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廣瀬国務大臣 ただいま
武部委員御質問の、
郵便貯金金利引き下げの問題でございますが、これにつきましては、ただいま
お話しのように、最近、
公定歩合の
引き下げが行なわれそうだ、それに
関連いたしまして
預貯金の
金利を
引き下げてもらいたいというような、まあ国の
要請があるからということでございましょう。私に、
郵便貯金の
金利の
引き下げに応じてもらいたいというような
お話が、きのう実は
政調会長からあったわけでございます。と申しますのは、たいへん
武部委員、格別な御
好意を賜わっておりますいわゆる
庶民金融、
郵便貯金の
個人貸し付けの問題でございますが、これは
先生の非常なご
あっせんによりまして、
野党のほうも、今度の
国会で
政府提案が希望持てないということであれば
議員提案でやるべきだというようなことで、だんだん話が熟してまいりまして、
野党三派、場合によっては
共同提案でもしようかというような
動きが活発になってまいりました。そのことは
先生によるところきわめて甚大でございますけれ
ども、それと軌を一にいたしまして、
自民党のほうでも同じ
動きが活発にせんだってから起こってまいっておりますわけでございますが、今度
自民党のほうでも、
政府提案がどうもこの
段階でも非常に困難のように思われるということになれば、もともとこうした問題は今度の
国会中に
政府提案で出すことが常道であり、それが最も好ましいことであるけれ
ども、それができないということになれば、次善の策として、
議員提案でもぜひ成立させたいということで、非常に強い
動きがただいま見られておりますわけでございますけれ
ども、その
自民党の党内における
動き、それが
政調会の
段階でいろいろ
審議がなされまして、その結果、
政調会長に、
議員提案で
庶民金融の道を開くということを前提として、その
政調会の
審議の場で、
大蔵省サイドの
議員あるいは
農林省サイドの
議員からいろいろと御
発言がございまして、そういうことも参酌しながら、
政調会長に
調整を一任されたというような
かっこうになっておりますようでございます。
そういうような
要請に基づきまして、きのう私に会いたいということで、ただいま申しましたような
お話があったかと思うのでございます。で、ときたま
たま庶民金融を具体化しよう、ものにしようというような時期でございますから、それと
関連いたしまして
お話があったことは事実でございますけれ
ども、私
どもは、
庶民金融と
金利の問題は絶対に
取引にいたしたくない、いたすべき性質のものではないという
考えをもともと持っておりますわけでございまして、また党におきましても、そのことは強調くださっております。この
二つは全然別個のものであって、
取引の具に供すべきものではないということを強くおっしゃっていただいておりますわけでございます。
そこで、きのうの
会見では、まあ
関連を持っておるということでございましょう。一緒に
お話はあったわけでございますけれ
ども、これについては、私は
庶民金融の
お話も承り、
金利の問題につきましても
お話を承ったのでございますけれ
ども、
庶民金融と
金利の問題は、時節柄、これによって何らか
取引をしているというような誤解を受ける
心配が非常にある。と申しますことは、すでに御
承知のように、せんだって、いかにも私が、
庶民金融をでかしてくれるならば
金利引き下げに応じてもいいというようなことを話し合ったような、きわめて間違った
報道でございますけれ
ども、まあ
幾つかの
新聞にそのような解釈ができるような
報道がされたわけでありますが、これは決して私から出た問題ではございません。どこから出たかということは大体想像がつくわけでございますけれ
ども、そういうことに基づいていろいろ
心配をされて私に
お尋ねがございますけれ
ども、決して私はそういうことに参画していない、そういうような話を受けたことはないということで、かたくその点は否定をしてまいったわけでございます。
そこで、きのうも
政調会長に午後二時過ぎからお目にかかったのでございますけれ
ども、冒頭に、
庶民金融のことについてはたいへん
政調会長が
あっせんの労をとってものにしてやろうという御意図があるようにきのうの
調整案で承ったわけでありますが、それについて大いに謝意を表したわけでございまして、
内容については多少申し上げたいことがございますけれ
ども、まあ大体においてよろしいということを申し上げました。しかし、
金利の問題については絶対に
取引はいたしませんよということを強く申し上げたわけでございますが、その
金利の問題のうちに、
一つは
制度的な
要請の
お話もあったわけでありまして、
郵便貯金の
金利の
決定も、
農林関係金融のほうと同様に、あるいはまた他の
金融機関と同様に、
臨時金利調整法の
適用下に置いてもらいたいという一
項目があったわけでございまして、これは申し上げるまでもなく、
郵便貯金の
金利の問題を、
大蔵大臣の
管理いたしております二の
調整法の
適用のもとに置くということでございますから、
大蔵大臣の
管理下に
郵便貯金を移してもらいたいという説でありますわけでございまして、これはもう絶対に承服できない。ただいま
郵便貯金というものは
郵政大臣の
管理下にございますわけでございまして、
郵政大臣が責任をもって
国民のために
運用いたしておりますわけでございます。その
管理を
大蔵大臣にまかせるということについては、これはたいへんに大きな問題でございまして、絶対に承服できない。これは
庶民金融を返上してでも承服することができるものじゃない、
郵政省にとりましてはたいへん大きな問題ですよということを強く申しました。
金利の問題についてはこれが
一つございます。
いま
一つは、ただいま御
指摘の当面しております
公定歩合の
引き下げに伴う
預貯金金利の
引き下げの問題、これはぜひひとつ
郵政省も協力してもらいたい。
郵便貯金も他の
銀行と同様に
金利を
引き下げてもらいたいというようなことでございまして、これまた断じてお断わり申し上げますということを申しまして、ほかにも二、三ございますけれ
ども、
金利に関する問題はこの
二つでございますが、あまりに不本意な
内容でございましたから、私はいわば座をけって立ったというような
かっこうで、十分ぐらいしかおりませんで辞去いたして帰ってきたわけでございます。しかし、私といたしましては、せっかく
政調会長から、
庶民金融をひとつものにしたいという格別な御熱意を持っていろいろ
調整の御配慮を賜わっておりますその御
好意に対しましては感謝しなければならないことでございますし、でき得るならば
政調会長のご
あっせんによって
庶民金融はぜひものにしたいという悲願を持っておりますわけでございますから、私も
会長から示されました
調整案、これはまだ
メモ式のものでございます。外に発表してはならぬぞというようなことで、私もそういたしましょうと言って、話し合ったつもりでございますけれ
ども、もうだんだん漏れておりますから、私も一部、たとえばただいま
武部委員にも御披露申し上げましたわけでございます。
そういうようなことでございますから、そのご
あっせんの労は大いに多としなければならないのでありますけれ
ども、
郵便貯金の
金利引き下げ反対ということについての私の
信念は、今日までのところ変わっていないということがはっきり申し上げられますわけでございます。また、
先生方のきょうの御
激励、これもしっかり踏まえまして、十分奮闘してまいりたい、こういうふうに
考えておりますわけでございます。