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小林武君
一つのあなたの
意見と一致するところはね、
文部省というものはいわゆる
教育的な諸条件をつくり上げる
意味において、そしてやるということであれば、これは私はもう政党の
大臣だろうと
教育のあれを政党化するというようなことは非常に少ないと思う。私は、
文部省というのは、
教育の条件を整備するいわゆる財政、何年たっても私立大学はうまくいかない、とにかく医学部の話しばかりこのごろやたらに出ますけれども、これはとにかく飛んでもない話、あんなたくさんの金を出さなきゃ
一体大学へ入れぬかということが問題になるし、それから私立に入ったからといって、お医者さんになれば
日本人を診る、いろいろ治療に当たるのがあらましだと思うんだが、こういう人
たちに
一体あれだけの負担をかけていくというようなことになったら、
ほんとうにこの医者というものの養成の上から見ても国家的損失がやっぱり起こるんじゃないか。いわゆる人材をもっと吸収するような、集めるようなやり方というのはあるんじゃないか。いろんな問題がある。それからもう七五%も
日本の大学のその中にいる学生の数占めている私立大学は、何でたくさんそんなに金払わなきゃならぬか。出たら出たでもって、もう官学尊重のあれから、非常な大学の看板の問題で差別を受ける。そういうことを
考えた場合に、大学の
一体格差をなくするような条件をどうしてそろえるか、私学の問題をどういうふうに財政的に
考えるかというような問題について
文部省がやるということについては私はこれは当然いいと思う。そこと
教育の
一体中身に関する問題、教師の
一体教育に対する
責任をはっきり果たさせるような条件の整備というのは、これは別個のあれが要る。そういう
意味で、
教育委員会制度というものは、任命制でない公選制の場合においては、いわゆる地方の人
たちとの間の選挙によって、そうして地域住民に
責任を負うという形をとったのはこれはよかったと思います。そのやり方をくつがえした。いまになって
考えれば、
教育の中身について
一つの政党が
——自民党であっても社会党でも同じですが、
一つの政党が自分
たちの
考え方にだけ立ってやるというようなこと、自分
たちの
考えに合わないようなやり方というようなもの、政党の利益、不利益の上に立って
教育についての干渉するというようなやり方はこれは許されてならぬはずだと思う。そう
考える。あなたの
考えがそういうことならいい。しかし、あなたの場合は、二つのことをごっちゃにしている。
教育の条件整備のこと以外に、
法律ができたら何でもやると、こういうやり方、ずいぶん
文部省もあやまちをおかしているのじゃないの。マル・バツ式のとにかく試験、何だ、学力
調査というのは
教員がさんざん反対したのをやってやってやりまくって
日本一競争をやって、そうして最後にこれは結局つまずいてやめたでしょう。反対した教師がそのために処罰される、間違ったことをやった
文部省のほうは涼しい顔をして、それをやめればそれで済むという。それで
あとでどうですか。大学紛争とかいろんな
教育界の問題が起こったときに、マル・バツ式というようなああいう試験をやることが
日本の
教育において大きなやっぱり欠陥であったというようなことをのめのめと言っているのじゃないですか。そんなことの学力に対する
考え方、ああいうやり方というものは、
日本の国の
教育にマイナスにこそなれ絶対プラスにはならぬというようなことを言ったのはだれだというと、教師の側から出たじゃありませんか。片っ方が、いいことを言ったのが処罰されて、悪いことを言ったのが処罰するなんて、そんなばかなことが行なわれているところにいまの
教育行政の誤りがあるのじゃないですか。だから私は政党というものの
立場でものを
考える場合には、
教育の中身に関する問題、事の真理に関する問題、研究の自由に関する問題、学問の自由に関する問題等を含んだあれについて干渉するというようなことは、これはどの政党だってやっていかぬと思うのです。たとえば
一つ取り上げてみても、どうなんです、大学の問題が
法律として出てきた、大体みんなが反対だというのに、自民党さんのほうが、いや、あれはつくってやらなきゃだめだというようなことを
考えるというと、どうしたって出さなければならぬという、そういう
考え方を少なくともなくするという
気持ちだってあなた
たちにないでしょう、
文部大臣ありますか。たとえば人材なんとかいう
法律が出てきた。このことについて私らもあなたに言ったでしょう。あなたの党の中にだって、それはどうかなというのがある。
教員のストライキ権の問題とからんで、人事院というものがあるのに、それに今度ああいう
法律を出していって、人事院を逆に拘束するというようなやり方、人事院のほうも弱いもんだから、出してくれれば都合がいいというようなことを言ったかどうか、そういうことを言ったとも言われるわね。あなた、そういうことをよく知っているのだ、その点ではね。そういう問題が起こったときにだ、
与党と野党の間である程度話し合いができるという空気がこん中にありますか、どうですか。それほど反対で、
一体、問題を引き起こすようなことであるならば、これはひとつ再検討してみようかとか、法案出すまでの間に各党がそれぞれひとつ
意見を持ち寄ってやってみようかとかいうような、
日本の
教育の問題だから、お互いにひとつやろうかというような話はいまだかつてないでしょう。逆にそうじゃない。反対だと言うと、よしそれでは断固やってやるというようなこれは多数党の心意気だったわね。こんなことが、
法律という
一体うしろだてをもってやるなんということが
日本の
文教政策にいいかどうかということを
考えなきゃいかぬですよ。
戦前の
教育のことと比較して、現代のことをやるというなら、そのことを
考えなければいかぬ、
教育改革の中に。こういう点どうですか。