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1971-02-19 第65回国会 衆議院 予算委員会第五分科会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    分科会昭和四十六年二月十三日(土曜日) 委員会において、設置することに決した。 二月十八日  本分科員委員長指名で、次の通り選任され  た。       大野 市郎君    大村 襄治君       上林榮吉君    藤田 義光君       細田 吉藏君    松野 頼三君       細谷 治嘉君    安井 吉典君       坂井 弘一君 二月十八日  大野市郎君が委員長指名で、主査に選任され  た。     ————————————— 昭和四十六年二月十九日(金曜日)     午前十時四分開議  出席分科員    主査 大野 市郎君       大村 襄治君    上林榮吉君       藤田 義光君    細田 吉藏君       松野 頼三君    田邊  誠君       細谷 治嘉君    安井 吉典君       坂井 弘一君    兼務 阿部喜男君 兼務 島本 虎三君    兼務 楢崎弥之助君 兼務 堀  昌雄君    兼務 伊藤惣助丸君 兼務 岡沢 完治君    兼務 土橋 一吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 井出一太郎君  出席政府委員         厚生省環境衛生         局公害部長   曾根田郁夫君         通商産業省公害         保安局公害部長 森口 八郎君         郵政大臣官房長 野田誠二郎君         郵政大臣官房電         気通信監理官  柏木 輝彦君         郵政大臣官房電         気通信監理官  牧野 康夫君         郵政省郵務局長 竹下 一記君         郵政省貯金局長 山本  博君         郵政省簡易保険         局長      中田 正一君         郵政省電波監理         局長      藤木  栄君         郵政省経理局長 溝呂木 繁君  分科員外出席者         大蔵省主計局主         計官      金子 太郎君         郵政省電波監理         局審議官    太原 幹夫君         日本電信電話公         社総裁     米澤  滋君         日本電信電話公         社総務理事   井上 俊雄君         日本電信電話公         社厚生局長   大守  坦君         日本電信電話公         社営業局長   遠藤 正介君         日本電信電話公         社経理局長   好本  巧君         日本電信電話公         社建築局長   大沢 秀行君     ————————————— 分科員の異動 二月十九日  辞任         補欠選任   安井 吉典君     田邊  誠君 同日  辞任         補欠選任   田邊  誠君     安井 吉典君 同日  第一分科員堀昌雄君、岡沢完治君、第二分科員  楢崎弥之助君、伊藤惣助丸君、第三分科員阿部  未喜男君、土橋一吉君及び第四分科員島本虎三  君が本分科兼務となった。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和四十六年度一般会計予算郵政省所管  昭和四十六年度特別会計予算郵政省所管  昭和四十六年度政府関係機関予算郵政省所管      ————◇—————
  2. 大野市郎

    大野主査 これより予算委員会第五分科会を開きます。  私が本分科会主査をつとめることになりましたので、よろしく御協力をお願い申し上げます。  本分科会は、運輸省、郵政省及び建設省所管につきまして審査を行なうことになっております。審査の順序は、お手元に配付いたしました日程により進めたいと存じますので、あらかじめ御了承をお願い申し上げます。  なお、各省所管事項説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。  昭和四十六年度一般会計予算及び昭和四十六年度特別会計予算中、郵政省所管、並びに昭和四十六年度政府関係機関予算中、日本電信電話公社関係を議題といたします。  まず、説明を聴取いたします。井出郵政大臣
  3. 井出一太郎

    井出国務大臣 最初に、郵政省所管会計昭和四十六年度予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計予算でありますが、歳出予定額は七十二億九千二百万円で、前年度予算額六十三億一千百万円に比較いたしまして、九億八千百万円の増加となっております。  この予算には、人工衛星利用する電波研究の推進に必要な経費三億三千八百万円、海洋開発のための通信方式研究に必要な経費三千四百万円、電波監視新体制の確立に必要な経費七千二百万円のほか、総合的電気通信施策強化及び放送大学に関する調査に必要な経費が含まれております。  次に、郵政事業特別会計でありますが、この会計歳入予定額は、八千八百七億二千五百万円で、前年度予算額六千九百九十五億七千六百万円に比較いたしますと、一千八百十一億四千九百万円の増加となっております。  この予算には、収入印紙収入等一般会計へ繰り入れる、いわゆる通り抜けとなる業務外収入が二千五百二十三億七百万円ありますので、これを差し引いた実体予算、すなわち、郵政事業運営に必要な経費の財源となる歳入は、六千二百八十四億一千八百万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、一千百四十三億五千五百万円の増加であります。  一方、歳出予定額は八千八百五十一億八千六百万円で、前年度予算額七千百二十八億六千万円に比較いたしまして、一千七百二十三億二千六百万円の増加であります。  これから業務外支出を除きますと、実体予算としましては六千三百二十八億七千九百万円で、前年度予算額に比較いたしまして一千五十五億三千百万円の増加となっております。  したがいまして、昭和四十六年度歳入歳出予定額におきましては、四十四億六千百万円の歳出超過となっておりますが、これにつきましては前年度からの持ち越し現金を充当することといたしております。  この予算におきましては、郵便事業収支改善をはかるため、郵便料金を改定することを予定し、これによる増収四百七億八千百万円を見込んでおりますほか、昭和四十六年度の重要施策としております事業合理化近代化のための諸施策、すなわち、各種作業機械化郵便局舎等事業施設近代化郵便外務対策及び郵便貯金簡易保険の増強に伴う経費などが含まれております。  なお、四十六年度の建設勘定予算は三百四億九千九百万円でありまして、前年度予算額に比較いたしますと、五十六億二千二百万円の増加となっております。  次に、郵便貯金特別会計でありますが、この会計歳入予定額は六千三百九十二億一千百万円で、前年度予算額五千二百七十八億三千七百万円に比較いたしますと、一千百十三億七千四百万円の増加となっております。  歳出予定額は、五千二百八億七千万円で、前年度予算額四千二百十九億六千八百万円に比較いたしまして、九百八十九億二百万円の増加となっております。  次に、簡易生命保険及び郵便年金特別会計でありますが、保険勘定におきましては、歳入予定額は八千五百六十五億八千九百万円で、前年度予算額の六千九百二十一億六百万円に比較しまして、一千六百四十四億八千三百万円の増加となっております。  歳出予定額は四千百九十六億六千二百万円で、前年度予算額三千四百五十八億九千百万円に比較しまして、七百三十七億七千百万円の増加となっております。  また、年金勘定におきましては、歳入予定額歳出予定額ともに三十億八千九百万円で、前年度予算額三十億三千九百万円に比較いたしまして、五千万円の増加となっております。  最後に、日本電信電話公社予算案につきまして、その概略を御説明申し上げます。  損益勘定におきましては、収入予定額は一兆二千三百七十一億円で、前年度予算額と比較いたしまして、一千九百二十七億円の増加となっております。  他方支出予定額収入予定額と同額の一兆二千三百七十一億円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、給与その他諸費、営業費等で一千三百四十二億円、資本勘定への繰り入れ額で五百八十五億円の増加となっております。  資本勘定におきましては、収入予定額内部資金で四千七百六十八億円、外部資金で四千九百七十億円、総額九千七百三十八億円を計上いたしております。  このうち公募債によるものは百億円、縁故債によるものは六百億円となっております。  他方支出予定額建設勘定繰り入れ額で八千二百十億円、債務償還等で一千五百二十八億円となっております。  建設計画につきましては、年々増大する電話需要に積極的に対応するため、前年度予算に比較しまして三十万個増の二百四十万個の一般加入電話増設をはじめとして、事業所集団電話四万個、地域集団電話二十五万個、公衆電話五万三千個、市外回線十一万四千回線等の増設を行なうほか、情報化社会形成促進のため、データ通信の拡充強化をはかるとともに、電話の通話を広域時分制に改めるための工事等を実施し、電信電話設備拡充とサービスの向上を強力に推進することといたしております。  なお、電話を新設する際の設備料引き上げに伴う増収額三百七十四億円及び電報料金引き上げに伴う増収額約六億円は、それぞれ収入予算に含めて計上いたしております。  以上をもちまして私の説明を終わりますが、なお詳細の点につきましては、御質問をいただきましてお答えいたします。
  4. 大野市郎

    大野主査 以上をもちまして説明は終わりました。     —————————————
  5. 大野市郎

    大野主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑者が多数おられますので、質疑の持ち時間は一応、本務員は一時間程度兼務員もしくは交代分科員となられた方は三十分程度にとどめ、議事進行に御協力を願いたいと存じます。  なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は必ず的確に、要領よく簡潔に行なわれますようお願いいたします。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。田邊誠君。
  6. 田邊誠

    田邊分科員 郵政事業は、百年という長い年月を経て、今日国民の間に定着をいたしておりまするが、時代の変遷とともに、その内容についても逐次変えていかなければならぬ部面が出てきたことは申すまでもありません。しかし、たとえば独占的な郵便業務性格等から見て、国がその責任において今日まで事業を遂行してきたこともまたうかがい知れるところでありますが、近来、諸外国においても、いわゆる国の国営にによるところの事業体よりも、若干弾力性を持ち得るところの公社の組織によって郵政事業をやるということがかなり実施をされてきたのに刺激をされまして、わが国においても、郵政公社化構想というものが打ち出されておったのであります。特に当時の郵政大臣小林さんは非常に熱意を持ちまして、この公社化を推し進めてまいったようでありまするが、小林郵政大臣の当時においては、あすにでも郵政事業公社化に移行するのではないかというように思われておったのであります。ところが、大臣交代をいたしましたとたんに、この公社化の問題が春の雪のごとくに消え去ろうといたしておるのであります。私たちは、公社化問題はさらに論議をする内容が多いと思いまするけれども、しかし、大臣交代によって公社化が叫ばれたりあるいはまた公社化が消えていくというような、そういう性格のものではないだろうと思うのであります。郵政審議会は、諮問に対していろいろな意見を付してその結論について申し述べておるわけでありまするが、一体、この郵政審議会意見も聞きながら、公社化の問題はどういうふうなぐあいにこれからなるのでございましょうか。公社化に対する検討をしておったところの作業は、いま中止をされておるのでございましょうか。いかがでございますか。
  7. 井出一太郎

    井出国務大臣 田邊さん御承知のとおり、一昨年の秋に諮問に対する答申が出ておるわけでございます。そこで省内に、事務次官を長とする委員会をつくりまして、鋭意検討をしておるさなかであります。決して春の淡雪のごとく後退をしておるというのではございません。あの答申をつぶさに検討いたしますると、確かに公社化というものが国際的な傾向でもあり、採用するに値する一つの方向であるということは、私もさように認めておるのでありますが、しかしまた同時に、この答申公社化そのもので問題の解決ができるものでなく、もっときびしい現状認識の上に立ってあらゆる努力をしなければならぬという前提条件があるわけであります。  そこで、当面、現行形態のもとに一体措置可能なものは何か、そしてそれは言うならば公社化に移行する場合の一つの地ならしにもなるであろう、こういう意味で、まずそういうものからひとつ手をつけようというただいま気がまえでございまして、そのために、答申の中にも盛られておりまするような、もっと弾力的な運営とか能率的な経営、こういうものを郵便のみならず貯金あるいは保険というふうなものにわたりまして改善をしたいということで、この国会にそれぞれの法案が出ておるわけでありまして、公社化自体を決して放棄しておるというのではなく、まずやれるところから手をつけようではないかというような姿勢でおるわけでございます。
  8. 田邊誠

    田邊分科員 そういたしますると、公社化作業はなお進めておるんだ。しかし私は、当時の話では、まあ三年なり四年なりの間には公社化になる、こういう実は郵政首脳部考え方であったことは間違いない事実だろうと思うのです。いま井出郵政大臣の頭の中における公社化作業というのは、一体これはあれでしょうか、いつの時点をもくろんで公社化というのに移行しよう、こういう考え方で進められておるわけですか。
  9. 井出一太郎

    井出国務大臣 まだいつという時点を明確に申し上げることは困難だと思いますが、たとえばイギリスであるとかアメリカであるとか、それぞれ公社に踏み切ってスタートをしておる事例もございます。しかし、御承知のように、なかなかこの郵便関係の仕事というものが困難であるということは、各国ともどうも共通の事情に置かれておるようでございまして、これらもひとつ推移を参考にしたいと思うのであります。  さらに、先ほどお示しがありましたように、郵便百年という年を迎えたわけでございまして、やはり百年という長い伝統がございまするから、これを非常に革命的に変化を持ち来たすということも、それぞれ摩擦、抵抗もございましょうから、そういう点などの配慮もしながら、引き続き慎重に検討をいたしたい、こう考えております。
  10. 田邊誠

    田邊分科員 そうすると、ここ一、二年の間に公社化に対する結論が出るものじゃないというように理解してよろしゅうございますね。
  11. 井出一太郎

    井出国務大臣 一、二年というように時限をお切りいただいてのお答えはちょっといたしかねるのでございますが、少し時間の余裕をちょうだいしたいと思います。
  12. 田邊誠

    田邊分科員 したがって公社化構想は当時とあまり大綱的には変わりない、たとえば郵便貯金保険というものがいわば一体となった形における公社化である、この点は基本的には変わりないわけですね。
  13. 井出一太郎

    井出国務大臣 一体として扱ってまいりたい、こう思っております。
  14. 田邊誠

    田邊分科員 そこで、私は、いま大臣お話しのように、公社化は先へ送るという形になる、あるいはまた検討しつばなしでもって公社化にならぬという場面もあるだろうと思いまするけれども、問題は、公社化に移したいという発想の中において一番大きな柱は、何といっても予算的な面におけるところの弾力的な運用、こういったものが、いまの特別会計の中では実はなかなかやりがたい、あるいはまた大臣交代等もある中で、総合的な将来の計画も立てづらいというような政治判断もあったと思うのですが、いわばこの予算の面における、経費の面におけるところの運用のしかた、こういった面については、公社化にならなくても、私はいろいろな面で考慮を払うべき時代に来ているんじゃないかと思うのであります。大臣の御答弁の中にもその趣旨があったんではないかと思うのですが、その点は、公社化に移行する、しないにかかわらず、今後さらにこれを発展的に考えていきたい、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  15. 井出一太郎

    井出国務大臣 今回、幾つかの法案を用意して、その一部、片りんがあらわれておると思うのでございますが、公社化になるといなとにかかわらず、やはり時代的に公企業としての弾力的な運用というものが必要であろう、この考えは田邊君と同感であります。
  16. 田邊誠

    田邊分科員 この問題、私は逓信委員会における郵便法審議の際に引き続きひとつやらしていただきたいと思います。ただ、大臣にお願いしておきたいことは、さっきも私言いましたように、もうあすにでも公社化になるだろうというように、いわば国民の目から見た場合には映った時期があったと思うのであります。それがまた、今度はかなり慎重な態度で対処するというようにいま大臣お答えになったわけでありまして、この郵便百年といわれる歴史の中で一大変革を試みようとしたことが、何か竜頭蛇尾になっておるんじゃないかという、そういう国民の批判は私は率直に受けなければならぬと思うのでありまして、今後そういったような形でないように、私は正確に対処してもらいたいということを心からお願いしておきたいと思うのであります。  時間がありませんからその次にいきますが、郵政事業は何といっても人にたよるところの事業でありまして、特にその中における郵便事業は、人なしには実は運営できない形態になっておりまするけれども、これはこれとして私は非常に大切な要素だろうと思います。ただ、時代の進展もございますから、そのままの姿でいいというふうには考えられないわけでございますので、そういった観点で郵便をはじめとするところの機械化が進められておるわけでありますけれども、特に、郵便機械化というのは、当初のペースでもって予定どおり進行しておるわけでございましょうか。
  17. 井出一太郎

    井出国務大臣 新しい機械といたしましては、郵便番号自動読み取り区分機でありますとかあるいは郵便物自動選別取りそろえ押印機であるとか、代表的にはこういった機械の配置を逐次計画的にやっておるわけでございます。その詳細は、郵務局長から御答弁申し上げます。
  18. 竹下一記

    竹下政府委員 機械化でございますが、いろいろと種類がございます。自動区分機、自動選別取りそろえ押印機、そうでない普通の押印機、それから郵便料金計器郵便物自動束機切手自動発売機、いろいろございますが、省力化の面で一番大事なものは、先ほど大臣の申された自動区分機であり、自動選別取りそろえ押印機であります。これにつきましては今日まで、区分機について三十五台、選別取りそろえ機につきましては四十五台整備をいたしましたが、特に区分機につきましては、その性能が電子工学利用によるところのきわめてデリケートな精密機械でございますので、この面につきましては若干スピードが落ちておるという点は正直に認めますが、そのほかにつきましては、たいへんスムーズにまいっております。
  19. 田邊誠

    田邊分科員 特にいま二つの、自動読み取り区分機と自動選別取りそろえ押印機のことをお話しになりましたが、これは一体どういう将来の計画をお持ちなんですか。何年計画でどの程度までこれを完備するという計画がおありだろうと思いますが、その年数と、それから最終の状態、それに至るところの経費はどのくらいかかるか、これをひとつお知らせいただきたい。
  20. 竹下一記

    竹下政府委員 自動区分機につきましては、要処理物数が一日で十万通程度ある局には配備したい、かように考えております。そうしますと、およその見当といたしまして、昭和五十二年ごろに全国で百六十台ぐらいになる予定でございます。それから選別取りそろえ機でございますが、これは一日の処理物数およそ四万通程度の局に配備するとして、全国で同様に五十二年度におきまして百三十四台を予定いたしております。それに要する経費は、今後の機械開発状況を見ませんと、一個当たりの調達経費は確定いたしませんが、目下不安定でございますけれども、およそ百二、三十億円程度になるのではなかろうかと考えられます。
  21. 田邊誠

    田邊分科員 この両方の機械は、それぞれ国内でもって生産をし、今後国内開発をまってそれを取りそろえる、こういうことになるわけですか。
  22. 竹下一記

    竹下政府委員 この区分機は、国内でもって開発をいたしましたし、今後とも国内でやることになります。よその国では、まだこの自由手書き番号を読み取る機械というものは、開発されておりません。これは日本独特の機械でございます。
  23. 田邊誠

    田邊分科員 そこで、いま五十二年を目標にしたお話がありましたけれども、これが一応達成された場合においては、郵便局においては一体どの程度合理化は達成できる、こういう形に見られますか。
  24. 竹下一記

    竹下政府委員 合理化とおっしゃいましたが、人員節約という点について申し上げますと、今日まで区分機三十五台、選別機四十五台配置いたしておりますが、その分の節約要員はおおよそ三百三十八名と見ております。したがいまして、五十二年度におきまして予定の台数の配備を完了いたしたといたします場合には、いまちょっと計算をいたしておりませんけれども、この数字が伸びるわけでございますから、およそのめどでございますが、一千名くらいに達するものと思います。
  25. 田邊誠

    田邊分科員 人員の面ではたいした変動を求めることはできないというのでありまして、他にやはり効果というものを期待しなければならぬ。それは、一つにはやはり速度の面であり、一つには正確度面等があろうと思うのですね。そしてまた、あるいは労働力の提供という面においても、これが軽減をされる、労働の密度の面で軽減される。こういういろいろな要素があるのじゃないかと思うのでありますが、そこで取りそろえ押印機は、いまあなたが見ておりました表、グラフに書いてありまするように、「左上部切手がはられているのを利用して、切手位置を光学的に検出し、取りそろえるようにした」ものであり、したがって、「はがきを横位置で使用するときは、縦位置に使用する場合に準じた位置切手をはるようご協力ください。」こういういわば国民協力が裏づけになっておるわけでございまするが、これはかなりそういった面においてロスが出るものでございますか。というのは、あなた方のもくろむような押印ができ得ない部面というのは、一体どのくらいございますか。
  26. 竹下一記

    竹下政府委員 この選別取りそろえ押印の問題でございますが、所定の場所に切手が張ってございませんと選別ができない、こういうことでございまして、おっしゃいますように、利用者の皆さまに御協力をお願いしておるわけでございますけれども、御協力が願えませんで処理不能になるという場合がございます。そのパーセンテージ、実はここに数字を用意してございませんのですが、思ったほど多くはございません。
  27. 田邊誠

    田邊分科員 もう一つ自動読み取り区分機は、御案内のとおり「書体が悪かったりすると自動的にはじき出されます。」こういうようになっていますが、いまなかなか日本人はこういう数字に弱いのでありますけれども、これではじき出される面としてはどのくらいありますか。
  28. 竹下一記

    竹下政府委員 自動区分機のほうは、郵便番号を書いてございますると、平均的にその中の大体八割程度は読むということでございます。あとの二割は、やはり書き方が悪い、機械の面のロスが若干はございます。
  29. 田邊誠

    田邊分科員 さっきの押印機のほうは、資料をあとで出してください。  そこで、ひとつ機械化に関連をして、区分機は、いうなれば郵便番号記載と相まってやられるわけですけれども、これはいま一体どの程度まで進んできているのですか。出される郵便物全体の中で、どのくらい協力をしてもらっていますか。
  30. 竹下一記

    竹下政府委員 平均しまして八〇%は記載をしていただいております。二年ばかり前にこの制度を始めたわけでございますが、わが国の場合は、この協力の度合いは外国に比べましてかなり高い、かように考えております。
  31. 田邊誠

    田邊分科員 したがって、八〇%で、そのうち書体が悪かったものがはじき出されるという率が二〇%ありまするから、最終的にその機械を持っているところでは八、八、六十四で、六四%ぐらいがその中に入る、こういうかっこうになるわけですね。いま局長のおっしゃるように、私は短い期間の中では高率的になってきたのではないかと思います。率は高いだろうと思うのでありますが、しかしその過渡的な中に、しかもこれは五十二年に百三十四台というのでありますから、全部の局に行き渡るわけではございません、またいま言ったように、局の中でも、郵便番号を書かない人が二割いる、それから書いても書体が悪かったものが二割ある、こういう状態でありますから、その従業員がいわば区分をする際に、数字の書いてあるもの、それがはっきりわかるもの、そうでないもの、それから数字の書いてないものということで、その区分作業が最終的に完成するまでは、かなり困難性を伴ってくるのではないかと私は思うのですね。数字を見たりあるいはまたあて名を見たりというような形で、機械のないところの区分作業は非常に困難な部面が多いのじゃないかと思いますけれども、そういった面におけるいわゆる労働力の余分な浪費といいましょうか、それからまた神経を使う部面、こういった部面はなかなか科学的に判定はできないかもしれませんけれども、あなたのほうではある程度判断はしているのじゃないかと思います。それはあとでお知らせいただいてもけっこうですけれども、どんなものでしょう。
  32. 竹下一記

    竹下政府委員 番号が書いてなかったりあるいは読めなかったりするものがどうしてもございますので、区分のやり方は、区分機にかけますものと手作業でやるものとの二本立てにどうしてもならざるを得ないわけでございまして、各局におきましては両方の用意をして、それぞれ人員を配置してやっているわけでございます。しかし、その物数のパーセンテージは日々大体同じ率でございますので、計画は立てられるわけでございます。それにしましても二重手間でありますから、極力番号記載率を一〇〇%にしてもらうということと正確なる記載をしてもらうという方向で皆さんにお願いをするという努力を続けなければいけないと思います。
  33. 田邊誠

    田邊分科員 数字を読むのと、たとえば福岡県なり青森県なりという県を読むのと、人間の判断の問題からいって、どちらが早くて、しかもどちらがいわば頭を使う、そういった面におけるところの密度は高いものでしょうか。
  34. 竹下一記

    竹下政府委員 日本の文字は象形的な要素が非常に強いので、字を一目見て行き先を判断するという面が確かにございますけれども、おっしゃるように全部が県名を書いてあるというわけでもございません。県名を省略されると、ちょっと遠くなりますと、読めましても方向性がつかないということがございまして、よほど熟練した者ならばともかくといたしまして、経験の浅い人、特にアルバイト等が仕事をいたします場合には、断然番号区分のほうが能率的であるということでございます。
  35. 田邊誠

    田邊分科員 私は、かなり熟練いたしますと、やはり文字が頭の中にこびりついているという面があると思うのです。特に古い人たちはそうでないかと思うのでありまして、そういった面におけるところの一時的な能率ダウンというのは避けられないと思うのでありますが、その点は十分考慮しながら今後に対処してもらいたいと思うのです。  もう一つは、日本人は数字に非常に弱いですから、数字の書き方はいまお話しのように正確を欠くわけですね。たとえば09というのは北海道の一番北のほうであります。ところが、90というのは沖繩であります。ですから、09と90で非常に判断がしにくいということになりますと、09のつもりで書いて知床半島に行くべきものが、それを90と間違えて沖繩に行ってしまうということが実はあり得るのですね。そういった点から言うと、さっき私が申し上げたように、この区分機の設置というものは、一つには速度が早くなるという、こういう利点を生かそうとしておるわけでありますけれども、こういう間違った事例というのは、いま私が申し上げたのは極端な例でありましょうけれども、そういうものはあまり多くございませんか。
  36. 竹下一記

    竹下政府委員 若干あると思いますが、正確に数字をとっておりません。
  37. 田邊誠

    田邊分科員 あとで私、郵便法審議に加わらせていただきますので、その際に引き続きこれらの問題に対してお答えをいただきたいと思うのですが、要は機械化というのは時代的な面で非常に必要だろうと思うのですけれども、一たびその順序を間違え、その計画がそごを来たしますと、さっきの公社化の問題ではございませんけれども、国民にたいへんな迷惑をかけるのではないかと思うのでございます。電話番号の自動化によるのとはまた違った意味で、国民生活に非常に大きい影響を及ぼすと思うのでありまして、これから先機械化がさらに進行する中で、その過程における職員の労働過重の問題、それから国民に対するところのいろいろなそういう迷惑をかけないような問題、これらに対して十分ひとつ科学的な検討をしていただいて、いまちょうど二、三年のところでもって一つの区切りに差しかかっていると思いますから、そういった面におけるところを洗いざらい再検討してもらわなければならぬのじゃないか、こう思いますが、大臣どうでしょう。
  38. 井出一太郎

    井出国務大臣 機械化に対する非常に深い御理解をお示しいただき、あわせて非常に適切な御注意も含めての御発言であったと思います。十分参考に供するつもりでおります。
  39. 田邊誠

    田邊分科員 終わります。
  40. 大野市郎

    大野主査 伊藤惣助丸君。
  41. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 私は、東京都豊島区にある郵便局の移転について質問をしたいと思います。  まず、池袋にある郵便局の現況について伺いたいと思います。
  42. 竹下一記

    竹下政府委員 豊島区には、集配局といたしまして、池袋の駅の東側に豊島郵便局というのがございます。区内には無集配局が相当ございますが、あまり数が多いので、この場では用意はしてございません。
  43. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 この郵便局について最近移転の話を伺っているわけでありますが、その経過を伺いたいと思います。また、この郵便局はいつ設置されたか、おわかりになったらその点もあわせて伺いたいと思います。
  44. 竹下一記

    竹下政府委員 豊島局がいまの場所に落成しましたのは、たしか十年ばかり前だと思います。ところが、最近都市計画によりまして、あの近所にあります拘置所がどこかに移転いたしましてあき地になる、そこに民間ベースでもって大きい総合ビルができるという計画もございますし、そういうものとからめまして高速道路があそこを貫通するということでございます。その高速道路のおり口がちょうどこの豊島郵便局の肩口をかすめるというような計画だそうでございまして、これはもういかんともしがたいということの連絡を受けたのでございます。そうしますと、豊島局はその機能を半減とまではいきませんけれども、かなり機能が低下せざるを得ないということになるわけでございます。かたがたあの地域の発展は非常に急速なものがございまして、いまの豊島局の事務量がだんだんふえてきまして、スペースが狭くなったという事情もありましたので、局の移転といいますか、もう一局豊島にほしいということでいろいろと土地を物色しておったわけでございますが、数年前大塚の車庫のあと、都の所有になりますけれども、そこがかっこうの場所であるというふうに着目いたしまして、東京都に申し入れをいたしまして折衝を続けてまいっておる次第でございます。
  45. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 確かにいま局長がおっしゃったように、あの地域は豊島副都心でも最も中枢になるところであります。そういう都市計画も知っておりますけれども、その移転する候補地になったところは大塚だけではないと思うのですが、それはどの辺か、その点も伺いたいのです。
  46. 竹下一記

    竹下政府委員 大塚の都電の車庫がございまして……。
  47. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 そのほかの候補地は……。
  48. 竹下一記

    竹下政府委員 そのほか物色したところのお尋ねでございますが、これは実は詳細につきましてその点私よく聞いてないのでございますけれども、大塚車庫のあとに着目しましたのはたしかもう二、三年前のようでございますし、そのあとはひたすらそれを目ざしてやっておるわけでございます。
  49. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 ずいぶんあいまいで、私、もう少し詳しく正確に聞きたかったわけです。質問通告もしておったんですけどね。  時間がありませんからいろいろお話しいたしますが、まず大塚車庫あと地に数年前からその移転を計画しておったということは、これも承知しております。しかし、最近になりまして、このあと地には住宅を建ててほしい、郵便局は反対であると、あの地域住民がすべて反対をしているわけです。しかも六千人ほどの署名を都のほうに提出して反対しているわけでありますが、その状況を御存じですか。そして問題は、現在のところにありますあの豊島区の郵便局がなぜ移転しなければならないかということです。確かに都市計画に七十坪ほどかかるということでありますが、なぜそうなったか。それは隣にある新都市開発センターも計画の中の一環としてあることであって、そうであるならば、なぜあなたのほうの計画でひっかかるならその分なりを何かの形で提供していただきたいとか、そういう交渉ができなかったかということです。まずその点で、現状ではどうしてもまずいという理由はどこにあるのか、それを伺いたいと思います。
  50. 竹下一記

    竹下政府委員 先ほど、私ちょっと答弁不十分でしたが、確かめてみましたところ、豊島師範あとというのが候補に一時あがったことがあるということでございます。  それからいまのお尋ねでございますが、大塚車庫あとはたいへんかっこうの場所でございますけれども、たいへんいい場所でもあるのでありまして、そこを郵便局が独占するということにつきましては、都のほうでも難色を示されまして、いろいろとお話をいたしました結果、それでは住宅と郵便局との合築でいこう、つまりかなりの高層ビルにいたしまして、上部のほうは住宅、郵便局のほうは仕事の都合でございますので、一階からまあ必要なる、何階になりますか、三階か四階か、その辺まで、こういったような合築構想が出まして、いろいろ検討いたしました結果、私のほうもそれでよろしゅうございますということで折衝を続けておるわけでございます。  それから豊島局のほうは、肩口を削られますと、やっていけないことはないのでありますけれども、将来の郵便物数の増加処理物数増加、それに従いまして人員も増員しなければなりませんし、そういうことを考えますと、あの場所に局を残せればそれなりに利用価値ございますけれども、あれだけで今後しのぐということはとうてい無理であるというふうに考えております。
  51. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 この問題は、非常に先行しているようなんですね。もう住民の全然知らないうちは、郵政省のほうでは土地購入代、建物代、すでに予算がついているわけですね。その実態も伺いたいと思うのです。
  52. 竹下一記

    竹下政府委員 四十六年度予算でございますけれども、まだ予算はついておりません。
  53. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 四十四年度に土地の予算がついておるでしょう。
  54. 竹下一記

    竹下政府委員 それは、豊島は豊島でございますけれども、別件でございまして、豊島の西の部分でございますね。そこにやはり集配関係の機関がほしいということで、郵便局をつくる計画を立てまして、その分の予算が、おっしゃいました四十四年度の予算でございます。これはすでに購入済みでございます。
  55. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 問題は、その現状を一応移転するという形になっていま計画されておるわけですね。ところが伺いたい点は、郵便局の設置基準というのがあると思うのですよ。池袋の繁華街、しかも副都心のまん中、従来はそういうところであるからそこに郵便局をつくったんだという理由があるわけですね。その設置基準というものはどうなっているのですか。
  56. 竹下一記

    竹下政府委員 豊島局ほどの大きな局になりますと、その付近の地況を大局的にながめまして、利用上最も国民の皆さんが便宜なところということを大局的に判断いたしまして、ケース・バイ・ケースで決定するということになっておりまして、客観的に一表にこさえ上げたような設置基準といったようなものは、実はないわけでございます。そのつどケース・バイ・ケースで考えております。     〔主査退席、大村主査代理着席〕
  57. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 そこら辺が私は問題だと思うのですよ。少なくとも、ここにも簡易郵便局の設置基準というのがありますよね。しかし、そういう郵便局の集配局のような、非常に重要な国民のためにサービスする機関をつくるのに、内規すらない。いわゆるケース・バイ・ケースでつくるということに、私は問題があると思うのですよ。といいますのは、そういう基準があって設置した場合には、そう簡単に移転もできなければ、またそのときどきの情勢判断で移転とかあるいはまたその廃局というものは、簡単にできないと思うのです。先ほど聞きましたけれども、この郵便局は十年前に建った。しかし、新都市開発センターが計画したのは、もうすでに七、八年前です。しかも巣鴨刑務所の移転については、十数年前から騒がれているわけです。そういうことをあわせて考えてみますと、この局が新都市計画というものができた場合にどうなるかということは、もう少し調べればわかったはずだと思うのです。しかも今回の場合、いま局長が言うには、あの場所も多少縮小しても使うというふうにおっしゃいましたけれども、そこのところをまたはっきりしてもらいたいと思うのですが、使うのだったならば、何も大塚のほうは必要ないわけですね。さらにそれを補足するような局の設置であれば、そんな大きなところも必要ないと思うのです。しかも池袋周辺から離れて大塚に行きますと、非常に距離もあります。私はそこら辺が、内規とか法律とか政令がないから、いいかげんに扱っちゃうのじゃないかと思うのです。その点、大臣いかがですか。
  58. 井出一太郎

    井出国務大臣 局の設置の問題についてはある一定の基準が必要であろう、こういう御指摘でございますが、地方の特定局などにはおおよそのめどがあるわけでございます。東京都内、その周辺のような、もう非常に変化の多い場所につきましては、ある程度弾力的な措置もいたさなければなるまいか、こういうことで、いま局長お答え申し上げたような次第かと思います。
  59. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 大臣、ここをはっきりしてもらいたいのですが、今後の郵政事業にとって大事なことだから聞くのです。一豊島の移転だけの問題ということではなくて、少なくとも簡易郵便局という小さな局ですらも、設置基準が、法律ではありませんけれども、あるわけですよ。今後、集配局というのはますますつくられると思うのです。当然これは私らからいえば、法律できめて、こういう規模で、こういう形で、そして距離は大体どのくらいで、しかも戸数については何百戸以上のところにつくれ、こういうものを明確にしていくことが大事だと思うのですよ。そういう一つのものがあれば、都市計画も十分配慮した上でなされていくわけですよ。そういう点、つくる考えがあるのか、ないのか、その点、まず法律の上ではっきりしてもらいたいということが一つあります。
  60. 竹下一記

    竹下政府委員 おっしゃいますことはわかるのでございますが、技術的にたいへんむずかしい面が出てくるように思います。郵便局は、ほかのほうでたとえて申しますと、各区の区役所みたいなものでございまして、区役所につきましては、おそらくそういった設置基準といったものはないのではなかろうかと思うのであります。区民の皆さんが一番利用しやすい便利な場所で、ケース・バイ・ケースで選んでおられるのではなかろうかと思うのですが、郵便局もまさに豊島程度の局になりますと、そういう性格のものでございます。小さい局でございますと、これはたばこの小売り店が一定の基準でもって設置されておりますように、お互いの競合関係といったようなものも出てまいりますので、そういうところも考慮してそういった基準を設けることは技術的に可能かと思いますけれども、大きくなりますと、なかなかむずかしい面が出てくると思います。
  61. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 そこら辺が私はおかしいと思うのですよ。そんなことを言うなら、こんな簡易局の設置基準、これもなくしたらいいじゃないですか、ケース・バイ・ケースで考えるならば。それで、そういう設置基準があったほうが、都市計画やいろいろその都市の中で考える場合には非常に一ここには法律上つくらなくちゃいけないのだ、ここの場所は移転することができないのだということになりますと、結局は、都市計画はそれを考えてやるわけですよ。まずそれが一つあります。  あまり時間がないから言いますけれども、その点、大臣考えてあと答弁願いたいと思うのですけれども、その豊島の郵便局について申し上げますと、それは局長、移転することにきめているのですか。それとも縮小されてもその場所を生かすという考え方があるのですか。どっちなんですか。
  62. 竹下一記

    竹下政府委員 大塚車庫あと郵便局を設置するという点につきまして、目下東京都と折衝中でございますので、いまの段階でははっきり申し上げられないわけでございます。
  63. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 住民が六千人も署名運動をやって反対しています。都議会にも請願が出ております。そういう住民の反対を押し切ってやる考えなのか。それはどうなんですか。
  64. 竹下一記

    竹下政府委員 豊島に限りませんで、郵便局をどこかへつくります場合に、よく住民の反対の声があがることがございます。これは間々でございます。私どもは住民のために郵便局をつくろうといたしておるのでございますが、そこから反対をされるということはたいへん苦しいわけでございまして、いろいろと事情を説明をしお願いをいたしまして、わかっていただいて、最終的には円満におさめていただく、こういうことを繰り返してきておるわけでございます。
  65. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 私は、筋の通ったことについては決して反対しませんし、協力しようという考え方です。しかしながら、筋が通らない、しかも常にあいまいとして、そして態度を話し合いがつくまで検討中であるというような行き方、しかも予算措置とか計画がどんどん先行するという実態、これじゃ私は承服できないわけです。そして、そういう地元の住民の協力によってというならば、もっともっと前向きでそれは検討すべきことだろうと思うのです。  しかも、いま局長の言う考え方は、全部移転して大塚に設けるという考え方がまず一つあると私は思うのです。であるならば、池袋がどんどん発展をして、あの隣に新都市開発センターが、百階か六十階かわかりませんけれども、相当超高層のビルが建てられる計画があるわけです。それがもうすでに決定しまして、どんどん着工し始めているわけです。そうなりますと、やはりその状態を考えて、池袋にまた何かをつくらなければということになるのじゃないかと思うのです。こんな、いわばしろうとが見てもずさんな計画といいますか、さらに設置基準がないからケース・バイ・ケースという都合のいい考え方郵便局の改廃とか移転をされたのでは、たまったものじゃない、こういう考え方を私は持つわけです。  したがいまして、この移転先の大塚車庫あとについてはどういう考え方があるかといいますと、よく知ってもらいたいのですが、二十三区の中にあっても、豊島区というのは非常に人口の移動の激しいところなんです。以前のことでも、世論調査で明確になっておりますが、日本一移動の激しいところなんです。非常に人口密度が高くて、しかも不安定なんです。現在その小さな豊島区の中にあき地というのはほとんどないわけです。ですから豊島区に住む住民は、何とかして現在ある都営あるいは国のところに住宅を建ててほしい、しかも国で建てた場合には、都の条例によって四割ぐらいは区内の人たちが優先的に入れるというものがあるわけですね。したがって、その車庫あとに住宅を建てた場合でも、かすかな希望をみな持っておるわけですよ。しかもその一階とか一番いい部分を大きな集配局にとられてしまう、住宅が減る、そうすると自分が入れる可能性がまた少なくなる、そういうので豊島区に住む住民は非常に心配しておるわけですよ。それで、新都市開発センターがいま考えております東京拘置所、これは御存じのとおり豊島の刑務所です。この刑務所は二万坪あるのです。だから、そのあと地につくってもらったほうが地域住民は喜ぶのだというのですよ。しかもその裏に、やはり同じように一万数千坪大蔵省が造幣局を持っておるのですよ。当然、この新都市開発センターの工事が進んで超高層ビルができますと、すぐ足元に造幣局があるということは、これは不自然な形になる。犯罪防止の点からも、また副都心の中心という面からいっても、移転は時間の問題です。しかもそこには総合グラウンドがある。私に言わせれば、大塚なんというへんぴなところに行ってやるよりも、その周辺地域に幾らでもさがすことができる。しかも、設置基準というものは私はつくったほうがいいと思っておるわけですが、なければまたやりやすい面もあるかもしれないと思うのですよ。今後それを強行しようとする場合には、私も反対しておりますし、たいていの地元の議員も超党派でみな反対しております。これは郵政省がどんなにがんばっても、たいへんな反対運動が起きた場合にはますますおくれると思うのです。そういう点、私は筋が通らないと思いますし、今後郵便局の設置については、筋が通れば協力しますけれども、こういう状態では私たちは反対するしかない、これが現況なんです。その点、大臣はどう判断されますか。
  66. 井出一太郎

    井出国務大臣 私もこの問題は、きょう伊藤さんが御提起になって、ここで初めて承知したわけであります。おっしゃるように、東京の有力な副都心の一つとして、池袋からあの辺の発展というものは目まぐるしいものがあるわけであります。そういう際でございまして、いま豊島の局だけで一体今後処理ができるかどうかという問題は、私はあると思うのです。ですから、豊島を一局で管轄するということは一体可能なのか、ああいうところでは二つとか三つとか必要ではないかという問題が一つあろうかと私は思います。  それで、基準というお話でございますが、ともかくおっしゃるように、非常に変貌が激しいということが一つありましょうし、それから、そういうところだけに、適当な土地を得るということも、時期を逸すればそれが不可能になる、こういうようなこともありますから、やはりあれだけの規模の局になりますと、少し機動性を持たしていただくほうが私は行政はやりやすいのじゃないか、こう思います。しかし、何としても住民の上に局というものは成り立つわけでありますから、地元にそういうふうな声があがっておるというならば、そういう点もっと一そうよく確かめまして、この問題の対処をしてまいりたい。これはおそらく、本省よりも東京郵政局という役所のほうが、より密接な関係を持っておるわけでございましょうから、そういう点も東京郵政局のほうとよくひとつ事情の相談をしてみようか、こう思っております。
  67. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 実は私も、これはただ反対するだけが能じゃないと思いまして、いろいろ地元の有力者に会い、また新都市開発センターの重役にも会いまして、個人的にお話ししました。郵政省のほうでそういうことがあるならば、いずれにしても六十階ぐらいの相当大きな建物ができるわけですから、どうしても局がほしいのだから、その点もあわせて建設することにつきましては、前向きで検討したい、正式に話があれば検討したいということでありますので、その点もぜひとも郵政省のほうから交渉の対象にして話し合っていただきたい、そう思います。  それから、先ほどの設置基準のことでありますが、これはやはり何か起きた場合にはたいへんだと思いますよ。私は、郵便局の設置なんというものは、法律できめてもいいくらいだと思っているのです。それが、先ほど調べてもらったのですが、ないというのですね。ですから、これはやはり一つの抜け穴ですよ。最近、例の土地の二円六十銭の問題から、政令なんて、なかなかうまいことを言っておりますけれども、信用ができないと思っていたやさき、内規にはあるのかと思ったら、集配局についてはない。簡易郵便局のようなものがないのです。集配局とか大きな郵便局ほど、やはり一定の設置基準をつくって、長期計画を立てて、そして全国に合理的に設置するということが一番いいんじゃないかと思うのです。現状のままもし移転したとするならば、必ず大塚にできる。こちらが大きくなる。そこには何もない。必ず設置ということは考えるようになりますよ。それがまた住民の要望でもあると思うのです。だから、私に言わしてもらうとすれば、現状のままでいい。その少ない部分を新都市開発センターの中に設置する。それで大塚跡地のほうは住宅専門にする。また、住宅がたくさんできれば、簡単な郵便局も必要でしょう。それはまた話は別です。そういう方向で検討をしていただきたいと思うのですけれども、その点いかがですか。
  68. 井出一太郎

    井出国務大臣 設置基準の問題については、まだ伊藤さんと意見が一致したというわけではございません。私のほうにはそれなりの理由があるようであります。しかし、その現地の事情というものを踏まえて、問題を前向きに検討しなければいかぬ、これは私もさようであろうと思います。したがいまして、この点は、きょう問題の御提起がありましたことはよく心にとめまして、検討をさせるつもりでございます。
  69. 伊藤惣助丸

    ○伊藤(惣)分科員 それでは、十分検討をして善処していただきたいと思います。  終わります。
  70. 大村襄治

    大村主査代理 島本虎三君。
  71. 島本虎三

    島本分科員 大臣にちょっと伺いたいと思います。  それはまず郵便料金の改正の問題です。これはもうすでにかかっておりますが、九月二十八日の大臣諮問に対して、十二月七日に郵政審議会から答申が参りましたので、それに基づいて二八・八%の増収を期待する料金の改定が提案されておるわけであります。そのいろいろな理由は承りました。その中でやはり一、二、気になる点もないわけではありません。それは、八〇%ぐらいが人件費で占められておる現在の事業の実態、それから、企業努力による事業の順調な伸びにかかわらず、財政は急速に悪化しておる。それから最後の結びに、郵便事業の独立採算制と受益者負担のたてまえから今回これをやる、大体こういうようなことであります。もしそうだとすると、大臣にはっきり承っておかなければならないのは、企業努力によって事業の順調な伸びにかかわらず、赤字が生じておる。この企業努力の方向がどうだったのかという——受益者負担並びに独立採算性の原則はやはり保つとすると、受益者とは国民でありますから、そういうようなたてまえからいたしますと、当然今後、郵便事業に対する信頼と従事する者の品位を高めること以外には、これを実施するような基本はないはずであります。現在の情勢をそのままにしてこれを認めることは、これは国民が納得しないんじゃないか。これに対して、まず大臣の確固たる信念を問いたいと思います。
  72. 井出一太郎

    井出国務大臣 郵政審議会答申にかかるこの解釈とかいう点は、いまお示しのとおりだろうと思うのであります。そこで何としてもこれは公企業でございますから、企業努力に精一ぱい汗をたらさなければいかぬ、これが私は基本になろうかと思います。郵便事業の大部分を占める人件費の問題、人手にたよらなければならぬというこの本質からいたしますと、人の問題が最重要だと思うのであります。先ほど田邊さんの御質問にもありましたように、一方、機械化あるいは省力化という努力もしておりますけれども、これは限度がある。そこで働く皆さんの意欲を盛り上げて、そして能率をあげていただかなければならぬのでありますが、この点、従来御指摘がありましたように、労使の間の紛争などが繰り返されてきておるというたいへん遺憾な事態は、これは私も率直に認めるわけでありますが、その間いろいろと努力をいたしまして、昨年ああいうトラブルがありましたことが、いたずらにエネルギーのむだな喪失ということじゃつまらぬわけでありますから、これは管理者の側において反省すべきものは十分反省する、そしてまた、労務関係の諸君にも御理解をいただくという努力を逐次軌道に乗せつつある過程にいまあろうか、こう思うのであります。そこで、労務の関係にもっときめのこまかい配慮をするというたてまえから、たとえば給与の問題にしてもしかり、あるいは職場環境の改善につとめるというような努力を一方においていたしながら、郵便事業の内部の改善をしてまいる、これが先決問題でございましょう。これは御指摘のとおりであります。  そこで、さりとていまの郵便の財政事情というものを分析をしてみますと、なかなか苦しいの一字に尽きることは、お察しが願えると思うのでございます。これは国民利用者である、全体の赤字負担等をもうちょっと別な面からということが、きっといまの御質問の背景にはあろうかと思いますが、直接郵便という便益を享受される利用者の皆さんに御負担をいただいて値上げをごしんぼう願うということが、やはり一番まともな筋合いではなかろうか、こういうことで踏み切った次第であります。
  73. 島本虎三

    島本分科員 その意向はわかります。そうすると、今後の問題で二つの私は懸念があります。その一つは、やはりいま言ったように事業の信頼を高めなければならない、それから従事員の品位を高めなければならないということからして、いまの郵政事業、内部不信に満ちているような、こういうような状態ではだめだ。したがって、職場はまつ暗といえばなんですけれども、暗い。大臣も御承知のとおり。この結果、労務偏重指導の生んだ悲劇であって、これは事業よりも労務対策を主にしてとった考え方でありましたから、依然として、値上げはしたけれども同じようなやつでやっても、これは効果がない。したがって、基本的な考え方事業より労務対策だという考え方は、やはり今後は是正しなければならない。おそらくこれある限り——元旦の日付の郵便か二月になってから配達された、こういうようなことは起こり得ないような状態にしなければならないわけであります。まず、内部の不信の状態を払拭すること。もう一つは、機構の問題でもっと考えたほうが大臣としてよくはないか。すなわち人事局の管理課の課長補佐というのは意外に多いのであります。各郵政局を合計すると八十人も補佐がいるが、行ってみるとそこにおらない。どこに行っているかいうと、現場の局に行って、局長にかわって労務のほうの仕事をしている。局長が二人いる。こういうような一つの機構上のむだ、これがやはり一つの断絶を生むことにもなる。信頼の問題と機構上の問題。これは二重構造的局務の運営にほかなりませんから、こういうような機構については十分今後も検討すべきじゃないか、こう思いますが、これも大臣の決意を伺っておきたいのです。
  74. 井出一太郎

    井出国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、人手に依存をするところ非常に多い仕事でございますから、それだけに労務に意を用いなければならぬということは当然であります。私の言う労務という意味は、先生も御同様だろうと思いますが、要するに人と人との関係でありますから、ヒューマンリレーションズというものを大事にして、お互いに相手の身になってものを考える、こういうことが基調にならなければいかぬと考えております。そういう意味で、私も昨年のあの教訓に照らして、この点を軌道に乗せるという努力を重ねておるわけでございます。  そこで、後段にお触れになりました機構という問題、課長補佐という職が非常に多い、あるいは労務担当官というような名前もあるように思うのですが、そういうものがどうも何か支障になっておるというお考えのようでございます。これは本来のあり方としては、むしろ濃密な労務関係に対する配慮をしなければならぬというようなことから生まれた制度、機構だろうと思うのでございますが、現実にそれが、これは個々の人の問題もあるいはあるかもしれませんが、そういうことで一つの妨げになっておる事実ありとするならば、これは私どもも十分にその現状を調査、分析いたしまして、検討をしてみる必要があろうか、かように考えます。
  75. 島本虎三

    島本分科員 私が現実的に見た、また聞いた一つの事例に、ある郵便局の主任さんが組合の仕事をしておった。局長が年末の忙しい最中に配置計画を全然立てない。進んでこの配置計画は私どものほうでやりましょうかと言ったところが、主任としてならば当然あなたはやりなさい、組合の執行委員としてなら一切これにタッチするな。一人の人です。主任ならやれ、組合の執行委員なら頼みません。同じ人に対して仕事の面でどういうように分けるのですか。こういうのが末端にあらわれた一つの欠陥です。それがもう硬化させた原因です。やはりこういうような点を十分考えなければならぬ。大臣に、これは十分善処するように要請しておきます。さればとて、値上げは絶対に認めたというわけではないこの点をあえてつけ加えておきます。  次に、大臣にやはり伺いたい。これは情報産業のことです。この情報産業、これは法律案としてまだ出ておりませんが、これはいろいろ伺っておりますと、やはり最近の傾向からして情報産業に対する魅力が大きくなっている。まして通信回線の開放といいますか、自由利用については、いろいろな方面からの要望が強いようでありまして、この情報技術の進展、こういうようなことは、働く人たちをはじめとして国民生活に重大な影響を持っている。このことは、もう言わなくてもわかっているとおりであります。そういうような現状に立って、大臣、情報化問題に対しての国としての基本的な政策が明らかにされないままで、財界その他の圧力によっていわゆる回線の開放、自由利用、こういうふうなことを認めてしまえば今後それを利用して、強いものというか、一つの独占支配を招く傾向が心配されるわけです。したがって、これまた、平和利用国民生活の向上の面や、また民主的な運営やプライバシーの保護、こういうような一つの理念を持った情報基本法の制定によって、国民の合意の上に立って、この情報処理のあり方を明らかにすべきときじゃないか。それなしに今後やる場合には、いまのような心配があるのでありますが、この点、大臣いかがですか。
  76. 井出一太郎

    井出国務大臣 いまや情報化社会に入っておる、こういうことをよく申します。なるほど、われわれの周辺に非常にいろいろな情報というものがはんらんをしておって、それを取捨選択をするのにたいへんむずかしいというところにわれわれ置かれておることは、申し上げるまでもございません。そこで情報基本法というものをつくるべきだという御意見は、ここ一両年来非常に高まってきておることは、私も承知をしております。だた、この分野というものは非常に新しい部分でございまして、まだ必ずしも定着をしておるというところへはいっておるまいかと思います。  しかも、非常に広範な問題を含んでおりまして、同じ官庁関係からいいましても、私どもの郵政省以外にもたいへん多岐にわたっておるわけでありますから、このあたりは各省庁とも密接な連絡をとりながら、ひとつ慎重に検討を進めてまいりたい、かように思います。方向としては、何かそういう機運が漸次醸成されつつあるのではないか、こういうように見ておる次第であります。
  77. 島本虎三

    島本分科員 そういうような機運が醸成されつつあるならば、これは閣議にでもはかって、早くこういうような基本的な問題を決定してもらいたい。そうしなければ今後の問題として重大である、こういうようなことであります。定着していないし、広範囲にわたる、各省にわたる、こういうような意味もあるようでありますので、この点も強く要請しておきたいわけであります。  それと同時に、今度この問題と一緒に、通信、回線の開放を通じて、外資が大型機を駆使して情報産業への進出が可能になってくる。そうなる場合には、日本の大型コンピューターの現在の状態から、これは心配がないのかどうか。それと同時に、ソフトウエアの実態、こういうようなものを見れば、情報処理技術が支配されることは当然でありますけれども、今後の情報の処理や提供システム、こういうようなものを通じて、政治、経済全体にわたって特定の強い外資導入の国に隷属させられるおそれがないか、こういうようなことがあったら、これは国家的な問題であります。民族的な問題であります。そういうような点からしても、やはり基本法をはじめとして、政策も持たないで通信回線の開放、こういうようなことを行なうということは、これは外資への対抗手段として、これは単にコンピューターの自由化、こういうような程度の問題じゃなくて、将来の問題として重大な民族的な危機がある、こういうように思うわけなんであります。これを私は一番心配しているのでありますが、まだ法律案が出てきていませんけれども、この基本的な理念だけは、総裁もおりますから聞いておいてもらって、大臣の基本的な考えをお伺いしておきたいわけです。
  78. 井出一太郎

    井出国務大臣 情報産業部門におきましては、外資上陸といいますか、何といってもアメリカの巨大な資本なりあるいは技術なりというものを対象に考えるのが一般的でございましょう。ヨーロッパなどは、それに席巻されたという歴史もそう以前ではないのでありまして、そういう点にかんでみて、日本としては十分な注意を払わなければならぬ問題だろうと思うのであります。  そこで、通信回線の開放ということに伴いまして、電子計算機の輸入あるいは外資系企業の日本への進出に対しまして、公衆電気通信法の性格からしまして、国内企業と外資企業とに差別をつけるということは、なかなかできにくい問題でございましょう。しかし、ここに公社の総裁もおられますが、電電公社などは国際技術振興の第一線をいっているわけでございまして、同時に国内のそういった産業技術の振興をはかるということにも力を入れなければならぬと思うのであります。外国為替及び外国貿易管理法、及び外資法というようなものの運用によって適切な規制を行なう必要もあろうか、こういう点は、通産省あるいは大蔵省などとも話し合っておるわけでございます。それにつけても、先ほど御指摘がありました、情報産業基本法というふうなものをどうするかという問題にも、おそらくわたってくるのではなかろうか。御指摘のようなもろもろの点を考慮しながら、これから誤りなく対処してまいりたい、こう思っております。
  79. 島本虎三

    島本分科員 大体そういうような意向であるということはわかりました。しかし、まだまだそれで安心はできない。というのは、貿易の自由化、この点でも将来拡大を要求されてくる傾向は、大臣、当然あるでしょう。どこの国でも、自分の国の大事な産業は守っております。アメリカでも守っております。日本が何の対策もなくこれを開放するということは全然ない、またあり得ないというふうに思うわけですけれども、外国資本がこれを支配するようなことがあっては、これは大臣だけの問題ではない、国民全体の問題、民族の問題でもありますので、日本の将来のためにも今後十分考えて対処していってもらいたい。この点だけは強く要請しておきたい、こういうふうに思うわけであります。  いずれまた出たときにこの問題についてやりますが、呼んでおりませんけれども、大臣と一緒に総裁も見えておるようですから、総裁にひとつお伺いしておきたい。  最近、一つの傾向として老人対策——大臣はなんですけれども、総裁もそろそろ老人対策の適用を受ける状態のようであります。私どもこの老人対策を見ておりますと、最近の傾向では、重症心身障害者だとか、寝たきり老人だとか、こういう家庭に加入電話が全然ないというところに悲劇があるわけです。議員宿舎でも、電話はもちろんありますけれども、ベルもあるのです。ふとんのそばにベルが置いてあって、いつどんなときでも、これを押すとぶうっと鳴って、至急の場合に応じられる態勢なんです。寝たきり老人、心身障害者は、生きているが、呼吸しているだけです。そういう場合、もし異変があっても、電話がなければ全然わからない。こういうようなことがあってはたいへんじゃないか。したがって、最近の情報伝達の手段は電話ですから、そういうのも国民生活の面から欠かせない一つの道具なんです。そういうようなことからして、こういうような人たちを持っている家庭については、まず連絡手段の確保が一番必要だ、これは社会保障的、社会政策的に必要なんだ、こういう観念は、いまや一つの傾向になっておるわけであります。  それで、電電公社総裁に、この点はひとつはっきり大臣を通じて一これは大臣のほうがいいかもしれませんが、提案したいのです。というのは、加入電話の架設申し込みがあった場合に、現在は優先設置基準というのがあって、そういうのは一番最後になるわけです。ほとんど最後になる。ですから、もうそういうような優先設置基準に関係なしに、最優先的に扱うようにしてやったらどうか。これはできないわけはないです。大臣、あなたはできる。それと同時に、今度は何らかのかっこうによって、加入者の債券の負担を免除するか軽減してやるような方法も考えてあげたらどうだろうか。また当然考えるべきです。いまや自由主義国でGNP二位を誇る日本ですから、社会保障のおくれをその点からも十分カバーするのが政治の一つの使命であります。そういうようなことからして、設備料や債券の負担の軽減を考えながら、優先設置基準の改正を十分考えてこれらの解決に当たるべきだ、こういうふうに思います。これは他省ではまだやっておらないようでありますけれども、郵政大臣、あなたの進歩的な英知をここに発揮しようではありませんか。
  80. 井出一太郎

    井出国務大臣 身体障害のために不幸な方々、特に老人ということでございましたが、こういうような電話の設置の必要があると認められる人から加入の申し込みがありました場合は、これは優先的に設置できるように現行の優先設置基準においても明定をしておるわけでございます。債券とか設備料とかいう点にお触れになりましたが、これは事はそろばんの問題にもなりますし、幸い公社総裁もおいでですから、ひとつ総裁のほうから答弁していただきましょう。
  81. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  だたいま御指摘がありましたように、重症の心身障害者の対策といたしまして電話を特別に架設するという点につきましては、原則的には私どもも賛成しております。したがって、優先基準あるいは拡充法による債券引き受けの免除につきましては、今後なお郵政省の御意見も十分伺いながら検討させていただきたいと思います。だた設備料につきましては、現在そういう免除はしておりませんので、これはちょっとできないというふうに考えております。
  82. 島本虎三

    島本分科員 では、十分その検討をお願いします。佐藤総理に言わせると、検討検討にして、結論を出すまでは検討だ、というのであります。それが何年間も続くことがないように、この点は郵政大臣、あなたからもよく——検討をするということは早く結論を出すことであるというように解釈をして、次に移らしていただきます。  今度は公害の問題に入るわけでありますが、排煙脱硫装置についてお伺いしたいと思います。  最近、電電公社のほうでは、他省に先がけて——厚生省並びに通産省、この方面のことはよく聞いておらないのでありますけれども、都市公害のもとになっておる亜硫酸ガス、こういうような社会的な問題の解決ということで、亜硫酸ガス、硫黄酸化物を九五%から九九%まで除去することのできる湿式洗浄排煙脱硫装置を開発したということを聞いておるのでありますが、九九%までもやるということになると、これはなかなか優秀な開発でございます。この点については、まさにこのとおりでありましょう。——公害部長来ておりますか。
  83. 米澤滋

    ○米澤説明員 建築局長が来ております。
  84. 島本虎三

    島本分科員 では、電電公社のほうから、この問題についてちょっと説明しておいてください。これは重大でありますから、
  85. 大沢秀行

    ○大沢説明員 ただいまお話のございましたとおり、かねがね私ども、電電公社自身が公害の発生源にはならないようにつとめろという総裁の意を体しまして、メーカーと共同の研究を進めてまいりまして、従来これに類似のものはなかったわけではありませんが、たいへん機能の悪かったものを、小型でコンパクトで、しかもローコストのものが最近開発ができました。それを逐次さらに改良しながら、公害指定地域につきまして、順次電話局に設置するように現在準備を進めておる、そういう段階でございます。
  86. 島本虎三

    島本分科員 これはどういうふうなものであるか、また利用の状態等について、通産省公害部長、知っていますか。
  87. 森口八郎

    ○森口政府委員 私どもは不勉強で、電電公社開発されたということは、実はよく承知いたしておりません。
  88. 島本虎三

    島本分科員 厚生省の公害部長、来ておりますか。
  89. 曾根田郁夫

    ○曾根田政府委員 私どものほうも、ただいま御指摘の電電公社の具体的なケースのことは、承知しておりませんでした。
  90. 島本虎三

    島本分科員 これによると、九五%から九九%までも硫黄酸化物を除去することができる。これを専門の皆さんが知らないで、電電公社のほうで開発している。それで現在これを使っているというんです。通産省、これを使っているのですか。灯台もと暗しじゃないか。
  91. 森口八郎

    ○森口政府委員 私のほうで主として開発いたしておりますのは、御存じのとおり、主として電力会社等で使用いたします排煙脱硫装置の開発をいたしておるわけでございます。これは先生御存じのとおり、技術的にはすでに開発をいたしておりますが、脱硫率から申しますと、短時間的には九五%の脱硫率が可能でございますが、連続運転というようなことを考えますと、やはり九〇%程度の除去率になるというように考えております。電電公社自体の方式は、先ほど御答弁申し上げましたとおり、実はまだよく検討はいたしておりませんが、特に亜硫酸ガスの最も大きな排出源である電力会社等に使用いたします方法といたしましては、工業技術院のほうで開発いたしました方式によることが、現在の技術的な点から見て最適であるということで、現在、電力会社三社等がその建設を依頼しておりますが、なお電電公社等で開された方式等についても情報をいただきまし発て、よく検討をしていきたいというように思います。
  92. 島本虎三

    島本分科員 各官庁間の一つのセクト性というのが、そんなところにもあるのです。公害を現にやっている通産と厚生がこれを知らないなんて、ばかなことがありますか。これは重大です。もし九九%まで除去できる、こういうような装置ならば、すぐにでもこれを装置する。公社がやっているというのに、通産関係がやれないはずはない。まして厚生関係がやれないはずはない。よく相談し合って、公害行政のために、セクト主義をとって、みんな一致して当たりなさい。そうでないとだめだ。いまあらためて聞いたなどというのはもってのほかですよ。これはちょっとしかっておいたほうがいいと思います。ぜひこれをやってもらいたい。これも、こういうふうにしてやったらいいということは言えないでしょうから、ひとつ一問くらいにしてやめさせていただきます。  公害防除のための一つの手段として、今度コンピューターで有機化合物自動構造解析システム、この開発に成功したということが報ぜられておるわけであります。こういうようなことからして手早く分析ができるということであります。そしてこれによりますと、有機化合物自動構造解析システムの中で、紫外線、赤外線、それから磁気共鳴、質量、この四種のスペクトルの分析装置、これを小型コンピューターに直結さして、さらに大型コンピューターに連結する。それによって有機化合物の分子構造と分子式をすばやくきめてしまうことができる。これは十秒くらい、こういうふうにすぐわかるということであります。これならば、今度、排出口に線を使ってどこでもこれを置くことによって、地方権限に観測や管理権が全部委譲されておりますから、それに電電公社協力されてそういうことをやるようにして、回線をうまく使わせるならば、日本じゅうの公害はすぐなくなるのではないかと思うのです。公害の対策は、厚生省でも通産省でもなく、案外手近に郵政省管内にある。大臣、こういうようなこともあらためて認識しておいてほしいわけです。こういうようなことによって、今度は魚の悪臭、こういうようなものの有機物による公害の源をすばやくさぐり出すことも可能であって、これを排出口の中に全部置くことに成功したならば、今後は石原産業のああいうことがなく、即座にわかることになるのです。直罰主義を公害処罰法によって規定されている現在、これくらいやるのは当然でありまして、電電公社等においても研究中と聞いております。郵政大臣もこの点十分検討して、公害をなくすために、省は違っておってもやることは一つでありますから、十分御検討、御研さん願いたい、このことであります。ひとつ最後に軽く答弁していただきたい。
  93. 井出一太郎

    井出国務大臣 たいへん適切な御発言でございまして、私どもも寡聞にして、ほんとうにさっきおっしゃる灯台もと暗しの感がいたします。そういうことでないように、まさに御指摘のような情報産業の時代ですから、こういった時代の新しい装置その他を十分に開発してまいりたい、こう考えております。
  94. 島本虎三

    島本分科員 終わります。ありがとうございました。
  95. 大村襄治

    大村主査代理 堀昌雄君。
  96. 堀昌雄

    ○堀分科員 本日は、電電公社に、すでに昭和四十一年二月二十五日、予算委員会の当分科会において論議をいたしました案件について、重ねて御質問をいたしたいと思います。  ちょっと会議録を読み上げて、前回との関連を明らかにしておきたいと思います。   そこで実は非常に重大な問題が起きつつあるのです。ちょっとここに私、具体的な例を申し上げますが、一九六五年、去年ですね。十二月の十四日の午後二時ごろに、吹田電話局の区域内で発生したプール要員の事故の問題があるのです。これは場所は阪急電車の正雀駅の構内です。犠牲者は吹田局のプール要員。四十年四月一日採用の者二名。そのうち一名は即死です。一名は二カ月以上の重傷を負って、いずれも年齢十八歳です。要するに高等学校を出て、電電公社の職員に四月に採用されて、十二月に一人死んじゃったわけです。一人は二カ月の重傷です。これは当時の概況として工事内容は、吹田電話局が、阪急正雀駅長からの要請に基づき、阪急正雀駅構内の公社電柱七・五メートル柱が支障になるので移転されたいとの要請に基づいて、支障移転工事に従事していたものである。なお阪急側の要請内容は、四十年十月ごろ信号小屋が建てられた——公社に連絡なく——ため公社電柱がじゃまになったためだ、こういうことになっております。従事者は四名一組、作業主任一名、勤続六年、それから係員一名、勤続二年、プール要員二名——犠牲者——であったが、電柱撤去のため、全く未経験者であるプール要員二名が柱上で作業中であった。柱の上にはわずか半年余りしか経験のない者を上げておいて、その作業班長は経験六年の者だそうです。あと一名が勤続二年、二年というものは大した勤続じゃない。事故の直接の原因は、柱上作業中に支線を、地上で待機中の者が誤って切断したため、電柱は倒れ、傾斜地であったために十メートル落下したものである。こうなっておる。事故の背景等として、このような支障移転工事、電柱撤去を伴うものには、五名一組で熟練者が十分指導する中で行なうべきであるにもかかわらず、当時吹田局は線路宅内課二十名中、ほとんどの熟練者が西吹田電話局、二月二十八日開局予定の建設工事に従事していたため、現場機関の主要任務に備えている保守工事に要員が不足し、未経験者であるプール要員を使ったためである。一般的に現在の電電公社は、建設工事の偏重の結果、日常の保守工事が放置されがちであったために、事故電柱の根もとが腐食していることが事故後に発見されたような状態である、 こういうことで事故が実は起きておるわけであります。これについて、当時、米澤説明員は、「ただいまのように、いまのプール要員、正式にそういうことばはありませんが、見習いという意味じゃないかと思います。ですから私の考えでは、そういうふうに二人とも熟練しない人が上がるということはないんじゃないか、させたくないと思います。」実はこういう答弁をされておるわけであります。  実は、この二カ月の重傷を負いましたのは川人一雄君という人でありますけれども、この川人一雄君は、その後、昭和四十一年の十一月に家庭で初めて引きつけを起こして一週間休み、十二月に足がもつれて局の階段を踏みはずし、顔面を二針縫って、その後手がふるえるようになった。こういうことで四十二年の十二月に大阪逓信病院で診察をされ、阪大病院に紹介状を持って受診したけれども、ベットがないので帰宅、四十三年一月六日に二回目の引きつけを起こした。こういう経過がありまして、四十三年の三月十八日に日生病院に入院しておる、こういうことであります。  そこで私は、まず総裁にお伺いをいたしたいのでありますけれども、裁判が行なわれますときには、疑わしきは罰せずというのが裁判における基本的なものの考え方だと承知しておるわけでありますが、総裁はこのことについては御存じでございましょうか。
  97. 米澤滋

    ○米澤説明員 知っております。
  98. 堀昌雄

    ○堀分科員 実は私は、戦時中に海軍の軍医として召集せられて、その業務に従事をしておりました。当時、御承知のように戦争中でもありましたから、公務による障害事件というものがきわめて多発しておりました。公務障害であるかどうかを判断いたしますのが私ども軍医の責任でありましたが、特に私は大阪警備部付軍医科士官として勤務しておりました。軍医科士官に出してまいりました書類、同時に軍所属長が出してまいりました書類を判定をする立場にございました。私どもはその判定をする立場にあったときにも、いまの裁判と同じ考え方に基づいて、可能な範囲で公務障害を受けた者の立場に立って考えるということを当時原則にしておったわけであります。ですから私は、今日、公務障害の起きましたときには、少なくともそれは、公務障害に対する費用を負担する側の立場というよりも、当然、公務障害によって被害を受けた者の立場に立って、可能な限り、それが公務障害としての可能性があれば、それを公務障害として認めるのが相当ではないか。これがただいま前段で私が伺った、裁判に際して疑わしきは罰せずということと同様なものだと理解しておりますが、総裁、その点はいかがでございましょうか。
  99. 米澤滋

    ○米澤説明員 ただいま御指摘がありました吹田電報電話局における事件、まことに遺憾であります。確かに、この予算委員会分科会が当時開かれたときに、私はそういうことを述べました。自来、こういう建設工事において事故が起こらないように、しばしば建設部長会議等におきましても指示をしております。ただいま御指摘のありました件につきましては、その後の詳しい話はきのう初めて聞きまして、きょうもただいま先生がおっしゃったと同じようなことを、実は厚生局長にきのう夜指示したところでありまして、電気工学みたいなものは数学で押せますけれども、医学のような点につきましては、いろいろ環境等に複雑な要素がありますので、もしこれが認められればなるべく業務障害として認めるほうがいいのじゃないか、そういう検討をいま言ったところであります。
  100. 堀昌雄

    ○堀分科員 いまの総裁の御発言は、私はたいへんけっこうな御答弁だと思うのでありますが、この際ちょっとこの経過だけをここに明らかにしておきたいと思います。  実は、この事故が起きまして、この患者は直ちに大阪市立吹田市民病院にかつぎ込まれて治療を受けたわけであります。ここに診断書の写しを持っておるのでありますが、前段のところの字がはっきりいたしませんが、後段のほうは(下顎部、胸部打撲症」となっておりまして、(上記疾病のため昭和四十年十二月十四日初診、入院、十二月三十日退院、昭和四十一年一月二十一日治癒」、その間、頭部レントゲン撮影はしていないという診断書がここに提出されておるわけであります。私は、転落をいたしました川人君が、最寄りの場所であった市立吹田市民病院へ入院したことはやむを得なかったと思いますが、私としては、十メートルの高さから落下をして、一名が即死をしており、一名が少なくとも下顎部、胸部の打撲症があったので、かなり精密な検査がこの時点で行なわれているべきであったと考えるのでありますが、残念ながら、下顎部打撲症がありながら脳のレントゲン撮影は行なわれていなかったということは、当時の事実としてやむを得ない点があったかもしれませんけれども、不十分な診断の状況、検査状況ではなかったかと第一点に考えるわけであります。  第二点は、その次の診断書は大阪市の逓信病院の診断書でありますけれども、この中に発病年月日というのが書かれておるのでありますが、これは昭和四十年五月ごろと実はなっているわけであります。この点は私は家族を招致して調べてみましたけれども、事故が発生するまでは何らそういうことに該当する状況はなかった、こういわれておるのであります。実は四十年五月ごろというのは、私が調査をした範囲では、上司の前に来ると手がふるえておったということで、これはすでにこの病気を起こしておったのではないかということになっておるという発言に基づいて、実は発病年月日が昭和四十年五月ごろになっておるというふうに承知をしておりますが、厚生局長、この点はそうでしょうか。
  101. 大守坦

    ○大守説明員 昭和四十年の五月ごろただいま御指摘のような症状が出たという点につきましては、私の伺いましたところによりますと、大阪逓信病院の医師に本人が直接訴えたということでございますが、そのときに、当時の本人の上司が本人を毎日観察をしておりまして、そういった症状が出ておったということでございます。  以上でございます。
  102. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで、問題になりますのは、上司が、手やからだがふるえることを承知しておって柱の上にあげたというのは、これは私は重大なる過失が電電公社の側にあったのではないかと、第一点に考えるのであります。本人が言ったかどうかについては、今日本人が正確でありませんからつまびらかにできませんが……。  もう一つの問題は、この柱上にあがった者が保安帽をかぶっていたということに公社側はしておるということなんですが、事実はかぶっていなかったということでありますが、この点はどういうふうに調査をしておられるでしょうか。
  103. 大守坦

    ○大守説明員 第一点は、手がふるえるような人間を柱上にのせたということでございますが、当時の課長の話によりますと、お茶をくむときに手がふるえていたというようなことでございまして、非常に精神的な緊張度が高い職員であるというふうな理解をしておるようでございます。何ぶんにも医学的な知識もございませんで、小脳の病気によるものだというふうな理解はなかったのはやむを得ないのじゃないかと思います。  第二点のヘルメットをかぶっておったかどうかにつきましては、私どもの調査では、かぶっておらなかったということでございます。
  104. 堀昌雄

    ○堀分科員 そこで、実はその後、関東労災病院または東京逓信病院で意見が述べられておる点を拝見しましたが、ちょっとそれを読み上げておきますと、こういうことになっておるようであります。「関東逓信病院桑原脳神経外科部長の意見、一、本疾病の症状は、小脳が素因、外傷、その他の要因で破壊された結果、生じたものと考えられる。素因によって破壊されたものは、ミオクローヌス性小脳性ジスジネルギーと呼ばれる。すでに破壊されて小脳が小さくなってしまった現在、ミオクローヌス性小脳性ジスジネルギーと診断するのは困難であるが、供述書のとおり、転落事故発生前に発症したものとすれば素因によるものと考えられる。また転落後二年を経過して発症したとするならば、外傷によるものとは考えられない。なお、ジスジネルギーがすでにあって、強い外的要因が加えられた場合、症状が促進されることはあり得ると考えられる。」こうなっております。そこで、この吹田市民病院で治癒、退院をしておりました者は、昭和四十三年の三月十八日に日生病院に入院をいたしましたところ、背骨の六節目の骨が折れておるということが実はレントゲンの結果でわかった。外傷を受けた当時に、当然レントゲンでこれらのものが指摘されておらなければならないのにもかかわらず、骨が折れておったということがわかって、それはすでに二年くらい経過したものだ、実はこういう診断がなされておるわけであります。私はこの問題をずっと見ておりまして、過去の最初の診断が、いま私が申し上げたように、胸部の正確なレントゲンがとられたかどうかは別として、そこで骨折があったにもかかわらず、骨折も見出し得ない程度の初診時の所見、及び脳のレントゲン等がとられていないということが、その後の医師の判断にきわめて重大な影響を与えておる。あのときに問題がなかったのにいま出てきた、こうなっておるわけでありますが、問題がなかったのかあったのかを十分に判断する材料が実はないというのが、この事案の一つの問題点であります。  第二点は、その後のいろいろな意見は、いずれもその最初に行なわれたいろいろなものだけについての資料によって判断せられておるのであって、事実関係がきわめて不十分になっておるわけです。私がいま申し上げたのは二年たってからということでありますけれども、最初のそういうひきつけの発作が起きましたのは四十一年の十一月でありますから、ちょうどこの間の経過は十一カ月余り後にこれが起こり、一年目には足がもつれて局の階段から落ちて、顔面に二針けがしておる。それまでは実は仕事に従事させておったわけでありますから、仕事に従事できる程度であったので、よくわかりませんけれども、ここらの点については、この家族が公社の職員でもありますから、公社側はその職員である親を呼んで、それらの疾病の経過について正確に十分聴取して、判断の材料にすべきではなかったのか、実はこう考えておるわけであります。  以上、これらの諸点をずっと調べてみますと、私の医師としての感じからでありますけれども、やはり十分なる判断材料が提供された上に、同時にまた、その患者なり家族から十分にその事情を聴取した上での決定が行なわれたということであるならば、これはまた別途に考えなければなりませんけれども、今日までのこの件の経過については、きわめて不十分な資料に基づいて、その資料を前提とすればという意見によって問題が処理されておるように考えますので、ただいま公社の総裁から御発言がありましたが、どうかひとつ、この案件は最初の時点に立ち返り、いま私が提起いたしました諸問題を十分勘案されて、一名は死亡し、一名は少なくとも二カ月の重傷ということになっておりながら、実は十分なレントゲン検査も行なわれず、骨折すらも発見されないような処置によって治癒として退院させられておるような状況を考えて、ひとつ前段に立ち戻って、公社として瑕疵のない処置をとってもらいたい、私はこういうことを要望したいわけであります。その点についてもう一回総裁のお答えを伺って、質問を終わりたいと思います。
  105. 米澤滋

    ○米澤説明員 ただいま堀委員からいろいろ御指摘がありました実際の状態をよく調べまして、早急に検討し、万全の措置をとりたいと思います。
  106. 堀昌雄

    ○堀分科員 終わります。
  107. 大野市郎

    大野主査 午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時六分休憩      ————◇—————     午後二時二分開議
  108. 大野市郎

    大野主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  郵政省所管について質疑を続けます。上林榮吉君。
  109. 上林山榮吉

    上林分科員 与党は分科会でもなければなかなか発言の機会がないので、この際、質疑を若干いたしたいと思いますが、まず第一に、放送大学に関する調査に必要な経費が組まれておるようでございますが、われわれも昨年末のこの問題に対する若干の情勢は承知をしておりますが、その後、文部省、NHKあるいは郵政省がこれにどういう役割りを果たしているかは別として、その間にどの程度の調整といいますか、あるいは歩み寄りといいますか、ことに電波をどこに免許するかというような問題、そういう問題についての現段階における情勢とその見通し、非常に困難なのか、あるいはある程度曙光を見出したという段階なのか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  110. 井出一太郎

    井出国務大臣 放送大学につきましては、いま言われましたように、文部省、郵政省あるいはNHKの考え方等を、それぞれ話し合いをいたして今日に至っておりますが、ともかく、電波による新しい大学の方式というものはまさに画期的な構想でございますから、これを早くせよ、こういう非常な御期待もあるわけでございますが、あまり拙速主義であっても相ならぬ、こういうことから、当初はさらに取り急いでというピッチで進んでまいったと思いますが、ただいまのところでは、文部省との話し合いは四十八年度以降というようなところへ目標を置いております。四十六年度の予算は、文部省に一億数千万円のものが計上されておりますが、郵政省に関する限りはたしか百三十二万でございますか、置局、つまり局を置く調査、こういうことの費用をとってあるわけでございます。それで、文部省が主としてカリキュラムといいますか、それに基づく番組を実験的にNHKのUの波を通じて、ことしの後半ぐらいから発足をしょう、こういう程度に進んでおるわけでありまして、郵政省に関する限りは、波の用意という点において、従来も申し上げましたように、テレビ、ラジオを通じて一系統ずつ、これだけは確保してあるということは申し上げられます。  さてしからば、免許主体の問題をどうするかという点につきましては、いろいろな考え方のあることは御承知と思いますが、これはまだ決定を見ぬままに、もう少し慎重に検討をしていきたい、こういうことであります。
  111. 上林山榮吉

    上林分科員 私も大臣と同様に、事業が非常に大きな、しかも新しい制度でありますから、拙速主義ではいけないことはよく承知しておりますし、免許主体をどこに置くかということも、これは慎重に、また大局的にひとつ判断をしていただかなければならぬ点だと思います。ただ、問題は何といっても郵政省、文部省、場合によってはNHK、その他の団体にも関係があることでございますから、その方面の隔意なき意見というものをよく聞いて、そして連携して協議すべきことはやはり連携して協議をして、こういう方向へ進んでいかなければならぬと思いますが、波はそのためにとってあるということで、これは非常に配慮の行き届いた名言だろうと思いますが、私どももこの問題は単に恵まれざる人々を教育する問題だけではなしに、広く国民全般にも教育を受ける機会を与えてもらわなければなりませんので、拙速主義は慎まなければならないが、昭和四十八年度以降——これは文部大臣とおそろいでここで答弁にならなければお困りだろうと思いますけれども、昭和四十八年以降というが、拙速主義を排して慎重にしっかりおやりになった構想で、昭和四十九年になるのか五十年になるのか、その辺のことは、まだ文部省あるいは内閣、そうしたところで何らの話もないものかどうか、この点を承っておきたい、こう思います。
  112. 井出一太郎

    井出国務大臣 四十八年度以降ということは、私、文部大臣とお互い確認し合っておりますが、非常に具体的に四十九年とか五十年とかいうことを申し上げるまでにはまだ立ち至っておりません。それにしましても、いまから起算をして四十六、七、二カ年度あるわけでありますから、この間にはかなり進捗するのではないか、こう御理解いただいてよろしいと思います。
  113. 上林山榮吉

    上林分科員 半ばやむを得ないであろうと思うし、半ばそれではあまりにも慎重過ぎはしないだろうか、こういうように考えられるのですが、四十八年度以降、四十八年度になるかもしれぬ、あるいは四十九年になるかもしれないというところじゃないだろうか、こういうことで自分なりに合点して、この辺でこの問題は打ち切りたいと思いますけれども、大臣、これがかいもくわからぬのだという印象を世間に与えることもどうかと思うし、あるいはまた四十八年からさらに三年なり五年かからなければだめなんだというのも、これは現実問題としてあまりにゆうちょうじゃないだろうか、こういう印象を一般に与えないようにありたいものだ、これは私の願望を述べたのでありますが、そういうように考えます。  次に、断片的にスピードを上げてお尋ねをいたしますが、郵政省予算分科会における大臣説明を拝見しますと、昭和四十六年度の歳入歳出予定額において四十四億六千百万円の歳出超過となるのだという点ですね。郵政省の台所の苦しいことはわれわれもよく承知しておりますが、この穴埋めは前年度からの持ち越し現金を充てるのだ、こういうことですが、前年度からの持ち越し現金はいまでどれくらいあるのかということが一点。  立ったついでに申し上げますが、さらに四十七年度もこれと似たような形態になるのか、四十七年度はそうではないと、こういうふうに持っていくのか、もし持っていくとすれば、その具体的な処置は、郵便料金の値上げはこの中に一応含んでおるようですが、その他の方法によって四十七年あるいは四十八年までどういう具体的経路をたどろうとしているのか、これをひとつ参考に聞かしておいてほしいと思うのです。
  114. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 お尋ねのように、昭和四十六年度で歳入歳出差額四十四億六千万円を生じましたが、これは御承知のように、料金収入を小包に  ついては四月一日から上げる。それから三種、四種、特殊取り扱いについては七月一日から、それから一種、二種は四十七年二月一日というふうにいたしましたために、四十六年度としては四十四億の歳入歳出差額が生じましたが、これは前年度からの持ち越し現金を充当することにしております。持ち越し現金は、四十四年度末決算におきまして百七十八億ございましたが、御承知のように、昭和四十五年度の予算において百三十二億八千万円ばかり充当しておりますので、残っておりますのは四十五億三千万円ほど残っております。その四十五億三千万円のうち今回四十四億六千万円を充当するということでございます。  それからなお四十七年度のことでございますが、四十七年度になりますと、値上げした分が全部周年かかってまいります。そのために収入の増加は相当大きく見積もり得ますので、いろいろ私どものほうで経済社会発展計画等の人件費の伸び等を見ても、四十七年度は百億程度の黒字は見込めるんではないかというふうに推算できます。なお四十八年度あたりになりますと、一方そういう人件費の伸び等、それから四十七年度で平年度化した料金値上げの増収が鈍ってまいりますので、四十八年度あたりになると、やや赤字に転ずるのではなかろうかというような推算でございますが、しかしこれらは企業努力で三年間は何とか持たし得るのではないか、こういうふうに考えております。
  115. 上林山榮吉

    上林分科員 ただいまの御答弁がもう精一ばいのところだ、こういうふうに理解していいかどうか知りませんが、適当な機会にそのとおりだとおっしゃっていただけばけっこうであります。  次に私は、郵政省と電電公社と関係のある部分について大臣の所見を伺いたいし、また電電公社考え方も伺いたいのでございます。それは電電公社電話拡充計画を立ててそれぞれ推進をしておるわけでありますが、一方、そのためには郵政省が委託を受けている郵便局の問題がありまして、これは年々公社側と郵政省側と話し合って計画を立てている、こういうようにわれわれ承知しているのです。これは一通りの話としてはそれがもっともなやり方だ、こういうように考えますけれども、具体的にわれわれが各地域に行って仄聞すると、電話の施設を拡充する、あるいは委託局のものを自動化する場合に、一年間に形式的にことしはそういうところは何局だ、こういうようにきめてやるというのですね。ところが、その何局といっても、小さい局は委託業務をやっている人はわずか三名か四名しかおらぬというところもあるし、多いところは二、三十名もおるところもある、こういうことなんです。しかし、この電話拡充を効率的にやるには、あるいは時代の要望にこたえるには、そうした形式論ではなくて、人数の多いところも、優先的ということばはどうか知らぬけれども、できるだけ早目にこういうものを消化していくというようにできないものかどうか。この辺を大臣なりあるいは両当局から説明をしてもらいたい、こう思います、この点はどうもよくわからぬので、ひとつ聞かしてほしいのですが。
  116. 井出一太郎

    井出国務大臣 これはこまかいことは事務当局のほうがよく承知をしておると思いますが、おっしゃるように、手動式から自動式に移すというのは時代の要請でございますから、この方向をブレーキをかけるわけにいきますまいし、そのための郵便局への委託の仕事というものが減ってまいることもやむを得ないと思うのであります。その間の移行をなめらかにし、あるいは人的の配置等も摩擦のないようにしなければならぬという配慮のもとに行なっておるわけでございますが、これは具体的な計画公社のほうと郵政省のほうと十分連絡、打ち合わせの上にやっておるわけでありまして、数字等については事務当局から申し上げることにいたします。
  117. 竹下一記

    竹下政府委員 毎年度の合理化計画につきましては、十一月ごろに公社のほうから具体的な電信電話設備計画の連絡がありまして、これは全国郵便局別に具体的に計画が提示されます。それにつきまして郵政省といたしましては、要員の関係その他について郵政省の立場から要望すべき点がある場合には要望を申し上げて、両者十分協議をいたしまして、最終的には、もちろんこれは公社計画でございますので、公社計画を立てられるということになっておりまして、連絡は十分やっておるつもりでございます。
  118. 上林山榮吉

    上林分科員 この関係は、最初の計画は電電公社郵政省に何も事前に話をしないで、公社自体としての計画をつくって委託局の自動化の話をするんだ、大体において電電公社が提示すればそのとおり認めるのだ、少しは意見を言うこともあるかもしれぬけれどもという程度にいまの答弁は受け取っていいのかどうか、どうなんですか。
  119. 井上俊雄

    ○井上説明員 お答え申し上げます。  ただいま郵務局長からお話がございましたが、基本的には公社公社独自のサービス計画としてつくりますが、通信局段階から本社のほうへ設備計画の基礎資料として上がってくる段階で、電気通信局、郵政局両者間で具体的に詰めまして、それで詰まったものはそのまま、詰まらないものは未調整というかっこうで内容が明確になって本社のほうへ上がってまいります。そして電電公社の本社におきましてはそれをさらに本社段階で調整をして、そしてその上で先ほど郵務局長の御説明のように郵政御当局のほうへお示ししてさらに具体的に詰める、こういうことでございます。
  120. 上林山榮吉

    上林分科員 そうすると、電電公社が年次計画を立てて郵政省に提示する、郵政省はそれを郵政局に下げる、郵政局はそれを地方の通信局と話し合って、そしてそれを本社あるいは郵政省に持ってくる、未調整の部分はそういうふうにするんだ、こういうことですか。  同時に、未調整のおもなるものはどういうことなのです。未調整ということばは、こちらから出したものが下のほうで調整できないでまた上がってきたという、その未調整のおもなる原因は何なのかということです。
  121. 井上俊雄

    ○井上説明員 ちょっとことばが足らなかったと思いますが、公社の本社で当時サービス拡充改善計画として自動改式計画の設備計画をつくる段階において、その前に一番初め地方で郵政局と自動改式計画について意見の調整をできるだけやってくる。そしてそれを本社で受けまして、しかし中には未調整のものがございます、調整の済まないものがございます、話し合いの済まないものがございます、それもその話し合いの済まない内容を明確にして上がってまいりまして、それを本社で検討を加えまして郵政御当局と御相談をする。そして郵政御当局と調整をして、そして調整をする過程で郵政御当局は地方郵政局にも十分御照会にもなりますし、公社側も十分郵政御当局の御意向を尊重していろいろくふうして最終的にきめる、こういうことでございます。  そこで、地方から上がってくる段階で未調整の内容はどんなものかというお尋ねでございますが、これは改式に伴いまして過員が発生いたします。その過員のいわゆる処理に関しまして、退職者を除いたあとの純発生過員の受け入れ、配転計画につきまして未調整のものが出てくる、こういうことでございます。
  122. 上林山榮吉

    上林分科員 その率ですね、未調整の分が最初五十局なら五十局という提示をした場合に、そのうちの何局くらいが年々歳々の未調整であるのか、その未調整は東京での調整でほとんど調整されるのかどうか。  それからもう一つつけ加えて、あと幾ら委託局が残っておるか、これはあと何年で解消する予定か、これをひとつ伺いたい。というのは、御承知のようにこれは年度計画を立ててどんどん拡充し、自動化していくわけですね。これがどうも地方に参りますと一部では支障になっているように聞くものですから、それではいかぬじゃないか、できるだけスムーズに話し合いができるようにできないものかどうか、こういうように考えるわけなんです。この点はこういう機会でないと、郵政省ばかりおるとき、公社ばかりおるとき聞いてもどうもおかしなことになってしまうと思いまして、私はここで申し上げているわけです。この点はきわめて簡単なようだけれども、地方末端に参りますとこういうことが政治の盲点というか、血が通わないというか、そういうことになるんですね。天下の大問題はみんなわかっているのだ、だけれどもそういう問題にやはり細心の注意がほしいものだと、こう要望を兼ねて聞いているわけです。
  123. 井上俊雄

    ○井上説明員 だたいまのお尋ねの未調整の率はどのようなものか、こういうことでございますが、これは年度によっても違いますけれども、委託局の要改式数のうち、各年度ごとにおおむね一〇%から一五%ぐらいは地方段階において調整がととのわなかったというようなことではなかろうか。だたし、それは本社段階に上げまして郵政御当局と相談をいたしまして、そして公社側のサービスの開始の期日、着工の期日を調整をいたし、あるいは郵政御当局のほうの局舎の移転計画、本改築等の御調整等もしていただきまして、最終的にはすべて完全に合意したかっこうで仕事が進められる、こういうことでございます。  それから、現在どの程度委託局が残っているかということでございますが、四十五年度末でおおむね三千六百局の委託局が手動のまま残っておる、こういうことでございます。これは七カ年計画期間中に、すなわち昭和五十二年度末までにそのうち三千局をサービス開始をする、したがいまして、五十二年度末におきまして六百局が手動のままの状態で残る、それらも引き続いてできるだけ早く自動化を進める、こういうことになっております。
  124. 上林山榮吉

    上林分科員 この問題は、私の考えでは、非常に末端が切望しておる問題でありますので、もう少し念を入れて、もう少し熱心にやってもらいたいものだ。七カ年かかってもまだ六百局残るというのであれば、これはまだ十年かかる、いや、あるいは十五年ぐらいかかるのじゃないかと、私はそういう気がするのです。それではたいへんじゃないだろうか、こう思いますので、多少の御事情は調整されて、もっとひとつ効率をあげてもらいたい、こう要望いたしておきます。  次に、郵政当局の御理解と議員各位の努力によって、去る国会で簡易郵便局改善法案が成立したことは御同慶にたえないわけでありますが、これは郵政事業の盲点を補足して、そうして国民にいいサービスをしていこうとする目的であることは言うまでもないことでございますが、法の趣旨からいきますと、個人受託の問題を明記したわけでございます。その後、法律ができましてから、個人受託の簡易郵便局が幾つぐらいできたのか、これを御報告願いたい、こう思います。
  125. 竹下一記

    竹下政府委員 昨年七月に簡易郵便局法の改正がございまして、その後できました簡易郵便局は、一月末現在で五十四局でございますが、その中で個人受託のものは三局でございます。たいへん数が少ないのですが、これにつきましては事情がございますので、後ほどお答えいたします。
  126. 上林山榮吉

    上林分科員 私も、何も無理してどれでもこれでも全部個人受託にすべきであるとは言いませんが、法の趣旨は、改正の要点は個人受託というものが根幹になっている。いままであるのは別として、新しくやる場合は一それは附帯決議もございます。附帯決議も尊重しなければなりませんが、しかし、法自体としては、やはり個人受託というものが根幹になっている。だから五十四局のうちにわずかに三局しか許可しなかった、こういうことは、出先の郵政局でそういうふうにやれという指導をしておるものかどうか、それとも自然発生的なものであったのかどうか、この辺ですね。だから、いずれの観点からこれを見ればいいのか、われわれにもひとつお示しを願いたい、こういうふうに考えます。
  127. 竹下一記

    竹下政府委員 これには事情があるのでございまして、申し上げますと、まず第一に、本省におきまする事情が一つございます。本省におきまして、個人受託の場合の選考基準、それから任用の手続等の作成に若干手間取りまして、九月ごろにその作業が完了するということであったわけでございます。スタートが少しおくれたわけでございます。それから、それを郵政局に移牒をいたしまして、そこから初めて簡易郵便局設置の受付を始めるわけでございますけれども、郵政局におきましても、何ぶんこの仕事は制度の大改正でございまして、いろいろ勉強もいたさなければならない。それともう一つは、世間のこの問題についてのPRがまだ十分でございませんので、出願数もそうない。今日だたいま百五十何件の出願が出ておりますけれども、その当時はまだそれほどなかったということでございます。それと、郵政局では何ぶんにも初めてのことでございますので、手続に慎重の上にも慎重を期するという様子が若干うかがわれるというようなこともございまして、数字としては今日まで上がってきていないわけでございますが、団体を個人に切りかえるという、そのほうの個人切りかえの申請数も相当出てきておりまして、これは年度の切りかえが、簡易郵便局の委託契約の切りかえでもございますので、そうなると、四十六年度になれば、いわゆる団体から個人への切りかえの数はずっとふえてくるものだと思います。
  128. 上林山榮吉

    上林分科員 経過的処置で五十四のうち個人受託はわずかに三局であるのだ、こういうように聞こえます。いろいろな手続上の問題もありますけれども、そういうように聞こえるので、これは経過的処置として一時的にやむを得ない現象も中にはあるだろうと、答弁の趣旨を私は信用いたします。しかし、何も無理して個人にみんなやりなさいよという必要もないし、それからまた、無理をして、この法律が形式的にできているのだからと思われるように、個人受託は絶対にまかりならぬ、こういうようなかたくなな行政指導はなさっているとは思いませんけれども、いずれにいたしましても、法の趣旨は、これは個人受託の門戸開放をやったのですから、多少の事情はわかりますが、やはり立法の趣旨に合ったような行政指導というものをやっていっていただかぬと困るのだ、こういうように考えるわけです。  それから、これと関連いたしまして、予算では簡易郵便局を相当数毎年取りますが、享便人口がどうの何がどうのといいまして、その基準に達しているものもなかなか認可がおくれているようでございます。だから私は、基準に達していないものは基準に達するまで一年なり二年なりお待ちになってけっこうだと思いますが、基準に達しているものはスピーディーに処置をして、その人が適格者であれば、あるいはまた基準に達しておれば、これはやはり急ぐべきじゃないか。せっかく予算で取ったものが、どんな事情か知りませんが、消化しきれずにいる、そして残る、こういうことでは私はどうかと思うのです。  これと同時に、無集配特定郵便局もこれと同じような趣旨に私は考えます。最近どしどし団地ができます。そうすると、いままでの享便人口の足らないところが、極端にいえば一年の間にくるっと変わる、二年くらいたつと全く変わっていく、こういうようなところも各府県多いわけです。大都会でなくても各府県でもそういう現象がたくさん見られているわけなんです。これも私は、基準に達しているものは、そしてこれを志望したいわゆる出願した人が身元調査その他で適任者であれば、やはりできるだけ急いで認可すべきじゃないだろうか、設置を認めていくべきじゃないだろうか、こういうように考えます。四十五年度もまだ消化しきれないのがあるようでございますが、この辺の事情をどういうふうに考えますか。目下二月なんだから、四十五年度は三月までですから、この段階になってまだ無集配特定局も消化をしていない、簡易郵便局と同じである、こういうことは——慎重はいいですよ。慎重ということはを使われますとなかなか質問もしにくいですが、しかしながら、具体的にこういう例を見ていきますと、もうちょっとスピードアップできぬものだろうかと私は思うわけですが、これに対する所見を伺いたい。大臣どうですか。これは大臣郵政事業全体の問題ですから、事務的な、手続的な問題は事務当局でいいですけれども、この問題は大事な問題ですよ。予算が残っちゃ困るんだね。
  129. 井出一太郎

    井出国務大臣 昨年、長い間の懸案でありました簡易郵便局を個人にも認めるという法律が通ったわけでございまして、その意味においては、非常に期待を寄せられた法律改正でありました。しかるところ、いまお聞き及びのように、諸般の手続とかあるいは準備とか、そういうもののためにひまがとれまして、必ずしも実効が期待のようにあがっておらない、これは事実であります。そこで、それ相応の予算も取ってあることでございますし、まさに御指摘のように、これは乱設すると  いうことはいけますまいが、しかるべき基準に達しておるものは、むしろ積極的に民衆の便利をはかるという観点から推進をしてまいりたい、かように考えます。
  130. 上林山榮吉

    上林分科員 ひとつ簡易郵便局の問題、特定無集配局の問題、大臣答弁を了承し、事務当局の御精進を願いたい、こう思って、その問題はそれで質問終わりますが、電電公社にお尋ねしたい問題がございます。  電電公社も、国鉄ほどは困っていないけれども、見ようによっては国鉄以上に、前向きで建設事業をやろうとすれば、国民の要望にこたえようとすれば、非常にこれまた困っているんだ、こういう見方も出てくるかと思います。それで、それぞれ料金の改定その他も御要望になっていると思います。私は、ある程度そういう問題は前向きで検討していくべき問題だ、こういうように大前提で考えております。  そこで私は、そのうちでこまかいことを、大きな問題は総括質問などでやらなければならない問題でありますので、分科会では分科会らしく、こまかい問題をお尋ねするわけでございますが、その中で、公募債によるものが百億円、縁故債によるものが六百億円だという説明がついております。ただいまから将来に向かっての公債の消化という見通しですが、どうですか、これは専門的な深い検討はお互いに加えぬでもいいと思いますが、さらっとどういうふうに考えておられるか、その見通し。電電債は引っぱりだこなのか、いやいやながら縁故債のごときは買っているのかどうか。この縁故債という意味が二とおりありますが、その辺の事情はもう説明しませんけれども、お答えを願いたい。それから公募債公募債はわずか百億円というのは、一方が六百億円で一方が百億円というのは、一体どういうたてまえによるのか、この点をひとつ御説明願いたいと思います。
  131. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  今年度の予算は、建設投資が全体で八千二百十億、二百四十万の加入電話を架設することになっております。その財源といたしまして大体三〇%が加入者債券、それからあと設備料、並びにいま御指摘ありました公募債に百億円、縁故債六百億円ということになります。この縁故債の六百億に対しましては、公社が最初概算要求いたしましたときは約五百億円を要求いたしました。これは、その主体となるものは、データ通信に対しましてはなるべく自己調達するという考え方一つあります。しかし、われわれといたしまして、同時にまた公募債につきましても要求いたしたのでありますが、結果的には、公募債は百億円におさまりました。  最初にお話しございましたこの六百億円の縁故債が十分調達できるかどうかというお話でございますが、ことしが、これが約五百億円でございまして、大体これは年度内に五百億円全部できるというふうに考えております。これの利子が七・三%でありまして、発行価額は百円をちょっと割っておりますけれども、利回りといたしましては、たしか七・四二%ぐらいになっておりまして、公募債等に比べて若干利回りが高いのでありますけれども、それほど差はないというふうに思っております。明年度の六百億円に対しまして、ことし五百億円でやれたので、大体これで消化できるというふうにいま予測しておる次第でございます。
  132. 上林山榮吉

    上林分科員 引っぱりだこではないかもしらぬけれども、これは消化できる、こういうふうに理解していいと思いますが、ぜひそうありたいものと思います。  次に、電話の発展といいますか、進歩といいますか、非常なもので、しかも種類も最近非常に多くなってきたようでございますが、いま公社自体でやっているもの、あるいは民間でやっているもの、そして有効なものだ、こういうふうに認めたものが、電話の種類にどんなものがあって、どの程度である、その概況を一、二分でまず話してもらいたいと思います。
  133. 井上俊雄

    ○井上説明員 公社といたしましては、最近の高度多彩なサービスが要求される事態、さらに一般民間等でもけっこう使われておるけれどもまだ不十分な状態、そういう点も展望いたしまして、今後の有効なサービスあるいは相当開発しなければならないサービス、そういったようなものを検討いたしておるわけでございますが、まず大別いたしまして、現在の電話をよくするサービス、便利にするサービス、それから新しい画像サービス、この二つに分けられるのではないかと思っております。現在の電話をより便利にするサービス、これはすでに一部サービスを始めておりまする短縮ダイヤルサービス、あるいはコール・ウエーティング・サービスあるいはこれからの緊急な課題としての伝言サービス、あるいは料金の自動即知サービス等々がございます。また、新しい画像通信サービスといたしましては、その代表的なものとしては、テレビ電話あるいは高速度ファックスあるいは心電図伝送などのいわゆる画像伝送、こういうようなものがこれから開発され、あるいは普及されていかなければならないと考えております。
  134. 上林山榮吉

    上林分科員 御答弁の中に、現在ある電話を重点に、とは言いませんけれども、重点に改良して、そして国民の多くが利用するものに改良の重点を置くのだ、これは私は当然のことだと思います。さらにまた、時代に即応する意味で、画像を加えたような問題、たとえば俗にいうテレビ電話、こういう問題とかあるいはデータ通信に対する改良とか、こういうことに力を入れていくということはよく承知をいたしました。  もう少し時間があれば、私はその具体的な種類ももっと聞きたかったのでありますが、それはやめることにいたしまして、そこで具体的に、実際的にお尋ねしたいことは、その中のテレビ電話は、昭和何年度ごろからどの程度の実用化をする予定なのか、その予定に組まれているならば、それをまず明示願いたいと思います。
  135. 井上俊雄

    ○井上説明員 テレビ電話につきましては、すでに公社の内部でも使用試験をいたしておりますけれども、これにはやはりその品質とそれからサービスコストの関係等もございますので、需要の動向等がまださだかでないのでございます。しかしながら、一応公社といたしましては、四十八、九年ごろからでき得るならば一般的にぼつぼつサービスを開始していく方向を考え、おおむね七カ年計画期間中には、これはきわめてラフではございますが、三万端子ぐらいのところを計画しておる、こういうことでございます。
  136. 上林山榮吉

    上林分科員 それはまあ採算ベースの合う程度での話だと思いますので、もう時間が来たようでございますから、またいずれほかの機会にもっと詳しく——これはどうも先走って、何年か前からいわれてきただけに、みんながもうこの段階にくれば来年でもできるのじゃないかと考えている向きもあるので、そういうような意味でもっとこの問題を私は聞きたかったのでありますが、これでこの問題はやめますが、データ通信の問題で、いま一番大きなのは、公社がやっているのは地方銀行協会でしたか、約六十何行ですかね、それをつなぐやつですが、為替業務だけやっているわけですか。その他の問題もやっているのかどうか、その後改良したかどうか、そして、もし為替業務だけやっているとすれば、その為替業務についてはデータ通信としては間違いなくりっぱなものだと折り紙をつけられましたと、こういう報告ができるのかどうか、その辺のことも聞きたいし、それからこの次に公社が考えている二、三の予約ですか、予約されているところは一体どこどこか、どういう業務体なのか、そういうものをひとつ提示願いたいと思います。
  137. 井上俊雄

    ○井上説明員 お尋ねの地銀システムにつきましては、現状におきましてはきわめてサービスが安定しておりまして、非常に感謝をされておる、こういうことでございます。サービスの内容は、現在は為替業務でございます。将来はそれにいろいろな預金業務その他のサービス等もだんだん付加されてくる方向にあろうかと思います。  それから、今後の大きなシステムといたしましては、すでに新聞等でも出ておりますけれども、全銀協のシステムだとかあるいは都の信用金庫のシステムだとか、そういう端末数が数十あるいはそれ以上にわたるような相当大きなシステムを目下具体的に進めつつある、こういうことでございます。
  138. 大野市郎

  139. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 予算委員会の総括に引き続いて、FM東京の免許問題についてお伺いをしたいと思います。  そこで、過日の予算委員会においていろいろ問題にしたわけでありますが、そのうち申請の改定書の提出日付の印が偽造と申しますか、書きかえられておるという点について、大臣は原簿とよく照らし合わして調べてみるというお話でございましたが、お調べの結果はどうでございましたか。
  140. 井出一太郎

    井出国務大臣 先般、楢崎さんから総括質問においてお尋ねがありました件、あの際は時間切れのようなこともございましたし、私も実は気になっておりました。きょうはちょうど機会を与えられましたから、一応お答えをいたします。  去る二月一日、当予算委員会において御質問のありましたFM東京の予備免許問題について御説明申し上げます。  郵政省では、昭和四十三年十一月二十九日に超短波放送のチャンネルプランを決定いたし、東京、名古屋、大阪及び福岡の四地区に一般放送事業者の超短波放送を認めることといたしました。  これらの地区中、名古屋、大阪及び福岡地区につきましては、申請者の一本化調整がはかられましたので、昭和四十四年三月三十一日予備免許を付与いたしましたが、東京地区につきましては申請者が多数でありましたために、その一本化調整が難航していたわけであります。当省としましては、東京地区においてもできるだけ早期に予備免許を付与し、超短波放送を開始させることが国民の期待にこたえることであると考えていましたところ、昭和四十四年十二月十七日に至り、三十一社の調整がなったということで、三十社の申請が取り下げられ、残された一社の申請について申請取り下げの各社との調整をはかった訂正届けが提出されましたので、その予備免許について、十二月十九日開催予定の電波監理審議会に諮問すべく審査を促進したものでございます。そして同日の審議会に諮問して答申を得、即日予備免許をいたしました。  ただいま申し上げましたように、一本化調整の結果による訂正届けが提出されたのでありますが、この訂正届けは、事実、昭和四十四年十二月十七日に関東電波監理局に提出され、同日本省に送達されております。すなわち、本省からの事前事務連絡では、審査を促進するため、訂正届けが提出された場合は直ちに受理手続を行なって本省に進達されたいということでありましたので、関東電波監理局の事務担当者は、上司の了解を得て十二月十七日に訂正届けが提出された際、直ちに受理手続を行なって本省へ送付したものであります。  進達文書は、本来訂正届けに添付して本省に送付すべきところ、取り運びの時間の関係で上司の印がもらえなかったため、送付が翌日になったものでありますが、届け書本体の進達が前日であるので、この事実にあわせて進達文書の日付を十二月十七日付として十八日に本省へ送付したものでございます。  なお、FM東京の予備免許問題につきましては、ただいま行政訴訟が提起されており、現在東京地方裁判所において審理されておりますので、免許処分が適法であるかどうかということにつきましては、この訴訟において明らかになるのであろうと、かように考えておる次第でございます。  一応お答えをいたしました。
  141. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 十七日にその改訂書はどこに出されたのですか。
  142. 井出一太郎

    井出国務大臣 関東電波監理局でございます。
  143. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そして、これでは十八日に判が押されてあって、本省に来たのが十八日というのですか。
  144. 井出一太郎

    井出国務大臣 もう一ぺん申しますが、関東電波監理局に十七日に来たわけです。そこで非常に取り急いでいるから、係官はその日のうちに本省へ届けたわけでございます。その際、それは届け出書でございますから、それに役所の進達書というものをつけて本省へ持っていくのが筋であります。ただ、時間がおそかったために上司の判こがとれなかったものですから、その進達書は翌日になったわけです。したがって、そこへ十八日という日付が記載された。しかし、その一番もとになる訂正届けは十七日でございましょう。それに日付を合わせるということで十七日という記載にした、そういう事実でございます。
  145. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どうもおかしいんですね。全くおかしいですよ。うまくそんなふうに合わせられたものですね。それでこの印を直したわけですか、一度押された印を。これはペンで書きかえてますが……。
  146. 井出一太郎

    井出国務大臣 事実関係は、私の申し上げておるとおりで決しておかしくないのでございますが、さらに、担当の局長が私より詳しいですから、もう一ぺんそれを御説明いたします。
  147. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  ただいま大臣からもお話がございましたように、届け出書というものは、十七日に関東電波監理局に届け出があったわけでございます。先ほど大臣のお話がありましたように、十九日に電波監理審議会というものがございまして、できればそこにかけたいという気持ちが私どもあったわけでございますので、本省といたしましては、関東電波監理局に届け出書が提出されたらすぐに本省のほうへ持って来い、そういう指示を出していたわけでございます。関東ではその指示を受けまして、十七日に受理した。受理したのが五時過ぎておったわけでございますが、直ちにその届け出書を本省へ提出したというわけでございます。実際の届け出書は、すでにそこで本省に十七日に上がっていたわけでございます。ただ、関東電波監理局としましては、こういった文書の受理というものは、必ず文書を出しまして本省に上げるということになっておりますので、そのいわゆる進達文書自体は十七日に起案をしたわけでございますけれども、本文の届け出書とは一緒には間に合わなかったので、翌日、課長、部長の判こをもらって決裁をして本省に持っていくという筋であったわけでございますが、実際すでに十七日に届け出書が本省に行っているわけでございますので、関東としましては、その文書自体の——文書というのは、進達文書の決裁を十七日にしたということで、したがいまして、その途中の課長、部長の判こも翌日の判こになっておりましたけれども、それを訂正をしまして、文書の決裁は十七日ということで、その進達文書をあとから本省に持っていったというわけでございます。
  148. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いまあなたは、局のほうに届け出が出たらすぐ本省に持ってくるようにと、かねてから指示しておったからとおっしゃいましたが、では、FM東京が改定書を出すということはあらかじめわかっておったんですか。
  149. 藤木栄

    ○藤木政府委員 先ほども申し上げましたように、届け出書が出ればすぐに持ってきなさい、そういうふうに……。
  150. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 届け出書はたくさん出ておるのじゃないですか。どの届け出書が出たら、すぐ持ってこいと言われたのですか。
  151. 藤木栄

    ○藤木政府委員 先ほど大臣からも御説明ございましたように、東京地区におきますFM放送に対する申請書というのはたくさんあって、六十六社あったわけでございますが、そのうちの三十五社は、私どものいういわゆるチャンネルプランに適合していないので、それはそのままペンディングにしておきまして、三十一社の一本化の調整を特定の人に頼んだ。実は足立正さんでございますけれども、そこで一本化なされたということによりまして、訂正届けが出されたということでございます。それまでには三十社の取り下げ届けというものが出たわけでございまして、三十一社のうち三十社の取り下げがございまして、残りの中央FM音楽放送というものが、その一本化に合わせて中央音楽放送の申請の訂正届けというものが先ほどの十七日に出てきた、そういうわけでございます。
  152. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 ちょっとおかしいんじゃないでしょうか。三十一社残った。三十五社は保留になった。ところが三十社は取り下げられた。残ったのは、中央FM。それがFM東京に改定されるということは、あらかじめ御存じだったわけですか。
  153. 藤木栄

    ○藤木政府委員 私どもは、先ほどの足立さんに調整をお願いしまして、向こうからの連絡で、その調整が一本化されたということは伺っておるわけです。ただ、手続的にどういうことになるかといいますと、先ほど申しましたように、三十社の取り下げ届けが出されまして、そして中央FM放送というものが一本化されるわけですから、そのままではぐあいが悪いわけでございまして、それを改定して、そして十七日に届けが出されたということであるわけであります。
  154. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 三十一社のうち三十社が取り下げて中央FMが残った。それじゃなぜ一本化にとってぐあいが悪いのですか。なぜそれが別の会社に改定されなくてはいけないのですか。
  155. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  中央FM音楽放送というものを中心にして一本化が行なわれて、そのために、その中央FM音楽放送というもの自体が別の会社になったわけじゃございませんで、そこで一本化されたという訂正届けが出されたというわけでございます。
  156. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 では、FM東京というのは、いつごろから出てきたのですか。三十一社の中には入っていなかったわけですね。
  157. 藤木栄

    ○藤木政府委員 もちろん三十一社には入っておりません。
  158. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それで残ったのが中央FM。重ねて言いますが、それが何でおかしいのですか。FM東京にならなくては一本化にならないというのはどういうことなんですか。
  159. 藤木栄

    ○藤木政府委員 名前が変わらなくてもよろしいわけでございます。中央FMでもよろしいわけでございますが、申請者のほうでそういうように名前を変えて出てきたというわけでございます。
  160. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そこでそういう一社だけになった。それは、この電波法五条なり六条なり七条、いろいろ関係条項がありますが、そういうものに照らして郵政省は一応審査するのですか。
  161. 藤木栄

    ○藤木政府委員 もちろん、電波法の七条でございますか、いわゆる免許条件というのがございまして、それが四つございますが、そのおのおのについて十分審査いたしまして、そして予備免許を出したというわけでございます。
  162. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 予備免許はいつ出されたのですか。
  163. 藤木栄

    ○藤木政府委員 十二月十九日でございます。
  164. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 審議会にかけられたのはいつですか。
  165. 藤木栄

    ○藤木政府委員 同日でございます。十二月の十九日に審議会にかけまして、予備免許を出したのでございます。
  166. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それでは、一日で電波法の条項に適合する審査が行なわれたわけですか。
  167. 藤木栄

    ○藤木政府委員 先ほども申し上げましたように、実際の申請は三十一社出ておったわけでございまして、私どもは三十一社おのおのにつきましてその審査をいたしたわけでございますが、それが先ほどの免許の条件をおのおの満足しているというわけで、私どもとしましては、それのうちの一つを取り出すということはできない、優劣をつけがたいというために、これは先ほど申し上げました足立さんにお願い申し上げまして、ひとつ調整をいただきたいということをお頼みしたわけでございます。
  168. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 一社について、たくさん書類があるわけですが、そういう条件をお調べになるのに、大体普通どれくらいかかるのですか。
  169. 藤木栄

    ○藤木政府委員 何と申しますか、書類にもよりますけれども、大体FM放送というものは、先ほども大臣からお話がありましたように、全国で民間放送四社免許するという方針でチャンネルプランをとったわけでございますが、東京以外の大阪、名古屋、福岡といったところは、もうすでに発足しておったわけでございまして、私どもとしましてはそういった免許の審査というものにつきましては、ほかの経験がございますから、そう時間をとらないでできるというわけでございます。
  170. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 どのくらいでできるかと、具体的に聞いておるのです。
  171. 藤木栄

    ○藤木政府委員 通常一日か二日あれば十分できると思います。
  172. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 では、中央FMの申請書については、やはり前にそのくらいかけて大体調べておった、審査しておったというのですか。だから十八日か十九日かにかけてすぐすっといった、こういうわけですか。
  173. 藤木栄

    ○藤木政府委員 もちろん、中央FMもその三十一社のうちの一つでございますから、私どもは前に調べておったわけでございます。そして、その中央FMを先ほどのように改定をいたしまして、役員あるいはその株の配分その他を改定して、先ほど申し上げました十七日に持ってまいりましたので、本省としましてはそれを、ちょうど十九日に電波監理審議会がございますので、徹夜で審査をいたしまして十九日に間に合わした、そういう状況でございます。
  174. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 中央FMの一連の申請書、その書類は郵政省には何日保管してあったのですか。
  175. 藤木栄

    ○藤木政府委員 ちょっといま資料がございませんので、何日になるかわかりませんけれども、ある程度前に提出があったわけでございます。
  176. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 主査、いまから申し上げることは——いまわからないとおっしゃった。これは審査が十分行なわれておるかどうかという点に重大な関係がありますので、直ちにお調べをいただきたいと思います。  念のため申し上げておきます。私が調査したところでは、この書類は同年、四十四年十二月十二日の午後五時ごろ、名前は言いませんが課長補佐に渡された。翌十三日の午前十一時には、あるところにもう持っていかれておる。したがって、郵政省審査する時間は、もし時間外をしないならば二時間ぐらいしかない。いまの監理局長お答えによると、一日ないし二日は最低かかるというお話でした。私が調べたところでは、したがって郵政省は、中央FMについて審査をする時間はなかったはずである。したがって、その中央FMを東京FMに改定して出されたものが、すっとそのまま審査が通るということは、全く疑問のあるところであります。それはひとつ正確なところを調べて報告をいただきたい。この点は保留しておきます。したがって主査におかれましては、主査報告のときに、その点はひとつ明確に保留になっておるということを、報告書にお書き添えをいただきたいと思いますが、どうでしょう。
  177. 藤木栄

    ○藤木政府委員 さっそく調べまして御連絡申し上げます。
  178. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 あと十五分ですが、もし間に合わないときには、それが出されなかった、保留になっておるという点を報告書の中に明確にしていただきたい。  それから、こだわるようですが、十七日午後五時過ぎて——官庁の人はたいへんそういう点では評判が悪いんですけれども、十七日の五時過ぎまでわざわざおられて、それを受け付けられて、そしてこれは放課後ですが、またこれを本省に持っていかれて、たいへん御熱心でほんとうならいいことなんですが、私は異常なものを感じますね。通常の場合は官庁というのはきびしいので、五時過ぎたら大体そういう書類は受け付けない、それが普通でしょう。私は、非常にこれは疑問に満ちておると思うんですね。五時過ぎまでだれかそのことを予知してちゃんと待っておって、そしてすぐそれを進達書もつけないでわざわざ本省に走っていかれる。これは何という熱心さでしょうかね、異常なものを感じます。で、それは、さっき言いました保留分のやつが出てきて明確にしたいと思うのです。私は、この電波法に審査案件として書かれておる、条項としてあげられておるものを調べるには、相当の時間がかかると思うのです。  そこで、念のためにお伺いをしておきますが、これもひとつお調べになっておってください。いいですか、電波法の第六条によって申請行為が行なわれるわけですが、様式は、無線局免許手続規則第三条に基づいて、同規則の別表第一号によることが定められております。したがって、無線局事項書十一項目に免許の欠格事由に関する事項というのがありますね。身分証明書、戸籍抄本、住民票の写しなどが添付されるようになっております。これはそれらのものが確実に添付されておったかどうか、発起人全部について、これもお調べをいただきたい。  それから、中央FMの申請書が改定されて、東京FMとして出された。あなた方が審査される際に、改定というのは、名前も変わるし、中央FMの発起人のほとんどもFM東京で変わっておりますね。これは重大な変更であります。その変更をするということが、中央FMの発起人総会なり何なりできめられておらなくてはいけませんね。そういうふうに改定するということを立証するものが、何かその改定書にありましたか。
  179. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  発起人総会でどういうふうにやられたか、私どもは存じ上げていないわけでございます。役所の立場とすれば、いわゆる一本化されて改定されたものが出てくれば、それに対して審査を加える、そういう立場であるわけでございます。したがいまして、発起人総会でやったかどうかは、私どもは存じ上げないということでございます。
  180. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 異なことを承ります。じゃ、だれか悪い人がおって、かってに中央FMはこういうふうに——まあ中央FMをAとしますと、だれか悪い人がおってBに改定しますと、かってに改定できますね、何もお調べにならないのなら。つまり、Aという会社が改定するという証明も何もなしに、そんなもの受け付けられるのですか。だれでもできるじゃないですか、そういう悪いことをしようと思えば。そんなことお調べにならぬのですか。
  181. 藤木栄

    ○藤木政府委員 改定届けに発起人が二十五名載っかっておりますけれども、そのうち、いわゆる中央FM音楽放送の発起人が十二人も含まれておるわけでございまして、しかも、三十一社という多数の一本化がなされたということからしまして——もちろんほかの発起人はその三十一社から出ているわけでございますが、大体中央FMというものが主体になって改定が行なわれたというふうに私どもは解釈したわけであります。
  182. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それは、たまたま改定書の中に書かれておる発起人のうらの何人かが中央FMの発起人であったから、そのように推定されたのですね。
  183. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  いわゆる発起人代表が梶井さんでございますが、梶井さん自体はもちろん中央FMの発起人代表でございまして、そのほか発起人代表の方が中央FMで五人おられますが、梶井さんのほかに取締役として二名の方がその代表として入っておられる、そういうことでございます。
  184. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私がお伺いしておるのは、申請書の中にあるFM東京の発起人の何人かが、たまたま中央FMの発起人であったから、信憑性をそこに見出したのですか。つまり推定をされたのですか。中央FMがそういうふうに改定することがきめられたということを推定するについて、たまたま役員の数人がダブっておったから、それでその合法性を推定されたのですか。
  185. 藤木栄

    ○藤木政府委員 そのとおりでございます。
  186. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 だから、私はたいへん危険であると思うのです。もし——これはどうかわかりませんよ。ほかの一般的な問題でもいいが、発起人のうちの何人かが語らってむほんを起こして、もとの会社を裏切るというようなことがあり得るのですね。だから、すべてそれを証明する、たとえば正式の発起人会の決議なり申し合わせなり、そういうものがあるかどうか調べるのは当然じゃないでしょうか。単に推定によってあなた方は合法性をそこに見出しておられるのですね。どうでしょうか。
  187. 藤木栄

    ○藤木政府委員 私の表現がちょっとまずかったと思いますけれども、要するに、この三十一社のうち三十社が取り下げをしまして、残るFM東京音楽放送の申請書が一応改定されまして、そしてほかのものが統合されて出てきた、そういうふうに認めたわけでございます。
  188. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 認めたということは、推定をしてそうされた。つまり、もし中央FMがそういうことをきめていないで、何人かの発起人がかってにそういう別の会社をつくるという企画を語らっておって、あとでわかったらどうされます。
  189. 藤木栄

    ○藤木政府委員 もし不正な行為によりましてそういったことが行なわれたということになれば、免許が取り消しになると思います。
  190. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 その点は、それを立証する、中央FMをFM東京に改定しようという中央FMの発起人総会の申し合わせなり決議はないのです。それは明白であります。  そこで、それを立証するために、最後にこれだけ読んでおきます。これは中央FMの昭和四十五年六月二十四日行なわれた発起人会議議事録であります。それの第一号議事、経過報告の件、ここでたいへんわかりやすく書いてある。「発起人田實渉の代理人中野和明より発起人兼創立委員松尾昭彌に対し経過報告の要請があり、同松尾昭彌は大要次のように報告した。本活動は約十年前にさかのぼる。当時矢部貞治氏を代表とする中央FM放送発起人会の申請があり、同発起人会を主軸としてFM単営期成同盟が結成された。この会長はやはり矢部貞治氏だったが、同氏が四十二年五月逝去されたため、同氏の遺志を盛り込み、昭和四十三年三月新たに中央FM音楽放送発起人会を発足させた。発起人代表は七名、その一人が梶井剛氏であり、当時同氏は、自分は矢部先生の遺業の引き継ぎをやっているにすぎず、いささかの野望もないとのことだった。ところが、四十四年三月に東京地区にFM免許近しと見るや、氏の態度は一変した。中央FM音楽放送発起人代表としての立場を無視し、あるいはその立場をフルに利用しながら、ひそかに別グループによる発起人(FM東京)を結成し、抜けがけ的に免許獲得をはかろうとした。当時チャンネルプランに基づく審査対象の申請者は三十五社を数えた。梶井氏などを中心とする別グループは中央FM音楽放送発起人会並びに他の三十四社の申請者に何らの相談もなく、そして一体化とは全く無関係に、昭和四十四年十二月十八日、突如としてFM東京発起人会を名のり、乱暴にも中央FM音楽放送発起人会の申請書の社名、発起人代表、発起人、株の割り当て、定款など重要部分をことごとく書きかえてしまった。郵政省からの予備免許は書きかえの翌日である十二月十九日に賦与されている。郵政当局は過日の国会答弁で、FM東京の結成については何ら関与していないと述べているが、それにしてはあまりにもあざやか過ぎる。申請書書きかえ事件の当事者は、FM東京発起人代表と称する林屋亀次郎、大野勝三、梶井剛、松前重義、大友六郎の諸氏である。これらの人たちはその功績によるものか、株式会社FM東京設立後は、いずれも代表取締役に就任し、株式の割り当ても最高額を授与されている。また、前記五氏のうち梶井、大野(FM東京社長に就任)を除く三氏は、中央音楽放送発起人会とは何ら関係のない人たちである。梶井、大野両氏が、たとえ中央FM音楽放送の発起人であるにせよ、同発起人会に事前に何らの相談もせず、了解も得ずにしかもFM東京という別会社の名において書きかえるような暴挙が許されてよいだろうか。」長くなりますからこのくらいにしておきます。これが、中央FM音楽放送発起人会議の議事録の第一号経過報告の件でこういう経過が報告されている。したがって、以上の点は先ほどの保留の分とあわせて調査の上御報告をいただきたい。
  191. 井出一太郎

    井出国務大臣 これは、私のほうが委員の方にお尋ねするのはどうかと思うのですが、いまお読みになった書類の日時、年月日、それから中央FM音楽放送発起人総会の議事録でしたか、そこののところをちょっと明確に伺っておきたい。
  192. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 昭和四十五年六月二十四日午前十時、場所は赤坂プリンスホテル第二十八号室、中央FM音楽放送発起人会議議事録。
  193. 太原幹夫

    ○太原説明員 先ほど申請書の提出年月日のことが言われましたので、いま参考に担当官に聞いて調べました結果を報告いたします。  中央FM音楽放送の申請書が提出されましたのは、昭和四十三年の三月三十日でございます。訂正届けは、四十四年十二月十七日の午後五時ごろ関東電波監理局へ提出されております。それから関東電波監理局よりは同じく十二月十七日の午後八時ごろ本省へ持参されております。
  194. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それはさっき承ったのです。それではなしに、私がお伺いしているのは前もって——あなた方がああいうことおっしゃいましたから、長くなりますけれども、私が調べてくださいと言っておるのは、十八日から十九日にかけてたった一日でこれが審査されておるというのは、時間的におかしいじゃないか、審査事項はたくさんあるんだ、また専門的な知識を要する、大体何日間ぐらい申請書を審査するのに時間がかかるかと言ったら、一日ないしは二日とおっしゃった。じゃ、おかしいじゃないかと言ったら、一応中央FMのほうは前から出ておったから審査しておりましたとおっしゃったんです。だから、中央FMのその申請書、膨大なやつは、郵政省のお手元に期間はどのくらいあったか、それを聞いたんです。そうしたらわからないとおっしゃった。私の調べたところでは、その重要な部分については、十二月十二日の午後五時におたくの課長補佐に預けられて、あくる日午前十一時ぐらいに東海大学の事務員に渡されておるのです。だから、あなた方がもし審査するとしたら二時間しかない。それを申したのです。事実かどうか。
  195. 藤木栄

    ○藤木政府委員 中央FM音楽放送の申請書の提出日は、四十三年三月三十日でございます。
  196. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それが提出されて、私が言う重要な部分の書類の審査の時間は、私が言ったように二時間しかなかったはずです。それを調べてください。  以上で終わります。この点は保留しておきます。
  197. 大野市郎

    大野主査 それでは、だたいまの楢崎委員からの保留部分は、この分科会郵政省所管事項はもうしばらく時間がありますが、その間に当分科会にその結果をお届けを願います。  岡沢完治君。
  198. 岡沢完治

    岡沢分科員 郵政大臣には御迷惑かもしれませんが、同じFM東京の問題。私はこの電波行政というのは、私から申し上げるまでもございませんけれども、放送、電波というのは、民主社会において、世論の形成にきわめて大きな影響を持つ部分を持っておりますし、これが不正にあるいは個人の恣意でもてあそばれた場合の影響力というものは、きわめて大きいといえると思いますし、一方でまた放送というのは、電波が割り当てられた限りは、よほどのへまをしない限りはもうかる企業であるというように一般にいわれております。国民の電波という立場からいたしましても、これはきわめて重大な問題であるだけに、本院におきましても、すでに御承知のとおり、逓信委員会、決算委員会予算委員会、法務委員会、そうして党派的にも公明党の委員の方、だたいま社会党の楢崎委員、私も法務委員ですでに二回取り上げさしていただきましたが、それだけ重要性があり、かつまた、国民の前に疑惑を生んではならない行政部門であると信ずるからお尋ねをするわけで、ぜひ郵政大臣も良心的にお答えいだたきたいと思います。  大臣自身も、これに関連する質問にお答えになって、この問題は電波行政の根幹に触れる、えりを正したいということを、すでに昨年来何回か繰り返しておられます。だたいま楢崎委員の質問に対する答弁、問答等をお聞きになりまして、やはり一般の国民から見て、確かに疑惑の多い免許行政手続がなされたことは否定できないと思います。すでに何回か質問を通じて明らかにされたところでございますけれども、御承知のとおり、FM東京の代表取締役五名の中に、当時電波法違反で告発中であった東海放送の理事長あるいは理事の方が三名もおられた。これはどう考えても電波法の精神に反するし、公共性を求められる放送免許の根本基準にも反すると思うわけでございます。だたいまの楢崎委員の質問で電波監理局長は、一日二日あれば免許の審査ができるということをおっしゃいましたが、私はそれほど免許の審査というのは簡単なもので済まされるようには、電波法はなっていないというふうに感じます。なればこそ、その結果、いろいろの疑惑を生むような事案が、現にFM東京の役員の構成その他にあらわれておるわけでごいざまして、この点について郵政大臣として、きょう取り上げられた問題でないだけに、ほんとうに良心的で勇気のある政治家としての御所見、また電波行政の最高責任者としての見識を伺いたいと思います。
  199. 井出一太郎

    井出国務大臣 電波が行政の対象になって年久しいのでありますが、昨今、その領域というものは非常に広がってまいっておりまするし、いまおっしゃるように、国民の世論形成その他非常に重要な役割りをになっておることは御指摘のとおりであります。したがいまして、これを取り扱う行政当局の心がまえというものは、いやしくもくずしてはならない、これは全く私、同感でございます。  そこで、当面の話題になっておりますFM東京の問題でございますが、私も、先般来逓信委員会あるいは法務委員会では、岡沢さんの御質問にも直接接したことがあるわけでありますが、ずっとよって来たる来し方をトレースしてみたのであります。これは法律論的にいえば、私は条件をはずれておらない処理のしかたをしておるように思うのでございます。たとえば、いま御指摘の東海大学と郵政省の間にはかつて告発の問題もあった。それが関係者三人代表役員に席を連らねておるのはおかしいのじゃないか、こういう御指摘でありますが、これも一応当時のいきさつを振り返ってみますと、東海大学側が反省するところがあってその後の行政指導に従ってきた、あるいは訴訟はこれを取り下げることによって一段落ついた、こういうようなことで、形式的に申せば大体法律にはずれておるというものではなかろうと思いますが……(岡沢分科員「当時ははずれておった。だから告発された。」と呼ぶ)しかし、一応これは決着もつきましたし、という考え方に立っておるのでありますが、このいきさつを考えますときに、社会通念とでもいいますか、そういう面から見ると、これを一つの教訓として今後慎重に対処しなければならない、こういう考え方を持っておるわけであります。
  200. 岡沢完治

    岡沢分科員 仮免許はいまの井出郵政大臣時代ではないわけですけれども、本免許は少なくともいまのあなたの大臣在職中ですね。しかも、おそらく過去に例がないと思いますけれども、郵政大臣が大学を告発をする。しかも電波法違反の明白な事実として、よほどはっきりした客観的な事実がない限りは告発をされないと思いますし、法務委員会では当時法務大臣、告発当時は郵政大臣であった小林さんがはっきりと、客観的な違反の事実があればこそ告発したんだということを明言しておられます。その告発が、結局昨年不起訴になったわけでございますけれども、その不起訴になった理由の一つに、法務省の当局者は法務委員会ではっきりと、郵政当局の意向もくんでといったことを言っております。ということは、告発しておきながら、厳罰を望まないという趣旨の郵政当局の意向を反映してと私は解釈できるし、事実そういう趣旨で法務省の担当官は答弁をされております。それを聞いておられた小林法務大臣はその席で、自分としては不起訴は不本意だということを、はっきり明言しておられるわけであります。おそらく不起訴になる前に、告発人である郵政省の意向を東京地検の担当検事は聞いたはずであります。それに対する答えとしては、当然郵政大臣は御相談に乗られ、その意を体して郵政の担当官が検事に意向を申されて、その意向の結果不起訴になったというふうな解釈は、私は当然に推定として成り立つと思うのです。郵政大臣が電波行政のえりを正すという精神からいたしますれば、告発しておきながら、その円満な解決という趣旨で非常に妥協的な申し出をなさったということ自体に、私は非常な疑惑といいますか、大臣の勇気のなさと申しますか、妥協と申しますか、それは今後の電波行政に、大きく心配をさせるような姿勢ではないかといわざるを得ないのであります。  先ほど来、違反の事実はなくなっているとおっしゃいますけれども、それは電波ですから、過去の電波が生きているわけじゃございませんが、歴然たる客観的な電波法違反、しかも、その四条違反というのは最も悪質な違反だと私は考えますが、事実があればこそ告発された。しかも、それは一時じゃなしに、数年間も続けられた。それによってFM東海はばく大な利益を得たという事実関係も、明らかに出ているわけであります。言うならば、どろぼうあるいは強盗がその品物を返したから許される、しかも、そのFM東海の実情の中身はあまり変わりはないと思われるFM東京に、数少ないFM放送の免許をされるということにつきましては、国民のほうで疑惑を持つのが当然である。その手続的にも、先ほど楢崎委員から指摘されましたような、常識的に考えられない手続上の不合理さに、きわめて政治性が考えられる。十年間も申請をほうっておいて、最後の段階では一日、二日で一切の決裁をしてしまう。常識を逸した行政のあり方だと私は指摘せざるを得ないと思うわけでございますが、私のいまの意見、質問に対して、重ねて大臣の見解を聞きます。
  201. 井出一太郎

    井出国務大臣 いま最後に、十年にわたる長い間ほうっておいて、それが一夜にして急遽決着をつけた、そのあたりが何か非常におかしいという御指摘でございます。これなども、私も同様な見解を抱いてその事情を調べてみたわけでありますが、これは若干技術的な題間もあるようでございます。たとえば、チャンネルプランというものができ上がって、初めて具体的な日程にのぼる性質を持っておる。その前にこれを取り上げる場合は、却下をしなければならないというようなことにも相なるのであって、むしろその出願者の意図をくんで継続をしておいたというような事情があったようであります。  それはそれといたしまして、検察の関係が、いま御発言になったような、郵政当局の意向をもくんでというふうなことをどういう席で言われましたか、たしかこの前の速記録は私も拝見したことがあるのでありますが、これははたして検察の立場で言われるべきことかどうか、あるいはそういうことが、真実を追求した場合には一つ論争になるかもしれませんが、それはそれといたしまして、私の知る限りにおきましては、ともかく一つの形式が整って予備免許が与えられておる、こういうケースに対しましては、従来の例からいたしましても、これをくつがえすに足るような特別の立証がなされない場合は、これは本免許を延長されるというようなことでございまして、私も本免許をいたしまする際に、そういう従来のいざこざというものがすっかり解消しておるんだ、そういう認識の上に立って処置をしたということでございますが、とにもかくにも今日までこれが尾を引いて、岡沢さんからもきょうのような御叱正を受けるということは、われわれとして電波行政に対して、今後ほんとうにえりを正さなければならぬ、こういう教訓として承る次第でございます。
  202. 岡沢完治

    岡沢分科員 特に検察官が、この電波法違反の事件を不起訴にした、起訴猶予ですけれども。その理由として、確かに違反の事実が消滅している、あるいは反省の意思があるということ等をも含めておっしゃっておりましたけれども、はっきりと佐藤刑事局参事官は、告発者の意向を尊重してという明言もございました。これは記録上も明らかですし、実際に事件の担当官として、告発者の意向を尊重するということはよくわかるわけなんです。また実際、事件処理の場合に当然あり得ることだと思うのです。告発者の意向を尊重して、処分の決断に参考にするということはあると思うのです。しかし、郵政省の立場からいたしましたら、個人の立場から告発されたものでは決してない。やはり電波行政のあり方あるいは国益というものを中心にして、先ほど申しました異例の告発を郵政大臣が、しかも、相手は個人ではなしに東海大学を相手にしてなさったということについては、よほどはっきりした事実と、告発せざるを得ない義務と責任感に基づいてなされたものである。ところが結果としては、寛大な処分を検察官に申し入れられるような方法で結末をつけられた。反省の色があるなんて言いますけれども、役員その他から見ましても、また自分たちのFM東海の機材器具、設備をそのまま引き継がれたということを聞きましても、いわば居直り強盗が認められたようなもので、反省でも何でもない。大手を振ってわがもの顔でまかり通っているわけなんです。反省の色があるという見方のほうがおかしいと思うのです。こういうことがかりに例となれば、電波法の精神とか、公共の福祉を中心にして電波行政は行なわれるべきだという精神が、行政上全く生かされていない。今度の国有農地の払い下げを見ても、なるほど法律には適合するかもしれないけれども、国民感情に全く反する措置というものが、いかに政治的、行政的に間違いであるかということは、国民の反応から見ても明らかなわけです。今度の場合も、形式上合法的でさえあれば免許するんだという姿勢は、私は、電波法の、特に放送の根本基準から見て全く反すると思うわけです。ほんとうに反省されるべきじゃないか。簡単に、仮免許を前提にして特別の理由がなければ免許するんだ、これでは郵政大臣の権威、また見識いずれにありやと考えたいわけです。  この電波法違反の告発事件について、郵政省として寛大な処分を求める意向を、法務省あるいは検察官に表明されたのか、それについて郵政大臣は関知しておられるのかどうか、重ねてお尋ねいたします。
  203. 井出一太郎

    井出国務大臣 私に関する限り、郵政省からそういう意思表示をいたしたということは、どうも承知しておらぬのでございます。
  204. 岡沢完治

    岡沢分科員 郵政大臣承知しておられないなら、郵政省局長その他、だれかそのことをなさったことがあるのかどうか。なければ、法務委員会で法務省の佐藤参事官が答えたことがうそになります。はっきり事実をもってお答えいただきたいのです。
  205. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答え申し上げます。  私どものほうとしまして、起訴猶予にしてくれとか、そういったことを法務当局に申し上げたことは全然ございません。ただ、こういう状況になっているという説明は、もちろん申し上げたわけでございます。
  206. 岡沢完治

    岡沢分科員 FM東京の免許にからんでは、先ほど楢崎委員が鋭く指摘された中央FM放送との関係あるいはFM東海との関係で問題にされているだけではなしに、FM東京の社長である大野さんが、元郵政次官であった。あるいは代表取締役の一人の梶井さんが、電電の総裁であった。またやはり代表取締役の一人であります松前さんが、逓信院の総裁であった。FM東京ではなしにFM郵政ではないかという批判が出るくらいきわめて問題の多い、政治的なにおいのする電波行政が現に行なわれ、その手続も、先ほど楢崎委員の指摘のとおり、法律的にも非常に——場合によると公文書偽造。しいていえば、FM東京が中央FM放送と同じ組織であるかどうかというような点につきましても、非常に疑問点の多い手続がなされているわけでございます。  特に、われわれが客観的に、最大限好意的に解釈いたしましても、先ほど楢崎委員の指摘のとおり、十七日、十八日、十九日の三日間に、電波審議会の審議も含めまして、またこれは直接本省への申請ではなしに、関東電波監理局を通じての手続上の要素もございますが、一切の手続が進められておる。十九日の午後には新聞発表をなさっておる。どう考えても神わざとしか考えられない、あるいはまた何か意図的な要素を抜きにしては考えられないようなスピーディーなやり方をやっておる。免許をこれほどまでに急がれる理由があったのかどうか、あるいはほんとうにその期間内に電波法が要請するような審査がなされたのかどうか、私はきわめて疑問に思います。これは大臣の在職中ではございませんから、局長からでもけっこうでございますが、審査にあたっては、具体的に審査内容としてどういう点を要求しているか、実際にそれを審査なさったかどうか。特に、名前も違いますし、発起人も違いますその二つの法人について、何を基準に同一と判断されたか、明らかにしていただきたいと思います。
  207. 井出一太郎

    井出国務大臣 私から先に、ちょっと簡単に申し上げますが、四十四年の年末接近にあたって、何かあたふたとかけ込んだというような御印象に受け取られていたようでありますが、おそらくは東京、大阪、名古屋、福岡、この四大都市で同時スタートしたいという気持ちはあったと思うのであります。しかるに、首都である東京が、申請が多かったということもございましょう、最後までもたついたということから、これは早くしなければならぬ、したがって、電波監理審議会の十九日という日程に何とか合わせてというような配慮が働いたのではないか、こういう感じがいたしますし、その間ずいぶんいきさつもあったわけでありますから、三十一社なら三十一社の申請の書類に目を通すだけの時間というものは、十分にあったのではないか。したがいまして、十七日に東京の電波監理局へ持ち込んだものを、本省へ早目に持ってこい——これは役所がそこまでやるのは親切過剰ということになるかもしれませんが、そういう配慮が働いたのではないかという気もいたします。  私からそれだけ申し上げまして、あと局長からお答えをいたします。
  208. 藤木栄

    ○藤木政府委員 先ほど楢崎先生のほうにもお答え申し上げましたように、免許の申請を審査するためには、電波法の第七条に四つの条件がございますが、そのおのおのに照らし、さらにそれに基づく省令がたくさんございますが、そういったものを十分審査いたしまして、最初の中央FM音楽放送といったものが改定された東京FMというのに予備免許を出したというわけでございます。
  209. 岡沢完治

    岡沢分科員 局長、あなたは良心的に、慎重に十分審査して、この仮免許を許す答申というか、大臣意見具申をしたとほんとうに言えますか、常識的に考えて。結果としては、私、先ほど申しましたように、いわゆる当該の、免許に最も関係のある、電波法違反で郵政省が告発をしておる——当時告発中ですからね。その対象である東海、東海大学の理事長以下理事二人も入っておる、これを見落として、しかも根本基準からいって、電波法が法律上要求している公共の福祉に最も適合したものを優先させるという免許の行政を実行したと、ほんとうに言えますか。また、中央FM音楽放送とFM東京が同一であるという認定について、これは法人の発起人の組織というものについては、株式にいたしましても、財産関係にいたしましても、あるいは代表の選定にいたしましても、いろいろ法律的な知識が要求されます。そういうものを、先ほど来繰り返しておりますように、数時間でほんとうに審査ができますか。正しい審査なら、問題にされるような役員構成とか、あるいはまた、この申請が無効だから取り消せというような訴訟が起こされるような疑問の生ずる審査結果にはならないはずだ。私は、局長だけを責めるのは酷なことは十分承知しながら、やはり良心的にお答えになるのが最も正しい国家公務員としてのお立場ではないかと思う。ぬけぬけと十分に審査しましたなんてほんとうに言えますか。たとえばいま郵政大臣は、少なくとも従来の三十一社については十分審査の期間もあったとおっしゃる。その最後に残された中央FM音楽放送の申請の付属書類には、発起人会の申し合わせ事項というものもついておったはずです。その発起人会申し合わせ事項の四項には「定款原案の作成、無線局認可の申請その他会社設立に関する事務的手続は梶井剛、中山次郎、春日由三、松尾昭彌の四名に各委任し、主要事項については発起人会で決議する。」とあるが、こういう大事な変更について、FM東京には発起人会の決議録でもついておりましたか。  先ほど楢崎委員が御指摘になりましたように、全くの他人が別の法人を僣称して申請したのを結果としては認めたという解釈も成り立つ。また、そのことが問題になってすでに裁判も起こされておるようですが、そういうことを全く見落として、簡単に一日や二日で一切の手続を終わる。常識上、これが厳正で十分な審査だというお答えは、私はどう考えても強弁過ぎる、勇み足過ぎる。すなおにあやまられるならまだわかりますが、これが十分審査された結果だとしても、先ほど申し上げましたように非常に疑問が多い。電波法の精神に少なくとも反する。電波法に反するとまでは言い切れないかもしれませんが、精神には少なくとも明確に反するような会社に数少ない電波を許可される。私は、国民の一人としても、国会議員の一人としても、どうしても納得できない。もっとすなおな、謙虚な御反省があってしかるべきじゃないか。これで十分だとおっしゃるならば、今後の免許行政について、国民としてもわれわれとしても心配でたまらない。これは郵政省なんか全く信用できないと見るのがほんとうじゃございませんか。重ねて答弁を求めます。
  210. 藤木栄

    ○藤木政府委員 お答えいたします。  先ほどの、最も公共の福祉に寄与するものが優先するという点でございますが、これは二社以上の申請がありましたときの、いわゆる競願を処理する場合でございまして、(岡沢分科員「三十一社を無理にしぼっているじゃないですか。」と呼ぶ)三十一社が一本化されたという状態でございますと、これに対してどちらを優先するという条項は入ってこないわけでございまして、その三十一社が一本化されたものにつきまして私どもは十分審査したわけでございます。審査はもちろん電波法の規定に基づきまして審査しておるわけでありますが、ただ、こういった三十一社という多数のものを一本化するという手続、これはお願いしたわけでございますが、そうした手続自体につきまして、現在のようなやり方がいいかどうかという点については、確かに、私どもとしましてもさらに検討する必要があるということは思っておりますので、そういった点は謙虚に検討したいというふうに考えております。
  211. 岡沢完治

    岡沢分科員 もう持ち時間があと一分くらいですからやめたいと思いますけれども、無線局開設の根本基準の、最も公共の福祉に適合したものを優先させる——一つにしぼっておきながら、選択の余地がなかったからこれを選ぶよりしかたがなかった。競争の原理というものはもちろん局長も御存知だと思います。三十一社もある中から選べばもっといいものが選べたはずなんです。この公共の福祉に優先する放送を実行してくれるかというのは、その会社を動かすのは人ですから、人の選定がやはり重要な要素を占めると私は思う。その社長、これはもとの郵政次官です。これは私はあえてこの際そういう前身を問いません。しかし、代表取締役の三名までが現に電波法違反で悪質な違反者として告発中である。そういう人が代表者の中の五分の三、過半数を占めるような会社が最も公共の福祉に優先する免許だ。これはどう考えても私は強弁としか考えられない。あえて意見があり反論されるなら、郵政大臣から御答弁を求めてもけっこうですが、御答弁がないなら、これは持ち時間がまいりましたから別の機会にあらためてただすことにさしていただきまして、私の質問を終わります。
  212. 井出一太郎

    井出国務大臣 きょうは時間の制約があるようでございますが、私は、決して、この時間さえたてばそれで事が済むというような考えではございません。きょう伺ったことも、十分今後の電波行政の参考としたいと、反省をいたして承ったわけでございます。
  213. 岡沢完治

    岡沢分科員 反省ということばを聞いて、質問を終わります。
  214. 太原幹夫

    ○太原説明員 楢崎委員の御質問のうち、調査を申しつけられましたことにつきまして、調査結果を申し上げます。  中央FM音楽放送株式会社の訂正届けは、私が先ほど申し述べましたように、昭和四十四年十二月十七日午後五時ごろ、関東電波監理局に提出され、同日午後八時ごろ関東電波監理局より本省に送付され、本省で受領しております。受領したあとにおきまして、当該書類を郵政職員以外の者の手に渡すとか、また、郵政職員以外の者に持ち去られたということはありません。  以上でございます。
  215. 大野市郎

  216. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 私の質問は、きわめて一般的な、電話がなぜつかないのだろうかという問題についてでありますけれども、それは、御承知のとおり、今日電話をつけてもらいたいという国民的な願望、特に国民生活の手段として欠くことのできない生活必需品となっている電話の問題です。おそらく米澤総裁は、それは耳にたこができたと言うかもわかりませんけれども、この委員会では、ひとつもっと真摯な気持ちで、何とかほかに方法がないかどうかについて前向きで検討願いたい、そういう意味から質問させてもらいたいと思います。  原則的な問題ですけれども、いま、一般加入電話のうちの住宅電話がなかなかつかない。申し込んでも二年三年かかる。これを解消する具体的な方策として、電電公社はどんなふうな計画をお持ちなのか。拡充七カ年計画などともいわれておりますけれども、そういうものではとうていこれが短時日のうちに解消できるとは思われませんので、もう一度その点をお伺いしたいと思います。
  217. 米澤滋

    ○米澤説明員 電電公社といたしましては、現在第四次五カ年計画を進めておりまして、いま予算案として国会へ出ております四十六年度がちょうど第四年目になるわけであります。  ところで、第四次五カ年計画におきましては九百三十万の加入電話をつけるということで進めてまいりましたが、それではこの積滞に対して対応できないということで、昭和四十五年度、すなわち本年度の予算以来それに百万をプラスいたしまして、九百三十万にプラス百万ということで一千三十万個の加入電話をつけるということで進めております。公社計画というものはやはり年度年度の予算によって固まってくるわけでありまして、たとえば四十五年度でいいますと、先ほど来の加入電話の弾力の五万がプラスされましたので、最初の第四次五カ年計画の当初の計画よりも四十五年度において三十万プラスされることになります。それからまた、四十六年度におきましては、最初考えました計画よりも、今回提出しております二百四十万の加入電話は三十五万だけふえておりまして、したがいまして、四十五年と四十六年を足しますと結局六十五万の電話がふえるということで進めておりまして、私たちといたしましてもその点は努力しておるということは御了解願いたいと思います。  それから、さらに七カ年計画の問題に触れまして申し上げますと、七カ年計画は四十六年から五十二年にいく計画でございまして、そのうちの四十六年と四十七年は、いわゆる改定第四次計画を引き継いでおるわけでありまして、積滞の解消というものは非常に大事な問題でありますので、いわゆる七カ年計画の末、すなわち第四次五カ年計画になお五年プラスされました第五次五カ年計画の末におきまして、全国的規模においてこの積滞数を解消しようというふうに考えております。しかし、もうすでに、東京都の二十三区等におきましては、昨年の暮れあたりで積滞等がもう二万台ちょっとくらいでありまして、もう大体東京都の二十三区あたりは申し込んだらすぐつくという状態でありますし、それからまた、大阪のまん中もやはりそういう状態になっております。すなわちこれが全国一斉になるというわけではありませんので、どうしてもやはり、集中しております、都市化している部分から先に積滞が解消されていくということでございまして、われわれといたしましては努力はしておるということを申し上げたいと思います。
  218. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 少し数字を伺いますが、昭和四十四年度末における積滞の数と四十五年度に架設をしたいまの三十万プラスですかを合わせて、四十五年度には全部で何万つくことになるのですか。
  219. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 お答えいたします。  四十四年度の積滞は二百八十五万でございます。四十五年度中に架設をいたします予定数は二百十五万でございまして、したがいまして、この五万の中には、先ほどちょっとお話がございました弾力の五万が入っております。
  220. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 そこで、四十五年度末における積滞の見通しといいましょうか、それは大体のところはどれくらいになるでしょうか。
  221. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 大体二百九十五、六万だろうと推定いたしております。
  222. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 そうしますと、この積滞の数はむしろ年々ふえていっておるというような勘定になるのですが、かねて、この逓信委員会においても積滞を早く解消せよという決議等もなされておりますが、この積滞が解消できない大きい理由は何なんでしょうか。
  223. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 おっしゃいますように、ここのところずっと毎年積滞数がふえておりますけれども、これは端的に申しますと予想以上に需要数がふえておるということでございます。ただ、私どもの見込みでは、来年度四十六年度になりますと、公社始まって以来かと思いますけれども、四十六年度末の積滞数は初めて四十五年度末の積滞を下回るんじゃないかと思っております。
  224. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 特にいま総裁からもお話がありましたが、東京、大阪という地域においては、大体申し込めばつくという状態になりつつあるとのお話でございましたけれども、われわれの九州のいなかのほうでは、申し込んでつくどころか、一般住宅電話は三年は待たねばならぬというのが今日の常識になっておるわけです。非常に大きい公社の仕事の中でも、地域によって非常に不便を受けなければならない状態にありますし、特に、いまお話になりました農村関係でありますけれども、この地集と呼ばれる、かつての農集と呼ばれた電話の架設の基準と申しましょうか条件といいましょうか、これは大体そういうものがあるのかないのか聞かしていただきたいと思います。
  225. 井上俊雄

    ○井上説明員 ただいまのお尋ねの地集の架設計画でございますが、これは、おおむね二百名前後以上まとまった需要がありました場合には、それに対して一〇〇%直ちに工事計画を開始することにしております。
  226. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 二百名という範囲はどういうものになるわけですか。どの地域で二百名ということになりますか。
  227. 井上俊雄

    ○井上説明員 たしか、半径おおむね四キロ程度以内にコンデンスした場合と記憶しておりますが、ちょっとさだかでありません。
  228. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 そうしますと、今日特にいなかのほうでは過疎現象を起こしておりますが、いまおっしゃいました基準の中で、かりに半径四キロなら四キロの基準の中で電話をつけたいという、地集を希望する人が百五十戸加入申し込みがあったとすると、過疎現象はますます続いていくわけですから、言うならば、いまの公社計画によっては、いつまでたっても地集、農集はつかない、こういうことになりますが、いかがでしょうか。
  229. 井上俊雄

    ○井上説明員 これは一応の基準でございますが、具体的にはケース・バイ・ケースでございまして、大体百五十から六十の申し込みでもほとんど御希望に応じられておる状況であると思っております。
  230. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 その基準が実は問題だと思うのです。それが二百であろうと、百であろうと、そのことはさほど大きい問題ではないと思うのです。その地域に、かりに基準を百としても、八十世帯しかない場合には、これは今日の過疎状態では永久に百になることはまずあり得ない。八十が七十、六十に減っていってもふえることはない。そういう地域では、かりに公社が基準を逐次引き下げていくと仮定しましても、地集を希望するその地域におる方々は、当分は電話をつけてもらう可能性は出てこないということになりましょうが、どうでしょうか。
  231. 井上俊雄

    ○井上説明員 電話の需要の建設状況に対応して、それに対して充足をはかるということでございまして、具体的にまとまった集団的な地集地域に対してはそうでありますが、極端に小さいところは、いわゆる十世帯とか二十世帯の電話部落がございます。そういう部落に対しましては、完全に解消する、およそ希望のあった部落は全部つけるということで進めておりまして、それにつきましては需要と供給はバランスしておるという状態でございます。  また、その中間の数十名とか百名とかいう注文のあるところに対しましては、いわゆる委託局の加入区域あるいは特別加入区域といたしまして、現在の加入電話サービスでおおむね供給しておる、こういうことでございます。
  232. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 いまの点、ついでですからちょっとお伺いしたいのですが、いわゆる加入にあたって、特別区域というか、特別電柱などの料金を取る区域がありますね。いまのお話では、そういう特別加入区域にあっては、そういうことで加入を申し込んだ者の負担はかなり大きくなると思われますが、その点はどうなんでしょうか。
  233. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 結果的にそういうことがいえると思います。しかしながら、特別加入区域につきましては現在検討中でございまして、今後早晩前向きの姿勢で修正はしなければいけないとは思っております。
  234. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 わかりました。  それでは続けて質問させてもらいますが、いま、電話加入区域の問題について、いわゆる行政区というものを非常に重視をされておるようであります。しかし、実際問題としては、いなかのほうの行政区というものは非常に入り組んでおりまして、一つの行政区の中に電話をつけるのに他の行政区の中を通っていくというような実態がしばしばあるけれども、公社の方針が行政区を中心としておるために、自分の家のところを電話線が通っていくのに自分のところにはつけてもらえないというような実態もしばしば起こってきておりますが、これは少し融通を持たせて、行政区が変わっても、そこにたまたま架設が行なわれるときには一緒につけてやるとか、そういう方法は考えられぬものかどうか、お伺いいたします。
  235. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 現在の加入区域という制度、あるいはそれに伴いまして必然的に出てくるところの先ほどのお話のございました特別加入区域という制度は、いずれも、いまお話のありました設置の場合の費用の問題のほかに、従来は料金の問題がございました。したがいまして、この二つの性格を両方満たすために——また、かたがた、行政区の変更などについていけないという状態があったわけでございますので、今度私どものほうで広域時分制という制度をとりまして、料金面におきましては現在の加入区域の制度と無関係になります。したがいまして、加入区域の制度が今度の設置の費用の問題だけに限定をされますと、先ほどちょっと私が申し上げましたように、いま阿部分科員のおっしゃいましたような点も前向きに検討することが非常に楽になりますので、近い機会にぜひそういう形に直しまして、いまおっしゃったようなケースはできるだけ少なくなるように措置することができるかと思っております。
  236. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 念のためですけれども、そういう形で前向きでやるということは、かりに行政区が変わっておっても、今度広域時分制をとれば料金の差はなくなるから、したがって行政一区と加入区域の違いは調整をしていけると、そう理解をしてよろしいわけですか。
  237. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 おっしゃるとおりでございます。
  238. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 次に、先ほどお伺いしたのですが、二百九十万程度の積滞がある実態の中で、今度の公社の案によりますと、設備料の値上げを三万から五万にやられるということになっておるようでございますが、本来、この積滞というものは、本人が好んでそうなっておるのじゃなくて、せっかく申し込まれたけれども、公社のほうでつけてやれなかったという実態がある。加えて、東京、大阪の場合はすぐつくということになりますと、東京大阪に住んでおる人は安いほうの施設料でつけてもらうことができるが、公社の都合で延ばされて電話がつかなかった上に、設備料が上がったということはむちゃな話だと思うけれども、従来申し込まれておるものの設備料については従来の価格で措置をするということについて、具体的な問題として公社のほうで検討されておるかどうかお伺いしたいのです。
  239. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 そういう御要望もしばしば承るのでございますけれども、それを実際に運用いたしますことは非常にむずかしゅうございます。そこで、私どものほうでは、前回三万円に値上げをさせていただきましたときと同じように、やはりある時点で区切りまして、前の方とあとの方とは区別しないと技術的にどうしてもできない、こう思っております。
  240. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 総裁からお答え願いたいのですが、いまの答弁では私は納得ができないのです。ある時点で区切るとすれば、申し込みをしてあるかしてないかということによって区切ることも可能であるはずなんです。そうなりますと、むしろ加入申し込みをしている側からいうならば、長い間申し込んで電話がつかなかった上に、なおかつ設備料が上がった。加入者にとっては非常に迷惑な話だ。少しまけてやるというと語弊がありますが、せめて申し込んであった分については従来の設備料でサービスをしてあげましょうというくらいの配慮はしてやるべきだと思うのです。そのことが公社の収入にとって決定的な欠陥になるとは思わないので、総裁からそこのところは何か措置できないかどうかをお伺いしたいのです。
  241. 米澤滋

    ○米澤説明員 ただいま阿部委員が御指摘のような問題は、確かに、国民感情といいますか、そういう点では理解できる面もあるわけでございますが、先ほど営業局長お答えしましたように、実は、この問題は前回のときにもやはり一応問題にして、何とか対策はないかということで公社内でもいろいろ検討いたしました。しかし、優先設置基準のやり方というものにつきまして、これは、住宅というのは、事務用がつかなければある加入区域では一切つかないというものではございません。したがって、たとえば同じ住宅でも、現在三年なら三年たったものはむしろ順位が上がっておりまして、これはいまある積滞でもおそらくどんどんつく可能性がまだあるのじゃないか。したがって、この予算が今度認められますと、結局二百四十万戸加入電話をことしの四月以降一年間につけるわけでありますが、四月、五月に大体十二分の二だけ受理をするわけであります。その中に地域的に住宅電話は相当まじってくるのではないかというふうに私は考えておりますので、事務用が全部つかなければ住宅は積滞の中で一切つけないということはない。ですから、十二分の十二の中で住宅もある程度入ってくるのだということでまず御了解願いたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  242. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 それはなお私は問題だと思うのです。たまたま四——五月に入ったから設備料の安いのでつけてもらえる。それで入らなかったから、やっぱりおそくなった上に高い設備料を取られる。しかも、それが全国的な水準でなされておればまだ言いのがれができるのですが、全国的な水準でなくて、地域によって、東京、大阪などは早い上に安いのでついて、郡部のほうでは二年も三年も待たされた上で、しかも高い設備料を出さんならぬとすれば、かりに前の設備料の改定のときにそうであったからといって、今日なおかつそれを、誤っておると言うと語弊がありますが、妥当でないと思われるものをことさら前のいきさつ上踏襲されなくてもいいではないか。それはしゃくし定木であるから、この際勇断をもって、少なくともいま申し込んであるものについては従来の三万円の設備料でつけてやろうというくらいの思いやりのある措置を公社は今日とるべきだ、待たせたという点からもとるべきだと思うのですが、どうでしょうか。
  243. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 確かにおっしゃることは十分わかっておるつもりでございますけれども、実際問題として、それをいたしますと、見込みの申し込みと申しますか、そういうものが非常に殺到するという問題、あるいは変なことばでございますが、業者がそういう見込み申し込みをするというような問題をどうするかということで、事務的に非常に複雑な問題がございます。  いま総裁が申しましたけれども、阿部委員の御印象の中に、東京などの大都会の人は早くついて地方の人は非常におそいというような御印象、あるいは事務用が非常に早くついて、あとで待たされて五万円の設備料になるのは全部住宅用じゃないかという御印象、これがあるのじゃないかと思うのですが、その点は全然ないとは言えませんけれども、いま申し上げましたように、それぞれの地域で事務用が全部つかなければ住宅用がつかないというような形じゃなくて、住宅用の待ち合わせ期間というのと事務用の待ち合わせ期間というものを調整いたしております。したがいまして、そういう点は全然ないとは申しませんけれども、そう激しいあれはないと思います。  もう一つは、私どもは、今度の設備料の改定によりまして、そういう形ではなかなかできないけれども、やはりそこで値上げをするわけでございますから、見返りといいますか、何かなければいけないのじゃないかという点で、今度は、一ぺんおつけになりました電話をよそへ移転をする際、実際は持っていかれるのじゃなくて新しい土地でまた電話を申し込まれますのですが、従来はそれに対して債券あるいは設備料をまたいただいておりました。しかし、今度の場合は、そういうことはやめて、全国どこへ行かれましても二度と設備料、債券は取らないという面で、値上げをした以後の方々に対してはそういうサービス等で埋め合わせをしていくといいますか、そういうケースは住宅用に非常に多いと私は思いますので、そういう点で御了解願えるのじゃないかと思っております。
  244. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 私は何も住宅用と業務用と分けて話をしているわけじゃないのです。地域差が非常に大きいということを指摘しておるだけで、たとえば昭和四十四年度末における積滞数は二百八十五万、昭和四十五年度中につけたものが二百十万プラス三十万。そうすると、どんなに悪くても一年待てばつかなければならぬ、数字の上ではそういう問題になる。しかし、現実に三年も待たされておるところが非常に多いという実態ですから、これから年度内に申し込んだものについては従来の設備料でよろしゅうございますと——見通しですから、どこまで申し込みがあるかわかりませんが、少なくとも四十五年度末までに申し込んだものについては従来の設備料でよろしいとなれば、何もいろいろな業者が立ち回ったりする心配はないはずですから、技術的にそれが不可能だとは私は思わないのです。そこに何か一つの時期を切りさえすればそれが可能になってくると私は思うのですが、どうでしょうか。
  245. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 それが非常に固定した、たとえば四十五年度末の積滞だけ境にしてつけます場合にはそういうことも可能かと思いますが、その間にまたどんどん新規の需要も出てくるわけでございますね。その中にはむしろ順位の高いものもあるし、低いものもある。その仕分けがなかなかむずかしいと思います。
  246. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 要するに、四十四年度末なり、あるいは四十五年度末でもけっこうですが、どこかでもってぽっと切って、それが営業用であろうと、住宅用であろうと、それまでに申し込んだものについては従来の設備料でよろしゅうございますと切りさえすれば、そうむずかしいことじゃないのじゃないですか。
  247. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 そういう切り方をすれば、それは数字的にいえば非常にやさしいと思います。
  248. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 総裁、いま事務当局のほうとしては、遠藤局長のほうから何とかできぬことはないというのですが、総裁の決意をひとつお聞きしたい。
  249. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 だた、そういう切り方をして皆さんに御納得いただけるかどうかということですね。この点につきまして、私どもとして十分考えなくちゃいけないと思います。
  250. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 これは納得がいくもいかぬも、値を上げること自体をみんな決して喜んでいないことは間違いないのですから、そのうちの従来待たした分について、従来の価格でよろしゅうございますと言われて反対する国民がいたらお目にかかりたいと思うが、どうでしょう。
  251. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 私が申しましたのは、今度は境目がそれに当たらなかった方ですね。その方との関係ということも十分考えなくちゃいけないと思います。
  252. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 局長、それは理屈にならぬです。どこかに境をつくらなければならぬということは間違いないでしょう。いまおたくでつくっている境は六月一日でしょう。六月一日以降に架設する分については上げるのですから、どこかへ区切りはつけなければならぬのです。だた区切りのつけ方として、私が指摘したように、いままで長く待たせたがつかなかった方に、しかも高い施設料を取るのは酷ではないか。しかも、それが公社の収入に決定的な欠陥を与えるようなものではない。たとえば広域時分制で三分七円を十円に上げるというのをやめて七円にしたけれども、この生んでくる収入は膨大な額になる。これは私は勘定していますが、六百億ぐらい違うはずです。こういうことで、公社がこの設備料を全部やったとしたってたいしたことはないでしょう。これは全部やったって四百八十億でしょう。だから、そのうちの一部になるわけですから、したがって、これは私はできぬ話ではないと思う。長い間待たせた公社としては、この際国民に対するサービスとしてひとつ決断をもってやってもらいたいと思うのです。どうも、事務的にも不可能ではないと言うのですが、これは総裁の決断だと思うのです。どうでしょうか。
  253. 米澤滋

    ○米澤説明員 先ほどちょっと最初の答えについて申し上げたいのですが、広域時分制につきましては、収入は四十四年度ベースで約百六十億ぐらい入ります。しかし、それになお四十億プラスして二百億ぐらい入りますけれども、しかし、同時にそれは隣接圏区域に……。
  254. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 それはいいんです。ぼくが言ったのは、十円に値上げしたときに六百億の増収と言ったので、それはいいのです。
  255. 米澤滋

    ○米澤説明員 次に、いまのお話は、いろいろ検討しましたところでは、事務的に結局これはきわめてむずかしいということであきらめておるわけでありまして、お気持ちはよくわかりますけれども、これはやはり困難だというふうに思っております。
  256. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 これ以上追い詰めるのは酷だと思うのですけれども、しかし、いまの話の中から想定できるのは、これはここにおるどなたが聞いても、事務的にそれが困難だという理屈はやはり成り立たない。しかも、時期の切りようによってはだれからも不服は出ないし、今後変なブローカーあたりが中に入ってきてどうこうするというような心配もないし、いまちょっと申し上げましたように、かりに広域時分制によって七円が十円に上がれば六百億の増収があるはずだったのが、これが上がらなかった。六百億の歳入欠陥になっても、全体の中ではやりくりができないことはないわけなんですから、いまの設備料の三万を五万にする程度のものをまけたからといって、それで公社歳入に決定的な欠陥はないでしょう、こう申し上げたわけですが、これはひとつ検討課題にしていただいて、次の逓信委員会などでやっていただきたいと思います。それでようございましょうか。
  257. 遠藤正介

    ○遠藤説明員 次の機会までに、もう少しはっきり、いろいろな面からこれは非常にむずかしいということを御納得のいくように私から説明をさせていだたきます。
  258. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 最後にこれはお願いしたいのですけれども、先ほど総裁から御説明いだたきました拡充七カ年計画で、昭和五十二年度になれば申し込んだら大体電話がつくようにというお話でごさいましたけれども、弾力条項の適用なり——画像通信といいますか、テレビ電話とか、そういうものよりも、まず電話を先につけてもらいたいというのがいま国民の願望なんですから、したがって、そういうものに回す設備投資があるならば、それをなるべく電話架設のほうに回していただいて、せめて昭和五十年を目途に、申し込んだらつく電話という方向での検討を特に公社一体となってお願いしたいと思うのですが、どうでしょう。
  259. 米澤滋

    ○米澤説明員 先ほど申し上げましたけれども、公社といたしましては、いまの第四次五カ年計画の完遂ということが最大の当面の眼目でありまして、したがって、本年度二百四十万をつける、来年度は二百七十万つける、これは結局予算を認めていただかないとつけるわけにいかないわけでありまして、これに全力を注いでいく。七カ年計画というものは将来に対する一つの大きな展望でございまして、たとえば四十七年度末において積滞がなお予定よりふえるようなことがあれば、これは千九百七十万つくる加入電話を修正することは私はしていいんじゃないかというふうに思っております。いまのところ、本年度に二百四十万つけること、これに全力を注ぐ、来年は二百七十万つける、こういうことで進んでいきたいと思います。
  260. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 私が申し上げたのは、その公社計画計画としてけっこうですけれども、たとえば弾力条項を適用するなり、それから申し上げたように、七カ年計画などといっても、第四次の五カ年計画か途中で拡充——これは変更と言うとしかられますけれども、変更して拡充七カ年計画にせざるを得なかったし、当初の電話の積滞解消の見通しにしたって、あやまちを公社がおかしていることは間違いがないと思うのです。あやまちがないというなら、四十七年から四十八年までには公社は積滞を解消するという大体の考えがあったはずなんですから、それが五十二年まで延びたということはやはりたいへんなあやまちと言わなければならない。したがって、いまそのことをとやかく言おうと私は思いませんけれども、かたくなにならなくて、かりに七カ年の計画があるからといっても、可能な限りその中で積滞の解消をするという方針を検討してもらいたい。それは私の要望ですし、国民の願望だ。そのことを特にお願いしたいので、総裁の御決意を承って質問を終わりたいと思います。
  261. 米澤滋

    ○米澤説明員 だたいまそういう御意見でございましたが、本年も弾力条項で五万ばかり通っておりますし、また明年も、許せば弾力条項を少しでも発動いたしまして、幾らかでも推進させたいと思っております。
  262. 阿部未喜男

    阿部(未)分科員 どうもありがとうございました。質問を終わります。
  263. 大野市郎

  264. 土橋一吉

    土橋分科員 昨年の十二月の二十三日以前における電電公社の当初案、今年度の予算並びに事業計画においては、特に慶弔電報が非常に不都合な料金の内容を含んでおったのですが、慶弔電報ということについては、国民一般にかなりいま普及もされておるし、また、慶弔電報が電報の分野に占めておる内容は約三三%という報告を皆さんがしておられるわけです。今日、電信機構について改革をしようという中で、業務用の電報はもちろんでありますが、特に、この慶弔電報は、わずか三三%を占めておっても、これを利用する国民は非常に多いわけです。また、このことが社会の生活に非常な好影響をもたらしておったと思うわけです。しかし、それをたいへん高い料金で計上しておるということについてはわれわれは反対しておった。ところが、どういう関係か知らないのですが、大蔵省あるいは郵政大臣、あるいは経済企画庁長官などのいろいろな話し合いによって、突如としてこの問題は今年度の内容から消え去ってしまっておるという状況であります。慶弔電報はすべての国民に今日まで二十数年にわたって活用されておったわけですが、どういう事情で突如これが今度の説明から漏れたのか。電電公社も、郵政大臣も、おそらく事前に話し合いがあってこれを出したものでしょうが、どういう経過で、どういう関係でこれが突如として消えたのか。この点をまず総裁から、あなたは御承知になっておるはずだから、どういうわけだったかという経過の結末を説明していただきたい。そしてまた、郵政大臣もこれは無関係じゃないわけです。あらかじめ話し合っておいたものが、突如としてそれがなくなってしまうという不明朗な内容を含んでおるように思うので、その経緯、経過について説明していただきたいと思うのであります。
  265. 井出一太郎

    井出国務大臣 突如として消え去ったという表現をされましたが、実を申しますと、電報のコストがたいへん高くなっておることは土橋さん御承知のとおりでありまして、一通当たり七百円くらいに相なると聞き及ぶのでございます。しかし、コストを償うというところまでいっときに持っていくということも非常な抵抗がございましょうが、しかし、電報の料金自体を現状のままで放置するということも実は不可能な段階になってきておるわけでございまして、したがって、公社の当初案は、せめてコストの半分くらい、三百五十円というような数字を記憶しておるのですが、そこいらまでひとつ上げさせてもらいたいという公社のお考えであったようでございます。しかし、それも公共料金ですから、先日来あなたからおしかりを受けているように、いきなり三百五十円じゃこれまたたいへんなことじゃないか、むしろこの制度を一般の電報の中に吸収してしまうほうがいいじゃないか、そうすれば百五十円という頭打ちになりますから、そのほうがこの際はむしろ国民の皆さまに低廉な電報を使っていただくということからいいのではないか、こういう意味から出た次第でございます。それが政府の考え方でございます。
  266. 米澤滋

    ○米澤説明員 お答えいたします。  電電公社といたしましては、昨年の九月に概算要求を郵政大臣に提出いたしましたときに、電報につきましては、近代化をはかっていく制度上のいろいろ問題の点、あるいは電報以外のたとえば電話であるとか、あるいは加入電信であるとか、そういうほかの通信手段がすでに非常に発達してきているときに、時代にそぐわなくなってきているものをむしろ改めたほうがいいという制度上の問題、それから、同時にまた料金に対しましても、昭和二十八年以来十八年間いじっていない、これに対してもむしろ合理化をしようということで、一般の電報につきましては、いま二十五字打ちますと九十円になりますが、それを百五十円にする、慶弔電報に対しましては、原価の半分だけいただこうということで、三百五十円という案を出した次第でございます。ところで、これにつきまして、政府のほうも、物価対策とかその他の面でいろいろ方針をおきめになりまして、最終的にはただいま大臣お答えになりましたように、一般の電報の中でも慶弔電報を打とうと思えば内容的には打てる、いわゆる代替手段がないというわけではないということで、三百五十円はあまり高過ぎる、上がり方が激し過ぎるということに対しまして、公社もその意見に従いまして賛成いたしまして予算を出した、こういう経緯でございます。
  267. 土橋一吉

    土橋分科員 私は当時の状況について、新聞をみな持ってきておるわけです。この事実に基づいてお話を申し上げたいのですが、電電公社の経営については、経営委員会が内閣の任命によって行なわれて、しかも、これは不羅独立の体制をとりながら、郵政との関連においていろいろやってきている。そこで、慶弔電報が三百五十円というようなべらぼうな高い値段で出してきたということについては、先ほどるる申し上げたようにわれわれは反対であるけれども、慶弔電報を温存しようということで出してきたものが、いまの郵政大臣のお話を承ると理由の説明にはならない。もし、これについて郵政大臣が賛成をして出したものが急にどこかでそういうことになってきたとするならば、その経緯をやはり明らかにしなければならない。ところが、新聞の報道によると、一部の政党が何か通信部会というものをつくっておって、その通信部会の圧力でそういうことになってしまったというような報道が間々行なわれているということは郵政大臣も知っておられると思うのですよ。せっかく電電公社が権威をもって、経営委員会の決定に従って、郵政大臣と了解を得ながら政府に提案をしたものが、ある政党の圧力がそこに介入してどうだこうだということが新聞に報道されておるのですが、これが事実であるかどうか、郵政大臣ひとつ説明していただきたい。
  268. 井出一太郎

    井出国務大臣 ある政党という御表現はたいへん含蓄があるようでございますが、これは政府与党でございましょうか。(土橋分科員「どの政党でもいいから」と呼ぶ)そういう感触があったということは、私も承知をしております。しかし、その圧力ということではなくして、料金は政府が公社の意向をくみ取りつつ決定をするということでございますから、言うならば政府の責任ということで、これが当面国民に負担をかける度合いも一番少ない方法ではなかろうかと、こういうことで決定をいたしたわけでございます。
  269. 土橋一吉

    土橋分科員 ある政党と言ったのは、その政党の名誉のために私はこの委員会においては発言していないのですが、そのある政党の通信部会がどうしたこうしたということが新聞に載っておるわけです。これは閣議とか、あるいは企画庁長官とか、あるいは経済関係に関する閣僚が相談をした結果こういうことになったというならば、ある程度これは担当の者であるからわれわれ了解できる。しかし、ある政党の通信部会とか、ある政党がどうこうしたというようなことを新聞に公然と書かれておるということを見るならば、電電公社の総裁は、いま私が申し上げたように、電電公社の組織法の基本原則からいっても、そのようなものに屈する理由もなければ、また、郵政大臣と事前に話し合いを進めたものがそういうところでくつがえる理由もない。そうなってくれば、電電公社の総裁としては、がんとして自分の提案したものが正しいと考え、事前のそういうものをやっておったにかかわらず、急にへなへなとしてしまって、そしてこれを黙ってしまったとしか考えられない。そういうことは電電公社の総裁の地位から見ても、また、国民が期待をしておるあなたの今日までの業績に対しても、まことに遺憾といわなければならぬのですが、総裁、どう考えておりますか。
  270. 米澤滋

    ○米澤説明員 公社といたしましては、昨年の八月に経営委員会を開きまして、昭和四十六年度の概算要求を郵政大臣に提出いたしました。公社法では、郵政大臣に提出をいたしましたものがそのまま認められるということは——予算というものは、これはまた別に郵政大臣が大蔵大臣と協議して、そして閣議の決定を経て、政府の予算と一緒に公社予算が国会に提出されるという形になっておりまして、公社の要望をそのまま郵政大臣が閣僚としてお認めになったわけではないのでありまして、私どもといたしまして、こういうことをしてやりたいんだということで提出いたしたのが九月の時点であります。しかし、最終的には政府は三百五十円というものは認めないという御方針に従いまして、公社もそれに賛成をして、百五十円の一般電報だけ出した。時期はまたそのときに、最初はたしか六月一日からやるというのを、物価対策の面からいたしまして来年の三月一日からやる、そういうふうに時期もずれた。この両点があってそのようになった次第であります。
  271. 土橋一吉

    土橋分科員 十二月二十六日の朝日新聞にもそのような内容を報道しております。また、同じく二十六日の東京新聞でも、ある政党の部会などがきめたというふうに書いてあります。また、同じくサンケイ新聞の同月二十六日のものを見ても、そういうことが明確に書いてあります。ほかは省略いたしまして、これら大新聞がみんなそういうことを書いております。そうすると、ある特定の政党の通信部会とか逓信部会というようなものをつくっているところがえてかってにそんなことをして、電電公社の総裁ともあろうものが、また郵政大臣がそういうものに屈してしまうということでは了解できないという点を私は主張しておるのであって、やはり決定すべき正式の機関である閣議あるいは経済関係の閣僚、そういうところでやったというならば、これは当面の責任者であるからしてやむを得ないけれども、一政党のそういう部会の決定に従ったということは一体何事であるのか。ここが、電電の総裁として、将来いろいろな問題が起こってくる場合にも注意をしなければならぬ問題ではないかというふうに、私は考えておるのであります。  さて、続いて、あなたのほうの小会社とも思われるような電信電話業務研究所というのがあるでしょう。ここで中林正夫運用局長が中心になって座談会を開いております。これはそういうこともあったと思うのです。その中の内容から推察すると、国民大衆がひとしく願っておる回線を、ある意味において、つまり佐藤自民党政府のいわゆる新全総計画とか経済社会発展計画に沿うようなために、大衆の犠牲においてこれを切り落としてしまったというような内容が推定できる部分がたくさんこの中にあるわけです。そうなってくると、慶弔電報という国民がすべて望んでおるものも、ある政党の部会においてやめちゃえと——大資本家に奉仕をするために、特にデータ通信などの建設のために、そんなことをやっておるよりはこっちのほうへ回しておけと、こういうふうに推定できるような、そういう内容にあなた方は屈してしまっておるということを言わざるを得ないのであります。そうなってくれば、大資本家に奉仕をし、大企業に奉仕をし、大金融家に奉仕するためには、国民が非常に喜んでいるものを——高い料金を算定して出したことは悪いけれども、たいへん希望しておるものを、そういう面から全部これを排除してしまうということになるのです。現在の電報制度については、先ほどから郵政大臣がいろいろお話しになっているけれども、まだまだ電話を持っていない国民が多いのです。しかも、通信としてはまことに速急にやる。たとえばお祝いだとか、あるいは人が死んだとか、あるいは危篤だというときにおいては、まだ国民がひとしくテレビを自分で持っている力もなければ、電話をかけることもできないのだから——いまでも結婚式などでは慶弔電報がたくさん来る。あるいは選挙などでは、井出郵政大臣も経験があるでしょうが、たくさんリボンのついたのが来れば景気もいい。そういう一つ国民感情の上において欠かすことのできない内容を持っておるものがこういう面において削除されたり、するということは、私は非常に遺憾であると思うが、総裁どう考えておりますか。
  272. 米澤滋

    ○米澤説明員 最初の「業務研究」、私読んでおりませんからちょっとお答えできないのですが、中身はよくわかりません。  それから慶弔電報の問題等に関連いたしましては、電報全体の点につきましては、確かに昔は電報というものはきわめて重要な通信手段でございました。しかし、最近は電話も相当普及してまいりまして、公社発足のときは百四十万しかなかった電話が現在千五百万までいっておりますから、とにかく普及しております。農村のいわゆる集団自動電話あたりも最近はむしろ需要が減るような傾に実はなっております。そういうように電話が非常に普及していったために、あるいはまた加入電話等もできたために、電報の中で、いわゆる「チチキトク」とかいう緊急電報は、公社の統計ですと約三%程度しかない。ですから、そういう電報の状態というものが非常に変わってきた、こういう点はわれわれが電報問題を取り上げるときの重要な要素一つであります。  それからもう一つは、現在の電報の赤字の問題でありますが、経営面で約七百億円くらい赤字になっている。これが来年五百億円ならいいのでありますが、いまのままでありますとこれが六百億円になり、さらには七百億円になる。これは結局どういうことかというと、いろいろ機械化等をやりましたけれども、結局やはり配達等による人件費の増というものは、どうしてもぬぐえない。したがって、この際、いまの電報の中身の変化と、経営上の問題と、両方の点から、公社もいままでいろいろ中断機械化等をやったけれども、他に方法がなくて、やはりこの際抜本的な近代化をやろうということでやった次第でありまして……。
  273. 土橋一吉

    土橋分科員 つまり、ある政党の通信部会に負けたのではないと言うのですか。
  274. 米澤滋

    ○米澤説明員 もっと基本的なことでやったのです。  それからいまの料金問題は、結局は政府の方針に従った、こういうことでございます。
  275. 土橋一吉

    土橋分科員 いろいろ御説明いただいてありがとうございましたが、まだこの点は釈然としていないわけなんですよ。したがって、私は新聞の報道をまともにそれだけ信じているものではないけれども、そういうことは許されないことであって、先ほどから何回も申し上げているように、担当の大臣がいるし、担当の閣僚がいるわけです。そういうものを圧迫するようなある政党の部会と称するものに対して、それではまことに権威のないことじゃないかというふうに私は考えておるので、この点をお尋ねしたのです。  次は、米澤総裁が過日の逓信委員会でも「逓信委員会における事業概況説明」というのでいろいろ説明してくださいまして、非常に感謝をいたしておるのですが、この内容の収支計算上のいろいろな諸問題については経理上間違いないと確信をして出されたかどうか。イエスかノーかでいいです。
  276. 米澤滋

    ○米澤説明員 私のほうの経理局は、そういう点はきわめて歴史、経験を積んでおりますから間違いないと思います。
  277. 土橋一吉

    土橋分科員 それでは私お尋ねしたいのですが、これは私の不勉強の点も若干あるけれども、七ページの「損益勘定内容でございますが、」というところから八ページの上三行目までですが、その内容で、「一方支出は、総額一兆二千二百十九億円で、」というふうに書いてあるわけです。そして、「人件費は三千六百十二億円で」「物件費は一千七百六十三億円で」 「業務委託費は八百八十八億円で」そして「減価償却費は四千百九億円で」 「その地利子等で」と書いてあるのに非常に疑問があるのですが、「二百七十九億円の増加となっております。以上の結果、収支差額は百五十二億円となります。」とあるけれども、百五十二億円になるのかどうか、ここで計算してください。これは百五十二億にならないのだ。そうすれば、どういう計算でそういうことになっておるのか。われわれは経理にうといから、私はこれを読んだときに、目の子で頭で勘定してみたけれども、どうしても一千億くらい足らない。そのために、私は電車の中で何回も計算してみたけれども、どうしても合わない。また帳簿を調べて合わせてみた。ひょっとしたらだれでも考えられるような手落ちがあるかもしれない、それならば問題ないということで予算もきょう調べてみたが、概当しない。その差額は千六百十六億出てきておるわけです。こういうずさんなものを出してきて間違いないということは一体どういうことですか。もう一ぺん説明してください。どういう計算でこういうことになったのですか。間違いないと答えた以上は——内容が、いま申し上げるように、収支の差額は百五十二億と書いてある。これでも間違いないというのかどうか。  正確でないこういうものを出して、それで国会の審議にかけるとすれば、これはきわめて不当であるので、これを訂正するまでは、本分科会を中止するなり、休憩を宣告していただきたいと思うのであります。
  278. 大野市郎

    大野主査 いましばらくお待ちください。  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  279. 大野市郎

    大野主査 速記を始めてください。
  280. 好本巧

    ○好本説明員 お答えいたします。  その説明の中で、人件費は三千六百十二億円であり、前年に比較いたしまして七百五十三億円の増加でありますとか、こういうことを一々言っておりますが、「利子等」というところにおきましては、利子と諸税公課と債券発行差損償却費と予備費、この四項目を「利子等」ということばであらわしまして、その全体の四十六年度の支出額の総額、トータルをそこで述べませんで、四十五年度との比較をいたしまして、その四つの差が、諸税公課で四十五年度予算に比べて二十四億円増加しておる、利子で百九十八億円増加しておる、債券発行差損償却費二十七億円増加しておる、予備費で三十億円増加しておるということで、この四つを足しまして、利子等で、対前年度の伸びは二百七十九億円で、対前年に対して増加しております。こういうふうに述べたわけであります。
  281. 土橋一吉

    土橋分科員 そのもとになるのは何ですか。
  282. 好本巧

    ○好本説明員 そのもとになりますのは、四十六年度予算案で、利子において一千百五十三億円、債券発行差損償却費で三百六十七億円、予備費が百五十億円、諸税公課が百七十億円ということでございまして、先ほど申し上げましたように、「利子等」というこの四項目につきましては、四十六年度の絶対額を省略いたしまして、対前年度予算に比べまして二百七十九億円の増加になっております。こういうふうに説明をしたわけであります。
  283. 土橋一吉

    土橋分科員 主査もお聞きのとおり、ですが、最後に締めくくって「収支差額は」としておるわけだ。私も何回もよく読んでみたが、「利子等で二百七十九億円の増加となっております。以上の結果、収支差額は百五十二億円」ということで、これが要するに、いわば黒字になっております。こういう説明になっておるわけであります。そうすれば、「利子等」の利子の元本であるものは一体どこに記入しておるのか。まずその記入が漏れておるわけです。いまあなたが御説明になって四つばかりあげたものを頭の中で計算しても、一千億に足りないわけです。その説明ではまだ一千億に足らないですよ。いまあなたが説明したものだけでは一千億になりませんよ。そうすれば、一体どういう計算でこういう数字になったのか。しかも総裁は間違いございませんという答弁をしたでしょう。しかも「以上の結果」と書いてあるわけです。そういうことを書かないで、ただ「百五十二億となります。」というならば、そこに逃げるすべもあったでしょうが、ところが、その頭に、「以上の結果、収支差額は」と書いておるのですから逃げられない。間違っておるじゃないか。総裁、どうしますか。
  284. 好本巧

    ○好本説明員 ちょっと補足いたします。  ここに書いてございますように、四十六年度の事業収支計画の中の収入合計が一兆二千三百七十一億円でございます。支出のほうが、結論を先に言いますと、締めまして一兆二千二百十九億円でありまして、その収支差額が百五十二億円でございます。いま問題になりました点は、支出の中の項目の人件費、物件費、業務委託費、減価償却費、この四つは絶対額を述べております。同時に対前年度との比較もあわせて説明しておるわけでございますが、そのほかの残りの「利子等」というのは、先ほど申し上げました四項目で、千八百四十七億円になるわけであります。利子が一千百五十三億円、債券発行差損償却費三百六十七億円、諸税公課百七十七億円、予備費百五十億円で千八百四十七億円になるというのを省略いたしまして、その四項目につきましては、対前年度の伸びが幾ら伸びたかということだけ申しまして、そこを省略したわけでございます。
  285. 土橋一吉

    土橋分科員 なぜそういうことを書かないのか。これだけ計算すれば千六百十六億足りないじゃないですか。なぜ、そういう書くべきことを書かなかったんですか。それでもこの計算は正しいというふうに総裁は説明しておる。書くべきものを書かなかったら間違いじゃないですか。
  286. 好本巧

    ○好本説明員 先ほど申し上げましたように、中身は違ってはおりません。なぜかというと、私、実はここに原本を持っておりますが、これで言いますと、四十五年度は、諸税公課が百五十三億円、利子が九百五十五億円、債券発行差損償却費三百四十億円、予備費が百二十億となっておりまして、それに対しまして四十六年度は、諸税公課で二十四億円の増、利子は百九十八億円の増、債券発行差損償却費で二十七億円の増、予備費は三十億円の増ということで、非常に明確だと思っております。違ってはおりませんけれども、ただその中で、先ほど申し上げた他の問題は、非常にウエートが大きいというようなこともありまして、四十六年度の数字と対前年比較を説明しましたが、いまの四点については、前年度との差額だけを出したわけでございまして、表現としては間違ってはおりません。ただ、説明として親切であったかどうかという点につきましては、確かに御指摘の点があったかもしれません。
  287. 土橋一吉

    土橋分科員 差額だけ出したといっても、前のも全部そういう説明をしておるじゃないですか。なぜそれでは「利子等」というところの基本的な元本について説明しなかったのですか。千六百十六億も計算違いをするのは一体どういうことですか。そういうものを国会に上程しておいて、総裁は間違いございませんというのはどういうわけですか。
  288. 米澤滋

    ○米澤説明員 先ほども申し上げましたように、親切ではなかったかもしれませんが、間違ってはいないということだけは御了解願いたいと思います。
  289. 土橋一吉

    土橋分科員 米澤総裁がそういうことをおっしゃるなら、「以上の結果、収支差額は」と書いておるじゃないですか。親切だとかなんとかいうことじゃないじゃないですか。千六百十六億の金が出てきていないのだからして、親切でなかったということだけの説明では通らないと思うのです。「以上の結果、収支の差額は百五十二億円となります。」と書いてあって、これが黒字になっておるという説明になっておるわけだから、不親切もいいかげんなところであって、わが国会を欺瞞するもはなはだしいといわなければならんじゃないか。国会は、私が言うまでもなく、憲法の規定にもあるように国権の最高機関であります。そこへこういうずさんなものを出してさておいて、不親切な説明でございましたであなたは済むと考えておるのですか、聞きましょう。
  290. 米澤滋

    ○米澤説明員 先ほど経理局長が申し上げましたように、収支差額は、収入が一兆二千三百七十一億円、支出が一兆二千二百十九億円ということでありますから、中身は違っていないということだけは御了解願いたいと思います。
  291. 土橋一吉

    土橋分科員 どうしてそういう答弁をするのですか。あなたは、ここに書いてあるように、要するに収入、支出の説明をして、以上の結果これこれだと述べているじゃないですか。これで間違いないとは説明できないですよ。そんなむちゃな説明したっていけませんよ。計算してみたって足らないのですから——。  委員長、これは私は保留をしておきまして、明確な報告をきちっと求めたいと思うのであります。この事実ははっきりしておるのですから、ここであいまいなそういう説明では許されませんので、千六百十六億の上程しなければならぬものについて、明細なものをわが党のほうへちゃんと報告してもらいたい。また、本分科会のほうへも報告してもらうようにお願いしたいと思います。
  292. 大野市郎

    大野主査 土橋委員に申し上げますが、ただいまの委員の御発言のとおりに、一読して明瞭になるべきものが妥当であろうと思います。その意味におきまして、ただいま総裁から説明のありました点も、中身の部分を詳細に明記させましてお手元へもお届けをいたしますが、実はきょうが当分科会の郵政の最終日でございますので、御協力をいただいて、この点は主査においてお取り計らいをいたしますので御了察をお願いします。
  293. 土橋一吉

    土橋分科員 昨日も郵政大臣に対して、御質問申し上げました内容ですが、特に、小倉郵便局の梅本何がしの次長と、それから立川の中野銀造郵便局長と、それから平の渡辺博夫郵便課長の行動について調査をしていただいて、そうして私が申し上げたように、調査の結果を私のほうへ報告していただきたいのですが、どうですか。
  294. 井出一太郎

    井出国務大臣 いまおっしゃいました点につきましては、調査の上いずれ御回答を申し上げます。
  295. 土橋一吉

    土橋分科員 回答してくださいますね。
  296. 井出一太郎

    井出国務大臣 はい。
  297. 土橋一吉

    土橋分科員 どうもありがとうございました。
  298. 大野市郎

  299. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 私がいないときに、私がお願いした調査の件の報告があったのですが、まず、私がいないときに何で報告されるのですか。まずそのやり方について私は不満があります。私が聞いていないのがはっきりしているのに、何でそういうことをするのですか。それが一つ。  それから、私、これを見ましたが、これは私がおるとき一番最後にあなたがおっしゃったことなんですよ。そうじゃありませんよ、こうですよと言ったでしょう。これは、私がおったとき一番最後に説明されたものです。中央FMの訂正届けはいつ出されたか、それについてのこれは答弁でした。それはもう何回も承りましたと言ったんです。十二月十七日の午後五時ごろ持ってきて、そして八時ごろ本省へ持っていった。それは聞いたんだ。私が言っているのはそれじゃないんです。——太原さんというのはどの人ですか。
  300. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 電波監理局の審議官をいたしております。
  301. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 あなたですか。
  302. 野田誠二郎

    ○野田政府委員 この席におりません。
  303. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 困りましたね。私がおらぬときにものを言っておって、私が来たらおらぬというのは。それじゃ、これと違うということだけ……。
  304. 大野市郎

    大野主査 楢崎分科員主査から申し上げますが、実は、急いで原因を調べに参られまして、そして帰ってこられたら、御質問が終わられて退室されたので、その次の質問者の終了した直後に間に入れていただいて、速記録に正確な報告をまず載せなければならないというので、載せるように主査と話しまして、それが内容でございます。そこで、最後の部分に、翌日職員以外の者が書類を持ち去ったという御質問があったので、その問題に対してその事実がないという事柄が発言の中にございますのです。いま実情はそのとおりでありますから、どうか……。
  305. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 説明を追加された手続については了承しました。それで、私が聞いているのは、十七日午後五時ごろ局に届けられて、それが午後八時ごろに今度は本省に届けられて、その十八日にどこか持っていかれた、と私は言っているんじゃないのですよ。私が言っているのは、もう一ぺん言いますと、十八日から十九日にかけて一日で審査ができるような内容じゃないということを私はまず申し上げたのですよ。審査するには相当の量がありますからね。ところが、何と答えられたかというと、いや、前に中央FMのものが出ておったから、だから調べました、とおっしゃったのです。で、その調べるについては何日間を要しますかと言うと、普通一日ないし二日を要するとおっしゃった。それで前に、その郵政省にあった中央FMの申請書の中で、はっきり言うと、ステレオに変える部分が追加されないとだめだから、その部分の書類は、十二月の十二日の午後五時ごろの郵政省の課長補佐に届けて、翌十三日午前十一時ごろには東海大学に持っていかれたはずだ、その調べられたという書類は、ですよ。だから、調べるとしたら、二時間ぐらいしかなかったはずだというのです。前もって調べたとおっしゃるから。だから、前もっても調べていないということを私は立証するために、その書類は、たったの十二月十二日の午後五時から十三日の午前十一時までしがなかった、と私が言っているのだから、その事実を調べてくださいと言っているのです。十七日のではありません。したがって、もしお答えがないなら重ねて保留いたしたいと思います。そういうことです。
  306. 大野市郎

    大野主査 速記をとめて。     〔速記中止〕
  307. 大野市郎

    大野主査 速記を始めて。  電波監理局太原審議官。
  308. 太原幹夫

    ○太原説明員 先ほども申し上げましたが、訂正届けは十七日の午後五時ごろ、関東電波監理局に提出されまして、その書類は関東電波監理局から同日の午後八時ごろ本省に送付されております。そして、本省でそれを受領いたしまして、その後におきまして、郵政職員以外の他の人に対して書類を渡したとか、あるいは郵政職員以外の者にその書類を持ち去られたという事実はございません。
  309. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それがさつき私がいないときにおっしゃったことなんです。私がお伺いして、調べてくださいといって保留したのはそれじゃないのです。さっきその理由を言っておきましたから、ひとつ局長なり大臣からお聞きになって——また言いますか、ここで。
  310. 大野市郎

    大野主査 速記をとめて。     〔速記中止〕
  311. 大野市郎

    大野主査 速記を始めて。
  312. 太原幹夫

    ○太原説明員 楢崎委員から先ほど言われました点は、十二月十二日の提出といいますか、持参された書類のことだと思うのでございますが、これは免許を与えました中央FM放送音楽株式会社の訂正届け、したがってFM東京に対して予備免許を与えた書類とは別個の書類でございます。
  313. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そうしたら、先ほどの電波監理局長の御答弁がおかしくなるのですよ。電波監理局長の御答弁では、十八日から十九日の朝にかけて審査をするいとうことはできないではないか、そんな簡単なものではないと言ったら、それは前もって調査をしております、審理しておりますとおっしゃった。前もってというのは、前もって出されておった中央FMの申請書についてだと思うのです。それで、審理にはどのくらい要しますと言ったら、一日か二日かかりますと言う。私はまだかかると思うけれども、まあそれを承ったとしまして——そうすると、中央FMの審理に要する重要な部分が実は一日間も二日間もなかった。私はそれを言っておるのですよ。だから、中央FMの、その十二日に持っていった書類はFM東京の書類と違うならば、FM東京については審理が行なわれていないということになるのでしょう、結論は。
  314. 太原幹夫

    ○太原説明員 中央FM音楽放送の申請書は、先ほど私が申しましたように、四十三年の三月に申請書類が提出されております。その後正式に郵政省は、書類を受け付けて以来、その正規に提出されました申請書につきましては、それを部外者に役所以外へ持ち出されたという事実はございません。
  315. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 では、ステレオ関係の重要な部分について十二月十二日に受け取られたという事実はないとおっしゃるのですか。
  316. 太原幹夫

    ○太原説明員 当初十二月十三日に電波監理審議会に諮問する予定でございまして、十二月の十二日に訂正届けの案が出たことがございます。その書類の件だと思いますけれども、それは正規に訂正書類として提出されたものでありませんし、郵政省が正規に受理したものではございません。
  317. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 そんなことを言われるとますますおかしくなるのです。では、それはどこにありますか。その、いまの中央から十二日に出されたものはどこにありますか。郵政省に保管してありますか。
  318. 太原幹夫

    ○太原説明員 それは正式に受理してございません。
  319. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それは突っ返されたわけですか、十二日に持ってきたときに。
  320. 太原幹夫

    ○太原説明員 それは十二日に中央FM放送株式会社の人が書類を持ってこられまして、それを郵政省において預った事実はございます。
  321. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 いつまで預かられましたか。
  322. 太原幹夫

    ○太原説明員 その日時は明確でございませんが、翌日か翌々日に中央FM音楽放送の関係者に返しております。
  323. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 非常に不明確ですから、その点は明確に調べてください。中央FMにとっては重要な書類だと思うのですね。中央FMのだれかに、あくる日か、そのあくる日に返したというようなあいまいなことでは困るのです。非常な問題のポイントの一つですから、明確にしてください。  それともう一つは、さっき、これまた私は御調査をお願いして保留にしておる分ですが、発起人の訂正申請者の身分証明書、戸籍抄本、住民票の写し、全員についてそろっておりましたか。それも保留しておきます。御調査いただきたい。
  324. 太原幹夫

    ○太原説明員 その点はまだ調査は終了しておりません。
  325. 楢崎弥之助

    ○楢崎分科員 それで主査にお願いしたいのですが、もう一度同じことを言わなくちゃなりませんが、以上二点について少なくとも明確でありません。それで、その点は保留しておきますから、報告書の中で明確にしておいていただきたいと思います。
  326. 大野市郎

    大野主査 速記をとめて。     〔速記中止〕
  327. 大野市郎

    大野主査 それでは速記を始めて。  次回は、明二十日午前十時より開会し、運輸省所管及び郵政省所管について審査を行ないます。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会