運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1972-05-08 第68回国会 衆議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十七年五月八日(月曜日)     午前十時十二分開議  出席委員    委員長 高橋清一郎君    理事 内海 英男君 理事 加藤常太郎君    理事 古川 丈吉君 理事 水野  清君    理事 古川 喜一君 理事 樋上 新一君    理事 栗山 礼行君       安倍晋太郎君    池田 清志君       宇田 國榮君    小渕 恵三君       亀岡 高夫君    坪川 信三君       中村 拓道君    西銘 順治君       羽田  孜君    長谷川 峻君       湊  徹郎君    森  喜朗君       島本 虎三君    武部  文君       八百板 正君    米田 東吾君       中野  明君    池田 禎治君       津川 武一君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 廣瀬 正雄君  出席政府委員         郵政大臣官房長 森田 行正君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政省人事局長 北 雄一郎君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部外勤課長  朝比奈仙三君         経済企画庁総合         開発局参事官  下河辺 淳君         大蔵省理財局資         金課長     福島 量一君         消防庁防災課長 古郡 良秀君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社職員局長   玉野 義雄君         日本電信電話公         社営業局長   遠藤 正介君         日本電信電話公         社計画局長   清水 通隆君         日本電信電話公         社経理局長   好本  巧君         日本電信電話公         社資材局長   山本  孝君         逓信委員会調査         室長      佐々木久雄君     ――――――――――――― 委員の異動 五月八日  辞任         補欠選任   金子 岩三君     安倍晋太郎君   服部 安司君     西銘 順治君   林  義郎君     湊  徹郎君   阿部喜男君     島本 虎三君   土橋 一吉君     津川 武一君 同日  辞任         補欠選任   安倍晋太郎君     金子 岩三君   西銘 順治君     服部 安司君   湊  徹郎君     林  義郎君   島本 虎三君     阿部喜男君   津川 武一君     土橋 一吉君     ――――――――――――― 五月一日  兵庫県浜坂町の栃谷テレビ共同受信施設設置に  関する請願(佐々木良作紹介)(第二九五四号)  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する  法律等の一部を改正する法律案反対に関する請  願(井上普方紹介)(第二九七四号)  同(卜部政巳紹介)(第二九七五号)  同(勝間田清一紹介)(第二九七六号)  同(金丸徳重紹介)(第二九七七号)  同(川崎寛治紹介)(第二九七八号)  同(斉藤正男紹介)(第二九七九号)  同(阪上安太郎紹介)(第二九八〇号)  同(島本虎三紹介)(第二九八一号)  同(田邊誠紹介)(第二九八二号)  同(武部文紹介)(第二九八三号)  同(中井徳次郎紹介)(第二九八四号)  同(中谷鉄也紹介)(第二九八五号)  同(芳賀貢紹介)(第二九八六号)  同(原茂紹介)(第二九八七号)  同(平林剛紹介)(第二九八八号)  同(細谷治嘉紹介)(第二九八九号)  同(堀昌雄紹介)(第二九九〇号)  同(松浦利尚君紹介)(第二九九一号)  同(安宅常彦紹介)(第三〇三四号)  同(井上普方紹介)(第三〇三五号)  同(卜部政巳紹介)(第三〇三六号)  同(大出俊紹介)(第三〇三七号)  同(勝間田清一紹介)(第三〇三八号)  同(金丸徳重紹介)(第三〇三九号)  同(川崎寛治紹介)(第三〇四〇号)  同(北山愛郎紹介)(第三〇四一号)  同(斉藤正男紹介)(第三〇四二号)  同(阪上安太郎紹介)(第三〇四三号)  同(島本虎三紹介)(第三〇四四号)  同(田邊誠紹介)(第三〇四五号)  同(武部文紹介)(第三〇四六号)  同(中井徳次郎紹介)(第三〇四七号)  同(中谷鉄也紹介)(第三〇四八号)  同(中村重光紹介)(第三〇四九号)  同(芳賀貢紹介)(第三〇五〇号)  同(原茂紹介)(第三〇五一号)  同(平林剛紹介)(第三〇五二号)  同(古川喜一紹介)(第三〇五三号)  同(細谷治嘉紹介)(第三〇五四号)  同(堀昌雄紹介)(第三〇五五号)  同(松浦利尚君紹介)(第三〇五六号)  同(八百板正紹介)(第三〇五七号)  同(八木昇紹介)(第三〇五八号)  同(山口鶴男紹介)(第三〇五九号)  同(米田東吾紹介)(第三〇六〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する  法律等の一部を改正する法律案内閣提出第四  〇号)      ――――◇―――――
  2. 高橋清一郎

    高橋委員長 これより会議を開きます。  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
  3. 武部文

    武部委員 私はまず最初に、この委員会三つの問題が論議をされておるわけでありますが、同僚委員からもすでに指摘がありましたように、拡充法、特退法、質権法、この三つ法案を一括して提出されてきたことについていろいろ意見がございました。私も同様に思います。この三つの問題は、なるほど期間延長については、十年という日程については間違いはありませんけれども内容はそれぞれ異なったものであります。特に野党側としては、この三つの問題についてかねてからいろいろと主張しておったので、政府自体も、あるいは電電公社自体も、特退法は職員労働条件、待遇に非常に関係がある、こういうことは万々承知のとおりであって、これについて野党が全面的に反対をするということはあり得ない。質権法も大体同様に、その意図するところは了解ができるのであります。しかし、拡充法そのものについては、かつて論議の際の附帯事項なり、あるいは論議の際のいろいろなやりとりを見ましても、あの特退法が制定されたときの精神にのっとれば、今回このような十年というような長期にわたる延長提案してくるということは、これは私どもとしては了解できない、こういう立場をとっておることは御案内のとおりであります。そういうように、野党側三つのうちで一つには強く反対をし、残りの二つには賛成をする、そういう条件がすでにあるにかかわらず、このものを一括して一本の法律にまとめて提案をしてきた。これは法制局がそういう悪知恵を働かせたのか、それとも郵政省法制局とたくらんだことなのか、私はこの問題についてたいへん疑問に思います。しかし、もうすでにこの法案審議をされておるわけでありますから、それ以上のことを申し上げませんが、いずれにしてもこの三つの問題を一括して上程をしてきたことについて私は冒頭、この取り扱いについて強く遺憾の意を表明しておきたいと思います。  そこで、まず第一は、この拡充法による加入債券強制負担、これは公社法によるところの資金調達の例外だ、このように私ども理解をいたします。三十五年の第三十四国会、ここで十三年のいわゆる最長の法律が通ったわけでありますが、その国会論議議事録等を読んでみますと、電電公社側としてはできるだけ早くこの問題については打ち切りたい、こういう言明を当時の総裁もしておることは、この委員会論議を通じても明らかになったところであります。今回の当委員会における論議としても、十年は長過ぎる、また十年ということについての根拠が薄弱じゃないか、またある委員は、現在の経済情勢のもとにおいては、債券というものはむしろ白紙に戻して、いまの経済実態に合わせて考えるべきではないかという白紙意見も出てきたことは御案内のとおりであります。  そういうような論議の過程を通じて、私どもは十年という期間の問題について、はなはだ納得できないのであります。経済企画庁の発表する五カ年計画その他のいろいろな政府計画を見ましても、大体この期間というものは、五年というのが通例であります。政府提案してきたものに十年というような長期提案は、私どもとしては承知をいたしておりません。今日のように政治、経済状態というものが非常に混乱しておるさなかに、十年先を見通すというようなことは非常に困難であります。そういう状態の中で、今回十年の延長論議がかわされておるわけでありますが、十年にこだわらないで可能な限り早く廃止をする、そういう意見に対して大臣なり公社総裁はどのように感じておられるのか、それを最初にお伺いしたい。
  4. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 武部委員から冒頭に、三つ法律を一括提案したことにつきまして重ねて御指摘を受けまして、あえて御質問ということじゃなかったようでございますけれども皆さま方のおぼしめし、あるいはお立場を利用といいますか、いたしまして、賛成もあり反対もあるので、これを一括御審議を願って全部通していただきたいという、悪だくみということばを使われたわけでありますが、そういうような意図は全くなかったのでありまして、郵政省、私の責任において、そのほうが御審議に御便宜じゃないかというようなことで出したわけでございます。これもたびたび御説明申し上げたとおりでございまして、ぜひ御理解を賜わりたい、かようにお願い申し上げる次第でございます。  五年じゃなくて十年に拡充をしたということについての御質問でございましたが、これはなるほど政府計画等は大体五年という例が多いわけでございます。しかし、今度の拡充法はたびたび私なり総裁から御説明を申し上げておりますように、一応ただいまの七カ年計画最終年次でございます昭和五十二年度、四十八年から申し上げますとまさに五年でございますが、その五十二年度の末にはかねがね申してまいりました一般加入電話の積滞というものがなくなる。その後は申し込めばすぐにつけられるということを申してまいったわけでございますけれども、それはまさにそのとおりでございます。そういう状態になるわけでございますけれども、しかし、ただいまの電話需要の状況、国民生活がだんだん向上してまいりまして、ほとんど電話というものが生活必需品になってまいりました。アメリカのようにほとんどの世帯が電話架設するということを見通しますと、昭和五十三年度以降五カ年間におきましても相当多数の電話需要があるだろう。その五年間の見通しは、大体千三百万個というふうに見通しているわけでございますけれども、そうしますと、一年割りが二百六十万個ということになるわけでございます。それくらいな申し込みは新規にあるだろう、需要があるだろうということでございますから、これには相当多額な建設資金を必要とするわけでございまして、その建設資金については、私ども大いに財投の確保については努力を続けてまいりますけれども電電公社自己資金でありますとか、あるいは財投のお金だけではどうしても足らない。ただいま加入者債券の御負担は、全建設資金の三分の一程度ということになっておるわけでございますが、多少その割合が減るにいたしましても、やはり依然として建設資金の重要な部分を御負担願わなくちゃならないという状態は続くであろう。昭和五十三年度以降、もしこの資金がないということになれば、前までのようにだんだん積滞というものが積み重なっていくということになってくることを心配いたしまして、その後におきましても、五カ年間だけはぜひひとつ御協力を願いたいということで十カ年ということにいたしたわけでございます。またさらにだんだん情報化してまいります社会という点から申しましても、データ通信でありますとか、搬送通信でありますとか、あるいは加入電信でありますとかいうような面におきましても、相当多額な資金を必要とするというようなことをいろいろ勘案いたしまして、ぜひともひとつ最初の五カ年の五十二年度までに加えて、さらに五カ年、合わせて十カ年間だけは御協力を賜わらないと、また積滞がつかえまして、そうして申し込めばすぐに電話架設できるという状態が保持できない。十カ年間経過すれば、それから先はもうほとんど需要というものがなくなってくるのではなかろうか。アメリカ並みに百人に九十五人も電話架設するという状態に到達いたしますから、そうなれば、その後電話架設というものが続きましても、さしてたくさんな資金を必要としないということで、十カ年だけはぜひお願いを申し上げたいということで提案をいたしたわけでございます。
  5. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。昭和三十四年度に第二次五カ年計画を改定いたしまして、昭和四十七年度末に申し込んだらすぐつける状態にする。その際に十三カ年間の期限にわたって拡充法の制定を政府国会にお願いいたしまして、それが成立して今日にまいりました。そのときに、昭和四十七年度末の最終電話需要の総数がどのくらいになるかという予想を立てました。大体千百万であろうという予想を立てたのでございますが、すでに今日、特に国会あたりの強い御要望によりまして、また国民の非常な要望もございまして、本年度で二千万になる。実際これだけの大きな違いが起こりました。この違いは、見通しが違ったといえば確かにそのとおりでございますが、日本経済成長が非常に敏速に行なわれたとか、あるいは電話生活必需品になったこと、あるいは国民生活が充実したこと、そういう国民生活のいろいろなプラスサイドの面でこれがそういうふうになってきたわけでございます。第二次五カ年計画の全体の五カ年間の架設電話数は二百二十万であったということから考えまして、先般認めていただきました本年度予算で本年度二百八十万つける。一年間に二百八十万つけると、それだけ企業が拡大されたということは確かに事実であったというふうに思います。したがいまして、本来ならば四十七年度末においていわゆる積滞ゼロということになるはずでございましたけれども、まだ現在二百数十万個積滞がある。さらに七カ年計画をつくって昭和五十二年度末において積滞がなくなる。それからそのあとはどうかといいますと、一ぺんなくなった積滞がまた次の年からどんどんふえ出してきたということでは、これは国民電話に対する御要望に沿わないことになりますので、やはりこれを継続していかなければならない。すなわち、積滞が全国的規模においてなくなった状態というものを今後も維持していかなければならない。この点がいままで確かに公社側説明等において若干不十分の点があったと思いますけれども、これは申し込んだらすぐつけるという状態を先のことであったということで、あまりはっきり把握してなかったという点に私は原因があったと思います。したがって、五十二年末において積滞をなくする七カ年計画と、さらにそのあとにおける投資の実態というものを考えますと、昭和五十三年度から五十七年度末にあたりまして千三百万の加入電話をつける。この千三百万を割ってみますと、毎年約二百五十万をつけるということになりまして、これは第二次五カ年計画拡充法をお願いいたしました時点の五年間につけた二百二十万よりもなお多いという非常に大きな数字であります。したがって、先ほど大臣も答弁されたわけでございますけれども、この拡充法というものが現在全体の建設資金の中の約三〇%を占めている。また今後も、やはり五十三年以降の五カ年間におきましても二〇%以上占めるというようなことでございますので、この拡充法延長はぜひやっていただきたい、こういうふうに思う次第であります。  ところで、じゃ拡充法というものがその先はどうかということになりますと、その五十七年度時点におきましては、大体アメリカ合衆国の現在並み電話の普及になります。したがって、その時点におきましては、拡充法延長はもうそこで打ち切っていただいていいんじゃないか。その手前はどうかというお話になりますが、その手前時点というのは、現在の時点で想像することはなかなか困難でありますけれども、私はやはりその時点まで大体必要じゃないかと思います。そのようにお答えいたしまして、あとはそのときの時点になって極端に需要が減った、これはそういうことはおそらくないと思いますが、そのときはまたそのときで考えるというふうにしたらいかがかと思います。
  6. 武部文

    武部委員 私どもが主張していることは、この十年という期間についてまず異論があるということであります。また公社建設をするに際して多額の資金が必要だということは、これはよくわかるわけでありまして、そのことを何も否定するものではございません。ただ問題は、あとで申し上げますが、これから公社がいろいろな新しい情報のシステムをつくっていくという、そういうかっこうになっていく中で、ただ単に金がないから拡充法を十年延長して加入者から負担をしてもらうんだという、そういうふうなことでなしにやっていくべきじゃないかということが、実は私どもの発言の前提となっておるのであります。したがって、十年というような期限は私ども反対でありますから、一応提出されて細部の詰めに入ったわけでありますが、できるならば、可能な限り早く打ち切ってもらいたい。そのためには長期でしかも安定的な資金調達方法というものを考えるべきではないか、こういう点を私ども指摘をしたいのであります。少なくとも今日の加入電話によるところの会話通信という形から、いまつくられつつありますボタン電話の問題にいたしましても、あるいは新しい自動電話サービスデータ通信、それからテレビ電話、そういうものについて、適切な料金体系なりあるいは加入者負担なりというものについて、一体どういう検討が進められておるだろうか。データ通信というのは独立採算制をとるとおっしゃったけれども、今日いまだに私どもはこの内容について承知ができぬのであります。そういうような段階で、少なくともこれからの新しい自動電話サービスデータ通信、さっき言ったテレビ電話、そういうものの料金体系とか、それから加入者はどの程度負担をすべきかという、そういう構想についてこの一、二年間のうちに検討を加えて、国民の前にそういう具体的な内容を発表する必要が私はあると思うのですが、これについて電電公社はどういうふうにお考えになっておられるか。
  7. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。まずデータ通信につきましては、昨年の法律を通していただくまではいわゆる試行サービスということでございまして、そのつど郵政大臣の認可を得てきた次第でありまして、昨年の五月法律が通りまして、データ通信電信電話と並んで公社の正式な業務にするというふうになるまでは、確かに過渡的な措置がとられたということになるわけであります。その際、私はこの国会の席でも、データ通信については独立採算でやるのだ、いわゆる電話プラスをもってデータ通信を補い、あるいはデータ通信プラス電話を補うということではなくてやるのだという方針を述べまして、私はその方針をいま関係の部局にも指示いたしますし、現在そのつもりでいまものを進めております。  ただ、これまで発足いたしました中で考えてみますと、もし電電公社データ通信についてこれまで努力しなかったならば、私は、日本のこういう面の技術なりあるいは企業というものが非常におくれたのじゃないか、あるいは外国の企業がもっと早く進出するとか、いろんなそういう問題もあって、国民の御要望に沿いあるいはまた国益にも合致するという面におきまして、これまでとった措置は必要な措置ではあったと思いますし、またこれからもデータ通信自体独立採算、初年度からいきなり黒字にするわけにはいかないのでありまして、八年なら八年という期限をおきまして、その間においてこれを独立採算の間に持ってくる、こういうことになるというふうに思います。ただ、これは電信電話と違いまして、あらゆるデータ通信電電公社が独占するわけではございません。したがって結局電電公社は、公益的なもの、あるいは全国的なネットワークのもの、あるいは開発先導的なもの、こういうものに重点を置いてやるという方針を立てていきたいと思います。その他の画像通信等につきましては、まだごく部分的に進んでいるというわけでございまして、これはやはり、当然適正なる公正報酬といいますか、あるいは合理的余剰といいますか、そういうものを見込んだ料金でいくべきであるというふうに考えております。
  8. 武部文

    武部委員 そういたしますと、私が申し上げたことは、いまの総裁の御答弁によると、若干食い違いがあるようでありますが、私ども加入電話債券でこれからの公社のいわゆる資金運用の大半をまかなってもらいたくない、そういう見解です。あとで申し上げますが、財政投融資の問題にしてもそうでありますが、そういうような点についての、もっと資金調達の面で少し検討を加える必要があるのじゃないか。ただ、将来どうも金が足らぬようだから手っとり早い加入債券拡充法延長だというようなことではなしに、いま私が申し上げたようなデータ通信とかいろいろなものがあるわけですから、そういう問題についての料金体系、それの拡充に伴う資金調達、そういうようなものを全般的に考えて、できるならば十年以内に加入債券のほうは打ち切って、その他の資金調達方法電電公社はとるべきではないかという見解を私は持っておるわけですが、これについてはどういうお考えでしょう。
  9. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。  先ほど独立採算と申し上げたのですが、これは資金面というよりもむしろ経理面、毎年の収支面の問題を主として言ったわけであります。いま御質問がございましたいわゆる資金面の問題につきましては、データ通信等についてはいわゆる昔は縁故債という名前を使いましたが、今度の予算を認めていただきました時点から縁故債、それからもう一つはいわゆる政府保証なき公募債特別債という名前にかわりましたので特別債という名前を使わしていただきますと、その特別債というようなものによって、データ通信のたとえば中央装置セントラル装置みたいなものはそれによってやる。したがっていまお話がございましたように、いわゆる拡充法による資金というものをデータ通信中央装置のほうには持っていかない。これはあくまでもそういう特別債の中で――そういう特別債の中には縁故債というものも当然含まれておるわけであります。それからまた、なお拡充法の中をこまかく見ますと、たとえばデータ通信端末等につきましては、端末についての債券を持っていただくというような分もございますので、ただいまお話がございましたように、データ通信とか、そういうものの資金面というものが電話架設そのものを圧迫する、あるいは加入電話のためにいただいた、強制的ということばを使いますか、法律的にいただくこの債券で得た資金というものをデータ通信には適用しないのだ、こういうふうに考えていきたいと思います。  それからもう一つは、なお、十年未満にうまくできれば早く返したほうがいいという御質問でございますが、これは電話需要というものが、われわれが予測しておるものと違ったというふうに将来激変でもありました場合には、そういうことが起こるかもしれませんが、気分といたしましては、前にたしか御指摘がございましたように、大橋前総裁がちょうど昭和三十四年度時点で申し上げましたような気持ちは持っておりますけれども、実際問題としてなかなかそれはむずかしいのではないか。しかし、ほかにかわる有力な手段が将来できればそういうことも全然考えないわけではない。こういう御答弁をしたいと思います。
  10. 武部文

    武部委員 続いて建設資金の問題にさらに触れたいと思いますが、私先ほど申し上げたように、いま電電公社の仕事というのは、ただ単なる加入電話の増設ということではなしに、情報通信公社の性格を持ちつつある。おそらくそのように急テンポで進むだろうということは、私どもしろうととしても大体そのような方向ではないかと思われる。そうなってくると、先ほどデータ通信の問題について独立採算の問題が出てきておりますが、なるほどそのこともわからぬではありません。ただ、資金の不足を拡充法だけでやるのだというような考え方であっては困るのじゃないか。それからいまおっしゃったように、確かに縁故債公募債あるいは外債、そういうものになると、これは利息は七分三厘でありますか、七分三厘の利息ということになってくるとい私は先行き非常に不安ではないだろうかという気持ちもいたすのであります。  そこで、これも同僚議員からもいろいろ質問があってお答えがあったわけでありますが、財政投融資の問題について資料をいろいろ見ますと、電電公社の期待をしておる額というものが記載をされております。一体この財政投融資で第二次、第三次、第四次、そういうものについて、期待に対する信用度、いわゆる期待に対する財政投融資の実際の額はどの程度であったのか、これをひとつお伺いいたします。
  11. 好本巧

    ○好本説明員 お答えいたします。資金調達のうちで、いま御指摘のありました財政投融資等によるものが、過去どういうふうな状況であったかということでございますが、昭和二十八年公社発足以来、四十五年度までの実績、四十六年度、四十七年度予算でございますが、結局二十年間の実績を振り返ってみますと、政府保証債等が累計で約二千八百億でありまして、縁故債と称されるものが約四千二百億、こういうふうな数字でございます。先ほど御質問のありましたように、毎年政府に、政府保証債等いわゆる財政投融資計画によるところの資金調達をお願いして、それが実際の要求と実績との関係はどういうふうになっておるかということでございますが、過去公社発足以来累計いたしますと、平均いたしますと大体要求額に対して三割程度というものが認められておるというふうな数字がございます。
  12. 武部文

    武部委員 この数字は間違いございませんか。私ども承知しておるところでは、二次、三次、四次、そういう点では、いまお述べになったのは三〇%近くの要求に対しての実績があるということをおっしゃっておるわけですが、この皆さんからお出しいただいた十年延長に伴う資料によると、多額の期待をしておられるようであります。ところが、実績はいまお述べになったとおり。こうなってくると、一体この財政投融資に対して、皆さんのお出しになった計画というものがはたして実行できるだろうか、こういう点について非常に不安を持つのであります。一体財政投融資について、今度の計画について、郵政大臣をはじめ電電公社総裁は、今日のような三割程度の実績を踏まえて、財政投融資に対してどのような期待を持っておられるのか、私はそれをお伺いしたい。
  13. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私から大綱と申しますか、原資についてお答え申し上げたいと思いますが、私ども郵政省といたしましては、毎年建設資金についてはなるべく財投から金をもらいたいということで努力を続けてまいっておりますわけでございますけれども昭和四十七年度はわずかに先年の倍額程度には確保できましたわけでございますけれども、それにしましてもなかなか少ないわけでございまして、この点ほんとうに残念に思っておりますわけでございますが、まあ財投計画といたしましても全体として調和をとらなければならぬと申しますか、社会資本の非常に少ない日本としましては、他の鉄道でありますとか、あるいは道路、住宅というような社会資本のほうにかなり充当されることになっておりますものですから、思うにまかせないわけでございまして、この点はほんとうに残念に思っておりますわけでございますけれども、幸いに新年度特別債と申しますか、政府の保証のない一般の公募債というものが発行できることになりまして、そういう財源の多様化と申しますか、新機軸を開きまして、将来つとめて財投の確保に努力いたしますとともに、その原資の多様化というようなことについても努力を続けてまいらなくちゃならぬ、こういうふうにも考えておりますわけでございます。  なお、詳細なことにつきましては電電公社のほうから御答弁申し上げることにいたします。
  14. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。先ほど経理局長がちょっとマクロ的に数字を申し上げたのでございますが、私、もう少し具体的に、たとえば昭和四十七年度予算のときはどうだったかというお話をしたほうがこの問題を解明しやすくなるのではないかと思います。  昭和四十七年度予算は、要求の工程が沖繩分を入れまして二百八十一万五千加入、要求額の加入電話全額が認められた。投資規模につきましては、満額ではございませんけれども、ほとんど満額に近い投資規模が認められまして、一兆五十億円ということになったわけであります。その際に、いわゆる外部資金の面につきましては、加入者債、これは別といたしまして、たしか縁故債と、新しく認められました政府保証なき公募債を含めまして全体で千八百億円要求いたしましたのに対しまして千四百八十億円という数字になった次第でございます。ただ、確かに御指摘のように、政府保証のある公募債というものは二百億しか認められませんので、これにつきましては今後とも努力いたしたいのでございますけれども、これはいつも最終段階におきまして道路、港湾とか、あるいは住宅とかそういうものと取り合いになりますし、それからまた政府保証自体のワクというものがあまり毎年ふえてない、こういう事情もあって、実際問題として困難でございました。今後とも政府その他に要望いたしまして努力いたしたいと思います。  なお、資金関係につきましては、先ほど七割切られているというような、ちょっと誤解を招くような数字がございましたが、千八百億要求いたしまして千四百八十億円取れた、それから資金の投資規模全体も大体満額に近いものが取れた、こういうふうに最近はかなり要求額に近いものが認められておるということを御説明申し上げます。
  15. 武部文

    武部委員 なるほどその四十七年度は、いまおっしゃったように非常にいい成績のようであります。しかし、おっしゃったように二百億という数字は、これは否定できない数字であります。したがって、四十七年度の実績ということを、私はそれはそれなりに評価できると思いますが、いずれにしても過去の実績、将来のあり方を考えると、そう楽観もできない。だとすると、郵政大臣が言われるように、やはり財投の面で相当な力を注いでもらって財投の増額をやってもらわなければ困る。その点を特に要請をしておきたいと思います。  続いて、私は専用料金の認可のあり方についてお尋ねをいたしたいと思います。これは同僚議員からも質問がありまして、御回答があったようでありますが、先般の電報の料金の値上げのときの状態は、ここで論議がありましたからそのことについてもう触れません。触れませんが、少なくともこういう料金のあり方、専用料金の問題については、どういう審議会になるかわかりませんが、やはり審議会のようなものを設けてそして十分検討をして、最終的に決定をする、そういう仕組みにすべきではないかという意見を私は重ねて申し上げたいのであります。  同時に、その決定をされてから少なくとも最低一カ月ぐらいの周知期間を設けるべきじゃないか。それによって国民理解を求め、同時それを取り扱う事務関係者も、それによって混乱を避けることもできるでしょうし、先般のようなことではたいへん困るわけでありますから、そういうような私ども考え方、これについてどういうふうにお考えでしょうか。
  16. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 料金の諮問について、並びに周知宣伝のことについての御意見でございましたが、私、全く武部先生の御意見どおりだと思います。実はこの前の慶弔電報の特殊取り扱いの料金をきめるにつきまして、私の認可事項になっておりましたわけでございますが、どうも私、決定するについて、何となく自信がないような感じがいたしまして、そのときも何か相談相手のようなものをつくっちゃどうかというようなことも事務当局とも相談したのでございますけれども、その際は急を要するということでもございましたものですから、とうとう間に合わなかったのでございますが、しかし、あれが契機となりまして、将来必ず、認可料金といえども国民の生活に重要な関係を持っておる基本的な料金と申しますか、調べてみましたら認可料金はずいぶん数がたくさんあるようでございまして、すべてをはかるということは、相談するということはこれは非常な煩瑣のようでございますから、そのうちの大きな問題と申しますか、生活に関係の大きい問題、なるべくたくさん取り上げたいと思っておりますが、そういうものを取り上げて、何か新規な諮問機関をつくろうと思っておるのですけれども、幸いに郵政省には郵政審議会というのがございまして、この内容を私、検討いたしましたら、十年前に私が政務次官でありましたときとはだいぶんこの性格が変わってきておりまして、公正な判断が一そうできるというような自信を私持ちましたので、これにひとつおはかりしようということで、郵政審議会にかけて御審議いただく、その御答申をいただきまして、最終的には私が認可決定をするというようなことにいたしたいと思っております。  それから、周知の期間の問題でございましたが、これもお話しのとおりだと思うのでございまして、この前がどうも早々と申しますか、少しうろたえまして、短期間にああいうようなことにしてしまったものですから、非常に国民には、御承知いただくといういとまがなかったと思うので、この点は非常に恐縮いたしております。今後はああいうことのないように、少なくともただいま仰せのように一カ月は、どんなに短くても、余裕を持ってきめるというようなことにしていかなければならない。将来は必ずそういう御期待に沿うようにいたしてまいりたい、こう思っております。
  17. 武部文

    武部委員 この問題は、お互いにそう意見の食い違うものではないと思いますから、できるだけそういう期間審議会にかけて十分論議をした上で周知徹底をはかる。余裕を持ってひとつやっていただきたい、これを特に要望しておきたいと思います。  次に、この加入電話の早期完全充足と申しますか、できるだけ早くつけてもらいたいというわけですが、いまの電話の積滞の総数、これは四十六年三月でもいいわけですが、積滞の数と、それを住宅用と事務用と分けたら大体どのくらいになっているか、これはおわかりでしょうか。
  18. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 総数は、本年三月末で、沖繩を含めまして大体二百六十万でございます。事務用、住宅用につきましてはただいまちょっと、調べましてあらためてお答えをいたします。
  19. 武部文

    武部委員 二百六十万のうちで、住宅と事務用に分けた場合、やはりどうしても事務用のほうが私は積滞が少ないと思うんです。住宅のほうが多い、そのように思います。
  20. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 先生のおっしゃるとおり、大体七割から八割が住宅でございます。
  21. 武部文

    武部委員 そこで、今度の法案を通しての審議の中で、大体昭和五十二年度末には全国的規模で積滞の解消がはかられるだろう、そういうことでございました。そこで私は、そういうふうに五十二年度末に全国的な規模で積滞が解消する、しかし何か、あとにも触れますが、四百ぐらいは手動式のものが残るということでありましたが、そうなってくると、できるところから早急につけるべきではないか。たとえば、いまお聞きいたしますと、二百六十万中の七割から八割は住宅用の積滞だ。そうすると、確かに全国的に平均をしてつけるには一番いいでしょうが、とにかく、県庁所在地あたりでどんどん積滞があるというような、そういうところには重点的に、できるところから積滞を解消していって、そして、できるならば五十一年度ぐらいまでの間に積滞が解消されるというような、そういう方向で今後の電電公社の積滞解消の方針というものはとれないかどうか。それはいかがでしょうか。
  22. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。先生のおっしゃいますように、このままの状態で、五十二年度末に格差を持った状態で積滞解消になりますよりは、これから先の五年間に、できるだけまず事務用と住宅用の格差も縮め、また、おっしゃいますように大都会、中都会あるいは農村等の格差も逐年縮めてまいりまして、最終的に五十二年度末には全国的規模において積滞を解消する、こういう形にしますように、事務的にも、たとえば優先受理基準等も改めまして、そういう方角で検討いたす用意をいたしております。
  23. 武部文

    武部委員 私は、ぜひそうしていただきたいと思うのです。そういう方向を要望しておきたいと思います。  続いて、料金区域のあり方の問題について。去年の五月十八日に参議院の附帯決議がございますが、その五つの項の中の第三項「電話料金体系とくに広域帯の問題については、今後さらに慎重に検討を加え、社会経済生活の進展に即応するよう努めること。」という附帯決議が行なわれております。広域時分制がこれから実施になるわけでありますが、実施になった場合、もちろんこの広域時分制の問題についてはいろいろありました。意見、異論があったこともあった。賛成意見もあった。しかし、いろいろあったけれども実施になるわけです。私どもは、かねてからグループ料金制というものを主張してまいりました。この広域時分制というものは、私どもしろうとなりに見て、このグループ料金制の一種であるようにも思います。思いますが、われわれがかねてから主張しておったようなグループ料金制と若干違うのであります。そういう面から見て、この広域時分制が実施されたあとにおいて利用者の声というものを十分聞いて、そうしてより合理的な、この決議にもあるような、より合理的な料金区域にすべきではないか。そういう検討をすべきではないか。しいていえば私どもが主張してきたようなグループ料金制というものについて、この広域時分制を実施したあとにどのような構想で対処されようとしておられるのか、これをひとつお伺いしておきます。
  24. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。昨年の附帯決議の御趣旨にも体しまして、私どもといたしましては、まず今度の広域時分制が実施をされます前後から、この問題につきましての一般の世間さまの御意見等も十分伺いまして、また先ほどお話がございましたように、これは前の国会でも申し上げましたように、いま先生のおっしゃいましたように一種の日本的グループ料金制でございますけれども、たとえば英国でやっておりますグループ料金制の実態も、いまだつまびらかにいたさない点も相当多い点がございます。そこで、それらのものの実態も組織的に調査をいたしまして、あるいは有識者等の意見も、十分組織的に研究をしていただきまして、附帯決議の趣旨に沿ってグループ料金制と申しますか、この広域時分制の将来の姿というものについて一つの目標を見定めることができるようにいたしたい、そういう研究過程にいまあるわけでございます。
  25. 武部文

    武部委員 このグループ料金制というのをとっておる国はイギリスだけでありますか。電電公社としては、このグループ料金制というものは、世界のどういうところで具体的に実施されておるか御存じですか。
  26. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 グループ料金ということばの定義にもよるかと思いますが、私どもが一番ティピカルに知っておりますのは英国でございます。それから、同じような意味では、最近改正になりました西ドイツあたりもそういうぐあいになっております。また、ある意味では、アメリカのあるところでもグループ料金制といえないことはないと思います。そういったような点が、広い国あるいは小さな国によって相当違います。そこで、わが国のようにこういう国土が狭く、また、いわゆる人家連檐をいたしておりますところでは、一体どういう型のものが一番いいか、あるいはさらに先生のおっしゃいましたような日本的グループ料金制を発展したものがいいかということを十分研究をいたしたいと思っております。
  27. 武部文

    武部委員 それならば、広域時分制への切りかえについて、準備は大体計画どおり進んでおりますか。
  28. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 法律に基づきます試験実施をこの六月の十一日に、六つの単位料金区域で行ないます。それ以後、その模様も見まして、ことしの秋から、政令で定められます日に切りかえを始めていくつもりでございますが、工事関係としては、私ども直接の担当でございませんが、順調に進んでおると聞いております。
  29. 武部文

    武部委員 それでは広域時分制の問題、これは、料金区域のあり方、こうしたことについては、実施後すみやかにグループ料金制の問題についての検討をぜひしていただきたいことを要請しておきたいと思います。  続いて、先ほど申し上げました、データ通信のことについてお伺いをいたしたいと思います。  私どもは、昨年の通常国会で、郵政大臣法案の提出をされたときの趣旨説明に対して、情報化の三原則というものを提案をいたしました。それについて大臣からも答弁がございました。その際に、情報基本法、この制定をすみやかに行なうべきではないかというような点についても、私どもは基本法の制定を要請したわけでありますが、これは非常にむずかしい問題もあって、いろいろ検討をしたい、こういうことでありました。先ほど申し上げましたように、電電公社の形態というものが、ただ単なる加入電話から、そういう情報化公社というようなかっこうに移行していくという、そういう過程の中で、データ通信の占める位置というものは、私はたいへん重要だと思います。私どもは、情報化の三原則というものを皆さんに私ども見解として示しました。これは平和的利用と国民生活の向上に役立つというのが第一点で、第二点は公開の原則と民主的管理運営、それから第三点がプライバシーの問題と基本的人権の尊重という、この三つを三原則として、私ども意見を述べたわけであります。私どもは、この三点にのっとって、国民生活向上のためにどういうように将来データ通信があるべきか、たとえば医療、これは厚生省、公害は環境庁、交通は運輸省、行政、これは自治省、それから流通は農林省、こういうような関係のある問題についてのシステムに関連するものを少なくとも相互に努力をして積み重ねていって、しかも公平に、さらに同時にこれが地域開発、過疎とか過密とかそういうものに役立つように、少なくともデータ通信というものは、電電公社なり郵政省が先導する形で各省庁をまとめていくという努力が必要ではないか。いま各省庁にそれぞれてんでんばらばらにそういうものをまかしておったでは、いつまでたっても、私は、こうした問題はばらばらな形で進むしかないし、予算化というものもほとんどされないと思う。そうなってくると、郵政大臣が主導権をとって、いま申し上げたような厚生あるいは運輸、自治、環境、農林、こういう各省庁に働きかけをして、そして予算化をさせながら、このデータ通信の将来のあり方について、それが情報三原則、私どもの基本的な三原則にのっとって、そういうようなことを大臣電電公社総裁協力しながら、その構想を明らかにする必要があるのではないか。このデータ通信の今後のあり方について私どもはそういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
  30. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 データ通信の今後のあり方に関連いたしまして、情報の基本法でもつくってはどうかという在来の御主張についての御指摘であったわけでございますが、私も郵政省を担当することになりまして、国会におきましてそのような御答弁を大臣からいたした、またある場合には総理みずからもそういうような答弁をしたということを承りましたので、これは放置しておけない、また今後だんだん情報化の社会になりまして、データ通信等が非常に重要性を帯びてくるということになれば、そういうことが非常に重要性を持ってくるというのは当然のことでございますから、そこでいろいろ協議いたしまして、さっそく郵政省の中に情報処理基本法調査会というものを設置いたしまして、こちらのほうで検討を続けておるわけでございますが、御指摘のように、いろいろな問題がデータ通信には含まれておるわけでございます。あるいは公害関係、あるいは交通関係、あるいは医療関係、運輸関係といったようなことで、各種の省庁に関係があるわけでございますから、またプライバシーということになれば法務省も関係があるわけでございまして、そういうことについて、関係の省庁と時々連絡をとっていこうということで、まだいまのところ、おそらく郵政省自体において基本的な問題を検討いたしておるという段階じゃないかと思います。他の省庁に積極的に働きかけをしてはいないと思いますが、だんだんステップ・バイ・ステップで、そういう方向に向かってひとつたくましく前進を続けて、りっぱな基本法を制定するということに持っていかなくちゃならないと思っておるわけでございます。  それにつきましては、皆さま方のお考えになっておられます三原則等も大いに尊重検討いたしまして、そういう考え方も織り込んでやるべきじゃないかと私自身は考えております。三原則については十分検討の価値がある、このように思っておるわけでございますが、問題としましては、情報の技術の効用と申しますか、そういう問題があり、また情報産業の――コンピューター等に関係を持ってくるわけでございますが、振興というようなこと、それからプライバシーの尊重というようなこと、いろいろ多岐多端にわたりまして、各方面に関係のあります重要な内容を含んでの情報の基本法でございますから、ひとつ関係の省庁と十分連携をとって、御指摘のような方向に向かって努力を続けたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  31. 米澤滋

    米澤説明員 先ほど武部委員から御指摘がございました国民の福祉に特に関連する医療、公害、交通あるいは行政あるいは流通関係の改善にデータ通信を使うということ、私もその線に沿ってぜひ努力をいたしたいと考えます。郵政大臣からもお答えがありましたように、先ほどもありましたようなテーマにつきまして、公社としても、これはいわゆるデータ通信に関するナショナルプロジェクトというようなものだと思いますが、システムサーベー等も十分用意いたしますし、また郵政省をはじめとして、関係の各省とも連絡をとって進めたいと思います。
  32. 武部文

    武部委員 いま大臣は、郵政省に情報処理基本法調査会というものを設けておる、こういうお話でございましたが、私どもは情報基本法の制定を要求しておるわけですが、なかなか進まない。前大臣からのときの経過がずっとあるわけですが、いま情報処理基本法調査会を設けておるとおっしゃったわけですけれども、これは基本法制定のためにこの調査会がこれから準備をして基本法を提出する、そういうための機関だというふうに理解してよろしゅうございますか。
  33. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 全くそのとおりでございまして、御説明が足りなかったことを申しわけないと思います。そういうためにつくったわけでございます。
  34. 武部文

    武部委員 それでは次に、地域集団電話についてお伺いをいたします。  この地域集団電話というものを今後電電公社としてはどういう構想で進めていく考えであるか。将来の進め方、考え方といいましょうか、これをお伺いしたいと思います。
  35. 清水通隆

    ○清水説明員 お答え申し上げます。  地域集団電話というものにつきましては、過去にかなりの開通をいたしておりまして、現在百五十万近くになっておるわけでございます。これらにつきましては、当初は非常に有効な電話といいましょうか、非常に喜ばれてまいっておるわけでございますが、ただこれは電話という立場で見ますと、一回線に非常に多数の共同ブランチになっておるわけでありまして、そういったことからやはりそれなりにいろいろと問題があることは御案内のとおりでございます。これらにつきましては、今後どのように処理していくかということにつきまして、ちょうど二年ほど前からいろいろと公社の中でも議論をいたしておるわけでございますが、まずは、どうしても非常に電話をよくお使いになるお客さまがございますので、そういった非常によく電話をお使いになるお客さまは、できるだけその地域集団電話というものでなくて、一般の加入電話に切りかわっていただくのがやはり本筋ではなかろうかというようなことがまず第一点でございます。  それから、現在組み合わせ数が、大体七ないし八というようなかなり多くの組み合わせ数がございますと、やはりサービス上も思わしくないということから、できるだけこの組み合わせ数を減らすということで今後処理をしていかなくちゃいけないというようなおおむねの結論が出まして、四十五年の暮れごろだったと思いますが、一応各通信局等に対しましても、そのような方向で今後の地域集団電話の改善に努力しろというようなことで指示をいたしたようなことでございます。  その後、七カ年計画等との関連におきましてどうするかということを作業をいたしておるわけでございますが、現在のところ、御承知のようにいろいろと一般の加入電話というものの積滞がまだまだございます。そういったふうなものとの調和を保ちながら、この地域集団電話というものの改善を進めていかなくちゃいけないというようなことでございますと、なかなか一挙には解決できそうにないというようなことでございますので、現在私ども考えておりますおおよその線を申し上げますと、大体五十二年度末までは、地域集団電話の、先ほど申し上げましたような、非常によくお使いになるお客さまを一般電話に切りかえるとか、あるいは組み合わせ数を改善するというようなことで大体処理をしていきまして、五十三年以降に本格的にこれに取り組むのが一番妥当ではなかろうかというようなことでございます。  ただ、これがなかなかその地域によりましていろいろ差がございまして、現在の一般の加入電話と加入区域がほとんど一致しておるようなところもございます。こういったところにつきましては、ある程度優先的に一般化をはかるべきじゃなかろうか。また秘話等をおつけしていないところもございますので、これらは、現在地域集団電話でかなり御満足をいただいておるようでございますから、やはり御要望があれば秘話等も加味していくというようなことで、逐次改善をはかりながら今後進めていくのが一番いいのではないかというように考えておる次第でございます。
  36. 武部文

    武部委員 確かにこの地域集団電話というものは農村地帯、特に過疎地帯というところでたいへん喜ばれておることはおっしゃったとおりであります。しかし、それなりにまたいろんな欠陥のあることも御指摘のとおりであります。私が一番たくさん見たのは、一つの線に十個ぶら下がっておったのを、現実に交換局へ行って見たわけであります。そういう点から、確かに喜ばれてきたけれども、特に先ほど申し上げたような広域時分制が実施になった場合、今度はいろんな意味で、このサービスの点で諸矛盾が起きてくる。これは私は当然だと思うのです。  そういう面で、いま局長のお話ですと、よく使う人は一般電話に切りかえる、切りかえてもらいたい。これもわからぬじゃないけれども、一般電話に切りかえると負担がふえること、これはまた当然であります。そういう点を考えると、もう少し何か方法はないだろうか。これは非常にむずかしいことで、別に私もいま頭にあるわけじゃありませんが、たとえば、ひとつ組み合わせの数を考えてみたいとおっしゃっておるのだが、組み合わせの数というものは一体どの程度のものを標準にしようと考えておられるのか。少なくとも四つ以下でなければ問題にならぬというような意見も、この委員会で何回かあったことを私は記憶いたしておりますが、八つも十もあったんじゃ、これはたまったもんじゃない。それと、使う時間帯というものがほとんどピークが同じだということ、そういう点を考えると、このサービスにいろいろと広域時分制がとられてくると矛盾が起きてくる。その際に、一般電話に切りかえればいいじゃないかというようなことだけでは問題は解決しない。そうなってくると、何か安い電話というものをつけることはできないものだろうかということを考えるのは私は当然だと思うのでありますが、そういう点についてひとつ皆さんの意見を聞きたいと思います。
  37. 清水通隆

    ○清水説明員 この問題、なかなかむずかしい問題でございまして、結局、いま先生の御指摘になりましたように、お使いになる、利用される時間帯が、実は一日じゅうに均等に分布いたしますと、かなり都合がいいのでございますけれども、やはりお使いになる時間帯というものは、早朝とか、あるいはお昼とか、あるいは夕刻等にかなり集中してお使いになるというのが実態でございますので、やはりサービスが悪くなるのが、そういった時刻にどうしてもなるということでございます。  それから、この組み合わせ数の問題でございますが、それと非常に関連があるわけでございまして、このあたりをどのようにすれば大体お客さまが満足していただけるかということについては、これはもう世界的にいろいろと議論のあるところでございますが、たとえばアメリカあたりの例をとってみましても、アメリカあたりでは昔十共同という電話がかなり普及いたしておりました時代がございまして、これが十四、五年前ぐらいまでにかなりそういった形で普及したのでございますが、今日のアメリカ状態を見ますと、どうしてもそういった多数の組み合わせではサービス上満足できないということで、ほとんどが二共同あるいはもう単独を希望されるというのが実態のようでございます。この辺が日本の場合は実は、アメリカ等に比べましてかなり普及もおくれておりますので、もう少しごしんぼういただかなくちゃいけない面もあるわけでございますが、やはり究極的には、こういった地域集団電話の対象になるお客さまでも、最後はやはり二共同あるいは単独というところに持っていかなくちゃいけないだろうということで、実は私ども計画を立てます一種の最終目標といたしましては、この組み合わせ数というものはやはり最後は二共同以下、あるいはもう単独電話ということでないと、終局的に御満足いただけないだろう。ただ、そこへどのようなテンポで持っていくかということについて、かなり苦慮いたしておるわけでございますが、たとえばこういう数字をちょっと御参考に申し上げるとおわかりいただけるかと思います。  現在、たとえば七共同というような組み合わせで考えてみますと、ある忙しい時間を調べてみますと、大体いまの地域集団電話のお客さまは、東京などの住宅電話と大体同じぐらいお使いになっておるわけでございます。そういうことから計算いたしてみますと、話中に遭遇する確率というのが相当高うございまして、これを四共同ぐらいにいたしますと、じゃ解決するかといいますと、大体話中に遭遇することが、やはり四共同にいたしましても半分ぐらいになってしまうということで、やはり普通に考えますサービスということから見ますと、やはり東京の住宅と同じぐらいまでしなくちゃいけない。結局は二共同ぐらいにしないと御満足いただけそうにない、こういうようなことを一応考えております。
  38. 武部文

    武部委員 それはよくわかります。そのとおりだと思うのです。問題は、そうなった場合に、現在百五十万の農集を、たとえばいま非常に忙しいような利用度の高いところは、二共同というような形にする場合、これは相当な、工事といい、それから金もかかると思うのですが、そういうような構想は現実に電電公社としては実現の可能性でもって計画が進んでおるのかどうか。それともただ単に、そういうふうにしなきゃならぬという理想といいますか、そういうような考え方なのか。それは具体的に進むという方向なのか。それはどうですか。
  39. 清水通隆

    ○清水説明員 具体的にいまいろいろ詰めておる途中でございますが、七カ年計画考えました時点におきましては、現在その地集電話の方から、五十二年末までに大体二十万加入ぐらいを一般のほうにお切りかえする、そして組み合わせ数というものを、大体五共同ないし六共同ぐらいまでにはしなくてはいけないだろうという構想で、実は七カ年計画時点において考えておったわけでございます。現在実はもう少しその辺の作業を詰めておる段階でございますが、まだ数量的にはっきりいたしませんけれども、どうも二十万ぐらいではちょっと不十分じゃなかろうか、もう少しこれを上回らせる必要がありそうだというふうなことを現在作業をいたしております。  同時に、これは引き続きます五十三年以降というものの関連が非常にございますものですから、現在私ども計画によりますと、先生御指摘のように非常に経費等も必要ではございますが、やはりお客さまの要望というものに焦点を合わせざるを得ないというふうなことから、その五十七年度末までにはほとんど二共同ないし単独というものに切りかえたいということで、具体的な作業をいま進めようとしておるわけでございます。
  40. 武部文

    武部委員 具体的なことはわかりましたから、その点はそれでよろしゅうございます。その地域集団電話というものについてはいろいろ意見があるようでありますから、ぜひ慎重にひとつ検討をして、いわゆるサービスがダウンをするようなことのないようにしていただきたい、これを要請しておきたいと思います。  それから、次はちょっと専門的なことで私よくわかりませんが、心配な点があるのでお聞きいたすわけでありますが、双方向性の研究が進んでおる、CATV、この研究というのは一体どの程度進んでおるのか。いわゆる放送が通信になってくるという、そういう点について、私よくわかりませんが、どの程度研究が進んでおるのか、その点はいかがでしょう。
  41. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 これは私がお答えするのはどうかと思いますが、技術的な問題でございましょうか。(武部委員「そうです」と呼ぶ)技術的な実験は進んでおるようでございます。ただ問題は、いまの制度上の問題であろうかと思うのでありますが、私どもは双方向通信というもの――通信というものは本来双方向であるのが原則でありまして、放送というのはその一つの特殊な例外のようなものであります。したがって、制度上は双方向通信というようなものを頭に置いては考えておりません。
  42. 武部文

    武部委員 確かに通信の一元化政策ということから見ると、放送が相互に通信をするというようなことになってくると、特に放送は、民間ということになってくると、そういうかっこうの中で民間の、そういう民営の電電公社というようなものができる危険はございませんか。そうなってくることを私はちょっと危惧するから、一体双方向通信というものがいま技術的にどういう開発がされつつあるのかということを知りたいわけです。
  43. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 武部委員の御質問は技術的なことではないかと思いますけれども、制度的なことについても、ちょっと私から郵政省の責任でございますから申し上げておきたいと思うのでございますが、CATVの問題でございまして、これについては将来の技術の可能性と申しますか、また社会的な必要性の問題、最後に経済的にベースに乗るかどうかという価値での問題もあるかと思いますが、そういうふうなことを、とにかくCATVというのは何となく将来の非常に明るいような感じがいたしますので研究いたしたいということで、郵政省の中に昨年からCCIS調査会、同軸ケーブルシステム調査会とでも申しますか、そのような調査会をつくって、将来の各方面の可能性について検討を進めることにいたしたわけでございますが、ただいま御審議を願おうといたしております継続審議の有線テレビジョン放送法案は、これはもちろん双方向のことは含んでないのでありまして、再送信並びに自主送信のことだけの法律案でありますわけでございますけれども、双方向については、ただいま御心配のようなことが将来はあり得るわけでございまして、これもよほど真剣に、慎重に考えなくてはならないわけでございます。ただ、いまマクロで申し上げられますことは、ただいま電電公社でやっておられます電気通信は、双方向の通信は、これは全国的な組織であって、しかも交換性と申しますか、交換機を用いてやっておりますわけでございますけれども、CATVの双方向ということに通信がなりましても、これはきわめて局限されました地域でございますと同時に、交換性のない通信であるということになろうかと思っておりますけれども、その辺の限界がなかなかむずかしいわけでございまして、こういうことはただいま申しましたCCIS調査会、これは電電公社も御参画いただいておりますわけでございますから、ただ、いま全国的に、電気通信を国内的に掌握していただいております電電公社と十分御相談を申し上げまして、電電公社のお立場の侵害されないように将来考えていかなければならない、こういうような大きな課題であるというように現在のところは考えております程度でございます。
  44. 武部文

    武部委員 この問題は研究中のようでありますし、私どももしろうとですからそれ以上のことはわかりませんが、ただ、CATVの双方向通信の場合に、これが通信の一元化政策と現在の法体制のもとにおいて何ら矛盾はない、法体制上は不備はないというふうに思っておられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
  45. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 ただいま大臣から御説明ございました双方向関係の利用のしかたでございますが、これもいろいろございまして、現在開発をされておりますのは主としまして、御承知のように同軸ケーブルで画像等を流しますが、一つのケーブルで、行きのほうだけでなくて逆方向も送れる、こういうケーブルの開発ができておりまして、これは電電公社でもそういう実験をしております。  これはどんな用途かと申しますと、主としましてたとえば幾つかの教室を結びまして学校放送的なテレビ授業をいたします。それを一つの中心のところから送るだけじゃなくて、端末にあります教室のほうからも送り返しもできる、こんなのが現在実用性を持っておると見られております一つの双方向の利用かと思います。  なおまた、各種テレビの同軸ケーブルの自主放送に関連いたしまして電話回線その他信号回線を別につけ加えまして、これは心ずしも同軸ケーブルが必要とは考えないものもたくさんあるわけでございますが、しかし同じケーブルの中に一つのシステムとしてこれを組み込むことは可能なわけでございます。こういうようなものを使いまして、あるシグナルに応じまして中心からのある選択された映像を送るというようなことも研究開発は進められております。いずれにいたしましても、まだ完全な、電話のような利用の方法は、同軸ケーブルシステムでは実用化というところには距離があるかと存じます。  さらに、その上の問題になります段階としますと、大臣からお話がありました交換機が中に介在いたしまして、いずれの端末からも、いずれの端末に対しまして双方向のできる通話をお互いにセットし合うように映像路ができるというわけでございますが、これは経費の点からいいましても相当先になるのじゃないかと思います。  いずれにしましても、そのような方向につきまして、技術的な問題、それから法制的な問題もただいまCCIS調査会で検討いたしておりまして、このCCIS、同軸ケーブルというものが非交換型の地域的な実用性ということを念頭に置きまして、ただいまの有線電気通信法あるいは公衆電気通信法でのどんなような問題があるかということをあわせて検討しておりまして、大臣お話しになりましたような問題も頭に置きまして、今後の法制等も十分遺憾のないように検討を進めているところでございます。
  46. 武部文

    武部委員 相当まだ先のことのようでありますし、また法制上、たとえば民営になった場合私ども心配で、それと通信政策とどういう関係になるだろうかというような点で、若干の危惧を持っておるわけですからお聞きをいたしたわけであります。  時間が来ましたので、私最後に特退法のことについてお伺いいたします。  同僚議員からも質問がございまして答弁がございましたが、五十二年末で四百局残る、これは手動式が四百局残る、こういう話でございました。したがって、この解消の時期、私は五十七年度よりも自動改式というのが全部なくなるのは早くなるのじゃないかというような気がするわけですが、この特退法というのは、郵政の委託局の自動改式終了によっていわゆるその適用は終了する、任務は終わるというふうに思うのですが、そのように理解してよろしゅうございますか。
  47. 北雄一郎

    ○北政府委員 御指摘のように、委託局が全部自動化されることによって、この任務は終わるものであります。
  48. 武部文

    武部委員 電電公社もそのように思っておりましょうか。
  49. 玉野義雄

    ○玉野説明員 お答えいたします。自動化特別措置法は、自動改式と自即化と両方ございますが、いわゆる総称して自動化と称しておるわけでございまして、改式と市外通話の自動化、この両方になっておるわけでございますが、いま郵政の人事局長がお答えになりましたように、郵政のほうが大体終われば市外の自即化も大体終わる、こういうふうに考えておりますので、ほぼ同様とお考えになっていただいてけっこうでございます。
  50. 武部文

    武部委員 そういたしますと、十年延長するわけですが、私が先ほど言ったように、解消の時期が五十七年度より早くなるのじゃないか。その場合に、十年という期間があるからといって、この特退法の解釈を拡大をしていろいろ考えるということはあり得ない、またそうあってはならないわけですから、いま郵政省から答弁があったように、郵政の委託局の自動改式の終了を待ってこの特退法というものは消滅する、この効果はなくなるのだというふうに理解してよろしゅうございますか。
  51. 北雄一郎

    ○北政府委員 御案内のように、昭和五十二年度末に相当のものを完了するわけであります。しかし、その時点におきましてもなお残る局がある、そういう公社のほうの計画になっております。しかもその時点になりますと、この未改式局の大半が、離島でありますとかあるいは僻地、こういった土地に移るということが十分に予想されるわけであります。したがいまして、その時点におきまして残る局数が比較的少ないと申しましても、やはり私どもは、五十七年度末まではそういった事態は続くだろう、こういうふうに考えておりますので、十年延長をお願いいたしておる次第であります。  万一それ以前にいわゆる未改式局がなくなったという場合にどうするかということで御指摘だと思いますが、本法自体が、電話の自動改式に伴いまして一時に多数の過員が発生した場合の措置でありますので、これが郵政内部の他の事業面に適用されるということは万々あり得ない、そういうことは法律上できないことだ、かように考えております。
  52. 武部文

    武部委員 電電公社も同様でありますね。
  53. 玉野義雄

    ○玉野説明員 同様に考えております。
  54. 武部文

    武部委員 わかりました。  以上で終わります。
  55. 高橋清一郎

    高橋委員長 栗山礼行君。
  56. 栗山礼行

    ○栗山委員 約一時間余、昼食抜きで質問をせよ、こういうふうな御決定をいただきまして、その限りで運んでまいりたいと思いますが、先刻御質問申し上げたのでありますけれども、ごく総論でございまして、若干具体的な内容についてお尋ねを申し上げる諸点が残っておりますので、引き続いて御質問を申し上げてまいりたい、かように考えておるのであります。  その前に、郵政大臣電電公社米澤総裁にまずお尋ねを申し上げてまいります。  この三つの問題が一括して提案されましたことについて、あるいはまたこの三つ法律電信電話需要に対する背景的な問題、あるいはまたこの法律制定から今日までの経過というような基本的な問題について、この前にお尋ねを申し上げたのでございます。それなりに御答弁をいただいたのでございますが、やはり基本に属する重要な問題は郵政大臣みずからその所信をお答えいただく、あるいは総裁もそのような形において御答弁をいただくのがしかるべきじゃないか、こういうことを申し上げたのでありますが、きょうも冒頭にあたってそういう点を特に御留意を願ってお答えをいただく、こういうふうに願いたいと思うわけであります。  この三つの問題に対するいままでの御答弁及び質疑を通じまして、また私の若干の質疑を通じまして理解をいたすのでありますが、それなりにこの法律の成果及び経過というものについての価値判断をいたします。また、将来にわたって必要の存する一つの方向というものについても理解をいたすのでありますが、ただ問題は、基本認識として非常に安直な姿勢の方向があるのではないかということが第一番なんであります。たとえばこの間申し上げましたように、先ほど武部委員が御質問をされておりましたように、十年間という制定の具体性というものについて、想定等を含む根拠の貧弱性があるのじゃないか、こういうことにつきましては質問者がそれぞれの立場においてお尋ね申し上げておったと思うのであります。あるいは三つとも同様の問題でございますが、私がきょう大臣総裁にお伺いをいたしたいのは、この法律案件の求められる要件、条項というものについて、その年限をお定めになってものを進めていこうというこの取り組み方はそれなりに理解する。しかし、もっと率直に言うならば、今後の十年間というものを、国際経済日本経済あるいは社会の様態の変化に対応してどのように把握をいたしてまいるか、そういう前提に立ってこの十年間にこういう対応力をもって進めてまいらなくちゃならぬ、こういう一つのプロセスと方向づけがなければならない。これは資金量の上においても、あるいは積滞解消の状況等から見た一つの方向でありまして、将来の電電公社が、財政的にもあるいは需要の態様についても、どのような一つの方向で進めてまいることが望ましい姿勢であり、同時に、この法律期間内においてのその後の電話需要に対しては、これは暫定措置でありますから、いわゆる縁故債及び加入者電話公債あるいは設備料等々で、電電公社自体経済的基盤がこういう方向に推移して、将来のあるべき電話の問題についてこういう一つの方向、路線を目ざして進んでいくのだというふうに、やはり一つの理想と、それから方向というものを明確に打ち出してそれぞれの設定をいたすべき問題でなかろうか。まあきわめて素朴に申し上げますと、そういう点からいきますとあまりにビジネスでありまして、求めることのみ、あるいは需要と供給とそれに対応する諸問題だけを提起されてそして進めていく。もちろん法律の三本の成果からまいりますとそういう立て方もありますけれども、やはり電電公社の責務というものについて、あるいは国民サービスする一つの方向について、こういう状態に発展いたします、あるいはなりますということになってまいりませんと、私はやはり世界経済の動向というものについてもすでに大きな変化をしつつあると理解をいたしておりますし、五年後の世界経済というものをどう想定するかということは一つの問題がございます。あるいは十年後における世界経済をどう見るか、日本経済をどう評価してまいるか。極端に言うならば、私は日本の資本主義経済というものが終息をいたしまして、新しい高度福祉経済への方向の路線こそが日本経済の繁栄を約束する、こういう経済の特徴あるいは将来の路線がいまや明確になっておる。あるいは世界経済をながめましても、世界の人類が弱肉強食の東西、南北問題から平和共存と均衡のある一つ経済や方向を求めていく。こういうふうに政治、経済の方向が非常に大きく進展するその度合いに対応する一つの姿勢としての内容が、一向にわれわれにはぴんとうかがえないのではないか。これを大臣はどう将来を展望されて、この問題に対処されるか。こういうようなことをきわめて重大な一つの課題として理解をいたすべきではないか。まあかように考えておるわけであります。総裁も同様な意味において、電電公社の未来像といいますか、あるいは公社としての誇り高い将来性というものはかくあるべきなんだ、こういうことにおいて進めてまいる。私は率直に言いまして、いまは抽象的に、財投の問題をさらに増加する努力を重ねてまいる、これはまさに美文でございます。あるいは縁故債の問題、それから利用者について、設備料に対応する条件として電話公債を持ってもらいたい。こういうようなきわめて限られた形においての制約でものを進められておるのでありますが、私は今日のこういう積滞事情と急激な需要増高というものについては理解ができるのでありますが、結局民間におきまする自転車操業的資金運用というものの危険を私は感ぜざるを得ないのであります。もしこのペダルを踏むことをとめたといたしまするなれば、直ちにパンクというようなおそるべき内容に発展するのじゃないかと私は思います。御案内のとおり日本経済一つの困難は、民間も自己資金が一八%、そして借り入れ金が八二%というところにあり、その日本経済の脆弱性を真剣にいま考えざるを得ない、こういうふうになってまいりますときに、やはり公社公社としての資金需要と健全な財政の方向というものについて――これは一つの借金でございますから、この借金をどのように返していくか。そしてその資金はどういう時点で要らないようになり、あるいは収支の財政状態はどういう方向をもって臨んでまいられるという想定がなければ、法律延長というものについての高い評価をするということになり得ない。こういうように私は率直に判断いたすのでありますが、私は、事務当局でなくて政治のサイドで、十年間の変化に対応する姿勢と内容をどういうふうに想定されておるか、こういう問題についてお伺いを申し上げたい。
  57. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 今回、拡充整備をはじめ二法一括提案しておりますわけでございますが、その基本になります構想がなくちゃならないという御質問であろうかと思うわけでございますが、私もそのとおりだと思っておるわけでございます。  そこで、御承知のように国には新全総と称する計画がございますし、また新経済社会発展計画というような経済面に重点を置きました長期計画もありますわけでございまして、郵政省電電公社はもちろんこの計画の策定については参画いたしておりますわけでございまして、この計画を尊重してすべて政策を進めていくという立場に当然あるわけでございます。したがって、電電公社電信電話拡充整備の計画にいたしましても、こうした国の計画、将来のビジョンを尊重して、これに向かって努力を続けておりますことはもちろんでありますわけでございますが、その二つの計画にどういうことが書かれておるかということにつきましては、いまさら私から御説明の必要はないかと思うのでございまして、栗山委員もとくと御承知のところでございます。ここに資料を持ってまいっておりますけれども、その内容説明は省略させていただきたいと思いますが、とにかくそうした国の方針、構想、計画に従って、担当いたしておりますわれわれの、ただいまは電信電話が問題になっておるわけでございますが、事業も進めていくということになりますわけでございます。  そこで、電電公社といたしましては、御承知のように昭和二十八年からこうした国の要請に順応していくには、五カ年計画を逐次次々に実行いたしまして電信電話拡充整備をはかるべきだということで、二十八年度に発足いたしたわけでございますが、次々に続けてまいりまして、そして昭和四十六年度からは特に七カ年計画にしようということで、二カ年間だけ延ばした計画になっておるわけでございます。と申しますことは、一応最終年度でございます昭和五十二年度には電話架設にいたしましても積滞数をなくしてしまって、その後は申し込めばすぐに取りつける、架設するというような状況にしていかなければならないということで、努力を続けておりますわけでございます。今度の十カ年間延伸を願うということにつきましては、たびたび御説明を申し上げておりますように、五十二年度までに一応積滞をなくする、したがって、その後は電話の申し込みをすれば直ちに架設ができるという状態になるけれども、しかしその自余は、日本のその後の経済力の発展、したがって国民生活の向上というような点から申しまして、アメリカ並みぐらいな普及率にはなるであろう。そういう目途で進むべきであるということで、そうしますと、昭和五十三年度以後におきましても電話架設需要というものはおびただしい。非常にたくさんである。その後の五カ年を見通しましても、大体千三百万個程度架設をしなければならないという大きな数字になりますわけでございまして、それを五カ年間で年次割りにいたしますと一年間二百六十万個ということになりますけれども、それを架設するには非常に多額な経費、資金というものを必要とするわけでございまして、とうてい電電公社資金だけでは間に合わない。大いに財投にもお願いしなくちゃなりませんわけでございますけれども、たびたび申しますように、財投にも他の事業との調和の関係もございますし、社会資本の投下のおくれております日本としましては、そういうことに重点を置いて進めていくという一つの国の政策もやむを得ざることだと思いますけれども、そういうことをいろいろ勘案いたしまして、自己資金あるいは財投だけではやっていけない。御迷惑ながら加入者の御負担を願って、あと五年ごしんぼうを願いたい。合わせて四十八年度から申しますと十カ年間だけの御延伸をお願いいたしたい。そういたしますと、昭和五十三年度からいかに電話需要が多うございましても、架設が次々にやっていけるわけでございます。積滞がなくなる、積滞というのはできないということにいたしまして、そのあとの五カ年間の最終年度でございます昭和五十七年度にはもうアメリカ並みの普及率になりますから、そうなればその後の需要というものは新しい経済政策の発展、また国土の開発というような点からながめましても、それ以上あまりおびただしい需要はないはずでございますから、百人のうち九五%でございますか、九十五人というような状態になるようでございますが、そうなれば、その後新規の需要がございましても、そう多額な経費は必要としない。でございますから、そうなれば加入者に御迷惑をかけなくても、負担をお願いしなくても十分架設が間に合っていけるというような域に達しておるからということで、五十七年度最終年度といたしまして、日本経済の発展にかんがみまして、そういうような計画を立てて進もうということにいたしたわけでございます。架空に、皆さん方に根拠のないお願いを申し上げているわけでは決してないわけでございます。
  58. 栗山礼行

    ○栗山委員 総裁に御答弁をいただきます前に、私の答弁を求める内容的に少し不十分な点があったためにいまの大臣の御答弁をいただいた、こう理解をするわけでございますが、資金計画について、あるいはまた五十二年度までの積滞解消について、その後における五カ年間の状態についてどういう方向、路線で電話架設いたしてまいるか、こういうふうな事柄についてはもういままでに論議は尽くしておるのです。それを私どもも承っておる点をそれなりに評価もし、理解もいたしておるということなんです。その質問の前提に立って、私自身ももっと具体的に申し上げますと、一つ財政投融資の利用の性格、路線すらいま日本経済は変わっていかなくちゃならぬという一つの対応性を政治に求め、経済政策の運用に求めておる、こういうことだと私は思うのです。いままでのように、財投にはどの程度のものを求めてそして電話架設建設費用の一端に充てる、こういうふうな具体的な方向というものがなければならないのでないかと思うのです。  それから、電話を何ぼつけましても、いまのようにおそらく、質権の問題も若干お尋ねを申し上げるのでありますが、過去の沿革なり法律は、それなりの一つの成果を踏まえておるということも私は評価をするにやぶさかではございませんが、今日的に電話の質権によって、そして電話加入を、積滞なり需要に応じていくということが望ましいあり方であるかということをやはり本質から考えてみなくちゃならぬ。五年後における日本電話のあり方というものが、どういうことが理想的な電話一つの方向なんだというような問題等が検討されなくちゃならぬということであろうか。ですから私は、資金需要の方向についても性格、路線の変化が当然あってしかるべきだし、そうしなくちゃならない、そういうふうな点、あるいは電話それ自身の社会的価値というような問題等についても明確に一つの方向を定めて、そしてともかくこういうような中身をもっていまの需要に対応する一つの方向を持っていきたい、こういうふうにビジョンといいますか、具体的な方向を明らかにされるということが、もう国会論議で必要な時点ではなかろうかというようなことで大臣に御答弁を求めたり、あるいは総裁に御答弁を求めておる。ここで何回もお答えされておることについては私なりに、一回でけっこうでございますから、記録を見ますし、再御答弁を求めるというようなことの時間は割愛していきたい、こういうことでございまして、この点を御了承いただいての私は米澤総裁の御答弁をいただきたいと思う。
  59. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。いままでお答えいたしました点は省略いたしまして、電電公社といたしましては基本的には国民の御要望に沿うということ、あるいは国益に沿う、これを二つの方針にしております。昨年の国会におきまして公衆電気通信法の改正を通していただきまして、また今回拡充法延長をお願いしているのも、その立場に立っておるつもりでございます。  ところで、いま今後の電話のビジョンの問題につきましていろいろ御質問がございました。今回、拡充法の十年延長の問題を考える場合に、質権の法案をどうするかということを一つ、まず考えてみたのでありますが、考えてみますと、やはり四十万件ぐらい質権を現在使っている方がある。したがって、これは公衆法では一応電話は質権に該当しないというふうになっておりますけれども、やはりこの際延長をお願いして、これを現在国民の方が利用されておるという実態を考うべきではないかというふうに考えまして、この質権法案につきまして十年の延長をお願いした。それから、もう一つの例の退職手当の増額の措置法でございますけれども、これにつきましては、自動改式自体の速度というものを考えますと、やはり十年の延長をお願いする必要がある。こういうことで、拡充法資金的に、それから質権につきましてはこれを利用されておる方の実態考えた、それから退職手当の臨時措置法につきましては自動改式の実際の速度、結局特定局等でいろいろ進んでまいりますので、そういうことを考えてお願いした、こういうことでございます。したがって、いずれも電話の拡張の速度ということに関係しておるということで一本の法律になってきたわけでございます。  ところで、では日本電話需要考える場合に、現在架設されております電話がどんなふうに保守され、あるいはそれが運用されているか、あるいはたとえばトラフィック面なんかが一体どういうふうになっておるかということは、現在使っておられる二千万の利用者の方に対して非常に重要なことでございまして、これにつきましては私はヨーロッパ、アメリカのいろいろな状態と比べまして、日本は世界のまず標準のレベルよりは少し上になっているのではないか、これはやはり今後ともぜひ維持しなければならないと思います。  それから次に、電話架設の速度、申し込みに対する架設の速度につきましては、これは七カ年計画、あるいはさらに今後の拡充法延長をお願いしております七カ年計画の五二末時点以降におきましても、やはり一ぺん積滞がなくなったものが、また積滞がふえてくるという形は望ましくないのでありまして、これはずっとその状態を維持したい。この点につきましては確かに日本はおくれておるのでありまして、これはいろいろ理由がございますけれどもアメリカあたりだと十五年前に積滞がなくなって、自来ずっと積滞なき状態を維持しておる、こういうことでありまして、この架設の速度という点においては今後非常に力を入れなければならぬ面だと思います。その際、公社の経営自体がやはり健全なる独立採算制でいかなければならないわけでありまして、その点につきましては、昨年の法律におきましても電報のああいう料金体系の改定あるいは近代化ということを認めていただきまして、いまそれに対する措置をいろいろ進めておりますし、また保守や運営面におきますいろいろな省力化とか生産性の向上等につきましても今後やるつもりでおります。  いずれにいたしましても、これから電信電話のほかに新全国総合開発計画等の中に出てまいります電電公社の役割りとして、情報化社会に臨んでデータ通信等のネットワークをやはり大いに拡充するというようなことも出ておりますし、それらの要望考えまして、必要な投資計画を進めていくというように考えております。  それから一方、資金におきましては確かに財投等についていろいろ考え方がございますけれども、また今回、会社でいいますと事業債に該当するような政府保証のない公募債というものが新たに認められまして、私はこれを今後育てていきまして、資金面における有力な財源に育てていく必要があるのではないかというふうに考えまして、これはいま関係局におきまして、せっかく方針が認められましたので、それをどうやって育てるかということをいろいろやらしておる、こういうことでございます。
  60. 栗山礼行

    ○栗山委員 これは、この委員会でいろいろ論議いたします時間上の制約もございまして、なかなか、いろいろ御意見を承るわけにもまいりませんし、私も実際は体系的にお尋ね申し上げなければこれは納得もできない、こういう問題等がございます。まあ私、端的にいいまして、いま総裁言われましたように、電話公債の債券市場というものを育成して、債券債券たる一つの市場性を確保したい。私はこれは賛成なんでありまして、いまのような一つの金融と経済事情下においてのみ電話債券というものが額面よりも上がっているという、経済は利潤を追求する、こういう形における一つの評価として、もし日本経済が逆な方向路線をたどってまいります場合においては、それは額面から低下をして、そうしてその信頼性を、ひとつ額面割れをする、こういうことは当然なことであります。したがいまして、また高利債券というような悪循環で発展をしなくちゃならぬ、こういうふうな内容だと思います。だから、基本として私は、債券市場を守っていくということについては反対をするものでありませんけれども、ただそれだけじゃなくて、電話のやはり国民的位置づけというもの、あるいは社会的位置づけというものがどうあるべきかというようなことを私は将来検討すべき問題である。借金をして電話をつける、あるいは質に入れなければ電話がつかぬというようなことが、大体福祉国家、そしていわゆる資金事情に白目、黒目をむいて、公社のほうは自転車操業をして電話の問題に対応するという姿が一体望ましい姿であるかどうかということの本質を私はやはり検討しなくちゃならぬ、こういうことであろうと思うのであります。そうでなければエコノミックアニマルでありまして、公社たるのやゆえんがなくなっちゃう、こういうことではなかろうか、こういうふうに私自身としては考えを持つのでありまして、いまやそういうふうな、単に期間の、当面する問題を平面的に延長するということじゃなくて、もう少し本質的に、これを計画的に、国民的な一つの希望と、それから建設の課題として私はやはりとらえるべきじゃないかというようなことで、少なくとも法律を提起されるにあたってはそれだけの中身がほしいのだ。あまりにもこれは一つの場当たりと無定見的条件に基づく法律延長じゃないか、こういう感を深く抱きますので、あえてそういう、大臣からあるいは総裁から私への御答弁を求めるという質問をいたしたようなわけであります。これはもうこれで打ち切ってまいりたいと考えております。しかし非常に私の書生論でありますけれども日本の政治というものはもっと深刻に、そして将来の、未来の方向に対応する進み方として、私どもは心して進んでまいらなくちゃならぬということだけは、私は共通のコンセンサスが望み得るのではないかということの御確認をいただきたい、かように考えております。  北局長にちょっとお伺いをいたします。いま武部委員がお尋ねされておったのでありますが、この退職者に対する、手動から自動化への特例措置の問題でございますが、私が承知をいたします限りにつきましては、一時はこれは首切り法案というふうなことで、たいへんまあ労働組合が論議の対象になりまして一つの恐怖を持ちましたり、これに対応いたしてまいらなくちゃならぬということが過去の経過にあったやに承知をいたすのであります。その後私は十年間、大ざっぱに、電電公社及び郵政当局において、この法律の施行後どういう一つの配置転換が行なわれたか、またこの法律の適用を受けて退職者が何人これによって退職されたか、こういうふうな事柄について私なりの資料を求めましていろいろ調べてまいりましたから、その範囲については私も承知いたしておるつもりでございます。ただ、ここで明確に、現在、労使関係において、これは合理化を理由に職員を解雇しないという措置を明確に協定をされたと承知いたしておりますが、かりに十年間延長いたしますることにおいて、微動だも、この法律案はいわゆる解雇とかいうようなものに発展してまいるものではない、こういうふうに私が理解をいたしてよいかどうかということについての御答弁をひとつお伺いいたしたい。  二点の問題につきましては、いろいろ論議をされておりますから、私は本論だけを申し上げるのでありますが、残されました十年間において、完全に手動化から自動化への方向づけをするということをしばしば言明されておるのでありますが、ただこれにつきまして、だんだん寒村僻地、過疎地帯への方向としての自動化への作業の進展をはかってまいらなくちゃならぬ。私は府県別の内容を存じないのでありますけれども、大体大まかに申し上げまして、そういう内容だというふうに承っておるわけでございます。  そこで、この法律の中身は、まさしくこれから手動化から自動化への、解消をする十年間の時限の延長という問題のみをここに規定をされておるのでありますが、制定当時の状況、それからこれからの十年間の解消の実際的条件というものを検討いたします場合において、事実、転職とか配置がえというようなものは非常に困難な状況が深まってまいるという内容を持ってまいる。それから退職をいたしますことは、将来就職放棄という、失業につながる地域的構造条件の中に置かれる、こういうふうに私は問題を理解をできるのではないか。しかりといたしますなれば、この法律の制定されておる内容が、今後予定される退職者について、私は、そういう困難なる一つの状況に対応する特別の退職金の内容等もひとつ考慮して対応するということが望ましい姿でないか、こういうふうに私自身確信を持っておるのですが、局長はどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お伺いいたしたい。以上二点について……。
  61. 北雄一郎

    ○北政府委員 第一点でございますが、第一点につきましては、これは組合との間に事前協議についての了解事項、それから本件に、まあ電通の合理化に伴います配置転換の協約、大筋二つの約束を従来からいたしております。この体制は将来ともそのとおりでやっていくつもりでおります。その中に、先ほど先生御指摘のように、この法律はできて今日もつながっておるわけでありますけれども、この合理化のゆえをもって退職をさせる、首切りをするということはしないということはその約束の中に入っております。これは将来ともそういう体制でいくつもりでおります。  第二点でございますが、確かに御指摘のように、今後山間僻地に及んでまいる程度が高くなってまいります。したがいまして、発生過員の措置というものは、従来よりも困難になってくるということは予想されるところであります。しかしながら今日までの状況を見ますと、この法律が三十九年の七月から施行になったわけでございますが、それ以前には退職率というものは約一〇%程度でございました。ところが本法ができましてから、今日では大体三〇%をこえる退職率というものがございます。そういうことで、自発的にこれを機会に退職をするという人が現在ではそういうふうにふえておるというわけであります。  そういう状況の中で、対象地がだんだん山間僻地になってまいるということになりますと、むろん本法によりますところの退職ということにも依存しなければならぬわけでありますけれども、やはり山の中へ入るということになりますと、配置転換等が従来よりは困難になってくるという事情は当然に発生すると思います。この間の問題につきましては、別途電電公社郵政省と十分に協議をいたしまして、そういった省の要員事情というものを十分にしんしゃくしてもらえるように要望をしております。  その中で地元における受け入れ施設の設置等を含めまして、この過剰となる要員を受け入れる余地を増大するというような打ち合わせを現にしておるわけであります。またこの職員理解協力というものをより一そう求めまして、配転や退職希望の増加をはかりますほか、現に改式していない委託局の中で電話交換事務に欠員が生じた、こういった場合は将来公社へ転出する予定の職員を採用しておくというような方法も講じておる次第であります。  これに関連いたしまして、特別給付金の支給率を将来に向かっては上げるということを考えたらどうかということでございましたが、この支給率は三十九年に法ができました当時、その当時の民間の合理化の実例等を参考にしてきめたものでありますし、この事情は昨年度また調べてみましたけれども、やはりおおむねこれが率できめられておる関係からいたしまして、現在におきましても民間の実例とパラレルであるというふうに考えるわけであります。なお、先ほど申しましたように、そういう中で最近退職率が上がっておるというような事情も考えますと、支給率を特に改める必要はない、かように考えておる次第であります。
  62. 栗山礼行

    ○栗山委員 北局長の御意見、一点はこの法律の十年間延長によって不変の体制を堅持する、こういう御答弁でございまして、まことにけっこうだ、こういうふうに私は理解をいたしております。  ただ後段の問題についていろいろ北局長から説明ございましたが、私も年次別に退職者及び配置転換のそういう方向づけの資料をいただきまして調べてまいりました。それから自発的退職者と称する形における特別手当の金額的条件についてもいろいろ調べてまいりましたが、その限りにおいては、それは基準賃金の変化が年々ございますから、当然支給金額という数字の上には上がってまいるということでありまして、これがあえて高い効率的一つ条件に発展いたしておるという理解はいかがなものかということを私は強く指摘をせざるを得ない。私の指摘いたしまする点は、首を切らないんだが、やはり好意ある、あるいは理解ある配置及び転職ということを含めますけれども、何といたしましても善意ある退職の同意を求めたり、あるいはそういう了解を取りつけるという一つのむずかしい条件下で、それに開拓をするという退職者である。私はそういう規定をいたしてよろしい。しかもその事柄は、先ほど申し上げましたように、だんだん年をとってくるとか、あるいは収入確保とかいうものを閉ざされる、一つの過疎地域という悪い環境条件下における退職者であるということに思いをいたすときに、私はそれの基準額の給付というものは、やはり特例法の本旨にかんがみて検討を加えるべき内容が存するのではないかということで、これは賛成反対かということのお尋ねを申し上げるということでなくて、実情に対応する方策を検討して、その退職者についても若干のあたたかい一つの方向の裏づけをいたすべきがきわめて良識的な方向ではないか、こういうふうなお尋ねを私は申し上げているのでありますが、これも検討の余地なしというあなたの答えが出るのでありますか。そういう点も含めまして、ひとつ検討されるということはどうですか。いまの問題、大臣いかがでしょうか。
  63. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 これは金額の問題でございますけれども、十カ年間変えないという趣旨で法律提案いたしておりますわけでございまして、現在さようなことは考えていないわけでございます。
  64. 栗山礼行

    ○栗山委員 どうも大臣は、われわれとひとつ対話をして、そしてわれわれの是とする点は受けとめていただいて大臣の政治的発想で進めていただくということが望ましいのでありますが、どうも大臣は、それらの関係の方々の意見をそんたくすることが急で、私どもにはゼロ回答、こういうことになりますと、どうも将来の質疑を通じてあまり委員会大臣との間がよろしき方向に進んでまいらぬということを危惧いたすのであります。これは私の個人的見解でございますからどうかと思うのでありますけれども、いま申し上げておるのは、私自身は一つの常識論だというふうに理解をいたしておるのです。だから、いまここでそれはよろしいといって胸を張って大臣がお答えにならぬことは、現行の制度からきわめて当然でございます。しかし情勢がそういうふうに変化する事態について、私は制度的なものはきわめて当然じゃないかというようなことは、もう時代の様態に合わないという一つの方向でみずからお考えを願って、それに対応力といいますか柔軟性を持っていただいて、検討を新たにしようじゃないか、この程度のことは大臣ひとつ御答弁をいただいてもどうか、あえて私は北局長にそれを求めない、こういうことでございますが、どうでしょうか。
  65. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 重ねてのお尋ねでございますが、御趣旨のあるところは十分御理解をいたしたいと思います。
  66. 栗山礼行

    ○栗山委員 まず二点半くらいちょうだいいたしましたので、この程度でこの問題は打ち切ってまいりたいと考えております。私は大臣、ほんとうに真剣に考えておるのですよ。そんなはったりを申し上げているんじゃないです。得点を取ろうとも考えておりませんが、やはり大臣とわれわれは思いを一にするという方向で進めてまいらなくちゃならぬ、こういうことだけを思っておりますことは御了解をいただきたい、かように考えております。ちょっと北局長に失望の感を抱きました。これは所管局長として将来十分御検討をひとつお願いを申し上げたい、かように考えております。  電電公社の方にお伺いをいたします。質権の特例法の問題でございますが、これも時間がございませんが、私は過去の沿革を承知をいたしております。また現在質権の対象になっておりますおおむねの数も、大まかにお伺いをいたしておるわけでございます。委員会を通じまして、またその他のレクチュアを通じまして承知をいたしておるわけでありますが、ただこれは御案内のとおりに、やはり一つの附帯決議がございます。法の定めにおきましてはこれは禁止をいたしまして、そして臨時特例法ということで、このほうが電話加入者及び電電公社の運用上、諸般の弊害を除去する一つの方策だ、こういうメリットを持って、この臨時特例法が制定されてこれに進んでいらっしゃる。その経過についてそれなりに私は評価をいたしておる、こういうことでありますが、私はこれを十年間、先ほどの議論に戻りますけれども、いまの本法ではこれを規定をいたしておるのです。だけれども、その弊害の除去と利用者の利益と電電公社の効率的運用の上に支障を来たすからというのが、この臨時特例法というものを定めたゆえんのものだ、こういうふうに私は理解をいたしておるわけです。その弊害の除去はどういう形でこれをなすべきかということを、公社のほうがやはり電話加入者電電公社の運営の問題で検討を深めていただかなくちゃならぬという責務が存する、私はこういうふうに理解をするわけなんですが、附帯決議におきましても積滞の電話のすみやかな解消と、それからこういう臨時特例法が臨時特例法としてすみやかにこれを解消する手段を運んでいかなくちゃならぬということを明確に議決をいたしておる、こういうことでございまして、私は今日までの経過についていろいろ意見は持っておりますけれども、今日の段階についてこれを批判をいたしましたり、いろいろ意見を展開するという時間もございませんし、それは省略いたしてまいりたい。しかし今後とも十年間この法律延長によってはかっていくということについては、私は当局にもお伺いをいたしたいのですが、法律無視の弊害がはなはだしく出てまいるのじゃないか、あるいはまた院議におきましても、これをすみやかに廃止の方向に進んでまいれという附帯決議がついておりますこともこれは御承知のとおりであります。こういうふうなことで電話の将来の性格とか、あるいは社会的な評価というものについて、いまの設備料というものが、需給が均衡いたしましても、いまのような五万という一つの設備料と、そして電話はどこへでも移動できるんだというところに質権の最たる一つ条件を確保しておるということについては、私はいなむことのできない一つ内容だ。私が前に若干、一万から三万、三万から五万というように一つの短い時間において値上げをされた設備料と、それから電話公債との関連はどういうふうにこれをながめておるかということを御質問申し上げたゆえんもまたここにあるわけでありますが、かりに十年間を認めるという仮定に立ちまして、そして院議の決定及び公衆電気通信法の定めに基づく方向で、しかも電電公社のメリットなり、電話加入者の利益を確保するという新たな方策を検討されておるか、あるいは無策でこの問題を十年間延長という方向でお取り組みになっておるかどうかということの御答弁をいただきたい。
  67. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。この臨時措置法のできました趣旨あるいはその後の経過については、もう先生のおっしゃるとおりでございます。そこで私どもといたしましては、現在の臨時措置法が求めておりますものは、加入者の保護、それから私ども電電公社の事務の簡素化、それから質権者の保護というような点、三者一体になって臨時措置法がきめられておるわけでございまして、その前提には、公衆法で規定をされております、電話加入権というものに質権を設定することはできないという前提ではどうしても乗り越せない一般的な社会情勢というものがあるわけでございまして、それはただいま先生がおっしゃいましたように電話に市価のある問題、電話に財産的価値があるという客観的な事実と、もう一つは需給の不均衡と申しますか、今度のこの三つ法律のすべてにわたる社会的な背景であります需要の急激な増加、安定的な需要ではなくて、非常に異常な需要の数というものが前提になりまして、その財産的価値が質権という形で出てまいるわけでございます。そういったような状態がこの十年を経過いたしまして現在の状態でもまだ継続をいたしており、さらに私どもがるる説明をいたしましたように、なお今後約十年間というものはその状態が継続するだろうという前提で、この質権法につきましても再度十年の延長をお願いしておるわけでございます。  無策でこれに対応しておるのかと仰せられますと、私どもといたしましてはこの十年間をさらに十分検討いたしまして、はたして財産的価値というものが――質権という形を必要とするものは何か。附帯決議では、いま仰せられましたように需給の均衡をはかり、それによって質権法の特例を早く廃止するようにしようということになっておりますものの、ただ公衆法の原則に返っただけでいいのか、返るためにはやはり片一方で需給の均衡も必要でございましょうし、また先生のおっしゃいましたように、新規需要というものに対して供給がすぐできるというだけではなくて、移転をいたします手続も、それと同じようにうまくできるというようなことが両立をいたしまして初めて本法に返り得るのではないかと思います。そういった点はほかの問題と違いまして、今後十年間の間に十分検討いたしまして、また先ほど来お話しのございますように、需給均衡もその間に地域的にだんだん完成をいたしてまいると思いますが、その過程で十分検討いたしまして、十年後には再延長する必要のないように研究をいたしたい、こういうぐあいに思っておるわけでございます。
  68. 栗山礼行

    ○栗山委員 これは大臣でなくてけっこうですが、柏木さんからこれの基本的な考え方を、ございましたら伺っておきたいと思います。
  69. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 ただいま遠藤局長からお答えしたところでほぼ尽きるわけでございますが、ただ一点政府の側として申し上げたいことは、この制度というものがやはり中小企業金融とか、あるいは庶民金融面での一般的な環境整備がおくれているという面から、電信電話公社がこれに協力してきたという一面があるということではないかと思います。御承知のように、この質権法最初できますときにも、たとえばすでに大蔵省に設置してあります金融機関資金審議会とか、あるいは中小企業振興審議会、こういうものがそれぞれ昭和三十一年に答申あるいは意見の表明をしておりまして、中小企業等の立場からやはり電話の質権設定が望ましいということをいっているわけでございます。御承知のように大臣も庶民金融についてはたいへんな熱意を持っておられるわけでございますが、基盤といたしましては、こういうような金融問題という面を、加入電話の質権というもので臨時的に補足しているという一面があろうかと存じております。将来の問題といたしましては、こういう面もまた考慮に入れまして、存続するかどうかということも検討されるのではないかと考えております。
  70. 栗山礼行

    ○栗山委員 あまり時間がございません。私は、データ通信の問題についての大どころの問題等についてもお伺いをいたしてまいろう、こう思っておったのでありますが、時間がございませんので、データ通信の問題は後日の問題にいたしてまいりたいと思います。  柏木監理官及び遠藤局長から抽象的なお話を伺いまして、やはり現在の認識点を明瞭にいたしてまいらなくちゃならないことは、電話がいままでの需給関係から、一つの財産的価値というものによって必要性というものが生まれてまいったという歴史を否定するものではございません。そこに電話売買業者という一つの役割りがそれなりにあった。しかしまたその反面、悪の花が咲いて、そしてそれが白紙委任ということでの譲渡の不合理な内容を進めてまいった。そこに非常にトラブルが発生いたしまして、公社のほうとしても取り扱いに困る。これはやはり合理性をどこに求めるかということで問題をいろいろ御検討された、その経過というものについてもそれなりに私は高い評価をいたしておるわけであります。今後電話というものは、次第に市場性がなくなる方向にあるわけです。これはそうでなければならないのです、電話需要度というものについて対応策をとっているのですから。電話の市価価値というものがあるのは何かということについても、設備料、こういう一つ料金制度が現存いたしておりますことが質権の最たる条件だということだけはいなむことができない、こういうふうに私は先ほども申し上げ、いまもその感を深くいたすわけであります。ほんとうのことを言いますと、これを扱っていらっしゃるのは、いろいろ電話売買業者あるいは質権業者が、これを唯一の事業の財源的要素としてとらえていらっしゃるということもけっこうだ。私はそれなりに一つの事業ベース及び商業ベースにおいてこれは理解をいたすことは、零細企業でございますからやぶさかではございません。しかし、一体電話というものが、そういうわずかなものが、しかも電話という特質のものが、そういう質権の対象になって利用されるというところに、私は心して、問題の存する大きなネックがあるんじゃないか、こういうことなんであります。もし電話というものが、一般的な靴やげたやあるいは一般の生活必需品という一つのことになりますと、私自身はそういうような観念から脱却したものが生まれてくる。どうしても設備をするために何がしの金が足らないんだということなら、それこそ分割なり、その方法の支払い条件長期的な支払いによってひとつ電話架設するという方策こそ、私は現実の電電公社サービスの行為でなくちゃならぬ。しかるに、一つの既成の事実をつくり上げて、そこに受益的メリットの集団ができてまいったら、それを保護助成するというような方向になってまいったり、あるいは業者がそういうことをかりそめにも政治的に陳情したり、あるいは圧力をかけるということがあれば大問題だ、私はあえてこういうふうに理解をいたしておるのでありまして、やはり電話一つの社会的価値観というものを定めて、こういう問題についての対応性をとらなくてはならぬ、こういうふうな私の発想でございます。したがいまして私は、いまの遠藤局長の御答弁もございましたが、やはり一つの安直な惰性的姿勢というものから脱却をされておらない、こういう感を深めるわけであります。少なくともサービスは、もう皆さんの簡単な頭で、皆さんのそういう頭脳的なものじゃなくて、もうほんとうに事務サイドで問題のサービスができて、喜ばれる一つ公社ということ、サービスする郵政事業ということに相なってまいるのじゃないか。私は、話が飛ぶようでありますけれども、貯金の運用制度の問題等につきましても、政治生命をかけて非常に御活躍されておる事柄について、われわれはわれわれの立場においてそれをとらえて、これをひとつ成功せしめたいという意図を存しておることは事実でありますが、こういう問題すら、簡単に電話、郵政事業の一環としてこれをどうながめてサービスの方向へ前進するかということについては、私はもう英知の問題ということじゃなくて、ほんとうにもう事務サイドでできてまいる問題じゃないかということを強く痛感をいたす次第でございます。  いろいろな委員各位の御質疑を通じまして理解を深めました。また私のお尋ねする点も多々あるのでございますけれども、以上をもちまして私の質問を終えることにいたします。
  71. 高橋清一郎

    高橋委員長 この際、午後一時五分再開することとし、暫時休憩いたします。    午後零時三十三分休憩      ――――◇―――――    午後一時十一分開議
  72. 高橋清一郎

    高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。中野明君。
  73. 中野明

    ○中野(明)委員 だんだんに御質疑が行なわれておりますが、私、本題の質問に入る前に二点ほど申し上げたいことがあります。  その一点は、すでに御承知のとおり、米軍との電話の紛争料金について過日決算委員会で問題になったようでありますが、これが一応、内容はともかくとして、解決というのですか、決着がついた、このようなことなんでございますが、これにつきまして郵政大臣としては、前々から議論がありましたように、この紛争料金、いわゆる公社が見積もりといいますか、請求書といいますか、それを出した額八十三億三千万円ですか、これについて郵政大臣としてはどのようなお考えをお持ちなのか、この点最初にお尋ねをしたいわけであります。
  74. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 この米軍との紛争料金の問題については、お話しのように公明党の坂井委員から御質問がございまして、私その他から御答弁申し上げたわけでございますけれども、ただいまお話しのように、最初は八十三億円の計算書を米軍に提示をいたしておったようでございますけれども、その後、あの設備いたしました資金が、終戦処理費と、それから安全保障費によって建設されたものだからということで、電電公社自己資金によって建設されたものではない、そういう資金日本政府が出したお金でございますけれども、そういう資金によって建設されたものだということに、つまり本来に返りまして、それに基づいての計算をいたしまして、七億三千万円でございますか、というような金額が出ました。その金額が出ます前に昭和四十四年でございましたか、日本政府と米軍との間に話が整いまして、こういう原則でやる、こういう計算法でやるということに調整できまして、それに基づいてその後計算を正確にいたしまして、七億三千万円というようなことになったわけでございます。四十四年の十二月でございましたが、大綱がきまりまして、それに基づいて計算をいたしまして、七億三千万円というようなことになって、そこで手打ちができまして、その金が支払われたというようなことになっておりますわけでございますが、そこで、日本といたしましては、最初から米軍に請求権はある、米軍がその料金を払わなければならないというたてまえは貫いたわけでございまして、先方のほうは地位協定に基づいての施設だから、料金を払う必要はないということを言い続けてまいりましたけれども、そうでない、有料であるべきだという、その趣旨は貫いたわけでございます。そういうことで落着いたしたわけでございます。特別にこちらが譲歩したなんということは全くない、計算の基本が違っておったわけでございますから、そういうような金額で決着したという結果になったと思っておりますわけでございます。
  75. 中野明

    ○中野(明)委員 この内容の是非については、すでに決算委員会でだいぶ話が詰まりつつあるようでありますので、私、きょうそのことについては、ここで議論しようと考えているわけじゃありませんが、御承知のとおり、公社の紛争料金につきましては、当逓信委員会でも再三にわたって質疑がかわされまして、その問題の落ちつくところがどこであるかということについては当委員会としても非常な関心を持っておったわけでありますが、それにつきまして、この解決をした時点でなぜ私たちのこの委員会に御報告がないのだろうか。これは一度や二度じゃないわけでして、よその委員会でももちろん問題になっておりますが、これは非常な疑義を持って、お互いにそのために紛争料金と、こういうふうな呼び方でも議論されておったわけです。それから逓信委員会は何回も開かれておりますし、公社審議もあったわけでありますけれども、その時点において、内容はともかくとして、かくかくこのように決着がつきましたと、こういう報告があって私はしかるべきじゃないかと思うわけであります。常任委員会として設置されているこの逓信委員会に、そういう大事なことについての、しかも日ごろから問題が提起されて疑義があって、帰結を心配されていることについて報告がなかったというのはどういうわけでしょうか。これは私は委員会を非常に軽視しておられるのじゃないか、そういう気持ちで非常に私、心外に思っておる一人でございます。この辺、大臣のお考えをお聞きしたいわけであります。
  76. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私も率直に申しまして、その点については政府当局に遺憾な点があった、かように考えておりますわけでございまして、と申しますのは、四十四年の十二月に大綱と申しますか、料額算出の根拠がきまっておりながら、その後の委員会における大臣の答弁にいたしましても、あたかも八十三億円余の請求権が残っているような誤解を招く御答弁をなさっておりますようでございます。私、速記録を調べてみたのでございますけれども、その後そうしたことが一、二回あるようでございます。これは大臣としましては何も八十三億にこだわっているというつもりではなくて、ただ電電公社としましては請求権があるということを強く主張しておったわけでございます。アメリカは請求権なしというように申しておりましたのに対しまして、請求権はあるということを言い続けてまいりました。その請求権のことを強調するあまりにそういうことを御答弁したと思いますけれども、これは非常に誤解を招く答弁をしておられるようでございまして、四十四年十二月以後は金額が非常に大きく違ってきたわけでございますから、そのように率直に申し上げておればよかったと思いますけれども、その後も計算の大綱はきまりましても、数字が出ていなかったものですから、請求権はあくまで保障するということで、以前と考えは変わっておりませんというようなことを大臣が答弁されたようでございまして、この点は私も非常に遺憾であった、誤解を招く節があったと思います。のみならず、いま先生御指摘のように、これは金額的に申しましてもきわめて大きな問題でございますし、委員会でもたびたび御質問があったようでございますから、適当な機会を得て、そうしたことを、先ほど申し上げましたように了解をいただくということに努力すべきであったと思うのでございます。そのことがなかったことは、率直に申し上げまして、私はまことに遺憾であるというようにいわざるを得ないと考えておりますわけでございます。
  77. 中野明

    ○中野(明)委員 これは、解決がついたのは昨年のことのようでありますので、いま大臣が遺憾であったと言われるのですけれども、ほんとうに逓信委員会というもので一生懸命にみんなが審議をし、そして委員会そのものはお互いに権威をもってやっていこうという考え方で鋭意努力をしているわけであります。そういうときに、いかなる理由があるにしろ、内容の是非はともかくとして、一応の話の決着がついた時点で報告をされるのがたてまえじゃなかろうか。これは公社総裁にも一言申し上げておきたいと思います。公社としても、真意はどこにあったか知りませんけれども、計算書をお出しになっている以上、やはりもしも話がつけば、それだけは、その料金はいただきたい、そういう意思をもって出しておられたと私は一応解釈いたします。しかしながら、結論として解釈の違いが出てくるということも、これは相手のあることですから、それを一方的にけしからぬというような考えは私は決して持っておりませんけれども、事の解決がついて決着がついた、そういう時点では、内容はたとえ不満足であろうと何であろうと、問題になって、問題提起がされた当委員会に御報告されるのは当然の責任じゃなかろうか、このように私は思うわけであります。この点、総裁のお考えもお聞きしておきたい。
  78. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。この紛争料金につきまして、確かにそういう点において御報告いたしませんでしたことはまことに遺憾に思います。いろいろ理由は申し上げますとございますけれども、確かに御指摘のとおりでありまして遺憾に思います。
  79. 中野明

    ○中野(明)委員 今後そういうことにつきましては、相当議論されて焦点になっている問題については、正式の委員会ではなくしても、何かの形で公式に報告をされることを私はこの機会に強く要望いたしておきます。これではせっかく委員会で真剣に議論をしても、そこで結論の出なかった問題についてもわれわれがあとから知る、そういうようなことでは責任を持った審議ということについても疑義が生じてくるわけでありますので、その辺はひとつ、きょうの本題でありませんけれども、このことについては私も委員会の権威ということからも考えまして疑問を持っておる一人でありますので、今後の課題として厳重にひとつこういう処置あるいはあとの処理の方法についてお考えをいただきたい、このように思います。
  80. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 まことにごもっともな御意見だと思います。将来十分気をつけまして、こうした失態のないように注意してまいりたいとかたくみずから戒めておりますわけでございます。
  81. 中野明

    ○中野(明)委員 きょうの本題でありませんし、大臣からも今後気をつけるというような発言でございますので、本題に入りたいと思います。  きょうは経企庁からもおいでいただいていると思いますが、過日来議論になっております新経済社会発展計画と新全国総合開発計画いわゆる新全総、この両方の計画書を私も私なりに読ましていただきましたが、通信網の整備といいますか、今後のわが国の通信政策、これが新全総の中でどういう位置づけになっているかということについて、経企庁のほうから簡単に概要を御説明いただきたいと思います。
  82. 下河辺淳

    ○下河辺説明員 新全国総合開発計画の中におきまして、現在の日本の国土が持っております過密過疎という問題が、当面の地域開発の大きな問題でございまして、この過密過疎問題を解消することが一つの大きなねらいでありますが、さらにあわせまして、これから日本の社会が、情報化社会と俗称されております情報というものが非常に重要な価値を持つ時代に入るかと存じますが、そういう新しい時代に対応すべき日本の国土をつくるということが新全国総合開発計画のねらいでございまして、全国土が均衡がとれて、あるいは豊かな環境を持っているということが重要な要件だと思います。その中で通信網の果たす役割りが、従来よりもかなり大きなものになるという認識の上に立っておりまして、国民生活あるいは企業活動、もろもろ考えましても、情報の果たす役割りは飛躍的に高まるであろうということを考えております。そのために私どもといたしましては、通信回路を中心といたしまして、全国的な通信網をぜひつくらなければならない、そして全国土のいかなる場所でありましても、いかなるときでありましても情報に接するということのサービスをひとしく受けなければならないということが、国土の基本的な条件であるというふうに考えておりまして、全国的な情報あるいは通信のネットワークの整備というものが、新全国総合開発計画の中できわめて重要なプロジェクトであるということを指摘しておるつもりでございます。新経済社会発展計画におきましても、ほぼ同様の趣旨で書いてございます。
  83. 中野明

    ○中野(明)委員 これは当然長期見通しなり計画でございますので、やはり通信政策の担当省である郵政省と緊密に連絡をとりながら構想を固めておられる、このように私は思うわけでありますが、私たち考えますのに、そういう新全総というような全国的な総合開発の上に立って、今後郵政省がわが国の通信政策というのですか、通信をどうする、このような具体的な計画立案という形になり、その郵政省の通信政策を受けて電電公社が実務を担当する、このように私たちは理解をしておるわけでありますけれども、何かしらこの新全総を見てみましても非常に抽象的で要を得ないわけであります。  これは郵政省にお尋ねするわけですけれども郵政省ではこの新全総あるいは新経済社会発展計画、これを受けて通信政策を当然立てておられると私は理解をしておる一人でありますけれども、具体的に郵政省としての通信政策をこの際お聞かせを願いたい。もしもあれでありましたならば、できるならば文書として資料をお願いしたい、このように思うわけであります。
  84. 柏木輝彦

    ○柏木政府委員 今後の情報化社会の一翼をになう郵政省の基本的な政策ということについてのお尋ねでございますが、具体的に申しますと、先ごろ公衆電気通信法の改正の際に、御承知のようなデータ通信というものの基本的な考え方を法制化いたしました。これは一方は電信電話公社の独自のサービスとしてこの道を開くとともに、国民の支持を得た一つの新しい制度といたしまして、データ通信の回線の利用によりますデータ通信の利用の新しい種々の方法考えてきた一つの政策に立ちました法律の改正が行なわれたわけでございます。現在それのための具体的な問題といたしましては、御承知のように本年の九月から実施されます公衆通信回線の開放の問題につきましての具体的な方法を、各種の意見を調査会の形で徴しながら問題を詰めていくことでございます。もちろんこのデータ通信の問題あるいは情報化社会という問題につきましては、情報化に関します基本法としていろいろ考えておられますようなことにつきまして、郵政省のかかわるところが非常に多いわけでございます。これらの問題につきましても、省内に法律制定準備のための問題検討の機関を設けて、これを整理しながら、また関係各省とも意見の交換等もぼちぼち始めているわけでございます。  さらに、情報化の次の問題といたしまして、CATV等によります新しい情報手段によります地域的な情報化の問題もございます。これにつきましては御承知のように、CCIS調査会というような調査の機関をもちまして、数十名の各分野の専門家の御協力を得まして、制度面あるいは経済面、技術面での問題の検討に着手いたしまして、近くこれにつきましての多摩ニュータウンの実験という段取りを進めているわけでございまして、これらの問題をもう少し、従来ビジョンだけいわれていた事柄を、社会的な定着したニーズというものを見きわめまして、それに基づく制度化ということも一方考えていっているわけでございます。
  85. 中野明

    ○中野(明)委員 はっきりと今後の日本の通信政策はどうするのだということを、具体的に文書にしたものがあれば資料として提出をしていただきたいのです。いまの御説明は、なるほどいろいろ断片的にそのつど調査会のようなものを持ってやっておられるやにも聞こえますけれども、御承知のとおり、現場のほうがどんどん進んで、肝心の国のほうに政策がないというふうに私どもは受け取れてならないわけであります。こういうようなことでは、政治すなわち通信を担当している郵政省自体に確固不動の基本方針がなくして、公社のほうは現実に迫られてどんどん事業が拡大していって、推進していっている。あとからあとから、あわてふためいて調査会を持ってみたり、あるいは諮問をしてみたりというようなことでは、私は、将来の日本の通信政策ということから考えて、非常に大きな悔いを残すのじゃないだろうか、そういう心配をするわけであります。  御承知のとおり、郵政省はいわゆる電電公社を監督する官庁でありますけれども、その監督する側に、いまお話をしていますように、基本的な政策というのですか、方針、これがなければ監督も十分にできぬのじゃないだろうか。とにかく公社から言うてきて、あわててそれについての是非を意見を述べるというようなことでは、とうてい日本の通信行政はうまくいかない、こういう懸念をいたします。  一例をあげれば、先ほど経企庁も述べておりましたように、山間僻地の通信網をどうするとか、あるいは加入区域にしましても、いろいろ格差があることも現状であります。これの将来の取り扱いをどうするのかとか、あるいはいまお話が出ましたデータ通信、こういうことが非常に重要視されてくる時代、またCATVも問題になってきております。そしてまた、電報あるいは電話料金の体系、これは公社にとりしても国民にとりましても非常に重大な問題であります。この料金体系をどうしていくのか、こういうことについて郵政省の基本的な考え方がないと、ことばは悪いかもしれませんけれども、結局電電公社の都合のいいときに、都合のいい値段で出てくるというふうに、ひがんでとればそういうとり方もできないことはないと思います。いま、御承知のとおり、近距離よりも遠距離の料金というのが非常に高い。だから、コスト主義でいくならば、遠距離の料金を下げなければならぬということは、これはだれが考えてもうなずけるところであります。ならば、市内の度数料の料金と兼ね合わせて遠距離の料金を下げるというような、そういう考え方を持つ前に、きょう現在遠距離が高いという矛盾があるならば、それを解消するために鋭意公社のほうも努力してもらわなければなりませんし、監督官庁のほうも、それをきびしく指摘していく責任があろうかと私は思うわけです。ところが、監督官庁のほうにそういう基本的な政策、いわゆる基本方針がないということは、公社に対する指導監督という点について、私はまことに無責任じゃないかというような気がするわけです。もちろん陣容の関係もありましょう、予算関係、いろいろなこともありましょうけれども、こういう大事なことについては確固不動の国の基本方針を持って、それを受けて公社が鋭意方針に従うように努力していくという体系、これでなければ審議が、ほんとうに責任のある審議と申しますか、そしてまた責任のある、あとから振り返って遺憾のない通信網の整備、こういうことはでき得ないのじゃないだろうか、こういうふうに非常に私も心配するわけでありますが、この点について当局からもう一度御答弁を願いたいと思います。これは大臣からでもけっこうでございますが、このようなことじゃならぬと私は思うのです。
  86. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 私は、御指摘のことがすべて当たっておるとは思いません。しかし、一部は真理を含んでいると、かように考えて拝聴いたしたわけであります。  電電公社は、なるほど郵政大臣が監督するということになっておりますけれども、これも法令に基づいてやっておりますわけでございまして、全面的に私が電電公社を指図監督いたしまして仕事をやってもらっておるわけのものではないわけです。この点は、電電公社総裁のもとに自主性をもって仕事をやっておりますわけでございます。しかし、法令に基づいて監督いたしております関係がございますわけでございますから、電電公社のおやりになっておることについては御相談をいただきまして、これにいろいろ進言をし、そして実行に移すというようなことになることが非常に多いわけでございまして、いま電電公社が国鉄あたりと違って非常に能率をあげ、成果をおさめておりますのは、私は昭和二十八年度から開始いたしました五カ年計画であろうかと思っております。ただいまは特に七カ年計画にいたしておりますわけでございますけれども、この五カ年計画を次々にやっていただくということ、これはもちろん郵政省のほうに御相談がありまして、郵政省が大いに御協力申し上げまして、逐次やって非常な実効をあげておりますわけでございます。しかし私は、日本のそうした電気通信の施策、これは必ずしも劣っていない。もう欧米を凌駕するようなことにだんだんなりつつある、アメリカにも近づくというようなことになりつつあると、かように力強く思っておりますわけでございまして、これも決して郵政省がノータッチではない、郵政省が役所といたしまして電電公社と連絡をとりながらやっていただいているというかっこうであるかと私は思っておりますわけでございます。  しからばすべて満足にいっているかといえば、必ずしもそうではない。通信という問題になりますと、電気通信ばかりじゃなく、放送事業の問題もございます。また郵便事業の問題もございます。こういう仕事も大体順調にいっているのじゃないかというように確信は持っておりますわけでございますけれども、しかしそれでもなお先生のおっしゃるように、ほんとうに郵政省がそうした通信行政の策定立案の肝心な職責を全うしているかと申しますれば、必ずしもそうじゃない、遺憾な点もあるかと思っております。  そこで、郵政省には、すでに御承知のように、昨年から「通信行政の展望」という力作を、若い連中が現在の状態に不満を覚えて、つくってもらったという事実もございます。これは若いゼネレーションの燃え上がった、事業を愛する非常に熾烈なりっぱな力作であるかと思っておるわけでございますけれども、そういう力作ができたということであれば、それをぜひ具体的に実行に移さなければならぬということで、私は直ちに通信問題懇談会というのをつくりまして、天下の衆知を集めて、何とか通信行政の高揚をはかりたい。私は、いま技術的にも政策的にも、通信行政というのは曲がりかどに来ているのじゃないかということを痛感いたしております。この曲がりかどをいかに打開して新しい通信のメディアを開拓し、そしてまたすぐれた通信政策を樹立するかということが、今後の情報化社会に対処する、その枢軸をになっております郵政省のとるべき態度じゃないかというように考えまして、いま御指摘のありましたようなCATVにつきましても真剣に開発する必要があるのだというので、昨年から郵政省の中にCCIS、同軸ケーブル情報システムの調査会というのをつくりまして、そして将来のCATVの可能性、これは技術的な可能性もあれば、経済的な可能性もあれば、あるいは社会的な可能性もあるかと思いますけれども、そういうものを開発していきたいというような意図を持っておるわけでございます。これはまだなかなか結論には達しませんけれども……。そして、さらに多摩ニュータウンには、その実験の場所を設けたいというようなことを考えております。また放送は放送で、いろいろなテーマがあるわけでございます。こういうようなことで、大いにやらなくちゃならない。私は場合によっては、郵政省の中に電気通信局でもつくる必要がありはせぬかというように考えてみたこともございますけれども、これはよほど慎重に考えないと、何だか電電公社に対する監督強化というような誤解を招いてもならないわけでありますから……。ただ私は、この政策の樹立について本省が、あなたの御指摘のようにもう少し真剣に勉強する必要があるのだということを痛切に感じております。そういう立場から申しまして、電気通信の監理官が二人ではいかにも弱体で、通信政策の樹立には、特にこの電気通信の政策を立てるための局が必要ではないかというように考えておりますけれども、これはただいまも申しましたように弊害もある、誤解をされてはなりませんから、慎重にやらなければならないと思っておるわけでございますが、まあいろいろ考えてやりたい。そして、この情報化社会におくれをとってはならない。情報化社会に臨んでは、まさにこの通信行政というのがその中核をなすものだという自覚を持っておるわけでございますから、おくれをとらないように勉強していかなくちゃならない。そこで、場合によりましては電気通信ばかりじゃなくて、すべての通信行政を、局長とかなんとかいう実務を担当するのじゃなくて、もう少し学問的に学理的に研究する、電電公社が総合の研究所を持っておりますように、郵政省の中にも政策の研究所というようなものをつくる必要がありはせぬだろうか、もう少し学問的に学究的に政策の研究をやる必要があるのじゃないだろうか、これも私は事務次官に命じて、そういうような政策をもっぱら学究的に学問的に研究する機関を郵政省もつくってはどうかということをこの間注意いたしておったわけであります。そういうようなことで、御指摘の方向に向かって、おくれをとらないように十分勉強し、今後の情報化社会に対処する郵政省たらしめるような内容を持った政策の立案者、立案省としまして十分な働きのできるようなことに持っていかなければならない、こういうように考えております。
  87. 中野明

    ○中野(明)委員 いま大臣からるるお話があったわけでありますが、お話の中にありましたように、郵政省の若手の人たちがそういうことを痛感して、やはりああいう「展望」というような形で出されたということも一つの実例でありまして、やはり現場というか、本省の中で意欲に燃えている職員の人たちは、やはり現在本省側の立ちおくれということを、暗にああいう形の中から意欲を示しているのじゃないか、このように私も受け取るわけであります。いま大臣はいろいろお話を述べておられましたが、前々から情報時代に入ったので、情報基本法といいますか、こういう法律も必要だという議論もたびたび出ておりまして、大臣も、前大臣でしたか、前向きに検討しているというようなお話でございましたが、この機会に、この情報基本法の問題もひっくるめて、やはり通信の基本法と申しますか、こういうものもぜひつくる必要が出てきているのではないか、こういう考え一つであります。  それからもう一つは、通信白書というべき性質のものを、やはり毎年、過去を振り返り将来を展望して通信白書というものも出されるべきじゃないだろうか。他の省庁では、法律で義務づけられているところがありまして、農業白書とか林業白書その他地方自治の白書とか、いろいろ出ております。年次報告がなされておって、国会で基本的な議論がなされているわけでありますが、郵政省の場合はそういうことは法律で義務づけられてはおりませんけれども、そういう白書は出して悪いということはないと私は思います。ぜひこういう、いま大臣も、曲がりかどにある、このようなこともおっしゃっている、重要な通信政策を充実せねばならぬ時代になっておるわけでありますので、毎年、年次報告というような形で通信行政の展望をお出しになる必要がある、私はこのように考える一人でありますが、この点についての御見解を伺いたい。
  88. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 まず、お尋ねの情報基本法の問題でございますが、これにつきましては、先刻武部委員からもお話がございまして、お答え申し上げたのでございますけれども、たびたび郵政大臣も、将来、なるべく早い機会に情報基本法を策定したいということを答弁申しておりますし、また佐藤総理もそのようなお答えをしたことがあるやに承っておるわけでございます。したがって、昨年私、大臣になりまして、そんなことを聞きましたから、これはきわめて必要なことだ、今後コンピューターの利用、データ通信、いろいろな通信のメディアが新しく開拓されますし、だんだん情報化へ向かっていく社会になりますことが予想されるわけでございますから、そういう社会におきまして情報がきわめて重要な役割りを果たすわけでございます。そこで、そのような基本法をつくるべきだということは賛成でございまして、その必要があると痛切に感じましたので、昨年の九月ごろでございましたか、郵政省の中に情報処理基本法調査会というのをつくりまして、いまのところは郵政省の役人だけで構成していろいろ検討を続けておりますが、その検討内容は、情報化社会に対処するために、その方面の技術を高揚しなければならない、技術高揚には国からどんどん助成を出すべきだというようなことをうたいたいと思っております。それから情報関係の産業も大いに振興させなくちゃならぬ、同様な助成をやる必要があるのだというように考えておりますし、またさらに、プライバシーを確保することを特に考えなくちゃならない。話を聞きますと、日本国民全体の戸籍が十メートル平方のコンピュータに入るそうでございまして、そういうようなことになりますれば、プライバシーというのが非常に必要になってくるわけでありますから、プライバシーを守るというような趣旨のことを基本法にもうたわなくちゃならぬというようなことで、情報基本法を策定すべきだ、郵政省では情報処理基本法と申しておりますけれども……。これはだんだん関係の省が次々にできてくるわけでございますから、郵政省が軸を握って、関係の省庁とも十分連絡をとって、最終的にりっぱな法律をつくるということに持っていかなくちゃならない、そのための調査会を昨年省内に発足させたわけでございます。  それから通信基本法の問題でございますが、これは御承知のように、有線電気通信法、公衆電気通信法あるいは電波法、こういうような通信の非常に重要な法律が制定されまして、もうすでに二十年を経過いたしておりますし、もちろん、その後部分的な改正をいたしておりますわけでございますけれども、ぼつぼつ根本的に考え直してみる時期に到来しておるのじゃないかという気もいたすわけでございます。そういう問題につきましては、広範囲にわたった法律なものですから、なかなか一朝一夕にはいかない。そんなものをすべてひっくるめての通信基本法という先生の御指摘であろうかと思いますけれども、広範囲にわたっての問題でございますから、これはなかなかむずかしい。ただ、二十年も経過いたしておりますので、根本的に検討する必要があるという段階になっているという気は、私、いたしておりますわけでございます。  それから、通信白書の問題でございますが、これはいろいろな資料を発表いたしておりますわけでございますけれども、やはり通信白書としてまとめて発表する必要があるのじゃないかと思っております。これは、非常に御名案だと私は思いますから、ひとつ何とかものにするように事務当局を督励いたしまして、御期待に沿うようにいたしたい、このように考えております。
  89. 中野明

    ○中野(明)委員 では、法律内容に入りたいと思いますが、三法律が一本になっておりますので、これは過日来、個々にわたって議論されておりますから、私は、拡充法にしぼってお話をお伺いしたいと思います。  まず、公社電話を設備する、通信網の整備をするのに建設資金が必要なことは、もう当然であります。これについては、私どもとやかく言うものではありませんのですが、建設資金がますます膨大になってまいっております。この資金を集める内容、集め方が結局問題になって、この法案審議の過程でも議論が出ているわけであります。過日来の国会の附帯決議にも出ておりますように、建設資金の中に「財投等」ということで議論が詰められておりましたが、ほんとうに「財投」はわずかで、「等」のほうが非常に多かったわけであります。この資金に対する財投等の占める比率、これが年々少なくなってきて、少しふえた年もあるけれども、大体少ないという傾向でありますので、今後の見通しとしまして、少なくとも建設総額の一〇%ないし一二%は最小限度財投のほうでまかなうべきではないか。この面についての努力をやらないで、いたずらに加入者債券だけにたよって延長させることは、私たちは少し片手落ちのような気がするわけです。今後の公社の設備資金に必要な金額の中で、財投等を四十八年度からどの程度確保するという考え方でおられるのか。大蔵省からもおいでいただいていると思いますが、また、大蔵省の考え方もひとつお聞かせいただきたい。そうしないと、ただ公社の経営云々ということから財投なんかは要らぬのだ、こういう考え方では、公共事業として今日国民の必需品になってきている電話の設備については、考え方が非常に片寄ってきていると思いますので、この辺を郵政省と大蔵省にお尋ねをしたいわけであります。
  90. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 まず私からお答えいたします。  電電公社建設資金について、財投の持っております役割りと申しますか、その比重の重大性につきましては、まさに先生の御指摘のとおりだと思うのでございます。そういう方向で、毎年努力を重ねていかなくちゃならぬわけでございますけれども、四十七年度は、昨年度と比べますと金額が倍という程度になりまして、いささか喜んでおりますわけでございます。それと、新規に政府保証のつかない事業債と申しますか、一般の債券の発行ができることになりましたことは、財源の多様性という点から申しましてきわめてけっこうであったと思うのでございます。ところが、御指摘のように、その財投の全体の建設資金における比重というのは非常に少ないわけでございまして、この点はまことにざんき千万に思っておりますわけでございますが、これからだんだん電話拡充整備していくというその計画から申しますと、昭和四十八年度から五十二年度までの五カ年、まだ四十七年度一つ残っておりますけれども、去年から申しますれば七カ年計画、四十八年度から申しますと五カ年計画最終年度の五十二年度まで、この五カ年間で電電公社財投に全体の建設資金の一四%を期待しておられるようでございます。それから、その次の昭和五十三年度から五十七年度までの資金におきましては財投に一九%を期待しておられるようでありまして、私の数字が間違っておればあとで訂正いたしますけれども、それくらい大きく財投に期待を寄せておられるわけであります。そういったことになりますれば郵政省の責任はだんだん重大になってくるというわけでございますから、今後さらに馬力をかけまして、御期待に沿うように努力をしなければならない。そうしなければ年次計画電信電話の整備の処理ができないということになってくるわけでございますから、いま御指摘のことは、まさに私どもの努力の方向を差し示しておるかと拝察いたしまして、十分努力を続けるということを申し上げておきたいと思います。
  91. 福島量一

    ○福島説明員 電電公社資金調達の中で財投資金の占める比率が非常に低いという御指摘でございますが、御案内のように、財政投融資は、対象各機関の所要資金につきまして、その自己調達能力というものを勘案した残りを手当てをする、そうして質的、量的に補完をするというのが本来の機能でございます。電電公社の場合につきましては、ただいま議論になっております加入者債の問題もございますが、そのほかに設備料あるいは料金収入等もございます。かつまた、当局の非常な経営努力によりまして収支状況も順調に推移しておるというようなことで、われわれの立場から申し上げますと、いわゆる自己調達資金の比重はかなり高いということから、ここ数年来、百億ないし二億円程度財投の数字で推移しておるわけでございます。これを、たとえば将来にわたりまして一〇%あるいは一二%、ただいま郵政大臣お話では、一四ないし一九%という計画数値がお話に出ましたけれども、どうするかにつきましては、これはまたそのときどきの金融情勢なり何なりを判断した上できめるべき問題であろうかと思います。  ただ、さしあたっての問題として申し上げますと、御案内のように、電電公社に対しまする財政投融資は、目下のところはいわゆる政府保証債でございます。電電公社の発行します債券につきまして、政府保証をやることによって信用力のある低利資金調達するという形でお手伝いをしておるわけでございますが、その政府保証債につきましては、総発行額につきまして国会の御審議をいただいておりまして、予算総則できめられておるわけでございますが、最近数年は、年度間で大体三千億ないし三千五、六百億円というのが当初計画の数字でございます。昨年度は三千億円でございまして、途中景気対策等の必要がありまして、御案内のように追加を行ないまして、弾力発動しまして、結果的に四十六年度政府保証債の発行総額は三千九百三十九億円という数字に相なったわけでございますが、それらを勘案しまして、実は昭和四十七年度の場合は、御承知のように総額で四千億円という政府保証債の発行を予定しておるわけでございます。これを非常にふやすかどうかという問題でございますが、結局政府保証債も、いわば政府がある意味であっせんをする債券でございますから、国債、地方債等を含めました公共債の一環としてその発行規模をバランスのとれたものにする必要がある。一般の公社債市場に対する影響その他を勘案してきめる必要があるということもございます。したがいまして、これをにわかに非常に大幅に増額するということについてはいろいろと問題を伴うということが一つございます。  それから、この政府保証債の発行に関しまして第二の問題は、非常に大量発行ということになりますと、当然大量消化が前提になるわけでございますが、そういたしますと、発行条件その他、いわば発行者コストが高まるような形での消化の促進をはからなければならないという問題も別の面から出てまいります。そういった意味で政保債の発行総額というものも、そのときどきの経済事情に応じまして一定の範囲というものがおのずから出てまいる、かように考えます。したがいまして、来年度あるいは再来年度において政保債という形で電電公社に対する財投を大幅にふやすということは、総額の問題あるいは他の機関とのバランスの問題等々でなお問題が残るのではないか、かように考えます。しかし、だからといって、われわれといたしましても、将来に向かって電電公社に対する財政投融資が、現在の百億ないし二百億円の水準でよろしいというふうには毛頭思っておりません。これは電電公社の経営内容なりあるいはそのときどきの経済情勢、財政事情全般を勘案いたしまして、そこできめられるべき問題であろう、かように考えております。
  92. 中野明

    ○中野(明)委員 いまのお話でいろいろ申されましたけれども、結論的にはだめだというような言い方のように聞こえますが、いまお話の中で電電公社の自己調達資金、この中にいまの加入者債券とか設備料とかそういうものを考慮に入れておられるとしたら、私はこの拡充法審議している趣旨と反すると思うのです。これは自己調達資金ではなしに、法で強制をしたあれでありまして、電電公社が自己で調達している資金だというふうに考えてもらうと、これはちょっとおかしいと私は思うのです。だから、そういう点、ここでは国のほうで、いわゆる生活必需品になってきた電話を設備するということについては、当然財投等でカバーしろという、そういう過去からの経緯があるわけです。それが年々少なくなってきて、いまのお話では百億とか二百億とか、それも政府保証債です。全然財投のお金は出ておりません。そういうようなことではいかぬじゃないか。これでは、それがだんだん積み重なってくれば、当然電話料金の値上げとか、そういうようなことに振りかぶってきて、最終的には公社の経営を圧迫するようになる、そういう懸念をわれわれが持つから、いまここで加入者債券を云々されるならば、政府のほうも財投等でこれこれカバーしますからひとつ加入者債券のほうも御協力を願いたい、こういうのなら話はわかるわけです。政府のほうはいろいろ理屈をつけて全然、公社自己資金調達する能力があるからかまわぬのだ、そういうふうなことでは、これは公社もいずれは、いまでも毎日何億という利子を払わなければならぬほど金を借りているのでしょう。そうなることを私どもが心配しているから申し上げているのでございます。最終的には、また国民負担にかかってくるということになります。そういう点を考えて、いま大蔵省は全然、永久にだめだというようなことは言っておられないようでありますから、姿勢の問題だと思うのです。郵政大臣も一二%以上、次の五カ年では一九%ぐらい希望しているというようなことを言っているわけですが、あまりにもかけ離れた数字。こういう考え方では、これは一般の加入者は結局年じゅう負担をさせられて、そうして必需品になってきたことについての国の姿勢というものが全然ここに出ておらぬ、こういうことでは困ると思うわけであります。もう一ぺん、その辺を大蔵省としてお答えいただきたいと思います。
  93. 福島量一

    ○福島説明員 お答えいたします。自己調達資金と私どもが申し上げましたのは、これは御指摘のように、目下その加入債をどうするかということがまさに議論になっていることでございます。従来とってまいりましたのは、法律に基づきまして加入者債が発行され、かわり金が入ってきているというのはこれは事実でございますから、そういったものを前提にして、公社の投資計画を見て財投規模がきまってくる、その中でどの程度の不足資金財投でまかなうか、こういうことが財投額を決定する考え方の基礎でございますから、それを申し上げたわけでございます。その点、将来この加入者債券の問題がどうなるかということ、あるいはさらにはそれはそれとしても、なおかつ公社の経営状態なりがどうなるかということによりましては、先ほど申し上げましたように、われわれとしては当然財投としてできるだけの協力はするということはこれは当然のことでございまして、その中の最も代表的な、いわば国と一番近い公社のことでございますから、それについて財政当局としてほうっておくということはございません。できるだけの努力はいたします。
  94. 中野明

    ○中野(明)委員 いまのお話ですが、公社が一生懸命自己資金調達するために努力をして、それで高い利子の金を集めてくる、そうしたら財投のほうが出さぬ、出さぬでもいま行けるじゃないかという考え方。それじゃ公社の首脳部としては、一生懸命に努力をして損をしているというような形にも見えるわけであります。そういう一つ考え方も持てると思います。公社が、全然金を集める能力がないのです、こういって努力をしなければ、それじゃ財投から出してやろう、こういうことになるならば、努力をして高い利子の金を集めるよりも、努力をしないで安い財投資金をもらったほうがいい、裏を返せばそういう理屈にもなるわけであります。ですから、そこら辺も一応考えられて、財当のほうから相当金を入れるのだ、そして公社の設備資金を応援するんだ、そういう考え方が基本的にここではっきり約束されないと、この拡充法延長しろという考え方は基本的に違うと私は思うのです。その辺をもう一度、将来必ずふやす、そのように努力をするというふうに――大蔵省のほうも、やはりここで数字のパーセンテージを言えといったって、来年のことですし、また次の年もあることですから無理でしょうけれども、そこら辺はお考えをはっきりしておいてもらいたい。
  95. 福島量一

    ○福島説明員 先ほども申し上げましたように、結局先生お話しのなまけたほうが安い資金が入って、一生懸命するほうが高い資金でたいへんではないかということでございますが、やはり公社も国の公社である以上、最善の努力を尽くして、しかもきわめて合理的な経営規模の中での努力を払われて進めるべき責任はあると思います。現にその責任は果たしておられまして、そういう形で進んでおる。一方、財投機関の中には、全く資金調達の道を断たれておるたとえば国民金融公庫のようなものもございまして、こういう資金運用資金なり何なりを出して一〇〇%めんどうを見なければならない機関もあるわけでございますが、そういった全体の、四十七年度で申しますと五十三、四機関に当たるわけでございますが、その中における資金配分を考える場合には、われわれとしては従来まではこの加入者債も一つの要件として受け取っているわけでございますから、そういうことで資金調達できるところには結果としては資金配分は小さくなる。それからかりに資金調達能力が低くても、投資規模その他が低ければ、これはまた財投資金はかりにその不足分を埋めるにしても少なくて済む、いろいろな事情がからみ合ってくるわけでございます。したがいまして、私どもとして来年度どの程度どうするかということは、ここでにわかにお約束できる立場にはございませんが、先ほど来申し上げておりますように、公社の経営規模とか経営状態とか、そういったものを総合勘案しながら所要の資金手当てを努力をするということは、これはもうこの席で申し上げるまでもなく当然だと考えております。
  96. 中野明

    ○中野(明)委員 これは資金課長さんではおそらくそういうことになりますと、ここで確約はできないと思いますけれども、逓信委員会を含めて国会全体にそういう強い要望があるということ、これはおわかりだと思います。  それで、この問題ではおそらく結論が出そうにありませんので次へまいりますが、今回の拡充法期限延長を十年にされた理由を郵政大臣からお聞きしたいわけです。どうして十年にされたか。
  97. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 これはたびたびお答え申し上げておりますように、ただいま実行いたしております七カ年計画最終年次であります昭和五十二年度には積滞がなくなりまして、その後は申し込めば直ちに電話架設ができるという状態になります目途でありますことは事実でございますけれども、ところが、現在の日本経済力、また国民の生活程度に基づきますところの電話需要、それがきわめて熾烈でございまして、昭和五十三年以降におきましても相当大量の電話架設需要があるということが予想されます。五十三年度から五十七年度まで計算をいたしますと、大体千三百万個くらいの新規の架設需要がありそうでございます。これを昭和五十三年度以降も需要に応じて、需要があればすぐにつきますわけでございますけれども、その需要に応じまして架設していくということについては、その数字が非常に大きいだけにたいへん多額な資金を必要とするということになりますわけでございますから、そこで、加入者に御協力を願って債券の御負担をいただきまして、多額な建設資金を確保いたしまして、そうして、逐年国民需要に応じた電話架設をやっていくということをさらに五カ年程度は続けないと、また積滞が新たにできそうだという心配がありますわけでございますから、それで、この拡充法をさらに昭和四十八年度から申しますと十カ年間、五カ年間だけでは足りませんので十カ年間延長いたしまして需要にこたえていくということにいたしますと、その最終年の昭和五十七年度末には普及率が高くなってまいりまして、百人当たり九十五人程度アメリカ並み電話架設の普及ができますわけでございますから、そうなりますと、その後たとえ電話の新規需要がございましても、その数はわずかだということが予想されます。したがって、その後の建設資金はそうたいして要らないということが考えられますわけでございますから、その後は個別に加入者に御負担をかけなくて、自己資金あるいは財投の金でできるというように考えまして、四十八年度から五カ年だけでなくて、さらに五カ年延ばした十カ年加入者の方に御協力をいただきたいという意味で、十カ年間の延伸をいたしたいというのがこの趣旨でございます。
  98. 中野明

    ○中野(明)委員 過日の審議の過程で、大臣は、加入者債券というのはどこまでも例外である、これは資金調達としては本来の最も好ましい姿ではない、こういうような御答弁があったと私記憶しております。ですから、例外であれば一日も早く本来の姿に戻そうという努力、これは必要だろうと思うのです。それが今度目は――七カ年計画そのものにも私たちもまだいろいろ議論があるし疑義もあります。それが、また七カ年計画が済んでから五年間、いわゆる引き延ばすということになりますと、いよいよ見通しの根拠が薄弱になってまいります。政策論から見ましても、われわれとしては非常に疑義を持つわけであります。これからの十年後の社会の動きというのはとうてい、予測するだけは予測するだけのことでありまして、おそらくそのことを完ぺきに予測できる人はおらぬだろう、このように思います。そうなると、十年間もここで期限延長するということについては、われわれとしては責任を持った審議ができぬのではないか。ですから、せっかく七カ年計画公社としてはかっちり計画を立てて、われわれとしてはまだまだ議論の余地がありますけれども、七カ年計画ができておる、五十三年末ですか五十二年末ですか、そこまで一応合わされて、そうしてその時点でもう一度、いま大臣がおっしゃるようなとおりであるならば、もう一度期限延長ということをお考えになってもいいのではないか。いきなりから十年ということを、例外的なことであるということをおっしゃっている大臣自体が十年を承知されているということは、私たちは非常に理解に苦しんでいるわけであります。これは法律ですから、ここできめなければ永久にきめられないという性質のものではありません。必要ならば、ぼくたちのほんとうの気持ちは、毎年でも期限延長するくらい慎重にやってもらいたいのがこの加入者債券の性格だろう、こう考えているわけであります。しかし、毎年ということになりますと、国会審議その他もございましょうし、これにはやはり一部疑義もありますので、せめて五年くらいを限度にして、国の他の計画でも大体五年ということは前々から議論されているとおりであります、五年くらいの延長にされるべきではないか、こういう考えでございますが、五年に修正するというような考え方はお持ちになっておりませんか。これは国会審議というものを私たち責任を持ってやろうと思いますと、やはりまん中で一ぺん区切られて、そうしてそこでもう一度その当時の時点を見て、おそらくその当時には情報産業その他についても画期的な変革を来たしておるでありましょうし、そこでもう一度議論をするということは、私は、国会としての当然の責任でもある、このように考える一人でございますが、この点大臣のほうからもう一度御答弁を願いたい。
  99. 廣瀬正雄

    廣瀬国務大臣 中野委員のおっしゃることも、私もわからないわけではございませんけれども、御指摘のようにこれは例外的な暫定措置でございます。したがって、期間が短ければ短いほどいいと私も考えておるわけでございますけれども、しかし今度の拡充法の場合は、十年の見通し、それももうはっきりわかりまして、どうしてもそうした資金が必要だということが、いまから明確に予想ができますわけでございますから、それで五カ年間で区切ってないで十年間ということにいたしたわけでございます。この点はどうぞひとつ先生御理解を賜わりまして御賛同をいただきますように切にお願い申し上げる次第でございます。
  100. 中野明

    ○中野(明)委員 大臣大臣なりに考えてはお出しになっておるとは思いますけれども、先ほど申し上げましたような私たちの考え、これも大臣のほうとしては検討される必要があると思うわけであります。国会というところは、やはりそのときそのときに対応して慎重に議論をして、そうしてできるだけ国民負担がかぶらないように情勢判断をしていくという責務がわれわれに課せられておる、こういうように思うわけでありますが、この法律が通ったといたしますと、向こう十年間はこの加入者債券に関してはもうどうすることもできない。もちろん、大臣の答弁なんか聞いておりますと、財政事情が許し、公社の状況がよくなれば、これは十年の期限の以内でもやめますとおっしゃっておりますが、そんなことは言うべくして実際は行なわれるわけはありません。これは私がもし公社の側であるならば、十年になったら十年ぎりぎりまでやらしてもらいます。それのほうが運営がしやすいし、それは当然だと思います。そういうふうな性質のものを、ただ資金の事情がゆるんだら早くやめますというのは、私は額面どおり受け取れぬわけであります。だからこそまん中で区切って、そうしてそこでもう一ぺん検討する、これが私は責任ある審議じゃなかろうか、こういう考えであります。大臣はたって認めてくれというお話なので、これはそうなりますととうてい認めるわけに参らぬ。中間で一ぺん検討する時期を与えてもらいたい。そうすることが責任ある審議だ。向こう十年間審議ができないということ、この問題で全然できぬことはないでしょうけれども、もう法律できまった以上は、加入者の皆さんに対してまことに無責任な審議をしたという形にわれわれとしては考えるわけであります。大臣お話ですけれども、私もその意見を曲げるわけにはいかぬと思います。  お約束の時間を少し過ぎたようでありますのではしょって申し上げますが、公社建設資金が年年たいへんな金額になってまいっております。この建設資金の中で、資材購入の金額というもの、これが非常に大きくなってまいりました。金額の上から見ましても、ばく大なものになっております。それで建設資金の中で資材購入は総額のどの程度の比率を占めているのかということを最後にお聞かせいただきたいと思います。
  101. 山本孝

    ○山本説明員 四十六年度の数字がまだ出ておりませんので、四十五年度まででごかんべん願いますが、建設予算額に対しまして資材購入額はおおむね六〇%弱という数字になっております。
  102. 中野明

    ○中野(明)委員 建設資金の総額に対して六割。これから先はもっと多くなるかもしれません。そういうようなばく大な資材の購入が行なわれているわけでありますので、この資材購入についてはよほど慎重にお願いしたいと思います。  いろいろお聞きしたいことがありましたが、きょうは時間がありませんので、この資材購入の中で、総裁も御存じのとおり、過日、会計検査院から指摘をされた磁気テープの購入方法について、指摘をされた後どういうふうに改良をなさいましたか、この点を御説明いただきたいと思います。
  103. 米澤滋

    米澤説明員 お答えいたします。磁気テープにつきましては、特にオンラインのコンピューターに使います磁気テープは、オフラインのコンピューターに使います磁気テープに比べまして、より正確であることが必要なわけであります。特に電気的にテープにいろいろデータを書き込む場合に、その書き込む場合のドロップインや、あるいはまたそれを読み取るときのドロップアウトがもし起こりますと、これは直ちにデータそのものが間違ってしまうということで、公社といたしまして、その品質の改良という問題がまず一つございます。会計検査院よりいろいろ御注意がありまして、われわれといたしまして、従来やりましたいわゆるコンピューターメーカーを通じて買っているという方法を今回改めまして、いわゆる資格のあるメーカーから指名競争入札をもってやるというふうな方針を資材局に指示いたしまして、とりあえずことしから、その資格のあるものは現在のところ二社しかないようでございますが、今後これができるメーカーがふえれば、さらに指名競争入札の範囲を拡大したいというふうにも思っております。
  104. 中野明

    ○中野(明)委員 総裁も御存じのとおり、四十三年に会計検査院から指摘を受けておりますが、そのときは、各通信局別に価格も不統一でばらばらに購入をしておった、これを指摘されたわけです。指摘をされましてから、一応価格を統一して本社でまとめていくまで、二、三年の時間が経過しているわけであります。やはりこういうことは、指摘を受けたら、ある程度重大な指摘でございましょうから、こんなに二年も三年も時間がかからなければ指摘を受けたとおりに修正できないのかということ、これは私どもも、公社が大きくなり過ぎて小回りがきかぬのじゃないかという心配を一つするわけであります。こういう点も十分監督をしていただいて、先ほども申しておりますように六割からになるところのばく大な金額で資材を購入されるわけですから、購入方法に疑問のないようにしてもらいたいということであります。  それで他の官庁が仕入れておる磁気テープと比べてみましたときに、いま総裁も、うちの場合は特に精密度が要求されているのだというお話でございますけれども、いずれもコンピューターを使う以上は、不精密でよろしいというようなことは一つもないと私は思うわけです。ところが他の官庁関係の労働省とか防衛庁、国鉄あるいは郵政省、NHK、こういうところで使用しております磁気テープの購入価格と、公社で購入をしておられる価格と比べてみますと、四割以上高く買っておられる、そういうふうに私たち資料をとってみますと出てくるわけであります。ひどいのになりますと、七割くらい高く買っているのもあるような計算になるわけです。これは少し高過ぎないだろうか。片方では資金の問題で、いま資金集めをどうするか、このようにお互いに頭をかかえているときです。ところが片方で、資材購入の場合に安易に高いものを買うているということになりますと、また問題であります。そこのところは数字の上だけでは、私はこういう技術的なものにはしろうとでありますので一がいに言い切れないものがありますけれども、しろうと考えから見ても、コンピューターに使う磁気テープ、これは公社だけがとにかく精密なものでなければならぬと言われるのもわからぬではありませんが、それならほかの官庁で使っているところのテープは全然そういうことは考慮に入れなくていいのか、いわゆる不良品でも平気で使っていいのか、こういう疑問も出るわけです。そこのところをひとつよく検討していただいて、こういう疑問が起こらないような購入の方法をおとりをいただきたい、このように考えるわけであります。  せっかく自治省と警察関係がおいでになっておりますので、時間がありませんがもう一問だけ。  これはこまかい問題でございますけれども、私どもの国元をはじめ地方ではたいへんな問題になっております。それは一一〇番と一一九番の問題であります。これは御承知のとおり市町村の合併がありました関係もありますが、私も実例は国元のことしか知りませんので、一、二を申し上げてみますと、交通事故を起こして一一九番あるいは一一〇番を呼んだ。ところがそこまで夜中に来てくれて、ここはうちの区域と違うので、相手の町村の警察を呼ぶからそれまで待っいてくれと、夜中に三時間も待たされたという例は枚挙にいとまがありません。あるいは火事の問題にしましても、一一九番にかけてもなかなか消防が来てくれぬ。どうしてだろうかということになったら区域が違う。早期の消火ということは消防としては原則であります。かけたところが隣の町の消防が出る。その消防士の方がお年寄りで古い人なら、字の名前を聞いただけでわかるけれども、新しい人は、おれの町にはそんなところはない、これはいたずら電話じゃないかということで切られちゃった。そのうちに火事が大きくなったという実例もあるわけです。こういう問題については公社も頭が痛いことでしょうが、自治省関係の消防、警察関係の方に今後のこの問題についての対策、どうお考えになっているか、現状をどう掌握なさっているかということについてお聞きをし、最後に公社としての考え、対策をお聞きして終わりたいと思います。
  105. 朝比奈仙三

    ○朝比奈説明員 警察といたしましては、どのような事案に対しましても即時一一〇番をかけていただき、一一〇番が来ましたらできるだけ早く現場に参りまして、御安心のいくように処置をするのが使命でございます。したがって、管轄違いとかなんとかということで仕事を避けるということがないように指導いたしております。もしそういうふうな事案がございましたら、これは厳重に教育をいたしたいと思います。  それから情報収集につきましては、ただいま県本部単位で通信指令室というのをつくっておりまして、電話が自動化されるにつれましてそこへできるだけ一一〇番を集中をいたしたい。一一〇番が集中をされましたら、県本部段階で事案のあったところへ一番近いパトカーなり何なりを、所属、系統のいかんを問わず差し向けるというふうに次第にいたしていきたいと思っておりますが、まだその点、十分なところまでまいっておりませんけれども電電公社協力いたしまして、できるだけそれを早く進めて、住民の不安を解消いたしたいと思っております。
  106. 古郡良秀

    ○古郡説明員 消防といたしましても、お示しのとおり、できるだけ早く救急活動並びに消火活動を行なわなければなりません。それで、お示しのとおり、町村合併とか、あるいは地域の特性によりまして、一部地域につきましては、他の市町村の消防に通報が参ることがございます。この点につきましては、それぞれ各市町村相互に協議いたしまして、通報があった場合には即時にそれぞれの関係市町村に通報するというようなことを行ないましたり、また新たに専用線を設置いたしまして、それぞれの市町村に同時に通報できるようなことも行なっております。いずれにいたしましても、今後このような地域につきまして再度調査いたしまして検討してみたいと思っております。
  107. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 電電公社といたしましては、いまの消防、警察のほうの広域管理体制に御協力をいたしまして、専用線をお使いになる場合、あるいは多局管理をされる場合、いろいろありますが、御要望に応じて一般の料金より安く即刻やるように手配をいたします。
  108. 中野明

    ○中野(明)委員 以上で終わります。
  109. 高橋清一郎

    高橋委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  110. 高橋清一郎

    高橋委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。森喜朗君。
  111. 森喜朗

    ○森(喜)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっている電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。  御承知のように、拡充法制定当時の加入電話の積滞は、昭和四十七年度末までには解消できるものと予想されていましたが、その後、わが国の経済の急速な成長発展、生活水準の向上等に伴い、電話需要は一段と増加の傾向を示し、積滞が解消するのは昭和五十二年度末になるものと予測されるに至っております。  しかもなお、電話需要昭和五十三年度以降も引き続き増大することが予想され、昭和五十七年度末までには、現在のアメリカ電話の普及率、すなわち人口百人当たり電話機数約六十三個に達し、この期間中における加入電話需要総数は千三百万加入に達するものと公社当局は予測しているのであります。  この公社当局の見通しは、十年先の予見であり、その見通しの基礎となる資料等も的確なものとはいいがたいとはいたしましても、わが国の経済社会の発展状況、たとえば広範な都市化の趨勢、生活水準の向上の度合い等から見ましても、また、先進諸国の電話事情の伸び等から見ましても、傾向としては一応それは認められるものと思われます。したがいまして、今後十年間は電話需要の増大はなお続くものと認められますので、かりに昭和五十二年度末までに積滞が解消するといたしましても、五十三年度以降もなお引き続いてその増設をはかり、再び積滞が発生することのないようにつとめなければならないことは、いうまでもないことと存じます。  次に、情報化社会に対応するため、その中枢的役割りを占める公社は、その準備の万全を期して、データ通信等拡充、開発について、巨大な先行投資を行なう必要があるということは、当然のことと申せます。  このような状況にかんがみまして、これら公衆電気通信設備の建設資金の一部に充てるため、加入者債券引き受け制度を十年間延長するとともに、その制度の整備をはかることは、妥当な措置というべきものと思います。  次に、電話の自動化につきましては、電話サービスの格差をなくする上からも、一日も早く完了をはかるべきものと思われますが、自動化の対象となる地域は、今後一段と僻地となりますので、自動化によって退職する職員の処遇については困難性を増すものと予想されます。したがって、その過員となる職員の退職の円滑化をはかることは、一そう必要なことと思われます。  また、電話加入権質の制度は、公衆電気通信法の特例ではありますが、電話加入権質制度を多数の人が利用しているばかりでなく、電話加入権の不正な譲渡等がなくなり、その安定性が保たれつつありますので、電話需要が一応安定すると見られる昭和五十七年度末までこの制度を延長することもまた妥当な措置と思われます。  以上の諸点にかんがみまして、わが党はこの改正案に賛成いたすものであります。  ただ、この際、私は、政府並びに公社当局に一点だけ要望を申し上げておきたいと存じます。  それは、今後、公社当局が公衆電気通信設備拡充のため適切な長期計画を策定し、その実施にあたっては政府も積極的にこれを推進し、もって情報化社会に適応する公衆電気通信役務の向上につとめられたいということであります。  現在、新全国総合開発計画または新経済社会発展計画について再点検または見直しが行なわれておりますので、今後公社長期計画を策定するにあたっては、これらの推移を見きわめた上、電話需要等の予測の正確性を期し、そしてその計画の完全実施をはかる必要があるものと思います。もちろん、そのためにはばく大な建設資金を必要といたしますので、政府においても、公社予算については、財政投融資等の増額をはかる等、積極的な資金調達につとめられるよう、特に要望いたす次第であります。  最後に、今日の公衆電気通信の隆盛をもたらされた公社当局に敬意を表し、今後一そう公衆電気通信設備の拡充をはかり、もって役務の向上につとめられんことを切望して、私の賛成討論を終わります。
  112. 高橋清一郎

  113. 古川喜一

    古川(喜)委員 私は、日本社会党を代表して、電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表明するものであります。  以下、順次反対の理由を明らかにいたしたいと存じます。  政府は、今回の法律の提出理由として、電信電話等に対する国民の依然として旺盛な需要を充足するため電電公社が公衆電気通信設備を一そう急速かつ計画的に拡充する必要があるとしているのでありますが、これら三法は、制定の時期、目的及びその性格はそれぞれ異なるものでありまして、これを十年一律に延長しようとすることは、あまりにも便宜的な方法といわざるを得ません。  このような異質の法律を一括して提出することは過去に特殊な例はあるとしても、このような提出方法は、断じて避くべきであると思います。これが反対の第一の理由であります。  第二点は、公社建設資金調達方法についてであります。  すなわち、拡充法が制定された三十四回国会審議の過程において、当時の郵政大臣及び公社総裁は、拡充法による加入者債券の引き受け制度は、あくまで昭和四十八年三月三十一日までの十三年間の暫定措置であって、公社資金調達は、国の財政資金の充当が本来の姿であり、この期間中も財政資金の増額にはつとめると繰り返し言明し、さらに四十八年度以降の公社建設資金調達について、当時の郵政大臣は、政府においてかなりの責任を負う旨の立場を明確にしているのであります。  かかる審議経過が尊重され、自来、政府の責任において、公社建設資金に相当額の財政資金が充当されていたならば、いまや加入電話の積滞は解消され、拡充法は廃止の方向で検討されておったと思うのであります。  しかしながら、これまでの公社長期拡充計画における資金調達をみると、財政投融資等といってもその大部分は、縁故債の発行によるもので、公社建設資金の規模から見れば、国の財政資金の充当は全く微々たるもので、最近の数年間の例をとりましても、昭和四十五年度で二百億円、四十六年度で百八十億円、四十七年度二百億円とわずかの額であるということを、この際特に指摘しておきたいと思います。  このように、政府は、公社資金調達については、従来ほとんど意を用いず、さらに、公社の四十七年度予算においては、政府保証のない公募債を公募特別債の名において発行しようとしているのであります。この公募特別債も、今日の金融事情からすれば、一つ資金調達方法ではありましょう。しかしながら、加入者債券を強制引き受けさせる公社資金調達方法は、早急に廃止すべきであって、それがためにも政府は、国の財政資金を大幅に増額すべく格段の努力をすべきことは当然のことであると思います。  また、最近の公社事業は、単に加入電話の増設のみでなく、画像通信などの新規サービスあるいはデータ通信に大きなウエートがかけられ、大企業優先のいわゆる情報通信の分野へ進出がはかられているのであります。わけてもデータ通信については独立採算制とするとしながら、その先行投資は年々増大する状況にありますので、そのような公社事業の変質にマッチした資金調達方法について根本的に検討すべきではないだろうか。  第三点は、昭和五十三年度以降五十七年度に至る建設投資の見通しについてであります。  公社当局は、この期間建設投資の見通しは新総合開発計画あるいは新経済社会発展計画などの関連を十分検討した上のものであるとしているのであります。しかしながら、御承知のように昨年のドル・ショックによる経済社会情勢の著しい変化などにより、国のこの二つの計画は、急ぎ見直されようとしている今日、公社建設投資額九兆円、加入電話の新規需要一千三百万個などと一方的に見込んでもきわめて科学的根拠は薄く、これをもって所要資金調達難を幾ら強調してもわれわれはとうてい理解することはできません。このような根拠のない五十三年度以降の見通しをもって政府並びに公社は、従来の資金調達を踏襲し、さらに加入者債券を強制引き受けさせようとすることは、何としてもわれわれは承服できないのであります。  以上のほか、専用線、特定通信回線の回線部分についての債券引き受けがないことなど多くの反対すべき点がありますが、特に拡充法の三点を指摘いたしまして、私の反対討論を終わりたいと思います。
  114. 高橋清一郎

    高橋委員長 樋上新一君。
  115. 樋上新一

    ○樋上委員 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対して反対の意を表するものであります。  反対理由の第一は、今回提出の法律案電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律電話設備の拡充に係る電話交換方式の自動化の実施に伴い退職する者に対する特別措置に関する法律及び電話加入権質に関する臨時特例法の一部改正を一本の法律案として一括提出されてきたわけですが、何ゆえにそれぞれ性格の異なる法律を一本の改正法案としたのか、その理由が明確でない点であります。わが党といたしましては、特退法、質権法期限延長には賛成でありますが、拡充法反対であります。ゆえに、これらの三法律の制定当時の審議経過等を見てみますと、それぞれの法律に対して、与野党ともにかなり意見が対立していたようであり、今回改正するにあたっても、当然各法律ごとに慎重審議すべきであったのではないかと思うのであります。  このことは、国会審議に対する事実上の制約となり今後の悪例となり、一本化したことは、単に野党対策上のこそく手段であると、勘ぐることもできるし、それぞれの法律に対する軽視以外の何ものでもないのであります。  反対理由の第二といたしまして、この法律期限延長についてであります。今回さらに十年間延長することになっておりますが、その延長するについての基本的裏づけ計画が全くない、あいまいであるということであります。  昭和四十六年度から五十二年度までの七カ年計画はともかくとして、五十三年度以降五十七年度までの計画におきましては、何を基準としてこの計画を作成したのか、何ら国の裏づけになる通信政策の基本計画すらないのであります。単にこの期間延長をはかるためのその場限りの計画のように思えるのであります。  また最近の急激なる科学技術の発展は、三、四年先の予想でさえもむずかしくなっており、国の計画においてさえも、五カ年計画が常識となっていることを考えると、当然期限延長を五カ年間と修正すべきであり、今回の十年間延長は、どうしても納得できないのであります。  次に、拡充法についてでありますが、この法律の目的とするところは、電話加入申し込み者等に、電電公社債券を強制的に引き受けさせて、安易に公社計画資金の一部を調達させようとするものであります。  電信電話拡充の七カ年計画を見ましても、電話増設計画においては、千九百七十万台となっておりますが、その内訳を見てみますと、住宅用電話は千五百七十万台に対して、事務用電話は四百万台であり、第四次五カ年計画までの従前と比較いたしまして、想像もできないくらい住宅用電話架設されることになっているわけであります。  このことは、言いかえれば、一般加入電話申し込み者に対し余分の負担を課し、国民を圧迫しているということになるわけであります。  一体、加入者債券総収入額のうち、電話加入者債券引き受け額に占めるウエートは年々増加しており、過去数年間におきましては八〇%をこえております。また、加入者債券の算出根拠は何か等々見ましてもその根拠は薄く納得できないのであります。  受益者負担というのであれば、電話加入者による債券収入及び設備料等は、すべて電話架設費に充当すべきであり、将来発展を予想されるデータ通信加入電信あるいは電報の赤字負担等は、他の資金をもって投入すべきであると思うのであります。  また、債券引き受け制についてでありますが、特定通信回線使用契約者及び専用通信回線の使用契約者に対しては、その回線部分については債券引き受けを強制していないのでありますが、このことは企業者保護としか考えられず、公平負担の原則に反すると言わざるを得ません。  電電公社資金調達を必要とするならば、むしろこれらの使用者に対して適正なる債券を引き受けさせるべきであり、このことによる収入増により、電話加入者債券引き受け額の減少並びに免除範囲の拡充をはかり、身体障害者、生活困窮者及び老人等の負担軽減をすべきであると考えるのであります。  最後に強く要望しておきたいことは、財政投融資等の期待額があまりにも少ないという点であります。  現代社会においては、電話はいまや生活必需品となり、ガス、水道、電気と同様、生活に必要不可欠のものとなっております。かかる意味において公社事業の持つ公共性から見ても、現在の財政投融資資金は、年々建設資金が増加しているにもかかわらず、それに比較して財政投融資はほとんど伸びていない、もっと特別債などを発行するなどして、政府並びに公社当局は、資金調達のためにあらゆる努力を傾注して債券負担の軽減につとめるべきであると考えるのであります。電電公社は、単に国民に強制的に債券負担させて、安易な資金調達をはかっているということは断じて納得できないのであります。  以上、主要なる反対理由を申し上げまして、私の反対討論を終わります。
  116. 高橋清一郎

    高橋委員長 栗山礼行君。
  117. 栗山礼行

    ○栗山委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、若干の条件ともいうべき要望事項を申し述べたいと存じます。  公社当局は、昭和二十八年第一次五カ年計画を策定して以来今日まで数次にわたる長期計画を実施して、公衆電気通信設備の拡充に鋭意努力を続けられていますが、このような膨大な設備の建設のためには多額の建設資金を必要とすることは言うまでもないことであります。そして、その建設資金調達の上に拡充法が果たしている役割りは、まことに大きいものがあると評価いたしておる次第であります。  公社当局は、今後さらに昭和五十二年度までに、いわゆる申し込めばすぐつく電話の時代を実現し、さらに五十三年度末以降五カ年間に電話需要は現在のアメリカ電話事情、すなわち電話の普及率、人口百人当たり電話機数六十三個となる程度に達するとの予測のもとにその増設をはかるとともに、新規サービスデータ通信サービス拡充、開発等の長期計画も策定されているのでありまして、これらの建設投資額は七カ年計画で八兆五千億円、昭和五十三年度以降五カ年間で九兆円を要するのであります。  このようなばく大な資金調達するためには政府財政投融資資金の増額を中心とし、公募債及び縁故債の消化の増大等をはかる必要があることは言うまでもありませんが、拡充法に基づく加入者等の債券引き受け制度を存続することも必要やむを得ない措置といわざるを得ないものと存じます。また公社のこの長期拡充計画を実施するためには、電話交換方式の自動化の実施が必然的となりますので、これの実施に伴い、一時に多数の電話交換要員が過剰となる特殊事情に対処するため、当該交換要員の退職につき特別の給付金を支給する制度の存続をはかること及び加入電話加入申し込みをした者が加入電話の設置に要する費用に充てる資金調達等に資するため、電話加入権に質権を設定することのできる制度についてもその存続をはかることが一時的には必要と思われます。  以上の諸点にかんがみまして、わが党はこの法律案について条件賛成をいたす次第であります。  この際、わが党は政府並びに公社当局に対し若干の条件ともいうべき要望を申し述べておきたいと存じます。  その第一点は、公社当局がさきに表明された昭和五十三年度以降五十七年度に至る期間の投資規模と資金調達見通しについて、いま一歩科学的根拠に基づく具体的計画を策定し、おそくとも昭和五十七年度末までには拡充法の廃止ができるような方策を講ぜられたいということであります。  公社当局の説明によれば、昭和五十三年度以降五カ年間の加入電話需要見込み数は千三百万加入であり、またこれらの加入電話の増設のほか新規サービスデータ通信等拡充、開発等を含め建設投資額九兆円と見積もっているのであります。  しかし、わが国経済社会の流動等に対処して新経済社会発展計画等の見直しが行なわれている現在、この見積もりについてもある程度の変動も予想されますので、今後事態の推移を見きわめた上、科学的根拠に基づく長期計画を策定して、公衆電気通信設備の拡充、開発をはかり、昭和五十七年度末以前にも拡充法を廃止できるようにつとめられるよう強く切望いたすものであります。  第二点は、交換方式の自動化の早期完了をはかるとともに、自動化によって退職する職員については、今後自動化の対象となる地域の特殊性を十分考慮の上、その処遇について万全を期せられたいということであります。  公社当局は、電話の交換方式の自動化については七カ年計画において約三千局、昭和五十三年度以降五カ年間に約四百局を実施するとのことでありますが、御承知のとおり手動交換方式は自動交換方式に比べ電話サービス上格段の差異がございます。自動化の完了は電話加入者のすべてが待望するところと思われますので、一日も早く自動化が完了することを切望してやみません。  しかしながら、今後自動化の対象となる地域は徐々に僻地に進みますので、自動化によって過員となる職員の他局への転出等はかなり困難となることが予想されます。したがいまして、それら職員対策は郵政当局にとっては重要な問題の一つ考えられますが、このような特例事情にかんがみ、今後自動化によって退職する職員に対する特別給付金の額等について再検討するとともに、これら職員の処遇について万金を期せられるよう特に要望いたす次第であります。  第三点は、電話加入権質制度についてであります。  御承知のとおり、電話加入権を質権の目的とすることは、通信政策上の見地等から現行公衆電気通信法は禁止いたしておりますので、電話加入権質に関する臨時特例法は、その名が示すように、公衆電気通信法の特例法であり、臨時的な法律であります。したがいまして、昭和三十八年に提出されましたこの法律の一部改正案に対しましては、当委員会において附帯決議が付されましたが、その一項目は「積極的に積滞の解消に努め、もって電話加入権質制度の早期廃止を図ること。」というものであります。  臨時特例法というのは、ある特殊な事情変更に対処してその特殊事情が解消するまでの間本則に対する特例を設ける制度であり、それはあくまで臨時的なものであります。  このような点にかんがみまして、政府並びに公社当局は、電話加入権質制度については、今後質入れの実態、担保価値の動向等十分把握した上、可及的すみやかにこの特例が公衆電気通信法の本則に復帰するようはかられるよう切望いたす次第であります。  以上、本案に対する賛成の理由を申し述べるとともに、若干の条件ともいうべき要望事項とともに問題点を指摘をいたしてまいりましたが、今回の三法の改正につきまして若干の問題点はあるといたしましても、公衆電気通信設備を一そう急速かつ計画的に拡充する必要がある事情にかんがみましてのみ、わが党はこれに賛成いたすものであります。  私が政府並びに公社当局に対し、あえて建設的な要望をいたしますゆえんも、公衆電気通信設備の拡充、開発についてその計画の達成を切望いたすところからであります。  今回の法改正が公社長期計画達成のため大きな力となり、これら三法の廃止できる状態が一日も早く達成されることを切望して、私の賛成討論を終わります。
  118. 高橋清一郎

  119. 津川武一

    津川委員 私は日本共産党を代表し、電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行ないます。  反対の第一点は、本法案の提出の形式がきわめて不当な点であります。この法案は、本来三つ法案として提出すべきものであり、特に電話加入権質臨時特例法と拡充法には何ら直接的関連がありません。政府は今後このような不当な形式の法案を絶対に提出しないよう強く要求します。  第二に、拡充法延長についてでありますが、拡充法提出の理由とされている電話の積滞は、住宅電話を中心としたものであります。これは電電公社の設備建設が独占資本の電話、通信の需要に応じて行なわれてきたことによってつくり出されてきたものであります。  今後十年間における加入電話増設約三千万個の約八〇%は住宅用電話となっております。これは軍事通信網や独占資本の新たな通信、情報需要にこたえる総合通信網建設のための資金を住宅電話加入申し込み者に負担させようとする不当なものであります。このことは、一般加入電話の直接工事費が昭和四十七年度予算では全工事費の五%を占めるにすぎず、データ通信や専用線などの直接工事費を下回っていることで明らかであります。  拡充法延長は、昨年行なわれた設備料の大幅引き上げとともに、独占奉仕、軍国主義復活のための総合通信網を徹底した大衆収奪で強行しようとするきわめて反動的なものであり、わが党は強く反対するものであります。  第三に、自動化に伴う退職者への特別措置法であります。  この法律は、昭和三十八年全電通労働組合が首切り法案として反対したものであります。法律によれば、公社のいうことを聞かずに退職した者には特別給付をしなくてもよい仕組みになっています。実際運用では労働者の要求を聞かざるを得なくなっていますが、今後とも労働者の要求を取り入れた運用をはかるのであれば、本法案は当然修正して提出すべきものであります。一方的な労働者支配の本質をそのままに残した特別措置法の延長反対するものであります。  最後に、電話加入権質法についてでありますが、この法律延長することにわが党は賛成であります。加入権質は以前から中小企業者の要求でありました。また公衆電気通信法第三十八条の規定は実務上の繁雑さが主な理由とされており、加入権質設定が理論的に成り立つことも明らかであります。  個々の法律延長に対するわが党の態度は以上のとおりでありますが、この法案の中心が拡充法延長にあることは明白であり、わが党は加入権質法に賛成しつつも、これを含めて法案全体が一括して採決されるので、法案反対せざるを得ません。  以上で反対討論を終わります。
  120. 高橋清一郎

    高橋委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  121. 高橋清一郎

    高橋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 高橋清一郎

    高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  123. 高橋清一郎

    高橋委員長 次回は明後十日午前十時十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二分散会