○藤木
政府委員 お答え申し上げます。現在、おっしゃいますように、NHKは難視聴の解消ということで、いわゆる辺地共聴という名前で
CATV施設、いわゆる
有線テレビ
施設をつくっておりますけれ
ども、それの実態は、幹線部分をNHK自体が
施設をいたしまして、個々の、幹線から各家庭に入る部分はそれぞれのところで負担する。それからまた一般にはNHKのみならず民間
放送も受信したいという
要望が強いわけでございますので、それに必要なアンテナであるとか増幅器であるといったものは地元で負担をいたしまして、NHKと地元が共同いたしまして組合をつくって実際に難視聴の解消を行なっておるという状態でございます。
それからまた、いわゆる
都市におきましては、これは辺地の場合と多少事情が違うわけでございまして、NHKは正常な
電波を出しているわけでございますが、建物のためにそれが妨害されまして、一般の
受信者が良好に受信できないといういわゆる
都市難聴の場合があるわけでございますが、そのためにNHKが
責任を持ってその難視聴を解消しなければならないということには私
どもとしてはならないのではないかと考えておるわけでございまして、現在NHKは民間
放送あるいはほかの団体と
協力いたしまして、たとえば東京におきましては東京ケーブルビジョンといったものをつくって、そこで難視聴解消をはかっておる。それからまた
一つの大きな建物によりまして妨害を受けるような場合は、その建物主に、原因者であるということで原因者負担の原則と申しますか、そういうたてまえでそこから経費を出してもらって、NHKは技術的に指導いたしまして難視聴の解消をはかっているという場合もございます。したがいまして、いろいろな場合があるわけでございますが、いずれにしましても、この
法案自体は、第三条にありますように、
施設を許可するということでございまして、しかもまた第三条の「その規模が
郵政省令で定める基準をこえない
有線テレビジョン放送施設については、この限りでない。」ということでございまして、私
どもこの
郵政省令で定める基準というのは大体三百世帯というふうに考えておるわけでございますので、NHKが現在辺地で共同受信
施設をつくっておりますものはほとんどが三百世帯以下でございますから、せいぜい百世帯くらいのものでございますから、大部分その中に入ってしまって、おっしゃるような競合するというようなことはまず考えられない。ただ、
都市におきましては、先ほど申しましたようにいろいろなケースがあるわけでございまして、NHK自体も積極的にこの難視聴を解消するということはたいへん好ましいことでございまして、現在もいろいろな技術指導あるいは受信指導をやっておりますし、また先ほど申しましたような、ほかの団体と
協力をいたしまして難視聴の解消をはかるということでやっておるわけでございますので、私
どもとしましては、おっしゃるような競合ということはあまり起こってこないのじゃなかろうかと思っております。しかし、これからこういった
法案が成立いたしまして、実際に
施設の許可ということになってきますと、いろいろなケースがあろうかと思いますけれ
ども、私
どもとしましては、やはり何といっても難視聴の解消ということが一番大事なことでございますから、それにふさわしい
施設ができるということが望ましいわけでございますので、ケース・バイ・ケースで指導していきたい、そういうふうに考えておるわけでございます。