるわけです。その間何をやっているかというと、これはやれないんです。私はこの前京都でやりましたが、京都で標旗のくるのを夕方まで待っていた。ほかはやれるわけだが、これはやれない。こういう事態が起こってくるわけですね。  そうすると、これは選挙の公正という立場からどういうことになるんですか。もういまはコンピュータの時代なんです。そして抽せんのやり方で一方で非常にそこでアンバランスがあり、さらに今度は標旗の配付の問題で非常にアンバランスが出てくる。限られた二十数日の選挙期間の中で一日を空費するかどうかということは非常に大きな、公正の原則から私は通らないと思うのです。  したがってこれを何とか、事前に選挙の話し合いをすることがありますね、それと同じような方法考えるか何かして、前にちゃんと配って渡しておく。しかし使用は何月何日の何時からとはっきり明記しておく。それ以前にむろん使用することはないでしょう。したとすれば、これは罰則の適用もあるわけです。ちゃんと選挙の申し入れをした、はっきりそれを選管のほうで受理をした、そういうことが明らかになれば電話一本でも活動ができるような、そういう体制を少なくとも近代選挙の中ではもう考える必要があるのじゃないか。公正公正と口で言っているけれども、一日のロスというのは非常に大きい。ほんとうに候補者の権利というのは保障されていないことになるんです。少なくともこういう問題について、私は現状に即応した検討をしていいのじゃないかというふうに思う。同じ県内にあってもそうですよ。非常に僻遠の地だと、地方区の場合県庁で受け取っても、実際標旗が末端に渡るには五時間、六時間かかるというところは日本の中にあるわけです。島だってあるわけです。こういうところを事前にちゃんと間に合うように配付しておいて、使うのを平等に同時にやっていくという考慮は、少なくとも公正の原則を口にするなら私はやるべきじゃないかと思うのです。これについて十分検討する必要があると思うのですけれども、いかがですか。
  95. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) いまお尋ねの件につきましては、全国区の候補者に対しては、御承知のように街頭演説用の標旗というものが一人十五個渡されるわけでございます。しかし実際に渡すのは、ただいまお話がございましたように中央選挙管理委員会で受け付けをして、その場で全部をお渡しするという仕組みになっているわけでございます。したがいまして、東京から非常に遠距離の地域でございますと、この標旗が到着するまで時間がかかりますので、街頭演説を行なうということがおくれてくるということは、おっしゃるとおりであろうかと存じます。それにまた加えて、受け付けが抽せんその他でかなり最初の人と最後の人と時間がかかるということも、これはそれぞれみんな早く受け付けをしてもらいたいという御希望の方の中を区分けしていくわけでございますから、これもやむを得ないことだと思います。ただ結果的に、ただいま仰せになりましたような事態が起こるということは確かに問題があるという気もするわけでございます。  それはそれといたしましても、ただ選挙管理の事務的な面を言わしていただきますと、それじゃ事前に、立候補を予定される方にお渡しをしておくというようなことができるかどうかというのが一つお尋ねでございましたが、具体的に立候補届け出があって、候補者になった、立候補されたとなりませんと、いろいろ問題も生じてくるということも私どもとしては心配をするわけでございます。ただ予想がされるというだけでは、どうも渡しにくいというような感じもいたします。それについては、たとえば受け付けをしてすぐその遠隔の地に連絡ができないのかといったようなお話もございましたが、これもなかなか、一体どこからその候補者が始めていかれるのか、これもまちまちでよくわからないといったような面もございます。何か便法を考えるといたしましても、すべての候補者を同等に扱うといったようなことも考えていかなければなりませんし、いろいろと問題はあろうかと思うのでございます。  しかしながら、いまおっしゃいましたように、東京でだけ渡すという事態によって、すぐ活動にかかれないというようなことは一つの問題点であろうかと思いますので、何か便法があるのか、私もただいまにわかにお答えはできませんけれども、十分検討させていただきたい。どういった方法があるのか、ちょっとにわかには思いつかないわけでございますが、検討させていただきます。
  96. 岩間正男

    ○岩間正男君 検討するという点では、これは自治大臣も同意されますか。
  97. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 私も同意いたします。
  98. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がありませんから、二、三の問題を法案に関してお聞きしたいと思いますが、先ほどから超過負担の問題が問題になっているんですね。これはもう超過負担は必ずあるわけです。これは、あるということがはっきりした場合どうするんです。補償するのですか。
  99. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 選挙が済んだあとでいろいろと調査をいたしまして、私どもとしてはほんとうの意味での超過負担であるのかどうかということについては、実際を十分詰めてみないと申し上げられないわけでございますけれども、ある程度何がしかの超過負担がかりにあったといたしましても、それは一つの、選挙は済んだあとでございますので、私どもとしては総体の費用の中でそれは処理をされたというふうに考えざるを得ないわけでございます。
  100. 岩間正男

    ○岩間正男君 いや、いままでのやつですよ。今度のこの法案改正によりまして、それからをあなたはいま答弁されたわけですが、いままで相当これはたまっておるのじゃないですか。三年間にこれは改正するわけでしょう。その間にしかし衆議院選挙は二回ぐらいやられているんですね。それから参議院の選挙も一回やられている。そういうときに超過負担がなかったのかどうか、これを調べてみて、これはやっぱり赤字になって残っているんです。地方財政を苦しめているんです。超過負担の一つの原因になっているわけです。こういうものがあった場合にどうするか。これを解決しないで、今度法案を出されて、今後の問題はこれでやりましょうということなんですが、これじゃ少し酷だと思うんですね、地方財政にとって。どうですか。
  101. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 三年前の参議院選挙の前にも実は実態に即した改正をやったわけでございまして、この基準法に基づきます交付額というものは、これは全体の中で彼此流用しながら、実態に応じてお互いにカバーしながら全体には間に合うといったような仕組みになっておるわけでございますので、その際にも十分通常選挙には間に合うという形で法改正をしたつもりでございます。そのあとの衆議院選挙等につきましては、それはある程度基準ができてからの時間もたっておりまして、必ずしも十分でないというようなこともございまして、その際は調整費等によりましてその実態に合うように調整をしてきておりまして、私どもとしては基本的には超過負担はない形できておるというように考えております。そして今回、前回の改正から三年たちまして、いろいろ給与水準が上がったとか、それから物価が高騰したとかそういったようなこともございましたので、実態に合うように改正をしようというわけでございまして、今回の改正によって私どもとしては全体としては十分執行ができるものだという自信のもとに、改正案をお願いをしておるというわけでございます。
  102. 岩間正男

    ○岩間正男君 四十七年の十二月のやつは調査していますか、調査中なんですか。そうして具体的にそういう数字が出ているんですか。
  103. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) 四十七年の衆議院の総選挙のあと、私どもとしても、先ほどもお答えいたしたわけでございますけれども、全国について全部実態を詰めるということはなかなかむずかしゅうございますので、一応四十二の都道府県と、それから指定都市二、それから府が三、市が八十、町村が四十七、こういうところにつきまして実態調査をいたしたわけでございまして、そして向こうが決算的に出した数字というものが、中身を十分詰めてみるとどうもやっぱり必ずしも超過負担と言えないのもあるのじゃないかというようなことで十分相談をしまして、そういったやり方で調査をしたわけでございますが、その結果は、ほとんどのところはそう大きな超過負担といったようなものは出してないわけでございます。大体これは交付額でやれたなと私ども考えておるわけでございますが、ただ若干は超過負担といいますか、交付額とそれから実際の決算とが違っておる点もございます。しかしそういうものもしさいに点検すれば、これは当該団体がもともと負担すべき備品購入費とか電話料等が入っておったとかというようなこともございまして、そう大きく実態調査をしたところでは私は問題があったとは思ってないわけでございます。  しかしながら、特に問題になっておりますのは大都市、特に東京あたりを調べてみますと、かなり決算額と交付額との間に差がやっぱり出ておるようでございます。これはよく見ますと、超過勤務手当が非常に多額になっておるといったようなことがございましたり、ポスター掲示場費等の増高といったようなこともございます。しかしながら、私どもとしてもいろいろ聞いた限りにおいては、全部が全部どうも超過負担というわけにはまいらないといったような感じのするものもあるわけでございます。もちろんそういった区においても、これが全部とは申しませんというようなことも言っておられます。しかしながら大都市においては、やはり地方町村あたりとは違って、いろいろ給与も高いといったようなこと等もあって問題があるということもございますので、私どもその点については十分実態調査を今後いたしまして、話し合いも詰めて、なお合理化するものは十分合理化をしていただきまして、この程度ならやれるとか、やっぱりこういった基準ではここはむずかしいのだということを十分解明してみたいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
  104. 岩間正男

    ○岩間正男君 まだこれは検討中ということですね。結論が出ていない。ここにもいろいろ基準は大まかにとってあるわけですが、実態はだいぶ違うんですからね。それでこれは異議のあるところについては十分検討してみる必要があると思う。そういう上に立って実費を補償できるような体制をとるべきだと思います。  それから三年に一回の改定ということですけれども、こんな経済変動の中で三年に一回の改定ということで、これは実態に合いますか。どうですか。
  105. 土屋佳照

    政府委員土屋佳照君) ただいまも若干触れたわけでございますが、三年の間に衆議院選挙あたりはいつあるかわからないということもございまして、そういう場合はそのつど調整費で調整をするといった便法も講じておるわけでございますが、先ほどから話がございましたように、物価等が非常に変動が激しいといったような場合に、常にいままでのような方法で三年に一回ということがいいかどうかは、これはやっぱり問題があると思います。といって、すぐ今後はそういたしますというわけにもまいりませんが、そういった物価の推移等を十分見きわめた上で、必要があると考えられます場合は別に三年にこだわる必要はない、私どもとしても実態に合うような検討をしたい、かように考えております。
  106. 岩間正男

    ○岩間正男君 その点は確認しておきます。スライド制なんかも考えられることですからね。これは三年ごとといえば参議院の場合はたいてい改定時期に入るわけですけれども衆議院の場合はわかりませんからね。これについてやっぱり地方財政を圧迫しないように、そういう方法というものは何か考えていく必要がある。  それから最後にお聞きしますが、今度一部の人たちの考えの中に選挙中の政党機関紙配布を制限しようとする、こういう動きがあるやに聞いているのです。しかし、選挙はもともと各政党の政策見解などを広く有権者の前に明らかにし、その信を問うもの、そういうことで最も基本的な問題です。この前はちょうど四年前になりますけれども、四年前の京都の知事選挙のときに、選挙の自由、宣伝の自由というものをこれは相当大幅に進めたわけですね。ところがその結果、もう一年足らず、もう半年にしてこの選挙法をまた再びもとに戻すというような形で現在もこれは行なわれているわけです。そのときは非常な激しい論議を当委員会でも呼んだわけです。そうですね。そういう中で、当然これはこういう選挙の自由について制限選挙の立場から非常に現在の法律が問題になり、そして論議の的になったわけですから、そういう点から考えますというと、これは一方でそういうことがいま言われておりますけれども選挙の自由の立場から考えたら、こういうことは明らかにこれは違反だと思うのですけれども、いまそういう問題について自治大臣考えておられますか、どうですか。
  107. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 最近の選挙におきましては、御承知のようにかなり大量な文書の頒布というものが行なわれ、そのために選挙の公正を確保する見地から何らかの規制を加えるべきではないかというような御意見もございまするし、同時にまた、いま岩間議員が言われましたように、政党等の政治活動はこれはもう当然自由に認めらるべきものだという考えもあるわけでありまして、結局、選挙における公正の確保という問題と選挙運動の自由化というこの二つの要請をどう調和させるかというきわめて重要なこれは困難な問題だと、こう私ども考えておるのであります。この点は、すでに各党でもいろいろ御検討をいただいておるように私ども承知をいたしておりますが、そういった御意見等も伺いながら、また広く世論の動向というものも見きわめて、どう対処してまいるべきか、これはわれわれとしては慎重にひとつ検討していきたいと、こう考えておるところでございます。
  108. 岩間正男

    ○岩間正男君 現在のところ、このような宣伝物、機関紙の号外のような宣伝物、こういうものを制限するお考えはありますか、ありませんか。
  109. 町村金五

    国務大臣町村金五君) これはいまもお答えを申し上げたことで尽きておるわけでございまして、そういった御意見のあることも私ども承知をいたしておりますけれども、しかし同時に、いま申し上げた選挙活動の自由というものはあくまでも確保されなければならぬという立場から申しますると、そう軽々にこの問題に私は規制をするというようなことはいたすべきではないと、こう考えておるのであります。やはりこの点は慎重に検討をするというのがいまの私ども考えでございます。
  110. 岩間正男

    ○岩間正男君 当分のところそういうものを制限する考えはないと、こう受け取ってよろしゅうございますか。
  111. 町村金五

    国務大臣町村金五君) これはいまも申し上げましたように慎重に検討しておるということでございまして、いま当分とか当分でないということは、慎重検討ということの中にひとつ含めて私ども考えておるというふうに申し上げる次第でございます。
  112. 岩間正男

    ○岩間正男君 あなた、そんなあいまいな答弁じゃだめなんです。これはいまとにかく考えていないとか、いま考えているとか——考えている、そういう可能性もあり得るということですか、先にいって考えるという。検討というのは、そんなのはあやしくてしようがないです。
  113. 町村金五

    国務大臣町村金五君) 先ほども申し上げましたように、こういったいわば人によりましては一種のビラ公害だというようなところまで言う人さえあるわけでありまして、したがって、そういうものをやっぱり制限すべきだという有力な議論も、選挙の公正を確保するためにやるべきだという意見のあることは事実でございます。したがって私どもは、そういう選挙というものができるだけ公正に行なわれなければならないという角度から申しますると、好ましからざる問題について検討をするというのがこれは当然のことであろう、こう思っておるのでございまして、この際、いま岩間議員御指摘のように、やるとかやらないとかということを明らかに申し上げる段階ではございませんので、もっぱら慎重に検討していきたいと、こう考えておるところであります。
  114. 岩間正男

    ○岩間正男君 この前の経過を先ほど申し上げましたが、私は当時その経過につぶさにタッチしたものです。当委員会でも激しい論議を呼んで、何回かこの問題もやったのですからね。そうして今日の改正法ができたわけです。その改正法そのものは、あくまでも選挙の自由というものは、まあ制限をされながらも、とにかく守るということを基本にするんだと、こういうことなんです。そうしますと、いろいろこれは人によってそういう意見をする人もありますが、しかし、その結果落ちついたのが現在の、私たちは改悪法案と言ったのですが、改悪法が行なわれているんですよ。それをまた改正するといったら、選挙の自由というものはどんどんどんどん侵害されて、全く制限選挙になってしまうんですよ。だから、基本的にはこの選挙法に対する態度は自治大臣として、当然これは主権者の選挙権の保障につながる問題でありますから、はっきりその点は立言されておいてもいいと思うのです。ところが、何だかそこのところあいまいなところで、どうも芳しくないんですが、少なくとも選挙の自由を確保する、それを基本にしていままでの経過というものはあるのですから、それを保障すべきだ。どうなんですか。
  115. 町村金五

    国務大臣町村金五君) もちろん選挙活動の自由というものは、これはあくまでも確保され守られていかなければならぬということは、もう申し上げるまでもございません。ただ一部には、先ほどもお答えを申し上げましたように、この自由な政治活動の結果が選挙の公正を害するんだというような有力な意見の存在しておることもまた事実でございますので、われわれとしてはその間にありまして、ひとつ十分慎重に検討して措置をしていきたいというのが私どもの現在の考えであります。
  116. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは慎重慎重といって、おたくの慎重はあてにならぬ。もう少しはっきりさせておく必要がある。慎重慎重といってどんどんこの前やられたのです。慎重慎重でやられた。この前の法改正だってたいへんだったんですからね。せっかく制限を緩和して自由化のほうに近づきながら、そういう努力をしながら、今度は一つのそういう現象が起こったというので、それをさか手にとって、それでもって選挙の自由そのものを制限するというような方向では正しくないと思う。それは行動ですから、いろいろな問題は起こりましょう。しかし、そういうものを克服していけばいいので、選挙法そのものを変えることによってそういうことをやっていくというのは、これは非常に問題のあるところですからね、はっきりしておきます。
  117. 橘直治

    委員長橘直治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 橘直治

    委員長橘直治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  119. 橘直治

    委員長橘直治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
  120. 西村尚治

    ○西村尚治君 私は、ただいま可決されました国会議員選挙等執行経費基準に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、共産の各党共同提案にかかわる附帯決議案を提出いたします。  附帯決議案を朗読いたします。     国会議員選挙等執行経費基準に関     する法律の一部を改正する法律案に対す     る附帯決議(案)   政府は、国会議員選挙等執行委託費につ  いて、地方公共団体の負担の実態を調査し、超  過負担をかけることのないよう、さらに執行経  費の基準の適正化に努めるとともに調整財源を  十分確保して善処すること。  右決議する。  以上でございます。  何とぞ御賛同くださいますようお願いいたします。
  121. 橘直治

    委員長橘直治君) ただいま西村君から提出いたされました附帯決議案を議題として、採決を行ないます。本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  122. 橘直治

    委員長橘直治君) 全会一致と認めます。よって、西村君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、町村自治大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。町村自治大臣
  123. 町村金五

    国務大臣町村金五君) ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、御趣旨を体してその実現に努力してまいりたいと存じます。
  124. 橘直治

    委員長橘直治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  125. 橘直治

    委員長橘直治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時八分散会      —————・—————